経理

現役経理パーソンが考える経理で辛いことTOP5

経理にどんなイメージがあるでしょうか?

計算が大変そう? 色々細かそう? 

ここでは、現役経理パーソンでもある筆者が、約18年の経験をもとに、経理の仕事をしていて「辛い」と思ったことをランキング形式で挙げてみました。

なお筆者は中小企業に長く勤めており、あくまでその個人的経験から考えたことですので、その点はご了承いただければと思います。

 

経理の辛い仕事ランキング

では、早速、経理の辛い仕事についてランキング形式で紹介していきます。

第5位 デスクワークが多くて辛い

決算書や税務申告書の作成、会議資料の作成など、経理の仕事はデスクワークがどうしても多くなります。

その他、昔は銀行に行かなければできなかった手続きもネットバンキングを使えばほぼ出来るようになり、外出の頻度もかなり減りました。

取引先銀行との交渉や社内打ち合わせなど、デスクワーク以外の仕事も多少はありますが、やはりメインはデスクワークになります。

特に決算や予算編成の時期など、連日デスクに向かって数字と格闘していると、辛いと思うことが結構あります。

私の若い頃などは、税務申告書の作成に大変苦労し、1人で夜中までデスクワークをしていたことを思い出します。

経理の仕事は、デスクワークが多いうえ、黙々と1人で行うような仕事も多いので、それも辛いと感じる要因の1つかもしれません。

そういう意味では、コロナ禍により最近リモートワーク環境が徐々に整ってきたのは経理の仕事にとっても良いことだと思います。

同じデスクワークでも、オフィス以外の選択肢が増えてくると環境も変わり、息抜きもしやすくなるのではないでしょうか。

第4位 マンネリに陥りがちで辛い

経理の仕事は1カ月、1年といったサイクルの仕事が多く、毎月及び毎年やる仕事はほぼ決まっていて基本的に大きく変わりません。

また専門職でもあるので聖域化されがちで、業務の見直しなどの社内からの外圧がかかりにくく、同じ人が同じやり方を長く続けているといったケースも多いと思われます。

そうした中で、自ら課題を見つけたり、資格などの勉強をしたりといった自発的な行動ができないと、日々の仕事を惰性でやるだけになってしまいます。

惰性で仕事をすると楽ではありますが、自分の成長も感じられないし、「何のために仕事をしているのか」分からなくなってしまう可能性もあります。

経理の仕事はそうしたマンネリに陥りやすい面を持っていて、もしマンネリに陥ってしまうと、日々ただ同じことを惰性で繰り返すだけの辛い仕事になってしまいます。

第3位 社内での調整役が辛い

経理の仕事をしていると、社内での調整役にならないといけないことがあります。

例えば、予算編成をする時は、基本的には経営者の方針を軸にしますが、それを各部署に展開する時に必ず調整が必要になります。

各部署ともに安全をみようとするので、何も調整しなければ売上予算は低めに、費用予算は高めに設定されてしまいます。

こうした時に、経理担当者が経営者と各部署との間に立って、予算数字の全体最適化に向けて調整をします。

でもこれがなかなか難しく、「そんな予算は現実的に難しい」とか「これは必要な予算だ」などど各部署の責任者に強く言われてしまうと、そこから説得していくのは大変骨が折れます。

一方で、経営者の方針は当然変えるわけにはいきません。

このように、経理担当は経営者をサポートしながら全体の数字をまとめていきますので、時には「嫌われ役」になることもあり、なかなか辛いところがあります。

第2位 成果がわかりにくくて辛い

例えば、営業担当が大きな受注案件をとってきたり、開発担当が画期的な製品を開発したり、製造担当が大幅なコストダウンをしたりすれば、それらは誰の目にも明らかな成果としてうつりますし、実際にも大きく評価されます。

一方、経理担当が月次決算を早期化したり、大きな税制改正にきちんと対応したり、税務調査でほとんど指摘を受けなかったりしても、それらが全く評価されないことはないとしても、「成果のわかりやすさ」としては誰の目にも明らかというわけにいきません。

非常に地道な努力をして何かを達成しても、それをなかなか誰でも分かるようなアピールポイントにできないというのは、経理の辛いところでもあります。

第1位 ミスしなくて当たり前なのが辛い

ミスが許されないのは当然経理だけではありません。

仕事である以上、ミスをしても問題ないというのは基本的にあり得ないでしょう。

ただ経理の場合、会社のお金を扱ったり、社内外に公表される決算数値を計算したりしているので、1度ミスをしてしまうと、信用を回復するのが大変難しい面があります。

例えば、私が若い時に、ある大事な資料で数字の桁を間違って計算してしまったことがありました。

そのミスは資料全体に影響するものだったので、もちろん大変反省して、再発防止策を徹底的に考えました。

その結果、少なくとも大事な資料で大きなミスをしたことはそれ以来1度もありません。

しかし、あれから10年以上経った後でも、あのミスのことを他の人から言われることが時々あり、「1度でもミスをするとその印象は強く残ってしまうんだな」とつくづく思いました。

会社の大事なお金を扱ったり重要な決算数値をまとめている以上、可能な限りミスが起きないように最善の努力は重ねていますが、それでも人間に「絶対」はありませんので、経理担当はミスをしなくて当たり前と思われると辛いものがあります。

 

まとめ:経理も辛い時は辛い・・・

以上、経理の仕事をしていて辛いと思うことを5つ挙げてみました。

こうして改めてみると、確かに当時も今も辛いと思うことではありますが、同時にこれらは経理担当に大事なことを教えてくれるような気もします。

というのは、これら5つの辛いことは、経理の仕事をするにあたって「自分が常に大事だと思っていること」でもあると気づくからです。

例えば、経理担当はミスしなくて当たり前と思われることで、その信頼に応えられる経理担当として鍛えられていくのではないかと思います。

一見辛いことのように思えることが、実は大事な気付きを与えてくれるというのは、やはり経理の仕事にも当てはまるようです。

ミスや辛さが少しでもなくなるようにDXで解決できる部分は解決していけると変わってくるのかな、と感じます。

 

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