会社が大きくなっていくうちに、「オフィスを移転したい」と思う機会が増えていくのではないでしょうか。
しかし、個人の引っ越しと法人の引っ越しは大きく異なります。
個人の引っ越しと同じ業者が良いのか、それとも法人に特化した業者が良いのか、悩みだすときりがありません。
業者ごとにそれぞれ強みが違うので、自社に合っている引っ越し業者を選びましょう。
本記事では、
- 法人向け引っ越し業者のメリットとデメリット
- 法人で引っ越し業者を選ぶポイント4つ
- 利用の流れ
- おすすめ引っ越し業者6選
をご紹介していきます。
法人向け引越し業者のメリットとは?
法人向け引越し業者を利用することにはメリットがあります。
どのようなメリットがあるのか確認することで、利用を前向きに考えることができます。
法人向け引越し業者を利用するときは以下の点を押さえておきましょう。
迅速で素早く作業してくれる
法人向け引越し業者は、迅速で素早い作業をしてくれます。
法人でオフィスの移転などで引越しをする場合は、素早く対応してもらえるほど、仕事への準備を早く取りかかることができます。
特に、引越し先が遠方であれば、仕事のスケジュールなどの関係もあるため、スピーディーに行いたいはずです。
法人向けだと引越し作業が慣れているため作業スピードが素早く、荷物の梱包や搬出作業も丁寧にしてくれるため、安心して任せることが可能です。
スケジュール通りに引越しを進めていきたいなら、利用を検討してみるのがおすすめです。
レイアウトの提案や設備工事もしてくれる
法人向け引越し業者の場合は、レイアウトの提案も設備工事もしてくれます。
オフィスを引越しした後は荷物を解いて、新たに家具を配置するなどレイアウトしなくてはいけません。
ただ、引越しした後にレイアウトをすることになれば、労力と時間が必要になるため、仕事に支障が出ることもあります。
しかし、法人向け引越し業者がレイアウトを提案して、その通りに配置してくれるなら、自分の作業が格段に楽になります。
引越しの労力を仕事に使うことができるため、業務に集中することも可能です。
さらに、法人企業にとってはオフィスの引越し先で設備工事が必要になることもありますが、引越し業者が行ってくれることで手間をかけずに、オフィスを完成させることができます。
時間と労力という点を重視するなら、法人向け引越し業者は大きなメリットになるでしょう。
サポート体制が整っている
法人向け引越し業者の場合は、サポート体制が整っていることもメリットです。
法人向けの引越し業者は上記で紹介した搬出やレイアウト、設備工事だけでなく、いろいろなサポートやプランを用意しているため、自社に合わせた方法で依頼することができます。
例えば、引越しの際に不用品がたくさん出ることが予想されるなら、それらの処分を依頼することもできます。
自分たちで処分することになれば多大な時間がかかりますが、業者が行ってくれるなら節約することができるでしょう。
他にも以前のオフィスの原状回復やOA機器の取り付けなども行ってくれるため、サポートやプランは企業にとって助かります。
法人向け引越し業者のデメリットとは?
