学生から新社会人となる時、仕事や職場への期待もありつつ、不安もあることでしょう。
「新たな環境になじめるのか」
「仕事を覚えられるのだろうか」
「入社前にどんなことをすべきか」
社会人一年目は、会社員として評価される大事な時期です。一年目の会社の過ごし方で、今後の自分の職場での評価が決まってしまいます。
では、具体的にどうすればよいか、「社会人一年目ですべきこと」「新社会人で優秀と呼ばれる人の特徴」について解説します。
また、気になる社会人のお金の事情や、新社会人の悩みについても紹介しているので、ぜひ、参考にしてください。
入社前にやるべきこと
入社前の「新人研修」では、社会人として基礎を学びます。
研修で学んだことは、実際に入社後に実践しながら習得できるのですが、それ以外に習得しておくと役に立つことを紹介します。
ビジネスマナーを身に着ける
ビジネスマナーは新人研修で学ぶ機会もあるでしょう。
ビジネスマナーは、自分の社会人としての評価だけでなく、会社のイメージにも関わります。しかし、ビジネスマナーは一長一短では身に付きません。
そのため、ビジネスマナーの本を買って、敬語や名刺の渡し方、ビジネスメールの書き方など、学んでおくことをおすすめします。
生活リズムを整える
学生時代の夜更かしや遅く起きるといった乱れた生活を、入社前の期間に整えることが必要です。
特に、新社会人は仕事や生活に慣れるまで、心身に負担をかけてしまいます。プライベートでは、なるべく体調を整える時間に使うと無理がありません。
社会人として常に健康体であるという「体調管理」はできて当たり前です。
また、新社会人は仕事を覚えようと意欲的な態度を示すために、早めに出勤することをおすすめします。
以上の理由からも、なるべく早めに良い生活リズムに慣れておきましょう。
パソコンスキルを習得する
スマホで何でもできてしまうので、学生時代にパソコンを持っていなかった、という人は多いのではないでしょうか。
パソコンを必要としない職種でも最低限度のパソコンスキルが必要です。
・タイピング
・ビジネスメール
・検索力
・ExcelやWordやPowerPointの基礎
検索力とは自分の分からないことを、ネットを使って的確に調べる力のことです。
先輩や上司に何でも聞いていると、「時間を奪う」ことになります。
初めは上手く情報を拾えないとしても、段々とやるうちにできるようになるでしょう。
優秀な社会人一年目の特徴
入社時はみんな同期という同じスタートラインに立っています。
それが数カ月後から徐々に、差が開いてきます。
では、職場の上司や先輩から見る「どんな新入社員が優秀なのか」という特徴について紹介します。
言われたことをきちんとやりきる
新社会人に仕事の質やスキルを期待していません。
会社が求めることは、上司や先輩の言われたことを最後まで責任持ってやる、というところを評価しています。
言われたことをメモに取って、覚えようとする姿勢。
進捗状況を報告しながら、積極的に取り組む姿勢などを見て、好印象を持ちます。
一緒に仕事をしていくうえでやりやすいといったことも、上司の評価を上げるでしょう。
レスポンスが早い
新入社員はスピードと量をこなすことが大切です。
頼んだことはすぐに取り組む、こちらから催促しなくてもやってくれるという、対応の早さは、優秀な人の特徴のひとつです。
いくらスピードが早くても、雑さや手を抜くのはいけません。しかし、次の仕事を依頼されやすく、早く自分のスキルアップに繋がります。
勉強ではなく、行動をスピード化しましょう。
謙虚な姿勢で改善する
優秀と言われる人は先輩や上司のアドバイスを謙虚に受け入れて、実践することです。
謙虚さは当たり前のようで、実際にできる新入社員は少数です。
会社ではミスが、会社に大きな損失を招くことがあるため、怒られることは仕方がありません。
その時に、ごまかしたり、いいわけしたり、落ち込んだ態度をとると、仕事への責任感が感じられません。
なぜ失敗したのか、どこを改善したらよいかを考えて行動できることが成功へとつながります。
明確な目標と計画を持っている
仕事の上達の差はどこが違うのでしょうか。
そのひとつに、仕事へ目的を持って取り組む姿勢が挙げられます。
