起業をするも、できれば主要都市にオフィスを構えたいが費用はそんなにかけることができないとお困りではないでしょうか。
最近テレワークの普及に伴ない、施設数が増加傾向のコワーキングスペースであれば費用をかけずに主要都市で仕事ができたり、コワーキングスペースの住所や電話番号を借りることでスタートアップ企業でも取引する際に信用を得ることもできます。
今回は、おすすめのコワーキングスペースについて比較していきます。
1拠点のみ利用をしたり、全国に出張する機会が多く出張先での外勤が終了した後に会社への報告などの業務のためにコワーキングスペースを利用することもできます。
コワーキングスペースの選び方のポイントも解説していきますので、最後までお付き合いください。
※この記事では比較的全国各地にコワーキングスペースを展開しているサービスのみを取り上げています。
コワーキングスペースとは
そもそもコワーキングスペースとは、どのようなものを指すのでしょうか。
コワーキングスペースとは、会員登録すれば好きな時、好きな時間に利用し、作業をすることができます。
※会員登録せずとも、ドロップインと呼ばれる単発利用がOKなスペースもあります。
コワーキングスペースには簡単な仕切りがあるのは見かけますが、完全な仕切りはないため、1つの空間をみんなで利用する形になり、ざっくり言うと、カフェで作業をしている雰囲気に近いです。
よくレンタルオフィスと混同されますが、レンタルオフィスの場合は、月額で完全に仕切られた空間(オフィス)を契約し、利用することを指します。
施設によっては、コワーキングスペースとレンタルオフィスの両方を備えているものもあります。
おすすめのコワーキングスペース比較5選
おすすめするコワーキングスペース5選を比較していきます。
今回は東京を中心として全国展開しているコワーキングスペース運営会社を紹介します。
いいオフィス
いいオフィスは、全国47都道府県に752拠点と業界№1の店舗数を誇っており、近年は店舗数を急激に伸ばしています。
プランは以下の4プランから選ぶことができ、まずいいオフィスアプリを会員登録(無料)を行ってからプランを選びます。
プラン名 | プラン概要 |
ドロップイン会員 | 月額費用がなく、最短1時間単位で利用することが可能です。 営業時間や利用料金は店舗によって異なります。 アプリ登録後はドロップイン会員として登録され、アプリで利用店舗を検索し店舗に来店します。 店舗のQRコードを読み込みチェックイン。 利用が終了したらQRコードを読み込みチェックアウトで自動決済されます。 |
プレミアムパスポート | 全国のいいオフィスを利用することができるので、出張など遠方への外勤が多い場合におすすめです。 料金は月額22,000円(税込)になります。 アプリ登録後はドロップイン会員として登録され、アプリで利用店舗を検索してからプレミアムパスポートを購入します。 店舗のQRコードを読み込みチェックイン。利用が終了したらQRコードを読み込みチェックアウトとなります。 |
店舗プラン | 特定の店舗のみ利用する店舗独自プランになります。 いつも利用する店舗が特定店舗である場合におすすめです。 アプリでプラン内容を確認したうえ申し込み後、契約店舗にて本契約を行います。 契約後、いいオフィスアプリで契約画面を店舗に提示して利用開始となります。 |
月額契約サービス | 店舗プランに法人登記やロッカー利用など用途に合わせたオプションを求めたい場合におすすめです。 料金は各店舗によって異なります。 アプリでプラン内容を確認したうえ申し込み後、契約店舗にて本契約を行います。 契約後、いいオフィスアプリでクレジットカード決済を行います。 |
法人として利用することができる法人プランもあり、以下の料金プランとなります。
プラン名 | プラン概要 |
法人シェアパスポート | 1つのアカウントを複数人で共有することができ、月額33,000円(税込)で全国いいオフィス全店舗を利用することができます。 |
法人プレミアムパスポート | 1人1アカウントで月額22,000円(税込)で全国いいオフィス全店舗を利用することができます。 |
法人ドロップイン | 月額費用がなく全国いいオフィス店舗で利用した分を後から請求するプランです。 |
法人プランの申込はオンラインで完結することができ、初期費用や解約手数料は発生することなく、最低契約期間の縛りもないため手軽に利用することができます。
また、法人プランに特化した管理ページも用意しており、社員の利用状況、利用人数の増減、請求書でのお支払いなど一括管理をすることができます。
