「RPAを導入したが、使っている人はごく一部。」
「導入したはいいものの、他部署への展開はどうしたらいいのかわからない。」
このような声をよく耳にします。
全社での業務改善効果を上げるためには、社内への浸透は必須です。
社内展開を進めるためには具体的にどうしたらよいのでしょうか?
RPAを社内展開する必要性
まずはなぜRPAの社内展開が必要なのを、改めて見ていきましょう。
体制の統一化
RPAが使える人、使える部署が限られてくると、利用範囲も比例して限られます。
もし、利用できる人がいなくなった時に、RPAも使えなくなってしまいます。
できるだけ、属人化を避け、会社としてRPAの利用をコントロールしていく必要があります。
RPAの利用体制が整備されれば、社内展開もスムーズになります。
リスクマネージメント
先ほどの属人化に重複する部分もありますが、RPAを利用していて緊急事態が発生した際に、「〇〇さんがいないとわからない!」となってしまうのは良くないです。
1人の人間に依存しない組織づくりをしよう!と良く言われますが、RPAにおいてもそれは同じです。
導入効果を拡大
RPAはホワイトカラーのデスクワークを自動化することができるITツールです。
メリットとしては、労働時間削減や生産性向上などが挙げられます。
せっかく、RPAツールを導入したのであれば、費用対効果を高めるためにも社内で利用できる範囲を社内で拡げたいと思うのは当然のことではないでしょうか。
また、社内のどこかの部署で、基盤となるロボットを作成し、横展開することで1からRPAを組む必要もなくなりますし、効率よく展開が可能です。
逆に、横展開した時に、うまく効率化できない場合は、修正をかけていくことも必要です。
RPAを社内展開する手順
では、いよいよ具体的に社内展開の手順について見ていきましょう。
1.ルール整備
まずは全社展開をするためのルール整備が必要です。
社内展開する上で、最も大事な手順と言っても過言ではありません。
何も知らない社員がシナリオ作成・運用することを考え、起こりうる様々なリスクを回避するようなルールを作成することが大切です。
例えば自動でメールを送信するRPAを作成したとします。何らかの理由によりメールが誤送信された場合は、外部への情報漏えい=会社として重大なセキュリティ事故となります。
不正に繋がる可能性があるRPAを禁止することはもちろん、社内規定に違反しないよう、IT部門や法務部門など、他部署の人を巻き込みながら作成しましょう。
2.全社周知
ルールを整備したら、いよいよ全社周知です。
RPAとは何か?そして社内展開する必要性などについて、社長や役員(プロジェクトの責任者・オーナー)から社員へお知らせしてもらいましょう。
これで、本格的に社内展開のスタートです。
3.各部署の担当者を選出
全社周知の次は、各部署における担当者を選出します。
社内展開チームからの指名や各部署の管理者が決めても良いですし、立候補制にしても良いですね。
部署の仕事をある程度把握している社員だと、対象業務の洗い出しを早く正確に行えます。
逆に部署の仕事をあまり把握していない社員は、部署内の他の仕事を知る機会になるとともに、客観的に仕事を見ることができるので、より多くの対象業務を見つけることができるかもしれません。
業務効率化を考える仕事は、社員自身にとってもこれまでの考え方が変わるので、スキルアップ・ステップアップのチャンスに繋がるでしょう。
4.勉強会の開催
次に、選出した担当者向けに勉強会を開催します。
整備したルールを説明する他にも、対象業務洗い出しのコツや、実際に作成したRPAでどのような効果があったかなど、先行導入した部署で溜まったナレッジを共有すると、担当者も具体的にイメージができ、より良いスタートが切れそうですね。
また、困ったときに頼りになる相談窓口を案内しておくことも重要です。
特に部署内の担当者が一人の場合には、相談先がわからず、行き詰まりやすくなりますので、最初の頃は些細なことでも相談するようなイメージのほうが良いかもしれません。
5.発表会の開催
実際にRPAが各部署で完成したら、発表会など、ナレッジを共有する場所を作りましょう。
ナレッジの共有は担当者のモチベーション維持のためにも、とても大切です。
RPAはシナリオを共有することで、他部署でもそのまま利用できるケースもあるため、更に効率化が進むメリットもあります。
RPAを社内展開する際に気を付けること
では具体的に上記手順を進めていくにあたり、気を付けることについてもあわせて見ていきましょう。
1.RPAの効果や必要性について理解してもらった上で、展開をすすめる
これが社内展開を進めるにあたり、最重要ポイントであると言っても過言ではありません。
十分に理解していない状態でRPAを展開しようとすると、「なんでこんなことをしなければいけないのか」「そんなことをする時間の余裕はない」といった社員からの反発が生まれます。
RPAを導入することにより、工数や業務負荷が下がることを事前に説明し、理解してもらった状態を作っておくと、社内展開はスムーズに進められるでしょう。
2.自動化の対象業務を見つけられない
これまで効率化について考えていなかった人にとっては、ものの見方を極端に変えなければいけないので最初は難しく感じられると思います。
ですが、これは事前に先行導入で作成したRPAの事例について共有したり、それでも難しい場合には相談窓口の担当者と1、2案件一緒にやってみることで解消できます。
考え方のコツさえ掴んでしまえば、対象業務を見つけることはそんなに難しいことではありません。
3.ロボットの作成がうまくいかない
対象業務の洗い出しまでは行えたが、ロボットの作成がうまくいかない、という悩みもよく耳にします。
現場の担当者が直接シナリオ作成している場合には、通常業務に時間を取られてしまうことが多く、なかなかシナリオ作成まで手が回らないのが現状です。
また、IT部門などの部署がシナリオ作成している場合は、ロボット自体は完成したとしても、導入部署の想定通りの動きをしなかったりする悩みもあります。
なるべく現場のスタッフが簡単に扱え、自ら効率化を実現できるRPAツールを導入することが大切です。
まとめ:RPAの社内展開は丁寧に行いましょう
ここまで、RPAの社内展開についてまとめてきました。
RPAの社内展開は、大きい会社であればあるほど、なかなか難しいことです。
ただ、実際に社内展開ができた会社では、社員全員が「どうしたらもっと効率化できるのかな?」「これって無駄じゃない?」といった会話が活発にされるようになります。
長い間同じ仕事をしていた人達がそう言っている光景ってすごいと思いませんか。
RPAを社内展開することで、そういった会社が少しでも増えてほしいですね。
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