新入社員は、新人研修を入社前に受けることがありますね。
これは社会人としてマナーや、基本的なスキルを身に着けるための、準備期間です。
社会人のマナーや基本は、職場での円滑な人間関係を築くためや、社員の態度が会社のイメージに大きく影響するからです。
社会人にとってNG行動は、自分の評価はもちろん、会社の評価にも関わる大切なもの。
どの職場でも、共通するNG行動を解説していますので、理解して、適切な行動をとりましょう。
新社会人に求められること:ビジネスの基本を身に着ける
新社会人が新人研修や1年目で求められることは、社会人の常識やマナーなど、基本的なスキルを身に着けること。
ビジネスパーソンとしての、基本の型を身に着けることで、社内外の人と円滑にコミュニケーションを取り、スムーズに仕事を進められます。
また、社員の立ち居ふるまいが、企業評価に直結しているため、会社の信頼に関わることも。具体的には以下のことを学びます。
- ビジネスマナー
- 服装身だしなみ
- 挨拶
- 名刺交換や来客対応
- 敬語
- 社会人の立ち居ふるまい
社会人の常識やマナーは意識しないとなかなか身に付けられません。
新入社員は先輩や上司から、指摘をもらいやすいので、しっかり取り組みましょう。
社会人のNG行動10選ととるべき行動
さまざまな業種でも共通した、社会人としてのNG行動があります。
小学校で習うような、人と付き合う上で当たり前のことから、社会人ならではのルールまでなどさまざまです。
一体どんなことが、相手にとって失礼になるのかポイントを押さえ、対策しましょう。
挨拶をしない
挨拶はビジネスでも基本です。
特に、職場の上司や重役、取引先やお客様と分からずに、挨拶もなしに通り過ぎるのは、NG行動です。
知らない人なので、私には関係ないではありません。
会社には面識のない、さまざまな人が来客として訪れることが多いので、どんな人でも立ち止まって、軽く会釈をしながら、自分から挨拶しましょう。
出来れば、上司や取引先の会社や担当の人など、自分と直接関係がなくても、顔と名前は覚えましょう。
時間を守らない
社会人として最も信頼を失うのが、時間にルーズなこと。
時間を守らないことは個人の信用だけではなく、「あの会社とは取引しない」という、会社の信頼を失うことになります。
無断で遅刻や欠勤は論外ですが、たった5分の遅刻でも相手の時間を奪うことに。
ほとんどの会社員は時間が労働の対価ですので、時間を奪うことは、相手の対価を奪っているということに。
また、相手も予定を調整して会うのですから、自分の都合で相手を振り回すことにもなります。
どんな理由でも遅れてしまうことや、休むことが分かった時点で早めに連絡しましょう。
遅刻・欠勤・早退を伝える際のポイントは以下の通りです。
- なるべく分かった時点で、早めに連絡
- 電話で伝える
- 理由と遅刻であれば、何時に出社できるかを伝える
- 言い訳をしない
- 病欠は病状や病名まで伝える
- 電車の等の遅延は「遅延証明書」のもらって提出
- 早退時は上司に許可を得て、業務の引継ぎをする
出社する時は、「申し訳ありませんでした。」「ご心配おかけしました」「ありがとうございました」などの、お詫びやお礼の言葉を必ず添えましょう。
遅刻しないことは当たり前ですが、新入社員であれば、誰よりも早めに出勤すると、やる気があり、良い印象を持たれることがあります。
また、何事も時間に余裕を持って行動すると、慌てることがありませんね。
お礼や謝罪の言葉が言えない
新入社員は先輩や上司にアドバイスをもらったり、厳しく指導されることがあります。覚えることばかりで失敗することも。
厳しい言葉にムッとしたり、落ち込んだりする気持ちはわかりますが、「申し訳ありませんでした」の謝罪の言葉をきちんと伝えましょう。
また、助けてもらった時や「こうした方がいいよ」のアドバイスには、「ありがとうございます」と言いましょう。
謝罪や感謝の言葉が言えない人は職場での信頼を失い、自分を居づらくしてしまいます。