法人向け引越し業者を利用するときはデメリットもあります。
どのようなデメリットがあるのか確認しておくなら、マイナス要素を押さえて対策を考えることが可能です。
以下のようなデメリットがあるので確認してください。
コストが高く付くこともある
法人向け引越し業者は、いろいろなサービスが整っているため、引越しだけでなくオフィスとしての準備も期待することができます。
しかし、サービスが充実している分、コストが高く付くこともあるため、しっかり費用の計算をする必要があるでしょう。
プランやオプションの追加によっては出費が高くなってしまい、企業にとって大きな負担となることもあります。
そのため、引越しでかかるコストを計算して、サービスのバランスを考える必要があります。
資金に余裕があるようなら、全て業者に任せてみることもできるでしょう。
スタッフが足りない場合もある
法人向け引越し業者はスピーディーに作業してくれますが、スタッフが少ない業者もあるようです。
もし、スタッフが少ないなら作業できる速さは限られるため、大規模なオフィスの引越しを行うときは人数的な問題から時間がかかることもあります。
もし、スケジュールに余裕がなく、できるだけ早く作業して欲しい場合は、見積もりの段階で確認しておかないと思うように引越しが進まないことも考えられます。
大規模な引越しの場合は業者と綿密に打ち合わせをしておいた方が良いでしょう。
法人で引っ越し業者を選ぶポイント4つ
法人で引っ越し業者を選ぶポイント4つ
まず、引っ越し業者を選ぶポイントを4つご紹介します。
法人の場合、以下のようなポイントをおさえて業者を検討するといいでしょう。
- サービスの対応範囲が広いか
- 引越安心マークを取得しているか
- 原状回復をしてくれるか
- 不用品の処分をしてくれるか
業者を比較する際に役立ちますので、ぜひご覧ください。
1.サービスの範囲が広いか
まずは、どの範囲まで引っ越し業者に依頼するのかを決めましょう。
会社の引っ越しは、個人の引っ越しと全く別物だと思ってください。
新しいオフィスでの仕事環境を整え、配線工事や作業の動線も考慮しなければいけないからです。
そのため、引っ越し業者としっかり打ち合わせをする必要があります。
ただ荷物を運ぶ引っ越し業者では対応できません。
しかし、最近では原状回復やレイアウト・デザイン提案、必要備品の手配など引っ越し作業以外の業務を請け負う引っ越し業者も増えています。
基本的にオプション料金として加算されるので、どこまで依頼するかは予算に合わせて決めましょう。
別の専門業者に依頼した方が安い場合もあります。
会社の規模が大きくなるほど作業は大掛かりで大変になので、さまざまなサービスに対応している業者を選ぶのがおすすめです。
2.引越安心マークを取得しているか
引っ越し業者選びのときは、「引越安心マーク」を取得しているかもチェックしましょう。
引越安心マークは、全日本トラック協会が優良引越事業者と認定した場合に交付されるマークです。
認定されるためには、以下の基準を全て満たす必要があります。
(1)引越における約款を遵守していること
(2)苦情等に対する対応体制及び責任の所在の明確化を図っていること
(3)適切な従業員教育を行っていること
(4)引越関係法令を遵守していること
(5)適正な廃棄物処理等を行っていること
(6)適正な個人情報の取扱いを行っていること
(7)制度の信用を損なう行為又は信用を損なう恐れのある行為がないこと
法人の引っ越しでは、重要な顧客情報や精密機器も運ばなければいけません。
何か問題が起きたあとでは遅いので、信頼できる引っ越し業者を選ぶようにしましょう。
3.原状回復をしてくれるか
借主には引っ越しのときに「原状回復」の義務があります。
例えば、追加で付けた冷暖房設備、シーリングライト、壁紙などは全て借りたときの状態に戻さなければいけません。
「新たな事務所への引っ越しは終わったけど、旧事務所の片付けはこれから」となると、非常に大変です。
業者によっては、事務所移転時に旧事務所の原状回復をしてくれる場合もあります。
原状回復も依頼しておくと、時間と手間の節約になるのでおすすめです。
情報収集の際に原状回復を依頼できるか確認しましょう。
ただし、物件によっては原状回復を担当する業者が指定されている場合があります。
