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ホワイト企業の特徴と見分け方を徹底解説!失敗しない企業選び。

ホワイト企業の特徴と見分け方を徹底解説!失敗しない企業選び。

就職するならば、ホワイト企業を選びたいと思うのは当然です。

ホワイト企業に就職すると、社内の待遇や環境がよく、社会人として充実した生活を送れるでしょう。

しかし、ホワイト企業とはどんな企業なのでしょうか。ホワイト企業がどんな企業であるか理解できているでしょうか。

ホワイト企業にはいくつか共通する特徴があり、それを明確にすることで、企業選びを失敗せずに済みます。

この記事ではホワイト企業の特徴や見分け方について紹介します。

ホワイト企業の一覧も載せていますので、こちらも参考にしてください。

 

ホワイト企業の特徴

ホワイト企業の特徴について解説します。

 

残業時間が少ない

ホワイト企業は残業時間がほとんどないというのが大きな特徴です。

具体的には、残業時間が月平均20時間以内ならば、ホワイト企業といえます。

残業時間は国の法律で定められており、月に45時間、年に360時間です。

企業平均の残業時間を調べると、DODA統計の2022年企業の月平均残業時間は22.2時間ほどで、残業の少ない企業の平均残業時間は15時間でした。

月20~15時間の残業とは、1日にすると1時間ほど。毎日ではないとしても、1時間の残業であれば、プライベートの時間を確保しやすいでしょう。

ノー残業デーの実施など残業しない取り組みをしている企業もホワイト企業といえます。

 

福利厚生が充実している

会社に加入義務がある社会保険「年金保険」「医療保険」「介護保険」「雇用保険」「労災保険」は当然ですが、それ以外で、会社独自の福利厚生が充実していることも、ホワイト企業の特徴といえます。

例えば、以下のような福利厚生があります。

・住宅手当

・通勤手当

・退職金制度

・結婚祝いや出産祝い金など

他には健康促進のためのジム代などの補助金、社員食堂、ベビーシッター補助金などの手厚い保障があります。

 

離職率が低い

離職率はある期間の離職者の割合を示すものです。

離職率の低さには社員の勤続年数が影響しており、社員が転職や退職をせずに長く働き続けている、働きやすい企業といえます。

日本の離職率の平均は厚生労働省の調査で令和2年度は14.2%、これより低い離職率はホワイト企業となるでしょう。

しかしながら、離職率の計算方法に定義がなかったり、どんな優良企業であっても、一定数いることから、目安として考えましょう。

 

女性が活躍している

ホワイト企業の特徴は女性が働きやすい環境であり、女性が出世できる企業のことです。

女性が働きやすい環境として、以下の制度が取り入れられています。

・育休や産休制度

・託児所の設置

・テレワーク

・フレックスタイム制度

・時短間正社員の導入

短時間正社員とは正社員と同じような社会保険や待遇でありながら、労働時間や勤務日数が短いことをいいます。収入は減りますが、それでも安定した収入をもらいながら働き続けられます。

他にも役職に女性が一定数いることも、性別に関係なく、活躍しやすい環境といえるでしょう。

 

研修制度が整っている

ホワイト企業では若手の育成や社員の研修制度に時間や費用をかけています。

資格取得支援制度やキャリアアップの研修などが充実しています。

社員のスキルアップや人材育成が企業の成長に繋がると期待しているからです。

一例になりますが、下記のような研修があります。

研修の種類 概要 期間
新人研修 入社前にビジネスマナーや社会人としての心構えなどを教える 1か月ほど
OJT研修 実際に仕事をしながら教えていく研修 1か月ほど
OFFJT研修 セミナーや講演会といった座学の研修 1か月ほど
ロールプレイ 接客や営業などのサービス業で活用される研修で、お客様に見立てた社員に接客する 1か月ほど
eラーニング オンラインによる研修 1か月ほど

 

コンプライアンスが守られている

コンプライアンスとは法令を守ることに加えて、倫理や社会的規範に沿って行動や活動することを指しています。

具体的には、不正会計や書類の改ざん、個人情報や機密情報の漏えいなど企業規模の違反行為を防ぐものから、上限を超えた時間外労働やハラスメント行為といった従業員の働く環境を守るということです。

