RPAはツールを導入したら成功ではありません。
導入と同時に運用体制もきちんと構築しましょう。
そうしなければ失敗に終わってしまいます。
ではRPAの導入失敗を防ぐためにはどんな運用体制にすればいいでしょうか。
本記事では失敗しない5つのポイントを確認していきます。
RPA運用体制のポイント1:メンバーの選定
まずRPAの運用に関わるメンバーを選定しましょう。安定した運用を行っていくためにはどのような人選が必要でしょうか。
下記の3つが挙げられます。
- 現場スタッフ
- 情報システム部門
- 上層部
どの人員が欠けても、RPAの運用が難しくなります。
もしそれぞれの人員を運用体制に入れなかった場合、どのようなデメリットが生まれるでしょうか?
現場スタッフ
上層部と情報システム部門だけでRPAを運用すると、現場とのギャップが生まれてしまいます。
「現場のことも知らないくせに」と不満が出るでしょう。
せっかく作ったRPAのロボットが継続して使われないかもしれません。
情報システム部門
社内の情報システム部門は常に忙しいことが多いです。
そのため手の空いている人員がいないからと、上層部と現場スタッフだけで運用体制を構築するケースがあります。
この場合のデメリットは、社内システムやITに詳しい人員がいないため、トラブルが起きた時の解決が困難になります。
上層部
実際にRPAを動かす現場スタッフと情報システム部門だけでの運用体制だと、一見問題がないように見えます。
ですが、上層部を巻き込んでいないと、社内の決定権を握る社員がいない事態になってしまいます。
そうなると上層部に「何のためにRPAを行っているのか?」「成果がどれぐらい出るのか?」が伝わりません。
理解を得られず、RPAのプロジェクトが途中で終了させられるかもしれません。
特に複数の部署をまたいでの運用では、旗振り役として上層部の社員がいた方が進めやすいでしょう。
RPA運用体制のポイント2:RPA導入の目的を周知
RPAの運用でありがちなのは、社内での理解がなかなかされないことです。
例えばRPAのメリットとして、業務の自動化や削減ばかりを伝えるとします。
すると、現場スタッフから「ロボットに自分たちの仕事を奪われるかもしれない」と不安に思われるかもしれません。
またはロボットの操作を教える時「余計な業務が増える」と勘違いされるかもしれません。
現場スタッフへ拒否反応を起こさせないために、まずはRPAを導入する目的を丁寧に伝えましょう。
例えば「単純作業はロボットに任せることで、より生産性の高い仕事をできるようになります」などがあります。
RPA運用体制のポイント3:RPA導入後の効果を検証
実際にRPAで業務を行い始めたら、必ずその効果を検証しましょう。
効果の実例としては以下があります。
業務にかかる時間の測定
今まで人間がやっていた業務が、RPAのロボットで行った時にどれぐらいかかるかを測定しておきましょう。
まずは、人間がやってどれぐらい時間がかかるかを計測します。
そして次に、ロボットが行った場合の時間を見てみましょう。
例えば、人の手でやると丸一日かかっていた業務が、ロボットだと何時間で終わるか、と比較します。
注力すべき業務の実現
時間の短縮はRPA導入の大きなメリットです。
しかし利点はそれだけではありません。
RPAのロボットが業務を肩代わりすることで、空いた時間でどのような業務ができるようになったでしょうか。
つまり注力すべき業務を実現できたかも検証しましょう。
例えば、もしロボットが人間と同じぐらいの時間がかかっても失敗ではありません。
ロボットに業務を行わせている間に、並行して人間にしかできない業務を行えれば、生産性が向上したと言えます。
RPA運用体制のポイント4:スキルアップの向上
RPAは新しい技術です。
そのため、専門的なスキルを持つ人材が少ないです。
ですがRPAのソフトではプログラミング言語を本格的に習ってなくても習得できるメリットがあります。
そこで社内で定期的な勉強会を行って、お互いが得た知識や技術を共有しましょう。
社内でRPAを扱える社員を増やすことは、属人化の防止にもなります。
RPA運用体制のポイント5:ロボットの一元管理
RPAの導入が進むにつれて起きやすい問題があります。
それは「野良ロボット」の発生です。
「野良ロボット」とは、誰が管理しているかわからない、何の業務に使われているかわからないロボットのことです。
知らない間に「野良ロボット」が増えていると、後々解決に時間がかかってしまいます。
それを防ぐには、以下の対策があります。
一元管理できる台帳の作成
まずは、社内にあるロボットを管理する台帳を作りましょう。
台帳は社内システム・ExcelやGoogleスプレッドシートなど、どのような形式でもかまいません。
ポイントは、ロボットを作成する社員がいつでも編集・閲覧できるように共有することです。
とはいえ、台帳の管理自体が煩雑ではいけません。
次第に更新されなくなるでしょう。
例えば、掲載する項目の数を絞って、シンプルかつ簡単に更新が行えるような工夫が必要です。
項目の例としては以下です。
●作成者
●ロボットのファイル名
●ロボットの置いてあるファイルパス
●業務内容(例:経理部の交通費集計業務)
ロボットを作成する社員へルールの徹底
RPAのロボットを作成する社員全員に、新しいロボットを作る時は必ず台帳へ記載するように周知徹底しましょう。
定期的なロボットの棚卸し
例えば、半年に一回・年に一回など期間を決めて、管理台帳と突き合わせてロボットの棚卸しをしましょう。
これにより、もしうっかり作成者が台帳記入を忘れていたとしても、野良ロボットを長い間放置することにはなりません。
まとめ:RPA運用体制を整えて、安定したRPAの利用を心がけましょう
RPAのゴールはあくまでも「社内業務の効率化」「生産性の向上」です。
継続して運用するためには、まず人員を選定すること、そして導入してからもその効果を検証しながら問題点があれば改善していくことが重要です。
しっかりと運用体制を作りながらRPAを進めていきましょう。
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