事前に契約書類を確認するか、管理会社に問い合わせておくと安心です。
4.不用品の処分をしてくれるか
不用品の処分が依頼できるかも確認しておきましょう。
法人の引っ越しの場合、新しいオフィスにあわせてオフィス用品を新調することが多いです。
そのときに今までのオフィス用品を捨てる必要があります。
しかし、事務机、いす、収納棚といった大型の家具は、捨てるだけでも一苦労です。
どうやって捨てるのか調べるだけでも手間がかかってしまうでしょう。
また、不用品だけ別業者を呼ぶのは、追加料金がかかるうえに、時間も取られるのでおすすめしません。
大型の家具になるほど捨てるタイミングを見失ってしまいがちなので、引っ越し業者にお願いしましょう。
引っ越し業者によっては対応していない可能性もあるので、事前に確認しておくのがおすすめです。
おすすめの引っ越し業者6選
ここからは、おすすめの引っ越し業者を6社ご紹介していきます。
興味のある業者があれば、見積もりを依頼してみましょう。
オフィスコム
【特徴】
・引っ越しだけではなく、オフィスのデザイン提案可能
・電話やFAX、机といったオフィス家具の手配もできる
・見積りは最短30分で完了
・最短即日で現地調査をおこなう
【支店】
全国各地
【旧事務所の原状回復】
可能
オフィスコムは、引っ越しのトータルプランニングを提供している引っ越し業者です。
オフィスコムが対応しているサービスを以下にまとめました。
- 新オフィスのデザイン設計・レイアウト作成
- 内装・設備工事の施工
- 自社製造のオフィス家具の手配・組み立て設置
- 什器の搬入・搬出
- 原状回復
全て自社で作業をおこなうので、コストを最小限に抑えることができます。
またオフィス家具の製造・販売もしているので、引っ越しを機に新調するのもおすすめです。
商品点数は10万点以上と充実しているので、希望通りのオフィス家具が見つかるでしょう。
Okamura
【特徴】
・レイアウト提案も可能
・オフィス家具の提案、設備工事、不用品処分もできる
・年間15,000件以上の実績
【支店】
東京、宮城、愛知、大阪、福岡
【旧事務所の原状回復】
可能
Okamuraでは新しいオフィスのレイアウト作成をはじめとする、引っ越しで発生する全ての業務をサポートしてくれます。
法人の引っ越しは、日々の業務と並行して進めなければいけません。
手間取ってしまうと、業績に影響を及ぼす可能性もあります。
Okamuraなら、綿密な計画とタスク管理で工事業者とのやりとり、コスト管理、引っ越し作業など全てを請け負ってくれるので、スムーズに引っ越しができるでしょう。
オフィス引越センター
【特徴】
・法人に特化(個人はやっていない)
・レイアウト、レイアウト+設備工事、レイアウト+設備工事+現場管理 など、自社に必要な組み合わせができる
・企業規模にかかわらず依頼が可能
【支店】
東京のみ
【旧事務所の原状回復】
可能
オフィス引越センターは、法人の引っ越し専門業者です。
社員10名以下の個人事務所から、大規模オフィスの移転も対応しています。
価格の安さに定評があり、4名様パックは60,000円~と格安です。
引っ越し作業だけのプランやレイアウト作成、設備工事も含めたトータルプランなどさまざまなタイプが用意されているのは大きな強みではないでしょうか。
オフィス専門なので、引っ越し作業だけでなくバックアップやアフターフォローもしっかりしています。
不用品の処分はもちろん、オフィス家具・什器やOA機器も取り扱っているので引っ越しと同時にオフィス環境を見直すのもいいでしょう。
中古品も取り扱っているので、予算に合わせて選ぶことができます。
日本通運
【特徴】
・ビルごとの移転や工場の一部移転など幅広く対応
・配線工事や通信機器、オフィス家具などが手配も可能
・移転先のレイアウトの依頼もできる
・長距離にも対応
【支店】
全国
【旧事務所の原状回復】
可能
「日通」の呼び名でおなじみの日本通運もおすすめです。
オフィス以外にも、学校や病院の移転まで手掛けており、さまざまな業種における実績があります。
年間25000件以上の実績があるのはかなり信頼できるのではないでしょうか。
経験豊富なプロが、あらゆる要望に対応してくれます。
