多くの企業で人手不足が謳われる現代において、採用活動の重要性はますます高まっています。
企業を発展させていくためには、いかに自社にマッチする優秀な「人材」を確保できるのかが、必要不可欠です。
では、企業が求める人材を採用するにはどうすればいいのでしょうか。
答えは、「採用計画を立てて、その計画に基づいて採用すること」です。
今回は採用のファーストステップでもある採用計画について、具体的な策定方法やポイントについてご紹介していきます。
ぜひ採用活動にお悩みの方は、こちらの記事を読んで参考にしてみてください。
-本記事はこんな方におすすめです-
◎人事歴が浅く、採用計画の立て方が分からない方
◎採用があまり上手くいかず、参考にして取り入れたい方
◎これから採用を始めたいが、どう進めていくか悩んでいる方
採用計画とは?
そもそも「採用計画」とは何でしょうか?
「採用計画」とは求める人材をどのように採用するのかを示す方針を指します。
人材を採用したいと思っても、いきなり行動に移すのは難しいですよね。
まずは自社の現状や課題を踏まえて、どのような人材を何名、採用したいのか、どのように採用するのかなど、計画を立ててからアクションに移す必要があります。
抽象的な目標と合わせて具体的な選考プロセスや採用フロー、スケジュールもこの採用計画段階でしっかり検討していきます。
企業にマッチした優秀な人材を採用するために、採用計画を立てることは必ず必要なプロセスになります。
採用計画の必要性
採用計画はなぜ必要なのでしょうか。
それは冒頭でもお伝えした通り、活躍人材を採用するためです。
採用計画を立てることで、後述している事項がクリアになり、理想の採用を行うことができます。
採用関係者の認識が統一する
企業の採用活動は、多くの関係者と協働することになります。
その場合、その企業が目指す採用がどういったものか、具体的な手法や手段などを事前に把握しておくと、実際の採用活動をスムーズに進められます。
人によって面接の合否基準がバラバラなどといった認識のズレを防げます。
採用活動の進捗具合が分かる
計画をあらかじめ立てることで、その都度進捗が把握できます。今の活動が順調かそうでないのか状況を認識でき、順調でない場合は採用活動の見直しも早い段階から行えるので、採用失敗といったリスクの回避ができます。
採用課題が分かる
採用計画と実際の採用活動を比較することで、自社の採用課題が見えてきます。
例えば、自社の業界はこの採用手法・チャネルが合わないなど、企業独自の課題が発見でき、次の採用につなげられます。
採用計画の具体的プロセス
採用計画の重要性はご理解いただけたでしょうか?
ここからは、具体的なプロセスについて解説していきます。
採用の目的や目標を明確にする
初めに、採用を行う目的を明確にしましょう。
つまり採用することで企業として何を実現したいのか、ということです。目的を明確にするためには、大前提として自社の経営理念や事業計画・事業戦略について正しく把握することが必要です。
例えば、あるベンチャー企業が新たにアプリのサービスを世に出して、売り上げを3年後までに現在の5倍にしたいと考えた場合、アプリ開発のためのエンジニアが○○名、サービスを売り込む営業が○○名必要、というように企業の状況を把握することで具体的な目標を設定することができます。
人材要件の整理を行い、採用ターゲットを設定する
採用の目的や目標の明確化が完了したら、具体的な人材要件・ターゲットを決めます。
ターゲットによって効果的なスケジュールや選考手法などが変わってくるため、採用計画において非常に重要なプロセスになります。
具体的な人材要件は、○○の業務経験が〇年以上ある人、コミュニケーション力が高く営業適性のある人材、新規サービスを開発して社会に影響を与えたい人、など細かく設定を決めていきます。
採用手法を検討する
採用ターゲットが決まったら、次はその人材をどのように採用するのかを検討します。
・採用チャネルについて
…応募者をどのツールから集めるのか検討します。HPや企業SNS、広告媒体に出稿するかなど、企業のターゲットと各ツールを使用しているユーザー属性と照らし合わせながら判断します。
・選考プロセスについて
…書類選考や適性検査の有無、面接は何度必要か、面接官は採用担当者だけで行うのかなどを細かく設定します。
・選考基準について
…選考を行うにあたり、自社が大切にしたい能力やスキルを整理し、評価基準を明確にしていきます。評価項目の優先順位付けは、候補者を見極める際のズレ防止に効果的です。
採用スケジュールを策定する
採用までの流れが決まったら、次は具体的にスケジュールに落とし込んでいきます。
スケジュールは柔軟に変更できるよう厳密に設定せず、ざっくりと決めておく方が良いでしょう。
スケジュール策定で重要なのは採用シミュレーションです。
想定の応募人数から各選考ステップの人数をシミュレーションし、スケジュールを決めましょう。
採用予算を決める
採用活動にかかる予算を設定します。
採用担当者の人件費、選考会場代、イベント参加費や採用広告費など全体でかかる金額をあらかじめ想定しておきます。
一人当たりの採用単価に着目してみると、採用コストが妥当かどうかも確認できます。
採用計画を立てる上でのポイント
採用計画を立てる上で、注意したいポイントがあります。
採用市場や競合他社の動向を探る
現在の採用市場はどういった状況なのか、また競合企業はどういった動きをしているのかなど、周囲の状況把握は非常に重要になります。
イベントや選考の時期、イベント内容などの採用を取り巻く環境は毎年変わっていくため、母集団形成から入社までのスケジュールやコンテンツ設計を適切に行うためにも情報収集は欠かさないようにしましょう。
求職者の動向を探る
より効果的なアプローチを行うためには、求職者の志向性や活動時期、活動内容を知ることが必要です。
近年はコロナ禍により、リモートワークや在宅勤務、副業希望など、求職者の働き方に対しての考え方も変わってきています。
自社が求める求職者はどういった志向を持っていて、どのようなコンテンツが刺さるのか。効果的なアプローチを考える上で求職者の動向は逐一調査することが重要です。
まとめ:採用計画の立て方で採用は変わります
今回は人事初心者でも分かる採用計画の立て方についてご紹介いたしました。
採用計画はあくまで計画なので、活動を進めていく中で計画との乖離は必ず出てきます。
その時はしっかりと乖離が発生した原因を追究し、どのように軌道修正するかを検討していく必要があります。
採用活動は試行錯誤の繰り返しです。
経験を積むことで効果的な採用活動ができるようになっていきますので、まずは今回の情報を参考にしながら採用計画を立ててみてください。