企業や事業をしている人にとって、自社のWebサイトや問い合わせ用のメールアドレスを作成することは欠かせないことです。
そして、こうした取り組みを効果的に進めていくためには、ドメインを取得するのがおすすめです。
しかし、ドメインを取得するには具体的にどのような方法があるのか、またドメインの種類を知らない方もいるかもしれません。
そこで、本記事ではドメイン取得に関するサービス「ドメイン取得サービス」について解説します。
マーケティング戦略の一環としてWebサイトを開設しようと思っている方や、問い合わせ用のメールアドレスを作成しようとしている企業担当者は、ぜひ本記事を参考にしてください。
ドメイン取得サービスとは
ドメイン取得サービスとは、自社のドメインを取得できるサービスです。
ドメインとはネット上の住所を指し、WebサイトにアクセスするためのURLやメールアドレスに使用されます。
また、ドメインは複数の企業や団体がが全く同じものを取得・利用することはできません。
ドメイン取得サービスには有料でドメインを取得できるサービスと、無料で取得できるサービスがあります。
有料のサービスの場合、ドメイン取得サービスを通じてドメインを取得し利用料を払い、永続的にドメインの使用が認められます。
無料のサービスの場合、ドメイン取得サービスを通じてドメインを無料で取得できますが、人気のあるドメインは取得が難しい可能性があるので注意して下さい。
ドメインを利用するにはサーバーの契約が必要です。
基本的にドメイン取得サービスを提供している会社では、サーバー契約も同時に行うことができます。
ここからはドメインの種類について解説します。
独自ドメイン・共有ドメイン・中古ドメインとは
ドメインには以下の3種類があります。
- 独自ドメイン
- 共有ドメイン
- 中古ドメイン
詳しく解説します。
独自ドメイン
独自ドメインとは、取得者のみが使用できるドメインです。
好きな文字列や会社名・商品名でドメインを作成し、サイトを運営できます。
サイトの上位表示を狙う場合、共有ドメインより独自ドメインの方がおすすめです。
共有ドメイン
共有ドメインとは、複数のユーザーと共有しているドメインです。
ブログサービスなどが共有ドメインを使用しています。
共有ドメインには、サービスが終了してしまうとサイトを利用できなくなるリスクがあります。
サイト運営をお考えの場合、独自ドメインがおすすめです。
中古ドメイン
中古ドメインとは、名前の通り過去に誰かが使用していたドメインを指します。
中古ドメインは、過去の被リンク情報を引き継いでいるのでSEO効果が期待できるメリットがあります。
しかし取得するのに数十万以上必要な場合があり、取得したからといって上位表示が確定ではありません。
ですのでSEO対策を中古ドメインだけに頼るのはおすすめしません。
3つのドメインの比較一覧表
独自ドメイン・共有ドメイン・中古ドメインの違いを比較一覧表にしました。
ドメインの種類 | 価格 | SEO効果 | サイト運営に向いている |
独自ドメイン | 無料or有料 | 有り | 〇 |
共有ドメイン | ほとんどが無料 | 期待できない | △ |
中古ドメイン | ドメインパワーが強い場合高い | ドメインパワーが強い場合高い | 〇 |
初心者の方は独自ドメインでサイト運営を始めてみましょう。
独自ドメインを取得するメリット
一般的に、個人事業主や法人がWebサイトの運営を行う場合、また法人が自社のメールアドレスを作成する場合は、独自ドメインを取得するのが推奨されています。
その背景には、下記のようなメリットがあります。
- サイトやメールアドレスの信頼性がアップ
- 他者にドメイン名を占拠されることがない
- メールアドレスとサイトとで一貫性を保てる
- ユーザーから覚えてもらいやすい
- 長期間同じメールアドレスやURLを使い続けられる
- WebサイトのSEO対策につながる
