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入社手続きのフローを現役人事が徹底解説!

入社手続きのフローを現役人事が徹底解説!

採用活動を通じて、採用内定を出したら、受入手続き(入社手続き)を行います。

入社手続きは、会社と採用者の初めての接点でもあるため、他の業務以上にミスや漏れなどなく、行いたい業務です。

そうすることで、今後入社する社員との間で、しっかりとした信頼関係を構築することができます。

逆の場合には、入社前からマイナスな印象を与えてしまいますので、十分留意したいところです。

今回は、入社手続きのフローについて、整理してみましょう。

 

1. 入社前(採用内定段階)

採用内定が決まった上で、入社手続きに必要となる書類一式を案内します。

提出される書類については、紙で受領することが一般的でしたが、最近では電子化されたデータ受領ということでも問題はない状況になっています。

会社によって、必要となる書類は異なりますが、一般的には、以下のような書類が挙げられます。

①雇用保険被保険者証

②年金手帳(2022年4月以降は、基礎年金番号通知書)

③マイナンバー通知書

④住民票記載事項証明書

⑤通勤経路申請書

⑥扶養控除申告書

⑦源泉徴収票

⑧給与振込先口座

公的な社会保険手続きを行う上で、上記書類は必要となります。

いずれも会社勤めの方であれば、現職から受領することができる書類である上、個人として保管している書類で紛失するなど、手元にない場合には、入社までに再発行をお願いすることで受領することができます。

また、マイナンバーについては、通常の書類とは扱いが異なります。

会社によっては、専用の提出方法(専用サイトなどへの登録)を求めるケースがあります。

その際には、マイナンバー通知書だけでなく、身分証明書(普通免許証など)の添付が求められますので、その案内が必要となります。

重ねて、通勤経路申請書については、先に受領できておきますと、保険手続きを行う上での標準報酬月額を算出しておくことができますので、確認をしておくことが必要になります。

その他に必要となる書類としては、各企業における書類となります。

その必要性に応じて提出を求めるようにしてください。

(主な必要書類)

・写真(入館証作成のため)

・人事登録のための経歴書

・入社誓約書

・身元保証書

・卒業証明書

・成績証明書

・退職証明書

・健康診断書

なお、会社としては、必要がない書類の受領は、禁止されています。

よく挙げられるのが、「戸籍謄本」や「住民票」になります。

それらの書類を会社が入手する合理的な理由がある場合に限り提出を求めることができますが、一般的には上記提出書類で補うことができるものだと思われますので、不要な情報については提出対象からは外しておく方が望ましいです。

 

2.入社前(会社側で行うこと)

採用者に対して提出を求めるだけでなく、会社側でも受入準備として行うことががあります。

どのような受入作業が必要となるのか、整理していきましょう。

まず、法令で定められている手続き書類としては、以下のようなものがあります。

①労働者名簿(氏名・生年月日など、個人情報に関するデータ)

②賃金台帳

③勤務表

いずれも現時点では、システム化されているケースが多いかと思いますが、採用者のデータを整備しておくことが必要となります。

また、システム化という点では、「採用者のアカウント」を作成しておくことが必要です。

そのアカウントを通じて、さまざまな社内システムに対するアクセス権の設定や、PCなどの初期設定などを行うことになります。

先に記載しましたように、初出社日当日に準備が滞ってしまいますと、せっかくの意欲を持って入社した方のモチベーションが下がってしまうことにつながります。

その点では、しっかりと受入準備の中で、手続き書類の提出ということだけでなく、その日から行う作業環境の整備というのは非常に重要な手続きであります。

そのほか、会社としては受け入れに際して必要となる手続きとして、代表的なものを列挙します。

・名刺

・入館証

・座席(作業する席や椅子)

・PC、携帯、タブレットなど

・筆記用具

あくまでも、それぞれの会社において必要となる備品を準備しておくことになります。

当たり前の話ではありますが、新しい「仲間」を受け入れるわけですので、座席周辺の清掃などは、しっかりおこなった上で、迎え入れを行いたいものです。

 

3.初出社日の手続き

初出社日においては、提出された書類に基づき、各種手続きを行います。

社員を採用した場合には、法令で定められた提出期日などを有する手続きがありますので、十分留意ください。

・社会保険加入手続き(健康保険、厚生年金保険、介護保険)・・・入社後5日以内

・雇用保険加入手続き・・・入社翌月10日まで

・住民税手続き(特別徴収に切り替える場合)・・・入社翌月10日まで

上記手続きは、事前に提出をいただいた書類を踏まえて申請書を準備することができます。

また、最近では、申請も電子化されており、ハローワークなどに書類を提出にし行く必要がなくなっていますので、手続きは非常に簡素化されてきています。

ただ、あくまでも提出がなされていればという話でもありますので、提出が揃っていない場合には、早急に提出を促すようにしてください。

また、住民税に関しては、特別徴収に切り替える上では、以下いずれかの提出書類を求めてください。

前職でも特別徴収をしていた場合:「特別徴収に係る給与所得者異動届出書」

普通徴収をしていた場合:「納付書」

その上で、「特別徴収への切替申請書」を市区町村に提出する流れとなります。

また、社会保険手続きと記載しましたが、雇用条件によっては、加入義務がない場合があります。法令で定められている条件としては、以下になります。

(社会保険加入義務がない場合)

・日々雇い入れられる人

・2ヶ月以内の期間を定めて使用される人

・所在地が一定しない事業所に使用される人

・季節的業務(4ヶ月以内)に使用される人

・臨時的事業の事業所(6ヶ月以内)に使用される人

また、それ以外にも短時間労働の方や学生も対象ではありません(短時間労働については、週の所定労働時間によっては加入要件に該当します)。

受入をする際に、画一的な対応をするのではなく、雇用条件を確認のうえ、対応するように心がけてください。

 

まとめ:入社フローを整理して気持ちよく働ける体制づくりを!

入社手続きは、出社したばかりの意欲に満ち溢れた方を受け入れる行為であり、他の業務以上に滞りなく、ミスなく進めたい手続きになります。

法律的に定められていることもありますが、各社固有の手続きも存在します。

一つ一つを丁寧におこなっていく上では、「入社手続きチェックリスト」を構築し、準備をしたか、提出を受けたかをしっかり把握するように心がけてください。

その上で、新たなキャリアをスタートした採用者が、良いスタートを切れるような受入準備を心がけたいものです。

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