取引の中に、お金が直ぐに入金されるわけではなく、債権という形を取ることもあるでしょう。
取引が多いと、債権も増え、管理も難しくなることもあります。
今回は、債権管理を手助けしてくれる債権管理システムの比較や選択するポイントについて内容を紹介しましょう。
債権管理システムとは
まず、債権とは、相手(債務者)に対して、金銭など支払いを要求できる権利をいいます。
取引が大きくなると、債権の額も大きくなり、金銭をしっかり回収する必要が出てきます。
債権の管理ができないと、回収漏れなどが発生し、企業にとっての損失も大きいので、管理をしっかりと行うことが大事です。
債権管理システムは、この債権の管理を抜け漏れなく行うためのシステムになります。
債権管理システム比較【5選】
早速、債権管理システムについて比較していきます。
サービス | 特徴 | 価格 |
V-ONEクラウド |
手動照合や二重入力を解消 |
[スターター]請求〜:1,500件、入金〜:300件 [ベーシック]請求〜:3,000件、入金〜:600件 [プロ]請求〜:6,000件、入金:900件 [エンタープライズ]請求〜:24,000件、入金〜:4,000件[データベース] 問い合わせ |
オービック | 過年度や業界平均などを含む財務情報の管理可能 一括支払信託スキームの活用あり 業務の標準化と効率化を実現 |
問い合わせ |
ZAC | IT導入補助金採択率91% 見込時点から損益管理 電子申請・ワークフローに対応 |
問い合わせ 資料ダウンロード |
請求管理ロボ | 毎月の請求業務を約80%削減 自動集金の仕組み化 迅速な入金催促 |
月額費用:10,000円〜 |
スーパーストリーム | 消込処理までの一連の債権管理・入金業務が可能 得意先マスタは取引先グループごとに階層化 取引先グループ単位での残高消込・自動消込にも対応 |
お問い合わせ |
V-ONEクラウド
・手動照合や二重入力を解消
・債権管理を一元化
・入金データ自動連携機能あり
V-ONEクラウドは400社以上で導入実績を持つ、債権管理クラウドシステムです。
機会学習によって細かい照合ロジックを調整することが可能であり、入金による消し込み作業を自動で行うことができます。
異なる名義での振込みやおまとめ入金、振込手数料も、学習することで高い照合率を実現させているため、債権管理を楽にさせることができるでしょう。
また、滞留状況の可視化も行えるようにしており、回収状況や営業部面へのメール、チャット通知などもしっかり行えます。
そのため、債権回収意識の向上を社員に感じてもらうことも可能です。
入金データは自動で取得できるようにしており、複数の金融機関や口座の取引明細を自動で取得することができる他、既存のシステムや業務フローを大幅に変更することなく導入することも可能です。
専属のサポート担当者が稼働までサポートしてくれるため、初めて債権管理システムを導入する会社も安心して利用することができるでしょう。
デモ申込みを行うことができるため、考えてみてください。
オービック
・過年度や業界平均などを含む財務情報の管理可能
・一括支払信託スキームの活用あり
・業務の標準化と効率化を実現
オービックは累計で2万社以上に導入されている、ERP※ソリューションの総合業務ソフトウェアです。
財務部門向けソリューションとして、債権管理システムや有価証券管理システム、ファクタリングソリューションというラインナップが揃っています。
経営情報の要である会計情報は一元管理することができるようになっており、業務改善とプロセスを可視化して内部の統制を強化しています。
債務や支払い管理システムにおいては、買い掛け金や未払金、などの債権情報を集約して支払い予定や消し込み、債務残高などの管理業務を総轄可能です。
また、期日への振込みや各種決済方法への対応、旅費や経費ワークフローシステムともシームレスに連携しているため、債権情報をしっかり管理することができます。
他にも、財務会計システムや管理会計システム、社員支払い管理システムなど、いろいろな管理機能が提供されているため、それぞれ用途に応じて利用することが可能です。
債務管理を含めて財源を管理したいなら利用を考えてみてください。
※ERP:Enterprise Resources Planning の略。企業資源(ヒトモノカネ)を管理・統合する考え方
ZAC
・IT導入補助金採択率91%
・見込時点から<損益管理
・電子申請・ワークフローに対応
ZACは、一元管理で業務を効率化したい方におすすめできます。
プロジェクト型に最適化されており、1つのプロジェクトの売上に対して外注費や仕入費、労務費、経費などの関連コストを全て紐付けすることができます。
受注前の見込み段階からデータを一元管理することで、受注ごとに案件の管理や未来の売上利益予測を行うことが可能です。