サイトやメールアドレスの信頼性がアップ
独自ドメインを取得すると、企業や個人事業主の連絡先や登録名義がインターネット上に公開されることになります。
そのため、独自ドメインを取得することが信頼性の証明につながると言えます。
また、最近では有名企業であると偽った迷惑メールや詐欺メールが増えていますが、企業独自のドメインで作成したメールアドレスをきちんと公開しておくことで、こうしたメールにユーザーが引っ掛かりにくくなるメリットも期待できます。
その結果、本当にその企業から送られてきたメールを受け取り拒否されることなく、ユーザーにメールを読んでもらいやすくなるかもしれません。
ユーザーから信頼を得て、企業としての売上をアップさせたい場合には、独自ドメインの取得がおすすめです。
他者にドメイン名を占拠されることがない
ドメイン名の取得は、実は早い者勝ちのルールになっていることをご存知でしょうか。
たとえ自社の名前を冠したドメイン名であっても、関係ない他者が先に登録している場合には、後から登録を行うのが困難になってしまいます。
こうした事態をそのままにしておくと、自社の名前がつけられたドメイン名が転売されてしまったり、まったく自社と関係ない商売をそのドメイン名で始められてしまい風評被害を被ったりといったおそれがあるのです。
そのため、なるべく早く自社の独自ドメイン名を取得する必要があります。
あらかじめ自社の名前をつけたドメイン名を取得しておけば、他者によってドメイン名を占拠されるリスクも低下します。
メールアドレスとサイトとで一貫性を保てる
自社独自のドメイン名を取得しておくと、問い合わせ用のメールアドレスや公式ホームページのURLに使用できます。
そのため、メールアドレスとWebサイトのURLとで一貫性を保つことができて、ユーザーからの信頼性も高まる可能性があります。
ユーザーから覚えてもらいやすい
メールアドレスとWebサイトのURLとで一貫性を保つことによって、ユーザーがこれらの情報を覚えやすいというメリットも期待できます。
こうした情報をより多くの人に覚えてもらえることで、問い合わせやWebサイトへのアクセスの増加といった効果もあるかもしれません。
その結果、企業全体の売上が増加したり、認知度がアップしたりする可能性も高いです。
長期間同じメールアドレスやURLを使い続けられる
Webサイトの運営サービスやレンタルサーバーを利用している場合、これらのサービスが終了したり解約したりすると、自社サイトのURLやメールアドレスを使い続けられなくなります。
自社サイトのURLやメールアドレスが変わってしまうと、ユーザーが混乱してしまい、問い合わせが減ったり不信感を抱かせてしまったりというおそれがあります。
しかし、独自ドメインを取得しておけば、こうした事態でも同じメールアドレスやURLを使い続けられます。
長期間、公式ホームページやメールアドレスを使っていきたい場合は、独自ドメインの取得がおすすめです。
WebサイトのSEO対策につながる
独自ドメインを取得すると、自社のWebサイトのSEO対策につながるメリットを期待できます。
SEO対策とは、GoogleやYahoo!といった検索エンジンにおいて、検索結果の上位に自社サイトが表示されるように行う対策のことです。
同一のドメイン名(サイトURL)を使い続けると、検索エンジンにおける評価が上がって、検索結果の上位に表示される可能性があります。
一方で、ドメイン名(サイトURL)が途中で変わってしまうと、それまで蓄積してきた検索エンジンの評価内容がリセットされてしまい、検索結果の上位に表示されなくなってしまうのです。
最近ではWebサイトを通じて企業の商品を知るユーザーが増えていることからも、マーケティング戦略の一環として独自ドメインを取得するのが良さそうです。
ドメイン取得サービスを選ぶ際の注意点
ドメイン取得サービスを選ぶ際の注意点をいくつかピックアップしました。
