「鉛筆なめなめ」「エイヤ」「ポンチ絵」「寝技」、これらの言葉の意味を理解できますか?
おじさんビジネス用語(またはおっさんビジネス用語)と呼ばれるもので、20代の社会人には伝わらないケースがあります。
しかし、若者にも「若者だけに通じる言葉」があるように、今でも50代以上の世代が、職場で使用することが多いようです。
同じ職場で働く以上は、世代間のギャップを把握しておくと、円滑に仕事を進められるでしょう。
おじさんビジネス用語を理解するために、例文付きで徹底解説していますので、ぜひ、参考にしてください。
おじさんビジネス用語とは
おじさんビジネス用語とは、主に50代以上の世代が職場で使用している言葉です。
2023年3月1日に、ネットのトップニュースで報じられ、話題になりました。SNSで「#おっさんビジネス用語」でトレンド入り。その後テレビで取り上げられ、広く知られるところになりました。
SNSではおっさんビジネス用語を25マスに当てはめ、知っている用語をビンゴのように潰していく遊びも拡散されています。
このように、20〜50代以上と幅広い年代の間で、世代間ギャップを面白がられ、20代中心の若者に改めて、おじさん用語を知るきっかけになったといえます。
おじさんビジネス用語を理解するメリット
おじさんビジネス用語とは一過性の流行ではありません。以下は、おじさんビジネス用語を理解するメリットについて、解説します。
使用されている職場がある
おじさんビジネス用語は現在も職場で使われています。決して過去の話でもなく、日系企業であれば、多くの人が耳にしたことがあるという経験をしています。
実際に、企業だけではなく、政治の世界でも使われています。
中には自分自身が普通に使っていて「おじさん用語なの?」と改めて、認識した人も少なくありません。
このように、多くの職場の上司や50代以上の社員ならば使用している可能性が高く、ビジネス用語のように理解できないと、コミュニケーションに少なからず支障がでるようです。
上司や取引先との円滑なコミュニケーションができる
おじさんビジネス用語を使用しているのが、50代以上の年代ならば、職場の上司や取引先の役職のある人が使用している可能性は高くなります。
特に営業職では、円滑に仕事する上でも、おじさんビジネス用語を理解したり、時には使用したりすることが不可欠です。
意味が分からずに意思疎通しづらい状況を回避するためにもぜひ、理解しましょう。
おじさんビジネス用語の種類
おじさんビジネス用語は昭和世代の社会人が使っている言葉です。そのため、ビジネス用語にも世相が反映されています。
以下は、おじさんビジネス用語の由来を6つに分けたものです。
擬音語や擬声語
擬音語とは、外界の音や動物の鳴き声、人の声を模して表現したものです。
例えば、太鼓のドンドンというものや心臓の音のドキドキなどがそれに当たります。
擬声語は自然界の音を言葉で表したもので、ガラガラ、ワンワンなどです。
人が行動や様子を言葉で表していることがおじさんビジネス用語の由来になっています。
例えば、「エイヤー」「がチャンコ」「ガラポン」などです。
同じ言葉の繰り返し
同じ言葉を続けている言葉もおじさんビジネス用語に含まれます。
例えば、「いまいま」「きんきん」などのように2回繰り返す言葉です。
同じ言葉を繰り返すことで、意味を強調しています。「いまいま」であれば、今よりも「本当に今だけ」という意味になり、比較的フランクに使われます。
上司に言うのは控えた方がよいでしょう。
昭和時代を反映
昭和時代の日常を反映したものがあります。
例えば、「蕎麦屋の出前」という言葉は、昭和時代によく蕎麦の出前でとっていた日常から起因しています。
出前がなかなか来ないので、「まだなの?」と聞くと、「今出ました」と返事をするが、実は調理も終わっていないといったことが転じて、意味となっています。
このように、昭和の時代には「あるある」と理解できる事柄から、意味が作られています。
金融や建築などの業界用語
金融や建築業界で使われていた言葉が転じて、一般の企業でも使用されています。
「イッテコイ」は、元は金融業で使われていた言葉で、相場が上下に動いた後に、最後には元の水準に戻ることから、「プラマイゼロ」の意味となっています。
他にも「建て付け」「突貫工事」は建築用語から来ていて、意味を知ると面白く感じるでしょう。
麻雀用語
麻雀とは基本4人で牌(パイ)を用いて競うゲームで、絵合わせのようなものです。昭和40年代に麻雀ブームが到来し、多くの学生からサラリーマンが遊びに興じました。