国内・海外も問わず、美術品輸送や貴重品輸送、警備輸送まで「運べないものはない」と言われるほどです。
もちろん、レイアウトやオフィス家具の購入、内装・設備工事も対応しています。
社員の引っ越しサポートもあるので、人事担当者の負担も軽減されるでしょう。
アフターフォローも充実しているので、引っ越しに関わること全てを任せたいなら特におすすめです。
サカイ引越センター
【特徴】
・品質運営管理の国際規格を取得済
・オフィス移転に関わる企画、設計から設備工事、内装工事、引越、原状回復まで、すべてワンストップでサポート
・新事務所の物件紹介も可能
・美術品、重量物などの貴重品の運搬も対応
【支店】
全国
【旧事務所の原状回復】
可能
大手引っ越し業者のひとつであるサカイ引越センターも、法人向けサービスを展開しています。
引っ越し作業以外のオプションサービスが充実しているのが特徴です。
また、専任の経験豊富なオフィスアドバイザーが要望に合わせたプランを提案し、対応してくれます。
作業責任者も質が高いスペシャリストばかりです。
引っ越しのトータルプランニングを安心して任せられる業者といえるでしょう。
さらに、社員の引っ越しも手厚くサポートしてくれます。
社宅としてマンションを用意する場合に一斉入居の手配をしてくれる、入居後のフォローも選任担当者がおこなうなど充実したサービスが用意されています。
アート引越センター
【特徴】
・引越しからレイアウト設計、工事、実装までワンストップで対応
・社員数1,000人以上のオフィス移転の実績多数
・LANや電気、電話などの配線工事も可能
・トランクルームで什器・備品や大事な伝票・書類などを期間中大切に保管
【支店】
全国
【旧事務所の原状回復】
可能
アート引越センターはCMもやっているので、誰しも一度は聞いたことがあるでしょう。
アート引越センターでは、法人の引っ越し専用である「オフィスパック」が人気です。
オフィスビルから大学、店舗まであらゆる引っ越しに対応できます。
移転先の選定からコンサルタントがバックアップについてくれ、アフターサービスも万全。
不要になった什器や家具、備品の買い取りも含まれているので、大規模な引っ越しもスムーズに進むはずです。
また、転勤を伴う社員に向けたサポートも充実しています。
引っ越しの見積もり、手配、事務処理までオンラインで完結するARTist2のは、導入企業が700社を突破しました。
費用も無料で、引っ越す社員と人事担当者の両方の負担を軽減できるのは他の業者にはない強みだといえるでしょう。
法人向け引越し業者に依頼するときの流れ
法人向け引越し業者に依頼するときは、流れを確認しておくことが大事です。
法人向け引越し業者への依頼で流れを把握しておくなら、スムーズに依頼することが可能です。
以下のような流れとして覚えておきましょう。
選定してスケジュールを作成する
まずは、どこの法人向け引越し業者へ依頼するのか決定しましょう。
自社の要求とマッチする業者を比較しながら選ぶとスムーズに決定できます。
その後は見積もりを依頼して、引越し業者に依頼する作業範囲を明確に決定します。
作業内容が決定したら、日時を予約してスケジュールを作成しておきましょう。
リストの作成を行い引越しする
スケジュール作成ができれば、業者への依頼に応じてリストを作成しましょう。
移転物品や残留物品、廃棄物のリストを作成しておくと、当日に業者側もスムーズに動けます。
全て業者に任せるなら、後は予定日が来るのを待つのみですが、梱包などの作業が必要であれば、事前に完了できるように行動してください。
まとめ:法人向け引っ越し業者を比較し、最適なモノを検討!
本記事では、
- 法人で引っ越し業者のメリットとデメリット
- 法人で引っ越し業者を選ぶポイント
- おすすめ引っ越し業者比較
をそれぞれご紹介しました。
法人の引っ越しは個人の引っ越しとは全く違うので、どの業者を選ぶのかはとても大切です。
予算はもちろん、引っ越し作業以外のサポートやアフターフォローも重視しましょう。
また必ず相見積もりをとってください。
相見積もりをとると、料金の交渉ができる、客観的に比較できるといったメリットがあります。
この記事が法人の引っ越しを検討している企業の方にとって役立てれば幸いです。