多数の経理管理レポートにより、スピーディーで的確な経営判断を支援してくれる他、未回収の売掛金に対して滞留債権表や売掛年齢表なども出力することができるため、直ぐに確認することができて便利です。
請求書も案件やプロジェクトごとの単位で発行することができ、分割請求や前受請求などにも対応しているため、請求関連もしっかり管理を行えます。
また、工数管理機能では、部門別会議や共通部品の開発作業などで利用することも可能であり、ホワイトカラーの生産の向上やクラウドによるコスト軽減も期待することができます。
業務改善の1つとして利用を検討してみましょう。
請求管理ロボ
・毎月の請求業務を約80%削減
・自動集金の仕組み化
・迅速な入金催促
請求管理ロボは請求書の自動発行や自動送付の機能、入金情報の照合を自動化で行うことのできる自動消し込み機能など、債権管理に適している機能がたくさん備わっています。
請求書の発行では、取引先ごとに合わせたフォーマットで請求書作成を自動化し、電子メールでの送付や郵送代行、マイページでの送付など、取引先に応じて使い分けができます。
銀行の入金データも自動取得や口座振替、クレジットカードの決済手段が備えられているため、自社に応じた回収方法で簡単に管理することが可能です。
そして、取引先などから入金があれば確認作業は自動で行われ、期日の前にリマインド通知も行えるため、未入金の削減につなげることや対策として検討することもできるでしょう。
もし、期日通りに入金されなかったときは、自動で催促メールを送ることもできます。未入金の早期アクションによって回収率を高められるため、債権管理に役立つことが期待できるでしょう。
機能的に未入金の発生を削減したい企業や、入金管理をしっかり行いたい企業におすすめです。
スーパーストリーム
・消込処理までの一連の債権管理・入金業務が可能
・得意先マスタは取引先グループごとに階層化
・取引先グループ単位での残高消込・自動消込にも対応
スーパーストリームは、Webインターフェースによって提供されている会計ソリューションです。
多言語や多通貨に対応しており、債権管理では入金入力や入金予定データと入金データを突き合わせて消し込み処理までの業務を行うことが可能です。
入金情報の登録は入金伝票入力やFB入金データ取込、入金データの取込の3種類に対応しており、振込依頼人名マスタなどを設定しておくと自動判別させることができます。
消し込み処理機能でも、入金予定データと入金データを照合して行う消し込み処理には、指定した条件で残高消し込みや自動消し込み、手動での消し込みを選択することができるため、用途に応じて入金管理を行うことも可能です。
また、債権と債務の両方が発生する場合は、取引先として登録しておくことで、債権管理で計上している債権情報と、支払い管理で計上している債務情報との相殺処理を行うこともできます。
グループ経営に対応できるようにも作成されているため、債権管理システムとして利用を検討できるでしょう。
債権管理システムでできること
債権管理システムでできることには、何があるのか知っておきたいでしょう。
債権管理システムでできることを把握しておくことで、導入による業務効率の効果を予測できます。
債権管理システムでは、以下のようなことが行えます。
債権の一括管理
債権管理システムでは、自社の所有する債権を一括で管理することが可能です。
債権には取引先の情報や内容、勘定科目など必要な情報がたくさんあるため、しっかり保管しなくてはいけません。
紙のままだと債権の保管が上手くいかず紛失してしまう場合もありますが、システム上であれば全て同じ場所に保管されるため、紛失リスクは軽減されます。
さらに、入金日や取引先、社内の部門などで設定することにより、未回収の債権を確認することもできるため、債権の入金を見逃すことも防げます。
債権情報を可視化することができるため、取引先が多い企業は業務効率の点でも、かなり楽になることが期待できるでしょう。
入金の消し込み
債権管理システムでは入金の消し込みも可能です。
債権回収の方法は現金や受取手形、小切手などがありますが、どれも情報管理を行うことができ、システムによっては銀行データを自動取得できるものもあります。
債権の突き合わせを行うことができるため、入金作業についても業務効率が向上することを見込めます。
債権回収のサポート
債権管理システムでは、債権回収のサポートも備わっています。
キャッシュフローを維持するために、債権の回収を漏れることなく行う必要があり、長期的な未回収をできるだけ防ぐようにすべきです。
債権管理システムでは、未回収の売掛金を支払い期限や状況から検索することが可能であり、万が一支払いが期限が過ぎているようであれば担当者に知らせる機能があるため、取引先に連絡を取るなどアクションを起こせます。
また、債権回収の際は取引先に書類発行を行うこともできるため、自社側で新たに作成する必要はなくシステムのみに頼ることが可能です。
