RPA

生産管理部へのRPA導入事例!背景・良い点・悪い点など紹介

生産管理部へのRPA導入事例

DX化が叫ばれる世の中になってきました。

そんなDX化の一翼を担うのがRPAです。

今回はそんなRPAの実際の導入事例を見て、RPA導入のリアルを覗いていきます。

 

RPAとは

ご存知の方も多いかもしれませんが、改めて、RPAについて簡単に説明いただきます。

RPAとは、ロボティックプロセスオートメーション(Robotic Process Automation)の頭文字の略です。

RPAはこれまで人間のみが対応可能と想定されていた作業、もしくはより高度な作業を、人間に代わって実施できるルールエンジンやAI、機械学習等を含む認知技術を活用して代行・代替するツールです。

今まで人間が行っていた業務を、PRA=ロボットに代わりにやってもらいましょう、ということです。

今回はそんなRPAについて、実際に筆者の私が生産管理部門でRPAを導入した際の事例を見ていきます。

 

生産管理部へのRPA導入背景

所属している企業は複数の会社が合併して1つになってできた会社のため、部署ごとに旧組織のシステムが運用されていました。

全社的にもシステムの統合をすすめようとして、社内のIT部門が中心となりプロジェクトを進めていましたが、一部の部署に工数が集中してしまい各部署の細かなシステム設計にまで手が届かずに問題点が山積していました。

また時代の流れとして、残業を減らすことは喫緊の課題だったため、働き方改革の意味でもシステムの力を頼らざるを得ない状況でした。

目の前の課題に目を背けて何十年も前に開発されたシステムを使い続けることはあってはならないということで、現場が求める個別最適化されたシステムをタイムリーに導入したく、専門的な知識や経験なくとも開発可能なRPAツールの導入にいたりました。

経営課題として設定をされて、社内のIT部門が中心になって検討を進めました。

 

生産管理部へのRPA導入の決め手

いろんなRPAツールがある中で、ツール選定で重要視したのは、現場の社員がシステムを簡単に開発できることです。

導入背景にあるように、IT部門に社内システムの設計開発業務が集中していたことが課題でした。

課題の解決のためには、IT部門外の社員の手を借りなければなりません。

そこで、操作性もよく、開発のノウハウもすでに蓄積をされていた、とあるRPAツールに決めました。

実際に、現場の社員がシステムを開発することは容易ではありますが、開発できるようになるまでの研修会の実施やアフターサービスの充実も決め手になりました。

また、用語が難しくなく、社内イントラにも開発ナレッジを蓄積させる予定があったので、他社を比較検討をして、導入をしました。

 

生産管理部業務のどこにRPAを導入したのか

私は全国に3つある生産工場の統括をする管理部門に所属をしておりました。

RPAは定型業務をロボットが代替してくれます。

まずは自分の業務、自部署の業務のなかで定型となっているものを現状把握から行いました。

日次・週次・月次レベルでの業務を洗い出し、かかっている工数および業務の優先度を観点に、ブレインストーミングを行いました。

そこで見つけた業務が週次のマスタ更新作業です。

全国に3か所ある工場の週次の各商品ごとの生産量を、各工場のシステムにログインをして、ダウンロードのためのボタンをおして数分待ち、ダウンロードしたデータのZIPフォルダを解除してコピペして、3工場分の情報をExcelにまとめるという業務をしておりました。

作業をしている30分間はパソコン上でダウンロード以外の操作をするころができず、その時間帯は雑務や優先順位の低い業務をしており、生産性は一切ありませんでした。

さらには、ダウンロードする時間が工場稼働が終わってからなので、残業時間に入ることが前提で行っている業務でした。

以前、翌日の始業しすぐに行うことも検討をしましたが、工場の稼働を遅らせることになるので、実現不可能でした。

そこで導入するべき業務が決まれば、開発を始めますがその前に、社内申請を通しました。

これは、社内で独自のロボットがむやみやたらに開発されないようにするため、また社内情報流出リスクを抑えるためにロボットがアクセスできるデータベースに問題がないかを確認するために、行う必要がありました。

さらには統合後に開発されるシステムが統一できておらず、現行で進めている社内全体のシステム統合の障壁にならないようにするために必要でした。

導入初年度だったので、どんな業務にニーズがあるのかを知る目的もあります。

申請に許可が下りれば、あとは自部署で開発を進めて行きます。

開発を担当するものは事前に研修を受けているため、簡単なロボットであれば自分で開発できますし、社内にも開発をサポートしてくださる、窓口の方がいらっしゃったので安心でした。

導入当初は業者の方が在中しており、プロフェッショナルに質問ができることも大変魅力を感じていました。

RPAでのロボット開発をする際には、現状分析を行い目的を明確にしたうえで導入をする必要があります。

やみくもに開発をして実装しても業務が増えかねないというリスクもあります。

導入には慎重に、でも導入したらメリットも多く享受できることは間違いないです。

 

生産管理部でRPAを利用して良かったこと・課題

RPA導入前は、データのダウンロード中に他の業務ができない、作業をする時間が残業時間になる前提でスケジュールが決められている状況でした。

そこに、RPAを導入したことで、ダウンロードをしてファイルをまとめるという単純な作業時間を30分削減できただけでなく、残業時間の削減に貢献することができました。

こちらのロボットは週次で決められたシステムからデータをダウンロードしてまとめるという単純なものでした。

週次のデータベースを日次のデータベースにダウンロードの対象先をロボット上で書き換えることで、毎日のデータダウンロード業務を自動化することができました。

また、社員の中にはRPAでの開発をきっかけにプログラミングやIT業務に興味を持ちそして勉強を始め、IT部門への社内異動を叶えており、IT人材の人手不足に一役買っただけでなく、本人自身のキャリアに影響を与えるものになりました。

一方、課題もなお山積しております。

開発担当者は各部署に1名しかいないため、その担当者が異動や転職をしてしまうと後任の開発ができる人材がいなくなってしまいました。

ITに長けている若手社員~中堅社員が育成対象者になるので、通常業務のプラスアルファになり、業務の一時的なひっ迫は避けることができませんでした。

また、運用面でも自分が利用していたRPAロボットが金曜日の業務時間外に起動してデータダウンロードを行い、月曜日にアウトプットを確認するというスケジュールだったのですが、月曜日に休むことができず、有給休暇取得計画にも影響を与えていました。

しかし、実際に導入をしてみて、業務時間の削減ができただけでなく、業務時間内に単純作業ではなく、思考を伴う仕事ができる社員が増えて、モチベーションアップにつながりました。

開発できる社員の教育をリアル対面研修からオンライン研修に変更したことが後押しして、開発者の増加にも貢献しています。

 

まとめ:事例を参考にRPAの導入検討を!

ここまで生産管理部でのRPA導入事例をみてきました。

・導入前の課題再確認

・業務フローの洗い出し

などがRPA導入時に確認しておいた方が良い点ではないでしょうか。

また、導入したことで、

・業務の短縮化

・社員のITへの興味、関心の向上

・RPAの担当者確保が必要

などの結果や課題も見えてきました。

RPA導入する際は、今回の事例を参考にして、比較・検討を行ってみてください。

 

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