Regus
Regusは、国内173拠点を有するコワーキングスペースをはじめ、レンタルオフィス、バーチャルオフィス、貸し会議室の運営を行っております。
コワーキングスペースのプランは専用デスクのリザーブコワーキングプランと利用回数の制限が設けられているコワーキング・メンバーシップがあります。
プラン内容は以下のとおりです。
プラン | リザーブドコワーキング | コワーキング・ メンバーシップ |
プラン内容 | 固定席としてを利用 | 世界中のリージャスの共有のディスクスペースを利用 |
利用時間 | 24時間365日利用 | 施設営業時間内
(月間利用回数が5日間、10日間制限あり) |
事業所住所の登記 | 事業所の住所として登記可 | ― |
ロッカー | 専用ロッカーあり | ― |
月額利用料金は定額で施設によって異なりますが、インターネット、オフィス家具、カフェ利用、水道光熱費、清掃費など必要なすべてのサービス利用料が含まれた金額です。
特典としてメンバーシップサービスが付与され、世界3000拠点のラウンジをご利用いただけます。
BIZ Comfort
BIZ Comfortは、全国113拠点を展開しており、店舗によっては24時間365日利用可能となっております。
ライフスタイルに合わせた以下のプランを選ぶことができます。
プラン | プラン内容 | 月額料金(税込) | オプション* (登記・ポスト・ロッカー) |
固定席プラン | 1拠点固定席+全拠点プラン | 22,000円~ | 無料 |
全拠点プラン | 全拠点フリーアドレス | 19,800円~ | 有料 |
全日プラン | 1拠点フリーアドレス | 5,500円~ | 有料 |
土日祝プラン | 1拠点フリーアドレス | 2,200円~ | 有料 |
ライトプラン | 全拠点フリーアドレス | 2,200円~ | 使用不可 |
法人プラン | 1枚カードによる全拠点フリーアドレス | 19,800円~ | 有料 |
千葉プラン | 千葉エリア8拠点フリーアドレス | 15,400円 | 有料 |
神奈川プラン | 神奈川エリア16拠点フリーアドレス | 17,600円 | 有料 |
東海プラン
(静岡、愛知、三重) |
東海エリア8拠点フリーアドレス | 13,200円 | 有料 |
関西プラン
(京都、大阪、兵庫) |
関西エリア17拠点フリーアドレス | 16,500円 | 有料 |
*有料オプション:登記サービス月額3,300円、 ポストサービス月額2,200円、ロッカーサービス月額2,200円
申し込みは、ライトプラン以外はBIZ Comfortのホームページの「内覧予約」から必要事項入力をします。
ライトプランはホームページの「WEB申込」から申し込みを行います。
申し込み時の必要書類は個人の場合は運転免許証などの身分証明書、法人の場合は利用者の身分証明書のほか登記簿謄本が必要です。
We Work
WeWorkは、2010年にニューヨークで創業し、世界38か国765拠点でサービスを展開しており、日本では2018年2月に東京で開設されました。
現在は主要都市(東京・横浜・仙台・名古屋・大阪・神戸・福岡)に41拠点のオフィスソリューションを提供しています。
コワーキングスペースのプランには、Dedicated DESK(専用デスク)プランとAll Access(フリーアドレス)プランの2種類があります。
プラン内容は以下のとおりです。
プラン | Dedicated DESK (専用デスク) |
All Access (フリーアドレス) |
プラン内容 | 契約拠点の専用のデスクと共用エリアを利用 | 全国36拠点*のコワーキングスペースを利用 |
利用時間 | 24時間365日利用可能 | 拠点の営業時間内 |
ゲスト招待 | 共用エリアに招待可能
契約拠点以外では会議室要予約 |
会議室の要予約 |
住所登記サービス | 〇 | ― |
郵便・宅配受取 | 〇 | ― |
1名当たりの月額料金 | 問い合わせ | 42,900円(税込) |
*東京ポートシティ竹芝、日本生命日本橋ビル、半蔵門 PREX North、竹橋 PREX (Floors by WeWork)、神田司町 PREX (Floors by WeWork)の各拠点は利用不可
プランに含まれるサービスは、All Accessの場合、高速WiFi・電源、プリンター・シュレッダー、フリードリンク、清掃消毒、コミュニティチーム、入居メンバー専用アプリが付帯されています。