このように債権回収サポートにより、従業員の負担を軽減するだけでなく、会社の運営も安心できるでしょう。
債権管理システムを利用するメリット
債権管理システムを利用したい人は、どのようなメリットがあるのか知っておきたいでしょう。
メリットを確認しておくことで、導入を前向きに検討することが可能です。
以下のようなメリットがあるので紹介しましょう。
消し込み作業の自動化
債務管理システムを導入すると、消し込み作業の自動化を行うことができるため、業務負担やコスト削減、連携不足を解消することが可能です。
債務管理の際に手作業で消し込みを行うのであれば、人員も割かなくてはいけませんし、時間もかかるでしょう。
債務が多いほど労働負担が大きくなるため、他の業務にも支障が生じてしまう可能性があります。
また、経理担当者と営業担当者の間では情報共有されず、請求情報や売掛金などで、手違いが発生して余計な手間が発生することもあります。
しかし、債務管理システムを導入するなら、消し込み作業が自動化できるため人員を多く割り当てる必要もなく、他の業務に充てることが可能です。
また、売掛金管理台帳の突き合わせも不要になるため、工程も省略することができ、業務効率を向上させることができるでしょう。
債権回収の効率化
債権管理システムを導入するなら、債権の回収も迅速に行うことが可能です。
支店ごとに散らばっている債権や債務情報は一元管理することができるため、不渡りや未払いなどのリスクを抑えることができます。
もし、それぞれの拠点でバラバラになったいるのであれば、各経理担当者に問い合わせをしなくてはいけないため手間がかかりますし、タイムラグが生じて債権の回収効率が落ちてしまうことも考えられます。
また、手違いによって未払いや不渡りが発生するなら、会社の信用問題にもつながるでしょう。
債権管理システムの導入で情報共有できれば、債権督促の効率化や利益確保も向上させることができるため、利益の確保を向上させることが可能です。
債権と入金の管理体制を強化させることができる
債権管理システムを導入するなら、経営リスクを軽減させることもできます。
債権管理システムではなく、会計システムを利用している会社もあるはずですが、その場合、売掛、前受け、未回収など細かい情報までは判別することができないでしょう。
また、取引単位ごとに管理することや、リアルタイムで請求や回収、支払い情報を可視化することにも対応できないでしょう。
その場合、債権の回収や請求をするときにミスが生じてしまうこともあり、後で対応に追われてしまう可能性もあります。
その点、債権管理システムを導入しておくなら、滞留状況を確認できるため、どこに債権請求をすべきなのかしっかり理解でき、いつでも入金結果を確認することもできるため、管理も楽になります。適切に資金の巡りを管理するためには、正確性を向上させることがポイントです。
債権管理システムにより、適切なサポートを受けられ、回収漏れなどを防ぐことができるでしょう。
債権管理システムを利用するデメリット
債権管理システムを利用するときは、デメリットがあることを覚えておくべきです。
デメリットを理解しておくことで会社の損失を防ぐことも可能です。
以下のようなデメリットがあるので内容を紹介しましょう。
導入するまでに時間がかかる
債権管理システムを導入する場合は、時間がかかってしまうことも確認しておくべきです。
どんなものにも当てはまりますが、新しいシステムを導入するなら稼働するまでに多くの時間を要します。
既存のシステムと連携させること、また社員が操作に慣れるまで時間がかかるでしょう。
特に、早く効果を発揮して欲しい場合は社員へのレクチャーやデータの移行などが重要です。
社員が操作に手間取ってしまうなら、債権管理システムを導入してもミスが生じてしまい、余計に時間や労働負担が増すことも考えられます。
さらに、データも膨大な量があるなら、整理する時間も必要なので移行も手間取る可能性があります。
デメリットを防ぐためには、導入工程をしっかり確認して、できるだけスムーズにデータ移行できるようにする、またはシステムのマニュアルなどを作成して従業員ができるだけ早く理解できるように工夫する必要があるでしょう。
導入コストがかかる
債権管理システムを利用するときは、導入コストがかかることも確認すべきです。
債権管理システムは初期費用や月額費用がかかるため、コストを自社で支払うことができるのか判断しなくてはいけません。
各債権管理システムによって機能やプランに違いがあるため、費用も変わります。
しかし、毎月ランニングコストが発生するため、経営状況によっては圧迫されることも十分考えられるでしょう。
さらに、オプションなどを追加すると、余計に費用がかかるため、コスト負担が重くなります。
コストと機能のバランスを取るためにはトライアルなど体験をして、必要機能を見極め、継続して支払いできるのか確認することが大事です。