- 希望するトップドメインの提供があるか
- 同時にサーバー契約が可能か
- Whois情報の公開代行サービスがあるか
- サポート体制が充実しているか
- ドメイン取得費用と更新費用はいくらか
- 倒産リスクがないか
さまざまなドメイン取得サービスがあるので、選び方のポイントを知っておくと安心です。
詳しく解説します。
希望するトップドメインの提供があるか
ドメイン取得サービスを選ぶ際は、希望するトップドメインの提供があるか確認しましょう。
トップドメインとは、「.com」や「.co.jp」「.jp」など後半部分の文字列のことを指します。
ほとんどのサービスで以下のトップドメインが提供されています。
- .com
- .net
- .org
- .info
- .biz
トップドメインの提供数が多いサービスを選ぶと、希望のドメインを使える可能性が上がるのでおすすめです。
同時にサーバー契約が可能か
ドメイン取得サービスをを選ぶ際は、同時にサーバー契約が可能か確認しましょう。
ドメインは契約しただけでは意味がありません。
サーバーを契約して、サーバー上に乗せることで初めて利用できます。
ドメインとサーバーを別のサービスで契約すると、それぞれのサービスで手続きが必要になるので手間がかかります。
ですので、なるべく同じ会社で契約するのがおすすめです。
同時にサーバーを契約するとドメイン取得費用が無料になるケースがあります。
費用を抑えたい場合とても有効なので、検討してみてはいかがでしょうか。
Whois情報の公開代行
ドメイン取得サービスを選ぶ際は、Whois情報の公開代行があるところを選びましょう。
ドメインを取得すると、トラブル防止のため以下のドメイン契約者情報をデータベースに登録しなければいけません。
- 名前
- 住所
- 電話番号
- メールアドレス
このデータベースは特別なパスワードを知らなくても誰でも見れるため、登録すると多くの人に個人情報が公開されてしまいます。
Whois情報の公開代行サービスがあれば、ドメイン管理会社の情報を登録してくれるので自身の個人情報を登録する必要がなくなります。
ですのでWhois情報の公開代行サービスがあれば安心です。
サポート体制が充実しているか
ドメイン取得サービスを選ぶ際は、サポート体制が充実しているか確認しましょう。
サイト上にマニュアルが載っていることはよくありますが、それだけでは解決しないことがあります。
その際電話やメール、チャットなどのサポートがあれば安心です。
事前に確認しておきましょう。
ドメイン取得費用と更新費用はいくらか
ドメイン取得サービスを選ぶ際は、取得費用と更新費用がいくらか確認しましょう。
ドメインにはドメインを取得する際の取得費用と、ドメインを使用し続けるための更新費用が必要です。
取得費用は取得した際にのみかかり、更新費用は2年目以降毎年必要になります。
ここで以下の表をご覧ください。
サービス名 | ドメイン取得費用(1年目のみ必要) | 1年ごとの更新費用(2年目以降必要) | 5年後の総費用 |
サービスA | 100円 | 2,000円 | 8,100円 |
サービスB | 1,000円 | 1,500円 | 7,000円 |
更新せず1年のみ使用、もしくは1回更新し2年まで使用する場合はサービスAの方がお得です。
しかし長くサイトを運営していく場合は、サービスBの方がお得になります。
ですので、ドメイン取得サービスを選ぶ際は、取得費用だけでなく更新費用の確認も大切です。
ドメインの取得費用と更新費用はドメインごとに異なるので注意してください。
倒産リスクはないか
ドメイン取得サービスを選ぶ際は、サービス提供企業に倒産リスクがないか注意しましょう。
サービス提供企業が倒産した場合、取得したドメインが使えなくなる可能性があります。
なるべく名前が知れ渡っているサービス提供会社の利用をおすすめします。
ドメイン取得サービスを比較!