Dedicated DESKの場合は、All Accessで受けられるサービスのほか、オフィス家具、法人登記権限、郵便物の受取サービスがあります。
SERVCORP
SERVCORPは、世界20か国41都市にコワーキングスペースをはじめ、レンタルオフィス・バーチャルオフィスとサービスを展開しております。
国内では主要都市(東京・横浜・名古屋・大阪・福岡)27拠点を有し、すべて一等地で格安であるため賃貸オフィスではなかなか借りられないような場所に構えております。
コワーキングスペースは2つのプランがあり、固定席として利用するか、あるいは共有スペースのみ利用するかの違いになります。
プラン内容は以下のとおりです。
プラン | 専用デスクプラン (固定席+共有ワークスペース利用) |
ホットデスクプラン (共有ワークスペース利用) |
月額利用料(税込)*1 | 35,200円から | 22,000円から |
利用時間 | 24時間365日利用可能 | 営業時間内のみ利用 (平日8:30~17:30) |
ロッカー | 無料 | 有料 |
保証金 |
賃料の1ヵ月分 | クレジットカード払いの場合は不要 |
無料特典*2 (有料サービスクーポン) |
毎月12,500円を付与 | 毎月5,000円を付与 |
*1:店舗によって異なります。 *2:ゲストが利用、プリンター印刷利用、他拠点のホットデスクの利用
また、以下のオプションサービスを利用することができます。
- 貸し住所オプション
サーブコープの住所をお客様の住所として利用
- 電話秘書代行オプション
電話番号の発行、専任のレセプショニストによる電話代行
コワーキングスペースを利用するメリットとは?
コワーキングスペースを利用する際は、どのようなメリットがあるのか知っておきたいでしょう。
コワーキングスペースを利用するメリットが分かるなら、前向きに検討することができます。
メリットは以下のようなものがあるため確認してください。
オフィスを借りるよりも費用を安く済ませられる
コワーキングスペースを利用するなら、オフィスを借りるよりも費用を安く済ませることができます。
コワーキングスペースは規模やクオリティなどによって費用が変わりますが、例えばドロップインであれば数千円で利用することができ、月額制でも数万円のみで借りることが可能です。
都内でオフィスをレンタルするなら、ある程度部屋や空間の広さを確保できますが、安くても家賃だけで20〜30万円はかかることが多いため、コスト負担がかなり大きいです。
コワーキングスペースだと規模が小さくなることはありますが、1人で仕事をするなど狭い空間でも問題ないなら、仕事に支障が出る事はないでしょう。
毎月のランニングコストを節約したいなら、コワーキングスペースの活用は良い影響が出ます。
新たな情報交換や人脈づくりが期待できる
コワーキングスペースは複数人で共同して作業するため、利用者同士でコミュニティが形成されます。
コミュニティが形成されるなら、同業者の人と情報交換をして仕事に生かすことができれば、別の業種の方とも情報提供してもらうことができるため、事業拡大などに関して良いアイデアが生まれることもあります。
一般的なオフィスだと自分1人や同じ仕事仲間のみなため、情報を得ることが難しく、新たなアイデアや事業拡大という点で悩んでしまうこともあるでしょう。
また、いろいろな人と交流したくてもきっかけや繋がりが持ちにくいこともあります。
コワーキングスペースを利用するなら、人脈作りのきっかけになる場合もあるため、自分の仕事の幅を広げる点でメリットを得ることもできるでしょう。
設備が充実している
充実している設備を利用できることも、コワーキングスペースの魅力の1つです。
室内で仕事するときは、インターネットを利用するためWi-Fiやコピー機、FAXなどの複合機が必要になり、コワーキングスペースは基本的に備えられています。
ただ、これら以外にも会議室やホワイトボード、個室、ドリンクバーロッカー、シェアキッチンなども備えているところもあるため、自分の用途に応じて必要設備があるコワーキングスペースを選ぶことが可能です。
例えば、会議室が備えられているなら、取引先などミーティングをするときに、逐一会議できる場所を確保しなくて済むので手間を省くことができます。
また、シェアキッチンがあるなら、昼食を食べるために外食する必要もなく、コワーキングスペース内で食事もすることも可能です。
設備はそれぞれ付帯されているものが違うため、確認すしてください。
コワーキングスペースを利用するデメリットとは?