具体的なコンプライアンス対策としては、以下が挙げられます。

・社員向けのコンプライアンス研修を実施する

・相談窓口を設置する

・文書や情報を適切に管理する

ホワイト企業の多くは、このような取り組みを行っています。

 

基本給が高く、賞与がある

基本給には手当などが含まれない、給与のベースとなる金額です。それと似たもので「固定給」があり、こちらは手当等があらかじめ含まれています。

つまり、基本給が高ければ、ある程度の金額が保障されており、生活が安定しやすいといえます。

賞与は法律上、払う義務がなく、企業によって支払うかどうか決められます。

賞与が規則通り支払われていることや、賞与額が増えていることはホワイト企業といえるでしょう。

 

有給休暇や育児取得率が高い

有給休暇は一定期間勤続した従業員に対して付与される休暇です。労働基準法で日数が決められており、半年勤務で10日、3年半では14日付与されます。

令和4年度の厚生労働省調査によると、日本の有給休暇取得率は58.3%、取得日数は10.3日になっています。

取得率が高い企業では100%に近い数字と考えると、80%以上の取得率であれば、ホワイト企業です。

 

また、女性の育児休暇率は85%以上を超えますが、男性の取得率は14%と低くなっています。(厚生労働省「令和3年度雇用均等基本調査」

女性はもちろん、男性の取得率も確認すると、休暇が取りやすい職場であるか判断できます。

 

評価制度が明確である

評価制度は社員の能力や会社への貢献度を評価するものです。社員の等級や報酬制度に関連しており、給与や昇給に大きく影響します。

営業職であれば成績という明確な評価がありますが、それ以外の職種や仕事であっても正当に評価される必要があるでしょう。

企業全体の雰囲気や社員のモチベーションを維持するためにも、評価制度を明確にしていることは、ホワイト企業の特徴です。

 

 

ホワイト企業の見分け方

ホワイト企業かどうかを見分けるには、実際に会社へ行くことや求人票を見ることで判断できます。

以下はそのポイントについて解説しますので、しっかり覚えておきましょう。

 

職場の社員の雰囲気

実際に働いている様子を見ることが、一番の判断になります。

できれば、インターンに参加してみましょう。

それができなくても、会社を外から眺めて「夜遅くまで電気がついていないか」、「出退勤の社員の表情」などを見ることをおすすめします。

それができなければ、セミナーや企業説明会などに参加したり、企業が運営している店舗に行ったりすることで、雰囲気がわかりやすいでしょう。

 

求人票の頻度や長さ

求人を頻繁に出していないか、出している期間が長くないかをチェックしましょう。

頻繁に出しているのは、入社しても辞めていく社員が多く、長く続かないことが考えられます。

長期で出しているということは、募集が集まりにくい会社ということです。

もし、ホワイト企業であれば、離職率が低く、求人を出す必要がないことや、出してもすぐに募集が集まるはずです。

 

年代の偏り

企業の社員の年代に偏りがないかを見ることも見分け方のひとつです。

若い社員ばかりであれば、社員の入れ替わりが多い職場といえるでしょう。

また、一定の年代ばかりであれば、若手が育ちにくい環境の可能性があります。新入社員や中堅社員・勤続年数が長い社員がいるかを確かめてみましょう。

 

育休や有休の取得率

有給や育休の取得率は職場での休暇の取りやすさが影響しています。

有給休暇は80%以上の取得率、育休の取得率は男性の取得率を確認するとホワイト企業かどうか分かります。

休暇を取らせづらくするハラスメントに対応するのが、コンプライアンスです。

企業全体で、コンプライアンスを守るような研修があるか、相談窓口があり、機能しているかというのも、合わせて確認しましょう。

 

優良企業認定制度の取得

優良企業認定の取得がある企業は、ホワイト企業といえます。

優良企業認定制度とは、国が、基準を満たした企業に与える優良認定のことで、いわゆる「国からのお墨付き」です。

女性の活躍推進、子育てサポート、若者の積極的雇用や育成、労働者の健康や安全などさまざまな認定があります。

 

