「資格は就職で役に立つのか?」
「就職活動で有利になる資格は何だろう?」
就職活動では、少しでも有利になるアピールポイントが必要になります。
そのため、資格取得が有利になるだろうと考える人もいるでしょう。
しかし、どんな資格でも役に立つとは限りません。
この記事では、就職に役に立つ資格や取得方法を紹介し、どのようにアピールすべきかや注意点について解説します。
ぜひ、参考にして、就職活動を成功へ導きましょう。
資格は就職で役に立つのか
出典:就職白書2023
資格取得は面接や採用時の決め手になるのでしょうか?
結論はあまり重要視されないといえます。
上記は2023・24・25年卒の学生を採用する企業の調査によると、資格取得を重視するは16.1%ほど。実際はあまり重要視していないことが分かります。
学生も14.7%とあまり重要視はしていませんが、それでも資格取得を考える学生が多いのも事実です。
資格取得よりも企業への熱意や人柄、適性検査などの対策をする方が、就職に役に立つでしょう。
就職に役立つ資格
資格取得は採用の決め手にはなりませんが、全くの無駄かというとそうでもありません。
就職に役に立つ資格は、以下のような場合にアピールポイントになります。
(1)入社後に会社で取得が必須となる場合
(2)入社後に仕事で役立つスキルを持っていると証明できる場合
(2)は例えば、ExcelやWordのスキル証明になるMOS、ビジネスマナーや正しい敬語の使用を証明できる秘書検定などは、社会人としての基礎を備えているとプラスの評価になるでしょう。
会社が取得必須とする資格でなくても、その業界に関する資格を取得したことで熱意を伝えられます。
会社では入社後や内定後に資格取得を必須とするところがあります。
このような資格は、取得すれば、お祝い金や資格手当がもらえます。
また、企業によっては資格取得支援制度があり、支援金が支給されるので、こちらの有無も確認しましょう。
以下で、役に立つ資格を紹介します。
TOEIC800点以上
外資系やグローバルな企業であれば、ビジネス英語が必要です。英語でのコミュニケーションスキルが証明できる資格が、TOEIC800点以上です。
TOEIC800点以上の合格率は10%程度、英検1級に相当する資格です。TOEICは毎月2回の試験があり、学習の目安は1,500時間以上で1年ほど時間がかかります。
宅地建物取引士
宅地建物取引士とは、不動産取引に関する国家資格で、売買契約の際の重要事項の説明には、この資格が必要となります。
不動産会社では、従業員5名につき1名以上の宅建士の設置が義務付けられているため、取得していることは強みになるでしょう。
合格率は16〜17%、毎年1回10月に実施されています。勉強時間の目安が400時間で、半年ほどの期間でスケジュールを決めましょう。
日商簿記検定2級以上
企業の経理や財務の専門職で必要となる資格です。3級は入門的な内容に対し、2級以上になれば、技術的な専門性が問われ、難易度が高くなります。
簿記2級の合格率は21%ほど、年3回と、ネット受験があります。簿記2級からの受験も可能です。簿記3級を取得しているかにもよりますが、400時間ほどかかります。
半年以上の期間をかけたスケジュール調整をしましょう。
FP技能検定2級以上
必ずしも取得する必要はありませんが、金融や保険業界ではFP2級以上の資格を有しているとよいでしょう。
この資格で仕事ができるというものではありませんが、知識をもっている証明になります。企業によって、2級以上は必須というところもあります。
FPは金融商品や保険、資産形成などのアドバイスができる資格です。ただし、依頼者の代わりに確定申告することや金融・保険の販売などはできません。
学科と実技試験で分かれており、合格率は30%前後です。
試験は3級合格者が受験でき、2級と3級の併願ができません。
試験は年に3回で、250時間ほどの勉強時間が必要です。
1年で、3級と2級が合格できるよう、スケジュールを組むとよいでしょう。
運転免許証
運転免許証の大学生の取得率は50%ほどで、免許を持たない人も増えています。
運転免許証は必須ではありませんが、営業で車の運転や荷物を届けるといったことはあります。
自動車販売であれば、マニュアル車の運転免許が必須など、職種によって変わるでしょう。
教科と実技の合格が必要なので、志望企業で必要ならば、早めに取得することをおすすめします。
独占業務資格
独占業務資格は国家資格のひとつで、資格を有していないと業務に携われないことをいいます。
こちらの取得は就職に役に立つ資格でしょう。
