WEB事業を行っている会社であれば、問い合わせ管理システムを利用したいこともあるでしょう。
ユーザーの訪問者数が多いと問い合わせ数も多くなる傾向があるので、しっかり対処する必要があります。
問い合わせ管理システムは種類が豊富にあるので、選ぶのが難しく感じることもあるでしょう。
この記事では問い合わせ管理システムの選び方や、おすすめの5つの業者について比較・紹介します。
問い合わせ管理システムとは
問い合わせ管理システムとは、今まで問い合わせがあった情報を整理・管理するシステムです。
問い合わせを分類別に仕分けしたり、新規の問い合わせで対応に難儀する際、過去の問い合わせ対応を見て参考にすることなどが可能です。
問い合わせを効率化することにより、クライアントや消費者からの良い評価に繋がります。
問い合わせ管理システムを行う際の課題
問い合わせ管理システムを行う際は、課題について確認しておくことも大事です。
課題を把握しておくことで、問い合わせ管理システムの導入について真剣に検討できます。
データの破損
問い合わせの管理をシステムではなくExcelなどで行う場合は、データ破損によるトラブルリスクが高いです。
サイトの運営などで問い合わせ件数が増えた際に、ファイルサイズが大きくなると、開かなくなつ可能性が高くなり、データが落ちてしまうこともあるからです。
もし、ファイルにトラブルが生じるなら、問い合わせとして機能することができなくなるため、顧客の情報を管理することが難しくなるでしょう。
また、Excelの場合は利用者が行の挿入や削除などを行うことにより、関数が壊れてしまう可能性もあり、その場合は問い合わせ管理が混乱してしまうことになるでしょう。
問い合わせ管理をExcelで行うなら、データを破損してしまう可能性が高くなるため、注意していてもうまくいかないこともあります。
セキュリティ面
問い合わせ管理をシステムではなくExcelなどで管理するなら、セキュリティの面でリスクもあります。
ExcelのデータはUSBやCD-Rにコピーしたりメール添付したりすることができるため、スムーズにやり取りを行うことが可能です。
ただ、データを簡単に持ち出すこともできるため、外部への持ち出しすることも容易に行えてしまいます。
もし、問い合わせ内容の情報が漏れてしまったときに重要な内容が流れてしまうと、大きなトラブルにつながり損害賠償などで損失額も上がることが予想されます。
Excelにパスワード設定することで情報を保護することもできますが、解除されるリスクもあることから、危険性もあるため万全とは言えません。
問い合わせ管理システムを導入することでセキュリティ面による課題は大幅に改善しやすくなるため、顧客情報が多い企業は検討してみることができるでしょう。
更新をする負担が大きい
問い合わせ管理システムを導入するなら、更新をする手間がかかることも念頭においておくべきです。
Excelなどによって管理している場合、もし複数のプラットフォームで問い合わせが来れば、その都度転記や更新をしなくてはいけません。
毎回更新するとなると煩わしさもあり、さらに転記漏れや内容記載のミスも生じる可能性も高くなるため、正確な情報として残すことが難しくなります。
さらに、事後処理になるため、リアルタイム性に欠けることになり、複数人の同時編集を行う際も向いていないので作業効率という点で課題が残るでしょう。
Excelによって内容を管理することは、従業員の負担を大きくする可能性があり、ミスも生じやすくなるため、課題を克服するために問い合わせ管理システムの導入は考えてみるべきです。
問い合わせ管理システムを導入するメリット
問い合わせ管理システムを導入するメリットをいくつかピックアップしました。
- どの経路から問い合わせが来ても進捗状況の把握ができる
- 問い合わせ内容によって担当者へ自動で振り分けできる
- オペレーターの作業効率が上がる
- お客様への対応の質が上がる
- サービス・商品の問題点を把握できる
詳しく解説します。
どの経路から問い合わせが来ても進捗状況の把握ができる
問い合わせ管理システムを導入すると、どの経路から問い合わせが来ても対応の進捗状況を把握できます。
少し前までお客様からの問い合わせ経路は、電話・メールが基本でした。
しかし最近はSNSの普及に伴い、以下の問い合わせ経路が増えています。
- SNSのダイレクトメッセージ
- 問い合わせフォーム
- ショートメッセージ