認定制度名 主管省庁 説明 企業一覧
えるぼし認定
プラチナえるぼし認定
厚生労働省 ・女性の活躍推進に関する法律に基づき、一定基準を満たした企業を認定する制度。
・えるぼし認定企業の中でも高水準を満たした企業
厚生労働省公式サイト
健康経営優良法人認定制度 経済産業省 従業員の健康保持や増進に繋がる取り組みをしている大企業や中小企業等の法人を認定する制度 ACTION!健康経営
ユースエール認定制度 厚生労働省 若者の採用・育成に積極的で、若者の雇用管理の状況などが優良な中小企業を認定する制度 若者雇用促進総合サイト
安全衛生優良企業公表制度 厚生労働省 労働者の安全や健康を保持するための対策を積極に行い、高い安全衛生水準を満たしている企業を認定する制度 厚生労働省公式サイト
くるみんマーク
プラチナくるみん認定
トライくるみん
厚生労働省 ・子育てサポート企業として認定する制度
・くるみん認定を受けた企業の中で高い水準を満たした企業
・令和4年以前の改正前のくるみん認定を受けた企業
厚生労働省公式サイト
なでしこ銘柄 経済産業省 ・東京証券取引所と経済産業省とが共同で、女性活躍促進に優れた上場企業を銘柄として選定する制度
・「準なでしこ」もある
経済産業省公式サイト

 

国ではありませんが、ホワイト財団による「ホワイト企業認定」もあります。

企業のホワイト化を総合的に判断したもので、認定企業一覧でどのような企業が認定されているか参考にしてください。

 

 

ホワイト企業一覧

実際にどんな企業がホワイト企業として認定されているかを表したのが、下の一覧表になります。

以下の企業は残業時間が少なく、優良認定マークを多く取得しています。

企業名 優良認定取得マーク
株式会社丸井グループ 安全衛生優良企業・健康経営優良法人認定・くるみんマーク・プラチナくるみん・えるぼし

(5個)

東日本電信電話株式会社 健康経営優良法人認定・くるみんマーク・プラチナくるみん・えるぼし(4個)
サントリーホールディングス株式会社 健康経営優良法人認定・くるみんマーク・プラチナくるみん・えるぼし(4個)
田辺三菱製薬株式会社 健康経営優良法人認定・くるみんマーク・プラチナくるみん・えるぼし(4個)
コニカミノルタ株式会社 健康経営優良法人認定・くるみんマーク・プラチナくるみん・えるぼし(4個)
株式会社常陽銀行 健康経営優良法人認定・くるみんマーク・プラチナくるみん・えるぼし(4個)
株式会社朝日新聞 健康経営優良法人認定・くるみんマーク・プラチナくるみん・えるぼし(4個)
社会福祉法人正和会 健康経営優良法人認定・くるみんマーク・プラチナくるみん・えるぼし(4個)
リコーリース株式会社 健康経営優良法人認定・くるみんマーク・プラチナくるみん・えるぼし(4個)
イオン株式会社 健康経営優良法人認定・くるみんマーク・プラチナくるみん・えるぼし(4個)

 

 

ホワイト企業に就職するには

ホワイト企業にどうしたら就職できるのでしょうか。以下の方法があります。

 

ホワイト企業に自分でエントリー

ホワイト企業一覧やホワイト企業の見分け方を参考にして、自分で企業へ直接エントリーする方法があります。

ホワイト企業であれば、競争率は高いため、転職の場合は難しい状況も考えられます。

しっかりと即戦力になるようなアピールができるよう、対策しましょう。

 

転職エージェントを利用

転職エージェントはホワイト企業への就職を有利にしてくれる、心強い味方になります。

複数の企業情報を聞けて、自分に合った企業を探すことも可能です。

さらに、アピールすべきポイントや強みなど、しっかりと戦略を立てることもできるため、転職エージェントの利用をおすすめします。

 

 

まとめ:ホワイト企業の特徴をしっかり見分けよう

ホワイト企業へ就職するために、ホワイト企業の特徴や見分け方について解説しました。

【ホワイト企業の特徴】

・残業時間が少ない

・福利厚生が充実している

・離職率が低い

・女性が活躍している

・研修制度が整っている

・コンプライアンスが守られている

・基本給が高く賞与がある

・有給休暇や育児休暇取得率が高い

・評価制度が明確である

このような特徴があることを国が認めているのが、優良企業認定制度です。

これらの企業を参考にして、自分に合ったホワイト企業を見つけましょう。

 

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