インターネットの普及に伴い、Web上でのお買い物が当たり前となっている昨今。
実店舗を持たずに、ECサイトや自社サイトなど、Web上での接客を導入する企業がますます増えてきています。
実店舗とは性質が異なるWeb上での接客においては、顧客の購買意欲や満足度をいかにして高めていくかという問題が、こうした企業の頭を常に悩ませていることでしょう。
このような問題を抱えている企業におすすめなのが、Web上での接客に特化した「Web接客ツール」です。
本記事では、Web接客ツールの仕組みや主な種類、導入するメリットを解説したうえで、おすすめなツールを紹介していきます。
本記事を読むことで、Web接客ツールの概要を掴めるだけではなく、自社に合うWeb接客ツールを見つけられるはずです。
Web上のマーケティングを担当している人や、Web接客ツールの導入を検討している企業担当者は、ぜひ本記事を参考にしてください。
Web接客ツールとは
Web接客ツールとは、自社サイトやECサイトなどのWeb上で、お買い物をしたいユーザーへの接客を行うためのツールの総称です。
ツールによって搭載されている機能はさまざまですが、ツールの導入によってユーザーがお買い物をしやすいようにして、ユーザーの購買意欲や満足度を高めることが主な目的です。
例えば、ECサイトに訪問したユーザーに対して割引クーポンを表示したり、チャット形式でユーザーからの問い合わせに対応したりといった機能が搭載されていることが多いです。
Web接客ツールでは、実店舗との接客とは異なる取り組みが採用されているものの、最終的なゴールは自社商品を購入してもらうことです。
実店舗では、スタッフが実際に接客を行いますが、Web接客ツールでは、人ではなくロボット(AI)が接客を行います。
昨今では、インターネットやスマートフォンの普及や、新型コロナ感染症拡大といった影響を受けて、実店舗ではなくオンラインでサービスの利用や購入を行う傾向が高まっています。
そのため、Web上で商品販売を行う企業が増えていて、それに伴ってWeb接客ツールも注目を集めつつあります。
Web接客ツールの種類
Web接客ツールには、大きくわけてふたつの種類が存在します。
ほとんどのWeb接客ツールはどちらも兼ね備えていますが、Web接客ツールの仕組みをより深く理解するために、ここではWeb接客ツールの種類を解説していきます。
ポップアップタイプ
ポップアップタイプのWeb接客ツールは、Web上にある自社サイトやECサイトを訪れたユーザーに対して、購買意欲を高めるためのポップアップを行うものです。
具体的には、クーポン配布や新商品・セールの案内、その他の情報提供を中心に提示するためのツールです。
ECサイトにおけるユーザーの閲覧履歴や過去の購入履歴に基づいて、適切な商品やクーポンを提示するレコメンド機能が搭載されているものもあります。
また、サイトの滞在時間やユーザーが検索していたワードといったデータを分析したうえで、ポップアップ表示のタイミングを工夫することもできます。
そのため、商品を購入すべきかどうかを悩んでいるユーザーにポップアップ機能を使えば、商品購入を後押しできる可能性が高いです。
さらに、「何かお困りごとはありませんか?」などとポップアップを表示させて、問い合わせ受付用のチャットに誘導する仕組みになっているツールも少なくありません。
チャットタイプ
チャットタイプのWeb接客ツールは、Web上にある自社サイトやECサイトにおいて、ユーザーからの問い合わせに対応するためのツールです。
問い合わせ対応を行うオペレーターを用意するチャットタイプのツールもありますが、AI機能によって自動応答ができるツールもあります。
AI機能が搭載されたツールであれば、ユーザーからの質問に対して、簡単な返信ができるようになっています。
もしも、AIだけでは十分な回答を得られなかったというユーザーに対しては、オペレーターへつないで疑問を解消する仕組みが取られることが多いです。
その一方で、AIによる応答が完了後、そのまま購入や決済に誘導するツールも存在します。
チャットタイプのWeb接客ツールを導入すると、ユーザーからの質問へスピーディーに対応できるため、商品購入についての不安要素が減る可能性が高いです。
その結果、ユーザーの購買意欲が高まり、企業としての売上もアップするかもしれません。
Web接客ツールを導入するメリット