企業はあらゆる経路で受けた問い合わせに対して、迅速に対応しなければいけません。
問い合わせ管理システムを導入するとどのような経路で問い合わせが来ても、1つの管理画面で現状が把握でき、対応トラブルが起きにくくなります。
問い合わせ内容によって担当者へ自動で振り分けできる
問い合わせ管理システムを導入すると、問い合わせ内容によって担当者へ自動で振り分けしてくれます。
利用するシステムによって方法は違いますが、例えば以下の方法で振り分け可能です。
- メールアドレスで振り分ける
- 特定のキーワードで振り分ける
問い合わせ管理システムにより手動で振り分ける手間が省けるので、作業効率アップになり管理も簡単に行えます。
オペレーターの作業効率が上がる
問い合わせ管理システムを導入すると、オペレーターの作業効率アップにつながります。
問い合わせ管理システムには以下の機能があります。
- 返信テンプレート
- FAQ
同じ作業を何度も繰り返すことなくクリック1つで文章の作成を行えるので、1人で大量の問い合わせに対応できます。
お客様への対応の質が上がる
問い合わせ管理システムを導入すると、お客様への対応の質が上がります。
問い合わせ管理システムにより以下のミスを防げるので、お客様への対応の遅れが起きにくくなります。
- 未対応
- 返信遅れ
- 二重対応 など
顧客対応のやり取りをデータ化し共有することによって、担当者による対応差がなくなるのも、対応の質が上がる理由の一つです。
サービス・商品の問題点を把握できる
問い合わせ管理システムを導入すると、サービス・商品の問題点を把握できます。
利用するシステムによっては、問い合わせ内容ごとに振り分けしグラフ化できるものがあります。
問題点を一目で把握できるので、サービス・商品の改善に役立ち利益の増加にもつながるでしょう。
問い合わせ管理システムを導入するデメリット
問い合わせ管理システムを導入すると2つのデメリットがあります。
- お金がかかる
- 個人情報流出のリスクがある
詳しく解説します。
お金がかかる
問い合わせ管理システムのデメリットは、お金がかかる点です。
利用するシステムによっては、導入費用と月額利用料が必要です。
料金が高額で高機能なシステムを選ぶより、自社に合った機能と金額のシステムを利用しましょう。
個人情報流出のリスクがある
問い合わせ管理システムのデメリットは、個人情報流出のリスクがある点です。
個人情報流出のリスクを下げるために、自社でできる対策は以下の通りです。
- 端末にロックをかける
- アカウント自動ログインをしない など
また自社のセキュリティ対策が十分でも、システム提供会社から個人情報流出の可能性があります。
問い合わせ管理システムを導入する際は、セキュリティ対策に力を入れている会社を選びましょう。
おすすめ問い合わせ管理システム比較【5選】
早速、いくつか問い合わせ管理システムについて比較していきます。
ツール名 | 料金 |
メールディーラー | 基本初期費用50,000円〜 月額費用35,000円 |
desk net‘s CAMS | 5ユーザー165,000円〜 ※ユーザー数による変更あり |
ヤリトリ | ライト 1,980円/月 スタンダード 2,980円/月 ビジネス 4,980円/月 各プラン無料トライアルあり |
キントーン | ライトコース 780円/月 スタンダードコース 1,500円/月 |
メールワイズ | スタンダードコース 1ユーザー500円/月 年額5,880円 プレミアムコース 1ユーザー1,500円/月 年額17,640円 |
メールディーラー
メールディーラーはメールやチャット、各種のSNSなどを一元管理できるメールサービスです。
共有メールを各従業員のメール画面で確認できるため、誰がどのメールを対応しているのかすぐ把握可能です。
未対応や返信処理中、対応完了と状況に合わせて自動でステータス別にタブを振り分けられるので、未対応のメールをすぐに確認できます。
二重対応防止策として、対応中のメールには自動で返信ロックがかかります。
メールアドレスをクリックすれば、全ての対応履歴を時系列で確認できるので、メール対応が混乱してしまうこともありません。
メールディーラーは全てシステム上で確認できるため、問題を口頭で伝える手間を省けます。
ぜひ利用を検討してみてはいかがでしょうか。
desk net‘s CAMS
desk net‘s CAMSはメールと電話で受けた問い合わせに特化した、顧客対応管理システムです。
