年末調整システムを導入して、時間と労力を削減したい。
でも、どのシステムが自社に合っているかわからない。
そんな悩みはありませんか。
本記事では、年末調整システム利用のメリットから、選ぶポイント、おすすめの年末調整システムを詳しく紹介します。
年末調整システムとは
企業は従業員の給料から毎月税金を差し引いて納めていますが、年間で見ると過不足があることもあります。
これを正確に調整するのが年末調整です。
しかし年末調整は入力する内容が多かったり、項目が分かりづらかったりと紙媒体で行うのは大変です。
そのため、近年ではシステム上で完結するものや、そもそも従業員が自分で情報を入力できるものも増え担当者の負担を減らすことができます。
年末調整システム利用のメリット
年末調整システム利用のメリットは以下です。
・年末調整の工数を削減
・従業員の入力完了と未完了が一目瞭然
順番に説明していきましょう。
年末調整の工数を削減
なんといっても、年末調整システムの強みは「工数が削減できる」ことでしょう。
今までは紙で行っていた必要情報の記載が、システム上で完結することです。
また、年末調整に必要となる従業員の情報入力もアプリから従業員自身が入力できるものが多数登場しました。
これにより、さらに担当者の負担軽減につながります。
従業員の入力完了と未完了が一目瞭然
従業員が自分の情報をアプリから入力できたとしても、それをどのように把握するか気になりますね。
年末調整システムの多くでは、管理者が従業員の書類の提出完了・未完了を一覧で確認することができます。
未完了の人に再度入力のお願いをするメッセージを送る機能があるシステムもあるため、大変便利です。
わざわざ部署を訪ねて依頼する手間も省くことができます。
年末調整システムのデメリット
年末調整システムを利用する際はデメリットもあります。
どのようなデメリットがあるのか知っておくなら、マイナス面を抑えることができるでしょう。
年末調整システムを利用する際のデメリットは以下のようになります。
・ソフト導入によるコストの発生
・電子化することについて従業員に覚えてもらう必要がある
・紙との併用になる場合もある
ソフト導入によるコストの発生
年末調整システムを導入するならコストの発生を確認して経営に支障が生じないのかチェックする必要があります。
年末調整システムの導入によって経費負担が大きくなるようなら、効率化が行えるようになっても経営が苦しくなる場合もあり、事業自体の存続も厳しくなることがあるでしょう。
年末調整システムによる費用は機能面やサポートなどによって各業者によって違います。
オプションなどを備え付けるなら、さらに費用負担が大きくなることもあるため、慎重に検討する必要があります。
自社に応じてプランをカスタマイズできるような仕組みを取っている業者も多いため、不要なものは取り除いておくことで、コスト負担を軽減させることも可能です。
年末調整システムの費用面を検討して効率化を行えるようにしましょう。
電子化することについて従業員に覚えてもらう必要がある
年末調整システムによる電子化を行うなら、従業員に覚えてもらう必要性も生じます。
年末調整システムの機能面や操作方法、フローの落とし込みなど、作業方法が一新されるため、従業員の負担が大きくなることが予想されます。
いきなり導入して、直ぐに操作をスムーズに行ってもらうようにするのは難しいため、ある程度の期間を計画して、やり方を覚えてもらうようにする必要があります。
年末調整システムによる導入を事前に知らせておき、マニュアル作成などを行って事前に操作などについて理解してもらえるようにするなら、スムーズな移行に繋げやすくなります。
直前の周知の場合は混乱が生じてしまい、業務にも支障が生じる場合もあるため、導入期間までは余裕を持たせておくことも大事です。
ただ、電子的な扱いに慣れていない従業員にとっては事前に期間を設けて周知させていても、上手く扱えないこともあるため注意しておきましょう。
紙との併用になる場合もある
年末調整システムを導入したとしても紙との併用になる場合もあります。
年末調整システムを導入しても、例えばWeb申請に必要な従業員用端末を十分に準備できない、または従業員のITスキルが低いとなると、紙と併用になる可能性も十分ありえます。
しかし、紙との併用だと業務が2つに分かれてしまうことになり、業務の効率化という点を改善できません。
電子化によってメリットを得るためには、紙での作業負担を軽減するためなので、併用になれば電子化は効率という点でも意味がありません。
そのため、年末調整システムを導入する際は完全に電子化に移行することができるのか確認するようにしましょう。
年末調整システムの手順
年末調整システムを導入するときは、手順を確認しておきましょう。
年末調整システムの手順を確認しておくなら、スムーズに導入することができます。
年末調整システムの導入では以下の内容を確認しておきましょう。
電子化の実施
年末調整システムを実施する際は、まずどのソフトを使用するのか選択する必要があります。