Web接客ツールを導入することで、購買意欲の向上や人材コストの削減、マーケティング戦略に役立つといったメリットを期待できます。
それでは、Web接客ツールを導入するメリットには具体的にどのようなものがあるのか、詳しく見ていきます。
ユーザーの購買意欲を高める
実店舗における接客では、商品を購入するかどうかを迷っている顧客に対して従業員が声掛けを行い、商品購入への後押しを行うのが一般的です。
Web上での買い物でも同様に、クーポン画面やセール情報をポップアップで表示すれば、ユーザーの購買意欲を高められる可能性が高いです。
特に、ユーザーから収集したデータに基づいてポップアップの内容やタイミングを工夫すれば、より効果的に購買意欲を高められるはずです。
人材コストを削減できる
Web接客ツールの多くには、ユーザーからの質問に対してAIが自動応答を行うチャットボット機能が搭載されています。
この機能を活用すれば、自社の従業員が応答を行う手間が省けて、人材コストを大幅に削減できると期待されます。
仮に人材コストを削減できなくても、応答の手間を省けた分、ほかの業務に取り組んでもらうことができて、業務効率化の向上につながります。
マーケティング戦略に役立つ
Web接客ツールには、ECサイトでのユーザーのクリック率や商品閲覧履歴といったデータを収集して、分析を行う機能が搭載されていることがあります。
この機能を使えば、Web接客ツールの運用だけではなく、Web上でのマーケティング戦略全般に活用できる知見を得られるかもしれません。
Web接客ツールのデメリット
Web接客ツールを導入する場合は、デメリットがあることを確認すべきです。
デメリットを把握しておくことで、リスク管理をして利用することができます。
Web接客ツールの導入デメリットは以下のようになります。
従業員が慣れるまで時間がかかる
Web接客ツールを導入するときは、業務フローが新しく変化するため、従業員は慣れる時間が必要になるでしょう。
Web接客ツール導入するときは操作や仕様に慣れる必要があるため、従業員も最初はミスをしてしまう可能性が高いです。
ツールの導入によって対応しなくて良くなる業務も出てきますが、一方で顧客の行動分析など、新たに覚えなくてはいけない作業も生じることがあり、クオリティ向上のために業務が忙しくなることもあるでしょう。
つまり、始めは従業員の負担も増加し、業務効率も良くなるまでは時間がかかります。
新しい業務にできるだけ素早く対応するためには、業務フローを見直すと共にWeb接客ツールの運用ルールを作成するなど、従業員にやり方を浸透させておくことが大事です。
業務への浸透もオペレーターや営業、マーケティングなどで内容が異なるはずなので、簡単では無いことを明記して導入する必要があるでしょう。
コスト負担がかかる
Web接客ツールを導入することになれば、当然コスト負担が増すことになります。
コストは各提供先のツールによって変わってきますが、自社で負担することができるのか確認する必要があります。
Web接客ツールの費用はプランや問い合わせなどによって、詳しく見積もりを取ることになるはずなので、事前に確認しておく必要があります。
もし、コスト負担が大きい場合は経営に支障が出てしまい、ツールを活用したとしても継続することが難しくなる場合もあるでしょう。
また、コスト負担をしてWeb接客ツールを導入したとしても、購入率の伸びや課題などを解決することができるのか事前に把握しておくことも大事です。
改善と費用のバランスが悪い場合は、コスト負担をしても思うような成果にならず、損するだけの場合もあります。
事前に費用と自社の課題解決を確認して利用するようにしましょう。
Web設計をしっかり行なう必要がある
Web接客ツールを導入するときは、どのようなタイミングでアプローチすべきなのか仕様を固めておくことが大事です。
Web接客ツールを導入したタイミングが例えば、忙しい時期であれば、操作に慣れておらず、顧客はサイトから離脱してしまう可能性が高くなります。
Web接客ツールに慣れるのは従業員だけでなく顧客も同様なので、いきなり始めるというよりは前もって通知しておき、顧客にもある程度準備しておく期間を設ける必要があります。
計画的に導入しなくては、効率向上どころか逆に低下させてしまい、運営に支障が出る可能性もあるため注意してください。
Web接客ツールの選び方