顧客からの注文や問い合わせへの対応を行う際に、遅れや引き継ぎミスが起こらないように対処し、個人差による対応の質低下を防ぎ、同じ質問への繰り返し等の顧客サポートの課題などについて、解決できるように取り組んでいます。
電話対応の場面では、受けた内容をメールで送信して、担当者のマイボックスに未完了の履歴で表示されます。
さらに、月、日、項目別、担当別に電話対応履歴情報を集計することができ、そのデータもCSVファイルにエクスポートすることが可能です。
メールはアカウントごとにフォルダの作成が可能なので、メールの管理を簡単に行えます。
メール一覧では以下の点が表示できます。
- 作業状況
- 案件の優先度
- 件名
- 差出人
- 日時
- フォルダ
- 担当
条件に合わせて絞り込み表示も可能です。
テンプレートを使用することでメール返答への個人差がなくなり、クオリティの高さを保てます。
追加機能を利用すれば、メール受信の自動返信や自動担当者設定、一覧画面からメールデータをダウンロードなど、問い合わせ対応をより効率化できます。
ヤリトリ
ヤリトリはメールに特化した問い合わせ管理システムです。
操作画面はシンプルで使いやすいのが特徴的であり、案件ごとにタグを設定できます。
メールごとに「未対応」「対応済み」などのステータスや返信担当者の設定を行えるので、二重対応や返信ミス、対応漏れを防げます。
チャットで対応方針の相談や情報共有が可能です。
テンプレートはワンクリックで挿入できるので、カテゴリーごとに複数のメールテンプレートを登録し、お客様名の自動挿入ができます。
この機能によってメール対応の属人化を防げるため、迅速にメールでの問い合わせ返信ができ、返信時間が長引くなどの問題も改善できるでしょう。
個人メールの一元管理やSlackとの連携なども行えます。
キントーン
キントーンは100種類以上の拡張機能を使用できる問い合わせ管理システムです。
アプリにはデータを蓄積、一覧、検索できるデータベース機能と業務をスムーズに進めることができるためのコミュニケーション機能が備わっています。
文字情報からファイルの添付まで全て統一したフォーマットでデータ管理を行います。
蓄積したデータを検索して探し出すこと、指示やアドバイス、コメントを書き込んでコミュニケーションを行うことも可能です。
アプリに溜めたデータは一覧で見ることができ、条件を絞り込んで表示する情報を変えたり、グラフ化して分析に活用できます。
データーに紐づいたコミュニケーションで生産性アップも期待できます。
拡張機能を利用すれば、ゼロから開発する必要がないのでコストがかかりません。
このようにデータ管理やコミュニケーション機能により業務を円滑に進めることができるでしょう。
メールワイズ
メールワイズは、チームでメールを管理できる共有システムです。
一般的なメールソフトは複数人で対応するように作成されていませんが、メールワイズは複数のメールアドレスをまとめて管理し、さらに管理画面も分けられます。
担当者以外による閲覧や編集などの権限管理も簡単です。
ステータス機能では、処理状況の設定やカスタマイズを行うことができ、担当者の認定や受信時の自動設定により、メールの処理状況をしっかり確認して手間を削減できます。
コメント機能やフォルダ機能、絞り込み、一斉送信電話履歴など、メール対応における様々な機能を駆使して、問い合わせ管理の効率性向上や担当者による負担を軽減できます。
メールでのやり取りだけでなく、電話対応や訪問履歴も一括で管理できるため、全ての問い合わせにしっかり対応することができるでしょう。
問い合わせ管理システムを選ぶポイント
問い合わせ管理システムは自社に合ったものを選ぶ必要があります。
問い合わせ管理システムを選ぶ際は、以下の点を考慮しましょう。
- さまざまな問い合わせ経路に対応しているか
- 必要な機能は十分に備わっているか
- セキュリティが充実しているか
- ユーザーインターフェースをカスタマイズできるか
- 無料お試し期間があるか
詳しく解説します。
さまざまな問い合わせ経路に対応しているか
問い合わせ管理システムを選ぶ際は、さまざまな問い合わせ経路に対応しているか確認しましょう。
先述しましたが、最近はSNSの普及に伴い電話・メールでの問い合わせ以外に、以下の問い合わせ経路が増えています。
- SNSのダイレクトメッセージ
- 問い合わせフォーム
- ショートメッセージ