提供している業者によってコストや機能面などに違いが生じるため、自社に合ったものがどれなのか慎重に判断する必要があるでしょう。
内容に相違がないように詳細な点まで詳しく質問しておき、内容を理解するようにしましょう。
従業員への説明
年末調整システムを導入することになれば、従業員へ説明する必要も生じます。
上記でも紹介しましたが、直前のタイミングで導入を周知させるなら、混乱を招くことになります。
そのため、導入を決定したなら、そのタイミングで周知するようにしておき、導入するまでの期間を設けておくことが大事です。
また年末調整システムを導入するときは、申請に使用するソフトや手続き手順についても説明する必要があります。
資料やオンライン会議ツールなどを活用して説明するなど、工夫することでより伝わりやすくもなるため、従業員にしっかり理解してもらうように努めましょう。
給与システムの改修と提出
年末調整システムを電子化する際は、既存で使用している給与システムなどに、申告データや証明書データを入れておかなくてはいけないケースもあります。
この場合はシステムの改修が必要になるため、事前に対処しておくようにしましょう。
年末調整システムを導入することができれば、データを確認して修正や変更などを行うようにしましょう。
使用して問題があるなら改善する必要がありますが、スムーズに行えるならオンライン上で国税庁にデータを提出できます。
このような手順を確認して、スムーズに利用できるようにしましょう。
年末調整システムを選ぶポイント
年末調整システムを選ぶときは、以下のポイントをあらかじめ確認しておきましょう。
・年末調整機能以外に必要な機能があるか
・利用料金の体系
それぞれのポイントを解説します。
年末調整機能以外に必要な機能があるか
年末調整システムは、年末調整機能のみを充実させたシステムと関係する人事や労務管理に関わる機能とまとめたシステムの2種類があります。
既に給与計算や人事管理は別のシステムで満足しているから、変更したくないという場合は年末調整システムのみのものがおすすめです。
まとめて1つのシステムで完結させたい場合などは、複数の機能を持つものを選ぶとよいでしょう。
利用料金の体系
料金体系についても、確認は欠かせません。
特に人事や労務から年末調整までを一度に行えるシステムは利用人数ごとに見積もりとなるケースが多いです。
複数のサービスで問い合せを行い、料金の比較はもちろんのこと、使用できる機能も確認しておきましょう。
また利用する人数によって〇人までは固定料金いくら、といったタイプもあります。
中小企業では、従業員1人あたり月額で利用できるものがあり無駄がなく、おすすめです。
おすすめ年末調整システム5選を徹底比較
ここでは、おすすめの年末調整システムを比較していきます。
年末調整システム名 | 特長 | 費用 | 運営会社 |
マネーフォワード クラウド年末調整 | 担当者が使いやすいシステム 初期費用なし 新規登録により1か月無料で使用できる |
年額支払いにすると月あたりの料金は割引 小規模事業者向け:月額 3,980円 中小企業向け:月額5,980円 中堅~上場企業向け:要問合せ |
株式会社マネーフォワード |
SmartHR | わかりやすい、使いやすいにこだわったシステム サポートも充実していて安心 40以上の外部サービスと連携可能 |
要問合せ | 株式会社SmartHR |
freee人事労務 | 年末調整以外にも勤怠管理や給与計算が1つで解決 年末調整にかかる時間が1/5になったというデータもある 簡単3ステップで年末調整が完了 |
スタンダード:800円/1名あたり スターター:600円/1名あたり アドバンス:1,100円/1名あたり |
freee株式会社 |
ジョブカン労務HR | 有料ユーザー数は250万人以上で導入実績も150,000社以上 メール、チャット、電話でのサポートがあり安心 30日間の無料トライアル期間がある |
中小企業向け:月額400円/ユーザー1人あたり 従業員数500人以上の大規模の企業は要問合せ |
株式会社 DONUTS |
オフィスステーション年末調整 | 年末調整に特化したシステム トライアル版を30日間無料で試すことができる 高いセキュリティで他のシステムと連携しても安心 |
登録料:110,000円(従業員数5,000人まで) 年額1人あたり:550円(従業員数5,001人から) 要問合せ |
株式会社エフアンドエム |
マネーフォワード クラウド年末調整
・担当者が使いやすいシステム
・初期費用なし
・新規登録により1か月無料で使用できる
マネーフォワード クラウド年末調整は、株式会社マネーフォワードが提供する年末調整システムです。
操作画面が使いやすいと評判で、担当者の負担を減らすことができるでしょう。
使いやすさの理由は、従業員に入力を依頼するのも回収するのもWeb上で完結するためです。
もちろん、入力内容に不備やミスがあった場合にも、再度Web上から依頼できます。