Web接客ツールを導入するときは、選ぶポイントについて把握しておくべきです。
選び方について把握しておくことにより、自社の目的に合ったツールを導入して効果を期待できます。
Web接客ツールの選び方は以下のようになります。
目的に合うツールを選ぶ
Web接客ツールを導入するときは、目的に合うものを選択すべきです。
Web接客ツールをなぜ導入すべきなのか明確に把握しておかなくては、導入効果を期待することはできません。
例えば、顧客対応によるクレーム処理を行いたい場合は、チャット型の接客ツールを導入することで効果を期待することができます。
ポップアップ型とチャット型の両方を備えている場合は、より効果を期待することができますが、操作が複雑になるため、初心者には不向きになるでしょう。
このようにWeb接客ツールにも、いろいろなタイプがあり、初心者に使いやすいものから上級者向けまで準備されているため、内容を把握して選びましょう。
機能を確認
Web接客ツールを利用するときは、機能面の確認を行うことも重要です。Web接客ツールによって搭載されている機能面にも違いが生じます。
細かい機能がたくさんあるほど、より細かやかな接客を行うことができますが、使いこなすことが難しいため、運用のハードルが上がったり無駄なコストがかかったりします。
Web接客ツールでどんなことを行いたいのか明確にしたなら、その後は最低限の機能が備わっているものを選ぶようにすべきです。
Web接客ツールの機能数が多ければ良いというものでも無いため、その点を押さえて利用するようにしましょう。
無料体験が備わっているか
Web接客ツールを導入するときは、自社のシステムと合っているのか確認することが大事です。
無料体験があるなら、機能面の使いやすさや自社の連携システムとの相性なども確認できるため、ミスマッチを防ぎやすくなります。
無料体験は期間が決まっているため、どれくらい使用できるのかチェックして、使用感を確かめて決定してください。
Web接客ツール5選を比較!
ここでは、いくつかのWeb接客ツールを、特徴や費用などを中心に比較していきます。
GENIEE CHAT
GENIEE CHATは、4,500社以上もの企業がマーケティング戦略に導入している、チャット型のWeb接客ツールです。
ECサイトや自社サイトに訪問したユーザーの行動を分析して可視化を行うことで、ユーザー一人ひとりに合わせた接客を実施します。
対話シナリオをあらかじめ作成しておけば、簡単な質問にはボットが自動的に対応してくれるため、業務効率化につながります。
また、定型チャットだけでは対応しきれない場合には、オペレーターにつないで対応を行う仕組みも採用されています。
当社では無料相談も行っているため、詳細な機能や導入効果、料金プランについては一度問い合わせてみることをおすすめします。
【機能】
・オペレータ-チャット
・シナリオキャンバス
・カスタマー管理
・チャットボット
・EFO(フォーム最適化)
・アンノウンカスタマー一覧
・サイト訪問者の可視化 など
【特徴】
・4500社が導入している「接客ツールチャット型プラットフォーム」
・簡単な質問はボットを使用して即座に解決し、 悩みや相談はオペレーターに接続する有人チャット形式
・ ユーザーのフォーム入力を最大限にアシストし、離脱率を防ぐ工夫あり
【費用】
複数プランあり(下記参照)
※別途、成果報酬型のプランも用意されています。
ecコンシェル
ecコンシェルは、導入社数が6,500社を超える、AI搭載のWeb接客ツールです。
ウィジェット機能と呼ばれる、Webサイトに訪問したユーザーに対して、クーポン画面や新商品・セール情報を表示する機能が搭載されています。
ecコンシェルでは、バナータイプとモーダルタイプ、インラインタイプの3タイプのウィジェットのほか、ステップウィジェットと呼ばれる応用的なウィジェットも使用できます。
自社が希望する画面レイアウトや顧客層に応じて、ポップアップを自由にカスタマイズできる点が魅力です。
また、当ツールにはAI機能が搭載されていて、サイト分析から顧客データの分析、自動最適化と効果検証に至るまでを一括して行ってくれます。
ユーザーの購買意欲を高める効果だけではなく、Webサイト全般の運用に関わるマーケティング戦略にも大いに役立つはずです。
【機能】
・複数のウィジェット機能
・AIによるサイト分析
・顧客データの自動分析