些細な言葉ですが、きちんと言葉に出して、気持ちよく伝えるようにしましょう。
適切な敬語が使えない
学生のように、上司や先輩にため口や友だち口調で話すのは、厳禁。
敬語を使うことが社会人のマナーです。
非常識な失礼な人と思われないためにも、敬語が分からないならば、自分で勉強しましょう。
「お疲れ様です」「承知しました」「いつもお世話になっております」などのよく使うフレーズから覚えると、すぐに使えますね。
特に、何気なく使う相槌は、ため口になりやすいので注意。
「そうそう」「うん」「なるほどですね」「はぁ」などは使わず、「はい」「そうなんですね」といった言葉を適度に使いましょう。
メモを取らず、何度も同じことを聞く
新入社員には、仕事や職場でのルールをしっかりと教えてくれる先輩や上司がいますね。
教えてもらったことにメモを取らない態度は、やる気が感じられないと、受け取られます。
その時は分かったつもりでいても、いざその場面になると使えない、思い出せないということに。
きちんと覚えているならまだしも、何度も同じことを聞くと、相手をイラっとさせることになります。さらに、教えたことと違う、身勝手な行動で大きな損失を招くことにも。
学ぼうとする前向きな姿勢は新入社員にとって必要です。
報連相をしない
会社は個人ではなく、チームで動いているため、リーダーはメンバーの進捗状況を把握する必要があります。報連相をすることで、事前にミスを防げたり、目的をスムーズに進められるからです。
新入社員であれば、チーム内での動き方や役割など、どうすればよいかわからないことだらけ。だからこそ、聞かれる前に自分から報連相をしましょう。
特に、失敗は言いにくいものですが、大きなトラブルに発展しないように、正直に言います。
報連相は結論から先に
まずは結論からはじめて、次に経緯や要因を述べます。
その際は、感情的な言葉は入れずに、事実だけ伝えましょう。
「やろうと思っていた」「わたしは知っていたが〇〇さんが」などの言い訳をするのはNG行為です。もし、意見があるならば、事実の後に、「わたしはこういった理由で、こうした方がよい」という根拠をセットにして言いましょう。
聞く姿勢も評価される
チームのリーダーや上司からの指示や、アドバイスを受ける際も、聞く姿勢に気を付けましょう。
頷くなどして、相手の話を最後まで聞く。相手の言うことをメモする、分からなければ、その場で質問しましょう。
会社の悪口や不平不満
ランチや気心の知れている仲間同士での付き合いでは、つい会社への不満や悪口が出てしまうもの。
社内ではもちろん、会社近くの外食先では、会社関係の人がいる可能性が高いですね。
聞いた周りの人も気まずいですし、本人が居たらなおさらです。
また、悪口は自分の信用や評価を落としかねないので、言わないようにしましょう。
指示待ち・やる気がない
身勝手な行動をとるのも問題ですが、「言われたことしかやらない」やボーとしているという姿は、「やる気がない」とマイナスの評価を受けることに。
新入社員で何をしたらよいか、躊躇する気持ちはわかりますが、一度やったことはメモしているので、次の行動を考えてやってみましょう。
また、分からないならば「教えていただけますか」と、こちらから積極的に質問すると、悪い印象を持たれることはありません。
名刺交換のマナーができていない
ビジネスの場では初対面の人との名刺交換が挨拶になります。
名刺の扱い方で、社会人としての第一印象が決まることにも。
新入社員であれば、まずは自分から渡すのがマナー。
相手が先に差し出した後に、片手で受け取ったり、自分の名刺を持ち合わせていなかったりは、大変失礼になります。
また、相手の名刺をポケットにそのまま入れることや、名刺の上に物を置くことも、NGです。
- 名刺は両手で、名刺入れに乗せて渡す
- 自分の名刺入れの上に置く
- 話が終わった後に、相手の名刺をしまう
前もって練習すると、失敗を避けられますね。
飲み会での上座下座を無視する
飲み会の席の「上座」はかみざと呼び、最も良い席を意味します。