例えば、宅地建物取引士、行政書士、登録販売者、社会保険労務士、社会福祉士、電気工事士、旅行業務取扱管理者、不動産鑑定士、税理士、などです。
まずは希望職種がどの資格を必要とするのかをあらかじめ調べてみましょう。
独占業務資格はほとんどが難関資格であるため、1年以上や在学中に取得できるように計画することをおすすめします。
資格取得の手順
資格取得するためには以下の準備が必要です。
取得したい資格の試験や難易度に合わせて、計画を立てましょう。
手順(1)取得したい資格を探す
希望の業種や職種をあらかじめ決めましょう。
とりあえず資格を取ってさえいれば、役に立つかもといった考えでは、かえって、時間も費用も無駄になってしまいます。
また、企業によっては、入社後に資格取得が必須なのかというポイントもしっかり押さえておきましょう。
手順(2)取得可能か情報を調べる
取得したい資格が決まったら、試験日や条件、申し込み締め切り、勉強内容などを調べます。
資格によって、試験が年1回や難易度が高くなれば、在学中の時間が必要になるかもしれません。
資格の難易度が高いものならば、独学ではなく、スクールの利用が必要になってきます。
そうならば、勉強のための費用も捻出しないといけません。
卒業最後の年度であっても資格取得は遅くはありませんが、就職活動や卒論などと同時並行になるため、取得へのハードルが高くなります。
就職活動の対策をおろそかにしてまで、資格取得を優先することがないようにしましょう。
手順(3)勉強のスケジュールを決める
勉強のスケジュール管理は余裕を持たせたものにしましょう。
試験勉強だけではなく、学業やアルバイトなどの合間にしないといけません。
タイトなスケジュールにしていて、間に合わなかったということがないように、1週間単位などでしっかり管理できることがおすすめです。
また、試験日を決めてもさぼりがちになることもあるので、習慣化できるように、勉強の時間帯を決めておくとよいでしょう。
就職で資格をアピールする方法
面接の場面で、取得した資格についてしっかりとアピールできるように、以下の方法を紹介します。
資格取得の目的を明確にする
「資格をどうして取得したのか」と聞かれた時に、目的を答える必要があります。
「役に立ちそうだったから」ではアピールになりません。
自分はなぜ興味関心を持ったのか、自分の経験や体験から興味を持ったことを伝えるとよいでしょう。
習得過程をアピールする
資格取得するまでのプロセスで、自分がいかに工夫したかという点は、実際に入社した後に、いかに課題解決できるかということに繋がります。
ここで自分の強みや学びをアピールできます。事前に自己分析して、まとめておきましょう。
今後どのように活かすか説明
入社後に、資格をどのように活かせるかを伝えます。
・知識習得で視野が広がったことにより、こういった視点での提案ができる
・語学を活かして、積極的な提案ができる
このような具体的な内容を説明しましょう。
資格を記載する際の注意点
エントリーシートや履歴書の資格を書く際に、以下の点を注意する必要があります。
取得率の高い資格は記載しない
資格取得したものをすべて記載すべきではありません。
例えば、英検3級やFP3級など3級以下の資格、希望業種に関係のない資格などです。
資格でも取得率が高いものは誰でも取れるものとみなされ、専門性を証明するものではないからです。
また、業種に関係のない資格は取得が難しいものであっても、活かす場面がなければ、あまり重要視されないといえるでしょう。
資格の有効期限に気を付ける
資格の中には有効期限があり、更新する必要があります。
普通自動車免許証などは更新しないと、免許が取り消しになる場合もあります。
一方、TOEICやFP技能検定、簿記などは有効期限がなく、一生使える資格です。
自分の取得した資格の更新が必要かどうかを調べて、その資格を活かす職業であれば、更新をしましょう。
【まとめ】就職で資格を自己アピールにつなげよう
就職に役に立つ資格について説明しました。
そもそも資格取得を企業は採用の決め手にはしておらず、就職活動で資格を必要としません。
しかし、面接などのアピールとして、資格が有効活用できます。
その資格は、企業が入社後に取得を必要とする資格、独占業務資格のような、その資格を持っていないと仕事ができないものです。
アピール方法は、①目的を明確にする②習得過程で自分の学びや強みを説明し③その資格が入社後にどのように活かせるかの3点をしっかりアピールしましょう。
このような方法を参考にして、就職活動が成功するように、しっかりと就活対策をしてください。