ここからは新規ドメイン取得サービスについて比較します。
サービス名 | ドメインの取得価格 |
Xサーバードメイン | ドメインによる |
お名前.com | ドメインによる |
ムームードメイン | ドメインによる |
バリュードメイン | ドメインによる |
スタードメイン | ドメインによる |
ドメインの取得価格はサービスによる違いはあまりなく、取得ドメインによって変わります。
Xサーバードメイン
Xサーバードメインは、昨今かなり人気が出てきているドメイン取得サービスです。
人気ドメインの初回登録費用が安いのが特徴であり、運営元が同じエックスサーバーでドメイン取得時にサーバーも契約すると、ドメインを無料で使用できるキャンペーンを定期的に開催しています。
ユーザー視点のサイト構造になっており、ドメイン取得まで非常にスムーズに進めます。
また国内シェアNo1を記録していますが、これはXサーバーと簡単に連携できることが大きいでしょう。
サーバーとドメインを別々の業者で契約すると、連携が複雑になる可能性があります。
Xサーバーであればドメインとサーバーの契約が同じ系列なので、簡単な手順で初心者でも直ぐに連携できます。
※ただ、現在はXサーバー以外のサービスもXサーバー同様にサーバー契約できるものが増えてきました。
ドメイン運用に必要なDNS設定やWhois代理公開機能など、役立つ機能がたくさん盛り込まれており全ての情報を代理公開してくれます。
サポートも充実しているため、利用しやすいサービスです。
お名前.com
お名前.comは、東証一部上場のGMOインターネット株式会社が運営している国内シェア率1位のドメイン取得サービスです。
メジャーなものからマイナーなものまで、580種類以上のドメインを取り扱っています。
ドメインの価格は安く提供することができるように毎日更新しており、期間限定による割引価格での提供も行っています。
24時間365日のサポート体制が整っているので安心です。
ドメインの必要機能が充実しており、を獲得しています。
取得したドメインは、サイトのサーバーを利用して連携させることもでき、メールの受取機能も任せられます。
他社で取得したドメインもお名前.comに引っ越しさせて一元管理が可能。
更新時期が近付けば、手続きを行うようにメールで連絡してくれます。
ムームードメイン
ムームードメインは、GMOペパボ株式会社が運営するドメイン取得サービスです。
提供しているドメイン数は400以上あり、同じ運営元のロリポップでサーバー契約すると無料でドメインを取得できます。
無料で取得できるドメインも全45種類の中から選択することができ、更新費用を無料のままで利用できます。
取得したドメインでメールアドレスを作成することも可能。
無制限で利用できるので、個人利用だけでなくてビジネスにもぴったりです。
ビジネスで利用する際はムームードメインAPIを利用すると、自社サービスでWebドメイン新規取得から更新まで完結できます。
ムームードメインではサイト運営に役立つ超高速のレンタルサーバーやオンラインショップ作成のサイト、クラウドホスティングなどを紹介しています。
サポートはチャットのみです。
バリュードメイン
バリュードメインはGMOデジロック株式会社が運営するドメイン取得サービスです。
先述したお名前.comの運営会社GMOインターネットの関連会社になります。
以下の実績があるので信頼できます。
- 取り扱いドメイン数が570種類以上
- 取引実績600万件以上を記録
- 運営年数が20年以上
ドメイン取得費用無料のキャンペーンを行っており、サーバー契約も永久無料です。
ユーザーファーストの精神を重視しているため、各種ドメイン関連設定の自動化や簡易化、サービスの拡充と改善などユーザーがスムーズな連携や利用を行えるように運営しています。
ドメイン価格も購入しやすいように安い料金設定を心がけており、15個以上のドメインを管理しいるユーザーには、お得意様割引によりさらに安い価格を提供してくれます。
初心者の方のためにWebサイト開設の代行や、サポートするオプションサービスがあるので安心です。
目的に応じてサーバーも選択できます。
スタードメイン
スタードメインはエックスサーバーの関連会社であるネットオウルが運営しているドメイン取得サービスです。
国内でドメインを最安値で提供できるように取り計らっています。
スタードメインはドメインを取得すると無料でサーバーを利用できるので、ブログやサイト運営を行う際費用を節約できます。
容量は20GBほどですがハイスペックなので高速で運営することができ、無料の独自SSLも利用可能です。
ワードプレスも利用できるサーバーなので、自分の用途に合わせて使用できます。
取得も移管も格安料金となっており、年額50円から利用できます。
問い合わせ方法がメールしかないので注意が必要です。
無料で使用できるサーバーを考慮するなら、サイト作成の際に利用を検討してみてください。
まとめ:ドメイン取得サービスを利用して、WEBサービスを展開!
WEBサービスを行うのに、ドメイン取得は今や必須と言えるでしょう。
ドメイン取得サービスはたくさんありますが、内容を確認して自分に合うものを選択することが大事です。
取得の際、自分なりの優先順位をつけて決めるようにしましょう。