コスト負担は必ずかかるため、事前に費用計算して限度を定めておくのが良いでしょう。
債権管理システムによる選択ポイント
債権管理システムを導入するなら、自社に合うものを選択することが大事です。
債権管理システムもたくさんあるため、ポイントを押さえておくことで、選びやすくなるでしょう。
以下のポイントを参考にしてみてください。
担当者のスキルや使用目的を確認
システム選択の際には、担当者のスキルなどを想定しておくようにしましょう。
システムごとに設定の細かかさや使いやすさは異なり、担当者のスキルによって使いこなすことができるのか変わってきます。
もし、あまり慣れていないなら、細かい機能があっても使いこなせず、簡単に操作できるものの方が効率的かもしれません。
海外取引をしている場合は為替情報も必要であり、決算期には細かい設定も必要になる場合があるため、担当者や取引している企業の事業内容に基づいて選択する必要があるでしょう。
必要な機能を備えているか
債権管理システムを選ぶときは、必要な機能が備わっているのかも確認することが大事です。
システムには、販売や購買管理、経費や勤怠管理、ワークフローや内部統制など、いろいろな役割を担うケースが多いです。
例えば、販売管理を中心として部署での利用を想定しているなら、マスタ管理や与信管理、手形や送付状などで印刷の機能を持っているシステムが必要になるでしょう。
会計管理を中心としているなら、手形決済や振込決済、電子記録決済やファクタリング決済など、様々な決済方法に対応して一括管理したいはずです。
企業によって必要機能をピックアップして、利用したいシステムに付帯されているのかチェックして選んでください。
逆に、必要以上に機能がありすぎても使いにくいかもしれません。
債権管理システム導入ステップ
債権管理システムを利用するときは、どのように導入することができるのか把握しておく必要もあります。
導入ステップを確認しておくことで、スムーズに利用することができます。
債権管理システムの導入は以下の手順で行えます。
債権管理の目的と課題を見つける
債権管理システムを導入する際は、まず目的と課題を見つけることが大事です。
例えば、債権が多く、取引先への回収漏れがたびたび発生するようであれば、システムを利用して漏洩を防ぐことが期待できます。
ただ、回収の過程に不備があるのか、それとも人為的な部分でミスがあるのか、改善点を詳細に確認しておくことにより、より効果を出すことができます。
ただ、債権管理システムによって業務の効率化をしたいだけでは問題点の改善は無くならず、予想した成果を得ることができない場合もあるため、しっかり確認しておくようにしましょう。
利用するサービス会社を選択して契約を行う
債権管理システムについて導入が明確化したなら、利用するサービス会社を選択するようにしましょう。
各サービス会社によって特徴やサービス内容には違いがあります。
そのため、各サービス会社の公式ホームページを見て内容を確認すると共に、詳細な部分までチェックしたい場合は資料請求などを行うこともできます。
自社に合う債権管理システムと選択したなら、契約を行う手続きに入りましょう。
契約するときは、金額の確認やアフターサポートなどを確認しておくことが大事です。
また、自社の会計システムや各拠点のシステムとの相性も確認しなくては、機能を効果的に利用することもできないため、その点を確認して導入するようにしてください。
導入後は各システムとも連携させる
債権管理システムの契約を交わせば、システムの導入を行います。
導入する際は会計システムとの連携を行う必要があります。
買掛金の支払いや売掛金の回収などの債務は会計と連動して仕分けに反映させなくてはいけないからです。
導入後の会計の設定やルールについては、ユーザー側で確認して設定変更を行う必要もあるでしょう。
また、企業規模が大きい場合は各拠点との連携も大事な役割になります。それぞれの支店と連携させることができれば、状況を一括管理できリアルタイムで指示を出すこともできるからです。
それぞれ必要な連携を行って効率化を目指すようにしましょう。
キャッシュレス化も進行していく
債権管理システムを導入した後は、キャッシュレス化も進行させていく必要があります。
債権管理システムによってお金の流れや回収を行うためには、支払いシステムを自動化しておいた方がさらに効率性を伸ばすことができるからです。
キャッシュレス化は取引先との都合もありますが、行えるようなら進行させていくようにしましょう。
まとめ:債権管理システムを利用して、抜け漏れない体制!
債権管理システムについて内容を紹介してきました。
債権管理システムにもいろいろあるため、自社の必要に合わせて選択することが大事です。
未入金の回収や管理をしっかり行うためにも、債権管理システムがあると効率が良くなり、忘れることもないため、ぜひ導入を考えてください。
もし気になったものがあれば問い合わせしてみてください。