年末調整の書類が完了した人や、まだ済んでいない人などを簡単に把握できることなどが担当者の工数削減に役立つでしょう。
また、マネーフォワード クラウド年末調整は初期費用なしで利用することが可能です。
クラウドで管理するシステムなので、最初にソフトをインストールする必要もありません。
他にも、新規登録することで1か月分の使用料が無料になるという嬉しい特典もあります(2023年4月7日現在)
SmartHR
・わかりやすい、使いやすいにこだわったシステム
・サポートも充実していて安心
・40以上の外部サービスと連携可能
SmartHRは、株式会社SmartHRが提供する年末調整システムです。
特長は、わかりやすさと使いやすさにこだわったシステムでしょう。
個人で行う場合も煩雑で難しいのが、年末調整です。
様々な状況の社員の年末調整を行う担当者は大変です。
1つひとつの不明点に長い時間をかけることは避けたいですね。
そんなときに、SmartHRではちょっとした疑問点もすぐに解決できるチャットやオンラインの相談が便利です。
質問してから約15分で初回の回答が得られるという、担当者には心強いサポートです。
相談への対応は満足度96.7%と明快な回答が得られるのも安心です(2021年11月現在)
もちろん、従業員への年末調整必要事項の入力以来から回答の回収まで一目でわかり、使いやすいシステムとなっています。
他にも40以上の外部サービスと連携させることが可能で、SmartHRに登録してある情報をもとに給与計算ソフトや勤怠管理・人事評価・福利厚生・社内SNSなどにも利用できます。
freee人事労務
・年末調整以外にも勤怠管理や給与計算が1つで解決
・年末調整にかかる時間が1/5になったというデータもある
・簡単3ステップで年末調整が完了
freee人事労務は、freee株式会社が提供する年末調整システムです。
特長は、年末調整以外にも勤怠管理や給与計算が1つで管理できることでしょう。
年末調整に関わるソフトを導入し、外部と連携させながら利用するのもよいですがfreee人事労務では、必要なその他の人事や労務の仕事が1つにまとまっているので、これだけで解決します。
煩雑なシステム間のデータのやり取りも行う必要はありません。
様々な機能を持ち合わせているfreee人事労務の中で、完結する便利さが魅力でしょう。
必要な機能に応じてプランを選ぶことで、無駄なコストを削減することができます。
また、従業員がスマホから回答し、管理者が確認して、電子申告するという3ステップで年末調整が終了する手軽さも好評です。
ジョブカン労務HR
・有料ユーザー数は250万人以上で導入実績も150,000社以上
・メール、チャット、電話でのサポートがあり安心
・30日間の無料トライアル期間がある
ジョブカン労務HRは、株式会社 DONUTSが提供する年末調整システムです。
有料ユーザー数は250万人以上で、導入実績も150,000社以上とのことで年末調整が行えるシステムの中でも多くのユーザーが利用していることがわかります。
ジョブカン労務HRは、労務担当者300人の声を生かして機能を作ったことです。
実際の労務担当者の「こんな機能があったらもっと便利になる」を詰め込んだシステムです。
もちろん、わからないことが発生した時のためのサポート体制も万全で嬉しいですね。
メール、チャット、電話でのサポートがあり安心して利用できます。
また、料金も公式サイトにわかりやすい記載があるため利用しやすいでしょう。
そんなジョブカン労務HRは、30日間の無料トライアル期間があります。
人気の年末調整システムを、まずは30日間無料で試してみるのはいかがでしょうか。
オフィスステーション年末調整
・年末調整に特化したシステム
・トライアル版が30日間無料で試すことができる(2020年度版)
・高いセキュリティで他のシステムと連携しても安心
オフィスステーション年末調整は、freee株式会社が提供する年末調整システムです。
年末調整に特化したシステムなので、既存の人事や労務管理システムを利用している企業におすすめです。
年末調整申告書のデータは、給与ソフトと連携して税務署へ電子申請できます。
様々なシステムと連携できるので、便利です。
もしAPI連携できていない場合でも、CSVによる連携が可能です。
サポートデスクも「必ずつながるサポートデスク」というものがあり、電話で待たされることもありません。
システムを利用するうえで、サポートの対応はとても大切です。
トラブルや不明点を早く解決できることを第一に考えたサポート体制といえるでしょう。
まとめ:年末調整システムを利用して処理を簡潔に!
本記事では、年末調整システム利用のメリットから、選ぶポイント、おすすめの年末調整システムを詳しく紹介しました。
年末調整システムのみのものから、人事や労務管理と年末調整機能が一緒になったものなど種類があります。
記事を参考に自社に合った年末調整システムを探してみてはいかがでしょうか。