反対に「下座」しもざは、もてなす側の人が座る場所で、入り口から一番近い席を指します。
学生や友人同士の飲み会しか経験がない新入社員は、上座下座を理解していない人が多く見られます。
社内の飲み会はもちろんですが、上座下座はお客様や取引先の会社を接待するときに、非常に重要です。
新入社員が飲み会の幹事を任されるのは、ひとつは接待の基本を身に着けるため。
接待は大きな仕事の契約に繋がるため、必須のスキルといえますね。
意外に見られている!身だしなみ編
社会人の身だしなみとは「相手に不快感を与えないためのマナー」です。
人は第一印象を見た目で判断しますので、見た目を整える必要があります。
また、見た目や印象で言うと、自分の持ち物やデスク周りも気を配りましょう。
服装の身だしなみ
社会人の身だしなみは、必ずしも「おしゃれ」の必要がありません。
今のトレンドを取り入れているというのは、ファッション業界ならば必要ですが、職場では「清潔感」が第一です。
男性であれば、整えられた髪型やスーツ、ネクタイが曲がっていないか、靴はきれいに磨かれているかなどが、チェックされます。
女性であれば、ナチュラルなメイクに、露出度のない服装など、上品さが求められます。TPOをわきまえた服装が求められるので、デートのような服装は職場では好まれません。
デスクの整理
デスクが散らかっていると、だらしない印象を受けます。
自分自身も必要な書類が見つからないという物理的なことから、集中できないという心理的なデメリットもありますね。
仕事の効率をアップさせるためにも、デスク周りの整理整頓を心がけましょう。
学生と社会人は違う!会議や研修のルール
会社での研修や会議は、新入社員でも社会人としての自覚を持って臨まないといけません。
居眠りやお菓子は厳禁、トイレ休憩はルールを守る
会議は学校の講義ではありません。
居眠りやお菓子を食べるのは論外です。
内容を理解しようとメモを取る、他の人の発言に耳を傾けるのはもちろん、出来れば発言できるように努めましょう。
また、トイレに行きたくなることはしょうがないのですが、会議中に行きたくならないように、事前にトイレを済ます習慣をつけます。
会社によっても違いますが、トイレで離席する際は、一言、隣の人や先輩に声をかけるようにしましょう。
社内における上下関係のルール
会社には各部署があり、その中でもさまざまなグループで仕事をしています。
上下関係では、自分とは普段仕事で直接関わりのない上司と、自分に対して直接指示を行い、管理する人「直属の上司」がいます。
先輩や上司との上下関係におけるルールを無視すると、人間関係を悪化させることになりますので、しっかりと確認しましょう。
年齢ではなく経歴の差
学生では年齢の差が上下の差ですが、職場においては、年下でもキャリアが長ければ、「先輩」になります。
社会人では、年齢ではなく、会社での経歴や地位の差です。
上司が年下であろうと、目上の人として接することが常識です。
直属の上司を超えた「頭越し」はご法度
相談や報告は誰にでもよい、というわけではありません。
基本は、自分の直属の上司。
直属の上司よりも上の立場の人に、相談や報告する「頭越し」はNG行動です。
頭越しをすれば、直属の上司が、マネジメント能力がないと評価されることになります。上司は面子を潰すことになるので、円滑な関係を築くためには、ルールをしっかり守りましょう。
まとめ:NG行動は職場での評価に影響するので1年目が肝心
新社会人1年目は、社会人としてのマナーや立ち居ふるまいなどの基礎を、しっかりと身に着けます。それは、職場での円滑な人間関係を築くためや、職場での自分の評価に関わることです。
挨拶をしない、時間を守らない、感謝や謝罪しないといった、人として当たり前の態度がきちんとできないことが、社会人としてのNG行動です。
また、チームがスムーズに仕事をできる関係を作ることや、上司との上下関係を守ることも求められています。
しっかりとNG行動を把握して、過ごしやすい環境を作りましょう。