どの問い合わせ経路でも対応できる「マルチチャネル対応」のシステムがおすすめです。
必要な機能は十分に備わっているか
問い合わせ管理システムを選ぶ際は、必要な機能が十分に備わっているか確認しましょう。
重要な機能をいくつかピックアップしました。
- ステータス管理や情報を集約できるダッシュボード
- 返信用のテンプレート
- 顧客との対応履歴
- 個人間のチャット
- 自動振り分け機能
- データ分析機能 など
問い合わせ管理を行う際は担当者が振り分けられますが、共有が必要な部分もたくさんあります。
共有システムの質もしっかり確認しておきましょう。
他部署と連携が必要な場合は、個人間チャット機能があると安心です。
自社に合った機能が使用できるか確認しましょう。
セキュリティが充実しているか
問い合わせ管理システムは顧客情報を管理して取り扱うため、セキュリティ面が重要です。
先述しましたが、問い合わせ管理システムには個人情報流出のリスクがあります。
顧客情報が流出してしまうと大きな問題へと発展し、場合によっては大きな損害賠償が発生します。
不正ログインや不正アクセスなど外部からのサイバー攻撃、地震などの災害によるデータの破損に備え、問い合わせ管理にはバックアップ機能・サービスなども重要です。
ユーザーインターフェースをカスタマイズできるか
問い合わせ管理システムを選ぶ際は、ユーザーインターフェースをカスタマイズできるか確認してください。
万人受けするように作られているシステムですが、毎日使用していると自社には必要のない機能が出てくることもあるでしょう。
必要のない機能を非表示にできたり、表示する場所を変えられたり自社に合った管理画面にカスタマイズできると、作業効率アップにつながります。
無料お試し期間があるか
問い合わせ管理システムを選ぶ際は、無料お試し期間があるか確認しましょう。
画面を見ながら説明を受け、いざ導入し実際に使用してみると使い勝手が悪かったり、必要な機能が備わってないなどの問題が起きる可能性があります。
導入する前に無料お試し期間で実際にシステムを体験できれば、機能性・操作性の確認ができるので安心です。
問い合わせ管理システムの成功ポイント
問い合わせ管理システムを導入して成功させるためには、ポイントを把握しておくことも大事です。
しっかりポイントを押さえておくと、成功させることができ、狙った成果を収めることができます。
成功ポイントは以下の点です。
課題を洗い出しても目的を再確認する
問い合わせ管理システムを導入する際は、目的を再確認することが大事です。
課題が把握できていない状態で適切なサービスを導入することはできません。
どのような部分を改善する必要があるのか、明確にポイントを押さえておくことで、自社の課題に的確なアプローチを行うことができます。
また、課題だけ遠を把握するのではなく、その先へ達成したい目標も明確にしておくべきです。
例えば、問い合わせ対応にかかる時間が多い場合は、削減して他に何をしたいのか設定するのか決定することができます。
時間を削減してスムーズにお客様へアプローチする時間を設けたいという目的があるなら、問い合わせ管理システムの導入によって課題の改善だけでなく、顧客への満足度も上げられるため利益を向上することが可能です。
課題と目的をしっかり定めておくようにしましょう。
他部署と連携できるのか確認
問い合わせ管理システムを導入するときは、自部署だけでなく他部署とも連携できるのか把握しておくべきです。
自部署のみで問い合わせ管理システムを導入するなら、他部署と揉めてしまう可能性があり、業務に支障が生じることもあるからです。
また、他部署と自部署で共有しているものがあるなら、連携を取れるようにしないと問い合わせ管理システムのメリットを活かせません。
そのため、導入前に他部署とも話し合って連携を行えるのか確認してみる必要があるでしょう。
もし、コミュニケーションをしっかり取るなら課題についても新たな発見があり、より効果的に利用できる場合もあります。
課題の洗い出しの一環として、検討してみてください。
まとめ:問い合わせ管理システムを比較・利用して、抜け漏れない体制を!
問い合わせ管理システムを導入する際は、まず機能面を確認して自社に合うシステムなのかチェックしましょう。
その後は費用やセキュリティなども考慮します。
もし、使い勝手を確認したいなら、無料トライアルなどを利用するのも1つの方法なので、ぜひ行ってみましょう。