・AIによる自動最適化
・Web接客の効果検証 など
【特徴】
・NTTドコモと PKSHATechnology が共同開発した人工知能(AI)技術を搭載
・導入社数6,500社を突破
・ ユーザー一人ひとりに対して適切なアプローチを取るために、独自のキャンペーンの取り組みを行い 、目的別に対応
【費用】
・お試しの無料プランあり
・いくつかのプランを用意(下記参照)
KARTE
KARTEは、Web接客ツールのなかでも、特に「顧客理解」に重きを置いたシステムです。
過去のユーザー行動だけではなく、リアルタイムでのユーザー分析を行い、購買意欲を効果的に高めるためのWeb接客に役立てます。
また、商品認知から購買に至るまでのユーザー行動を詳細に確認できたり、ブラウザ上でのユーザーのマウスの動きをリプレイできたりと、顧客の行動特性や心理を理解するのに便利です。
顧客データを外部からインポートしたり、反対にエクスポートして外部ツールで分析したりできるため、マーケティング戦略の策定にもおすすめです。
【機能】
・リアルタイムでのユーザー分析に基づくWeb接客
・ユーザーごとのデータを時系列に確認できる
・商品認知から購買に至るまでのユーザー行動を詳細に確認
・ブラウザ上でのユーザーのマウスの動きをリプレイ
・顧客データのインポート・エクスポート
【特徴】
・実施した制作のレポートを分析して、施策の善し悪しを即座に判断できる仕組み
・ 過去の行動とリアルタイムの行動をセグメント解析し、それぞれの状態に合った接客
・ 全体を俯瞰した設計を行っているため、ユーザーの行動を深く理解したシナリオ改善可能
【費用】
要問い合わせ
Robee
Robeeは、Web接客ツールとしての基本機能に加えて、ユーザー行動や広告効果の自動分析を行うツールです。
大手EC、大手金融サービスをはじめとした、さまざまな企業において導入されています。
リアルタイムでのユーザー対応をできるチャットボットは、顧客満足度の向上に役立ちますし、データ分析に基づいたポップアップを表示できる機能は、購買意欲のアップにつながるでしょう。
また、ユーザーのサイト解約時にチャットボットで顧客の声を集めて、今後のマーケティング戦略に生かすことも可能です。
【機能】
・チャットボット
・接客ポップアップ
・ユーザーの行動分析
・広告効果の自動分析
・細かな粒度でのA/Bテスト など
【特徴】
・解約時にチャットボットからお客様の声を拾うサービスあり
・お客様の声をもとにシナリオを立てることが可能
・LTVを指標としたコミュニケーションを重要視
【費用】
機能やユーザー数によって異なるので要問い合わせ
Chat plus
Chat plusは、業界でのNo.1の導入実績、導入企業10,000社以上を誇る「チャットボットリーディングカンパニー」です。
公式HPによると、機能数は約5,000個を超えるため、自社のニーズや課題に応じた機能がきっと見つかるはずです。
ここでは紹介しきれないほど機能が多いことから、詳細な機能が気になる人は、公式HPを読むか、Chat plusに問い合わせてみることをおすすめします。
また、月額は最安で1,500円から運用可能で、操作が簡単なため、初めてWeb接客ツールを導入する企業にもピッタリと言えるでしょう。
【機能】
・AI会話機能
・シナリオ設定
・Q&A予測表示
・ウィンドウデザイン
・Excelで管理
・レポート・データ分析
・ファイル添付機能
・有人チャット
・回答支援・簡易入力
・外部サービス連携
・API連携
・IPアクセス制限 など
【特徴】
・月額1,500円〜のリーズナブルな料金
・問い合わせのおよそ70%をチャットボットで対応可能
・操作が簡単で、ビギナー向けの設定
【費用】
・初期費用0円
・要望に合わせて5つのプランあり(下記参照)
まとめ:Web接客ツールでお客様をフォロー!
本記事では、Web接客ツールの仕組みや種類、導入するメリットを解説したうえで、Web接客ツールのおすすめ5選を紹介していきました。
機能数が多いツールから、顧客分析に特化したツールまで、ツールによって特徴は異なります。
無料トライアルや無料相談を行っている企業も多いため、まずは一度問い合わせてみてはいかがでしょうか。
無料トライアルを利用する場合は、実際の操作性や機能性しっかり検証してから、社内で導入が必要かどうかを検討してみてください。