このように一般のサラリーマンの間で流行った麻雀用語が、ビジネス用語として使われています。
例えば、「リーチをかける」「アンパイ」などです。
野球や相撲が由来
昭和で人気のスポーツである野球や、古くから馴染みのある相撲などが由来のビジネス用語もあります。
「全員野球で」「ボールを持つ」の意味は、昭和時代の野球好きならば、ニュアンスが分かるような言葉です。
このように、おじさんビジネス用語には昭和の時代背景が大きく影響しています。
【例文付き】よく使われるおじさんビジネス用語一覧
使い方が理解できるように、例文つきで「おじさんビジネス用語」を解説しています。
一丁目一番地
【意味】最優先事項
【例文】本プロジェクトの一丁目一番地は、売り上げの向上だ。
イッテコイ
【意味】プラスマイナスゼロ・とんとん
【例文】今日のセールでは売り上げが出たが、人件費がかかったから、イッテコイだ
エイヤ
【意味】気合と根性で乗り切ることを表す言葉。
【例文】今日の仕事もエイヤで乗り切る
鉛筆なめなめ
【意味】真剣に取り組むことや、数字の帳尻を合わせること、改ざんする
【例文】明日までにこの企画書を鉛筆なめなめしないと
ガッチャンコ
【意味】合わせる、合体させる
【例文】AさんとBさんのアイディアをガッチャンコさせよう
ガラガラポン
【意味】いったん白紙に戻すこと、仕切り直すこと
【例文】以前の企画をガラガラポンして、話し合おう
空中戦
【意味】資料などのない、口頭のみの論議のこと
【例文】議論が空中戦ばかりで結論が出ない
交通整理
【意味】複雑化された事柄を整理して分かりやすくすること
【例文】この案件を交通整理できる、適任者はいないか?
ざっくばらん
【意味】ありのままで率直な考え
【例文】あなたのざっくばらんな意見が聞きたい
正直ベース
【意味】正直に申し上げると、実のところ
【例文】正直ベースでいうと、この値引きが限界です。
仁義を切る
【意味】先任者や関係部署に挨拶して、礼儀を通すこと
【例文】仁義を切っておくことは、相手との信頼関係を築く上で大切だ
全員野球
【意味】一致団結、力を合わせて取り組みこと
【例文】売り上げ10%アップの目標を全員野球で臨もう
蕎麦屋の出前
【意味】適当な返事をすること
【例文】蕎麦屋の出前のようなことばかりで当てにならない
ダマでやる
【意味】こっそりやる、秘密裏に進める
【例文】この話はダマでやってくれ
ツーカー
【意味】「つうと言えばかあ」というように、言葉がなくても通じ合う間柄
【例文】同期のAとはツーカーの仲だ
テレコ
【意味】互い違い、入れ違い
【例文】AとBの商品がテレコにならないよう、気を付けてね
突貫工事
【意味】スピード最優先して短期間で仕上げること
【例文】6月の開店に向けて突貫工事で作業を行う
なるはや
【意味】なるべく早く
【例文】この企画書をなるはやでお願い
握る
【意味】顧客と関係者がすり合わせ出来ている、合意を取れている
【例文】取引先と、金額について握っておかなければならない
寝技
【意味】裏工作
【例文】「寝技師」や「寝技に持ち込む」といった表現で使用される
ボールを持つ
【意味】責任者や担当者、主導権や実権を持つ
【例文】このプロジェクトのボールを持っている人はだれ?
ポテンヒット
【意味】誰が担当なのか、曖昧な仕事のこと
【例文】ポテンヒットが起こらないよう、業務改善する
ペライチ
【意味】一枚で作られた資料や企画書のこと
【例文】今日使う企画案を至急ペライチで作ってくれ
丸める
【意味】細かい端数を処理すること、四捨五入
【例文】予算の数字を丸めて
よしなに
【意味】ちょうどいいように
【例文】おおむねOKなので、あとはよしなにしてくれ
リャンメン
【意味】両面
【例文】リャンメン印刷しておいて
ロハ
【意味】ただ、無料
【例文】交通費はロハだけど、時給と食事代は出すよ
まとめ:おじさんビジネス用語でコミュニケーションを円滑に
20代の若者が理解しにくい、「おじさんビジネス用語」を一覧で解説しました。
主に、50代以上の昭和世代が使用している「おじさんビジネス用語」は今も、日系の企業や政治の世界等で、使用されています。
馴染みがないので、戸惑うことも多いでしょうが、職場や上司や取引先で、コミュニケーションが上手くいくよう、ぜひ、この機会に学んでみましょう。
さらに、由来や起源が分かれば、興味も湧いて、世代のギャップを縮められるでしょう。