コワーキングスペースを利用する際は、デメリットがあります。
どのようなデメリットがあるのか知っておくなら、コワーキングスペースを効果的に使用することができるでしょう。
以下のようなデメリットがあるので注意してください。
周りの声で集中できないことも
コワーキングスペースは他の業種の方と交流することを目的にしていることが多いため、会話が活発に行われることが多いです。
会話が行われることで良い情報を得やすく、仕事に生かすことができますが、自分が作業しているときに会話が入ってくると集中できないこともあるでしょう。
特に、ビジネスに関係ない話をしていて、プライベートの話が盛り上がっていたり笑い声が大きかったりすると、イライラすることもあるかもしれません。
周りの雑音に流されてしまいやすい人、また人の声に敏感で仕事に支障が生じてしまう場合は、コワーキングスペースのデメリットの部分が大きいため、利用は慎重に考えるべきです。
スペースが狭くて快適な利用ができないことも
コワーキングスペースは利用する施設によりますが、スペースが狭い場合もあります。
元々狭いスペースの中に複数人が共同して作業することになれば、移動するのも不便さを感じることがあるでしょう。
また、狭い空間の中に人がいることで仕事に集中できない場合もあります。
また、ある程度スペースが広い施設でも週末になれば人が多く入室して混雑してしまい、居心地が悪くなることもあります。
自分が快適に利用できるスペースなのか、ドロップインなどを離党して確認するようにしましょう。
情報が漏れることも
コワーキングスペースは不特定多数が出入りするため、情報漏洩するリスクもあります。
自分が他の人と話している内容を聞かれて、それが内密の情報であれば後に仕事で大きなトラブルにつながることもあります。
コワーキングスペースで普通の情報交換は問題なくても、内密の情報を扱う場合は細心の注意を払う必要があると認識しましょう。
自分にあったコワーキングスペースを選ぶには
一般社団法人大都市政策研究機構の調査研究レポート(第4回)「日本のコワーキングスペースの拡大」(2021年12月版)*によると、全国のコワーキングスペース施設数について、2019年6月時点では799施設だったのが、2021年12月時点で2,042施設と増加割合が急激に進みつつあります。
働き方改革に伴ない、コワーキングスペースは今後ますます増え続けると思われますが、自分にとって一番いいコワーキングスペースを選ぶにはどのようにすればいいかのポイントを解説していきます。
アクセスの良いコワーキングスペース
まず、自宅や勤務先からアクセスしやすい場所にあるかを確認しておきましょう。
アポまでに少しの時間を使って業務を行ったり、気分転換に利用をしたい時にアクセスの良さは重要です。
クライアントとの打ち合わせを行う場所として利用することも考慮し、わかりやすい場所にあるスペースを選ぶようにしましょう。
自分の仕事スタイルにあったコワーキングスペース
コワーキングスペースは利用できる日にちや時間帯が場所によって異なります。
24時間営業や夜間・休日に営業しているコワーキングスペースは、利用料金が割高になる場合もあります。
BtoB業態であれば平日の昼間だけの利用で十分ですが、一方でBtoC業態の場合は土日や夜間に利用できるコワーキングスペースを選んだほうが便利です。
作業スペースとオープンスペースが分離されているコワーキングスペース
コワーキングスペースを利用する人は業務に集中したいがために利用する人が多いですが、人との交流目的に設定されたコワーキングスペースもあります。
仕事に集中することができる場所、交流する場所がしっかりと分かれているところを選びましょう。
会議が多い方は、別途料金が発生する場合がありますが、会議室が別途用意されているコワーキングスペースを選択することも重要です。
登記できるコワーキングスペース
個人ではなく、法人としてそのコワーキングスペースの住所で登記したい場合は、登記の有無を確認しましょう。
登記をするとなると、通常の料金より+αで支払うケースが多いです。
まとめ:コワーキングスペースを有効活用しましょう!
昨今の働き方改革に伴ない、フリーアドレス制やABW制度を取り入れる企業が多くなったことで、ますますコワーキングスペースが必要になってきます。
店舗数が全国対応できる会社やサービスに力を入れる会社と各社取り組み方はさまざまです。
利用する人の自宅や取引先にとってわかりやすいスペースを選ぶことで、効率いい仕事ができ、ワークライフバランスを得ることができるでしょう。