ただ何となく過ごすだけでなく、明確にこうなりたいという思いや、具体的な行動が1年後の自分を大きく変えています。
社会人一年目の5つの心がけ
社会人として早く仕事に慣れるためや、職場で過ごしやすくするために、以下の5つの心がけを紹介します。
社会人として自覚を持つ
自分は会社の一員だと、自覚を持つことです。
自分の態度や発言は、その会社の一員として見られます。新入社員であっても、お客様や取引先にとっては関係ありません。
特に挨拶と時間厳守は社会人としての信頼にも関わるので、徹底しましょう。
学生のアルバイトとの違いは、「仕事」は給与との対価に、会社への利益を求められます。
与えられたことだけではなく、自分の役割は何で、どうしたらよいかの視点を持つようにしてください。
報連相を徹底する
会社はチームや組織全体で仕事をしているため、社員同士の報連相は特に重要です。
新入社員は上司や先輩の邪魔をしてはいけないと思いますが、そこは遠慮せずに行いましょう。
あらかじめ報告したいことなどを自分でまとめておくと、手間を取ることも聞き漏れすることもありません。
優先順位を把握し計画を立てる
新社会人は自分の仕事で精一杯ですが、仕事全体を把握することも必要です。
仕事には期日や緊急性の有無があります。まずは、スケジュールを管理して、仕事の優先順位をつけてこなしていきましょう。
(1)今日中にやること
(2)できれば、今日中にすること
(3)今日中でなくてもよいこと
などつけて、どのように進めていくか計画を立てると、スムーズにいきます。
積極的に取り組む
社会人一年目は、何事も積極的に取り組む姿勢が大事です。やりたいことはもちろん、嫌だと感じることも挑戦してみましょう。
未知の仕事へ挑戦することは、不安もありますが、早く仕事を覚えられます。
失敗すれば改善方法を学べますし、成功すれば自分への自信や充実感に繋がるでしょう。
謙虚な姿勢を持つ
新入社員では、直接指導してくれる先輩や上司がいます。
先輩のアドバイスを素直に受け入れて、言われたことを実践しましょう。
むっとした態度や言われたことを無視する、独りよがりな行動は、組織の中で協調性がないとして評価されます。
先輩や上司も謙虚な姿勢であれば、熱心に教えてくれたり、時にはフォローしてくれる可能性もあります。良好な関係を保つためにも、謙虚であることは重要です。
社会人にまつわるお金
入社すると、どのくらいの給与がもらえるのか、気になる方も多いのではないでしょうか。
給与やそれに係る税金や社会保障について、紹介します。
新社会人の給与
給与は会社から支払われる報酬を、すべて含んでいます。
具体的には、基本給に加え、通勤手当や残業代、賞与(ボーナス)、扶養手当、役職手当などです。賞与に関しては支払う義務がないので、賞与がないところ、賞与込みの年収などさまざまです。
学歴別の平均給与を比較すると、
・専門学卒:2,069,000円
・短大・高専卒:1,998,000円
・大学卒:2,254,000円
・大学院卒:2,535,000円
実際に受け取れるのは上記から、税金などが引かれた金額になります。
税金や社会保険
初任給で引かれるものは「所得税」と「雇用保険料」です。
「住民税」は2年目の6月から、初任給の次の月(5月〜)「社会保険料(健康保険と厚生年金)」が引かれます。
住民税が引かれない社会人一年目は、その分を貯蓄に回せるでしょう。
さらに、住民税・所得税対策として、2年目からは「ふるさと納税」を利用できます。
ふるさと納税とは2,000円の手数料を払って、ある自治体に寄付することで、所得税の還付と住民税の控除が受けられるものです。
還付とは「払い過ぎた税金が戻ってくること」、控除は「金額を差し引くこと」で、いずれも税金対策として利用されています。
20代の貯蓄
社会人一年目の給与はそれほど高くありませんが、一体どのくらいの金額を貯蓄しているのでしょうか。
社会人2年目を対象とした調査の結果、以下のようになりました。
0円:12.6人
10万円未満:1.8人
10~20万円未満:16.6人
20~30万円未満:9.2人
30~40万円未満:4.2人
40~50万円未満:11.8人
50~100万円未満:30.2人
100万円以上:13.6人
平均で62万円となりました。
理想的な貯蓄金額は、手取りから10%ほどです。
例えば、18万円手取りならば、18,000円を貯蓄すればよいとなります。
一人暮らしでの貯蓄は難しいでしょうが、5,000円でもよいので、貯める体質を習慣づけましょう。
社会人一年目あるあるの悩み
社会人一年目が感じる不安や悩みについて、解決法とともに、解説しています。
仕事が思っていた内容と違う
仕事や職場が、自分の理想と現実にギャップがあり、悩むことです。
「仕事をバリバリしてやるぞと思っていたけれど、楽しく感じない」
「何だか地味な仕事内容なんだ」
仕事や自分の能力に期待していた人に陥ってしまいます。
しかし、自分の能力や仕事の内容というのは、実際にやってみないと分からないものです。
さらに、仕事や自分の能力は捉え方によっても大きく印象が違ってきます。
まずは、「やってやるぞ」というようなプラス思考で捉えると、徐々に心も変化するでしょう。
仕事が覚えられない
社会人一年目は仕事ができないことは当たり前ですし、戦力になることも期待されていません。成長の時期だと割り切って、積極的に行動することでスキルが身につきます。
また、1度注意されたことを何度もやってしまうという人は、振り返りをしてみましょう。
自分の失敗が何なのか究明し、改善する。メモを取ったことを見返すなどして、自分の行動を見つめ直すことが必要です。
職場関係の人間関係が辛い
「上司に叱られる」「同僚と仲良くなれない」「相談できる仲間がいない」というように、気にする方もいるでしょう。
上司や先輩から必要以上に怒られることは問題ですが、ミスを指摘されるのは当然です。
ミスを指摘するのは「成長するためのヒントをくれている」と前向きに受け止めることをおすすめします。
職場で仲良くできる人がいると、楽しく過ごしやすいでしょうが、友だち作りを目的に仕事をしているわけではありません。
挨拶や基本的なマナーのある付き合い方をしていれば、自然に打ち解けあうこともできるでしょう。
周囲と比較して落ち込む
新社会人の中でも人それぞれ能力の違いがあるため、優秀な人もいます。
特に仕事ができないことや怒られてばかりならば、劣等感を感じてしまうでしょう。しかし、他の人も自分と同じように羨む気持ちや、別の悩みを抱えています。
それぞれの成長も特徴も違うことを理解して、自分のことだけに集中すると心が楽になるでしょう。
残業が多い休みが少ない
どんな仕事も繁忙時期や期日があれば、残業があるのも仕方がないことです。
自分の仕事が終わらない、仕事に必要な資格習得があるならば、プライベートの時間を使うことになります。
それも慢性的になると、心身とともに負担になってくるでしょう。そんな時は強制的に休みをとることや仕事をストップしてください。
給与が低い
ほとんどの会社では、社会人一年目の年収は低く設定されています。
会社要項に記載されている金額は、税金など引かれる前なので、もらう給与はもっと低くなります。
もし一人暮らしであれば、生活が十分にできる金額とは言えないかもしれません。
その場合は自分の生活費を見直して節約するか、引っ越しをするかを検討してみましょう。
一人暮らしが大変
一人暮らしの費用面だけではなく、食事や掃除が一人でこなせないという、悩みがあります。
社会人となれば、1日8時間以上は仕事や通勤時間に充てることになり、プライベートの時間が学生時代より少なくなるでしょう。
乾燥機で洗濯を干す手間を省いたり、食洗器を購入したりという、工夫することで、家事の負担を減らせます。
【まとめ】社会人一年目は5つのやるべきことで職場との良好な関係を築こう
社会人一年目はどうすれば、職場で評価してもらえるのか、自分が過ごしやすくなるかについて解説しました。
・社会人としての自覚を持つ
・報連相を徹底する
・目標や計画を持つ
・積極的に取り組む
・謙虚な姿勢を持つ
5つの心がけを実践しながら、職場との良好な関係を築き、過ごしやすい環境づくりをしましょう。
さらに、社会人で金融管理をしっかり行い、悩んだ時は解決策を参考にしてください。