テレビCMを放送したけれど、効果があったのか正確に調べたい。
自社商品の広告の一環としてテレビCMを放送している企業には、こんな悩みがつきものです。
テレビCMは、時間帯や放送番組、地域限定の番組など、さまざまな状況により効果も変化します。
こうした複数の要素とテレビCMの効果の関連性を分析することで、より効果的な広告をうちだせるようになることでしょう。
そこでおすすめなのが、テレビCMの放送効果を測定するためのツールである「テレビCM効果測定ツール」です。
本記事では、テレビCM効果測定ツールのメリットや選ぶポイント、おすすめのテレビCM効果測定ツールを詳しく紹介します。
企業の広告・マーケティング担当の方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
テレビCM効果測定ツールとは
テレビCMの最も効果的な利用方法は、製品やサービスを提供したい層が観るテレビにCMを流すことです。そのためにテレビCM効果ツールが活躍します。
現在テレビCMをどの年齢層が観ているのか、ターゲットが観ているかを調べる方法はCMを打つだけではわかりません。
そのため、テレビCMが誰に観てもらえているのか、より効果的な時間帯や曜日があるかを調べられるのがテレビCM効果測定ツールです。
導入することで、以下のことが分かるようになります。
・CM広告を観ている人数、効果のある曜日や時間帯が分かる
・最適なCM放映時間がわかり、コスト削減につながる
テレビCMを放送するメリット
一昔前まで、テレビCMは企業広告の代表格と言っても過言ではないほどでした。
しかし最近では、WEB広告やSNSといった手法で広告を行う企業が増えてきています。
その一方で、いまだなおテレビCMを使った広告は、あらゆる企業から人気を集めています。
その背景には、テレビCMを放送するメリットが潜んでいます。
・不特定多数の人へ幅広くアプローチできる
・企業自体のイメージアップや認知度アップにつながる
・聴覚や視覚といった複数の面からのアプローチが可能
不特定多数の人へ幅広くアプローチできる
動画サイトに流したりWEBサイトに掲載したりする場合、視聴者の属性に応じて適切な広告が流されます。
そのためWEB広告には、ターゲット層へ効果的にアプローチできるメリットがあると言えます。
その一方で、最初から広告のターゲット層を絞ってしまうため、潜在的なニーズを掘り起こすことができません。
しかしテレビ広告であれば、テレビを見ている不特定多数の人へアプローチできます。
したがって、もともと自社がターゲットとしている顧客層だけではなく、潜在的な顧客層にもアプローチできるメリットがあるのです。
企業自体のイメージアップや認知度アップにつながる
テレビCMの内容にもよりますが、うまく視聴者へ好印象を与えられれば、企業自体のイメージアップにつながります。
また、テレビCMはWEB広告と異なり、スキップしたり非表示にしたりすることができません。
そのため、テレビを観ている人たちへ確実にアプローチすることが可能です。
テレビCMで企業名や商品名を覚えてもらえば、消費者のなかでの認知度がアップすることでしょう。
テレビCMを観て「よし、これを買おう!」とはならなかったとしても、店舗で商品を比較する際に「この商品知ってる」となったほうが、購買時に選択してもらえる可能性が高いです。
商品や企業の認知度アップ、企業自体のイメージアップを目指す場合には、テレビCMの放送がおすすめです。
聴覚や視覚といった複数の面からのアプローチが可能
WEBサイトに掲載するバナー広告やSNSに流す広告の場合、商品やサービスの画像を使って視覚に訴えかけることができます。
その一方で、動画広告でない限り、聴覚へアプローチすることは不可能です。
テレビCMでは、商品やサービスのイメージ動画とともに、音声でのアナウンスや商品使用時の音を流すことができます。
例えば、洗剤のCMであれば食器を洗い上げたあとにキレイになったことを表現する「キュッ」という音や、焼肉のタレのCMであれば焼肉を焼いている「ジュージュー」という音などが挙げられます。
こうした音をテレビCMに使って、聴覚と視覚の両面から視聴者へアプローチすることで、商品の魅力をより効果的に伝えられることでしょう。
その結果、視聴者の購買意欲をかき立てて、企業の売上がアップすると期待できます。
テレビCM効果測定ツール導入のメリット
テレビCM効果測定ツール導入のメリットは次の3つです。
・自社のテレビCMをどのくらいの人が観ているか把握できる
・最適なCM放映時間や曜日が分かり、重点的に効果がある時間にCMを流せる
・効果のある時間帯がわかるため、無駄なコストが減らせる
順番に説明していきましょう。
自社のテレビCMをどのくらいの人が観ているか把握できる
現在、テレビでその番組を観ている人を直接把握することは難しいと言われています。
そのため、Webサイトへ誘導するCMを流してその後のWebサイトへのアクセス数から、どのくらいの人がCMを観ていたのか測定する方法があります。
他にもアンケートで〇〇のCMを最近観ましたか?と質問することで、認知度を調べることもできます。
こうした様々な方法を組み合わせて、自社のCMをどのくらいの人が見ているのか測定できるのがテレビCM効果測定ツールです。
自社のCMのターゲット層がどのくらい観られているか把握することができます。
最適なCM放映時間や曜日が分かり、重点的に効果がある時間にCMを流せる
自社が複数の枠で放送したCMを観た人を調べることで、最適な曜日・時間を調べることができます。
若い人がターゲットのCM、健康食品を売りたい会社のCMなどCMを放送するのに合った時間帯や曜日が異なります。
テレビCM効果測定ツールを導入することで、特に自社のサービスを観てほしい層がテレビを観る時間に集中してCMを流すことができるようになります。
効果のある時間帯がわかるため、無駄なコストが減らせる
テレビCM効果測定ツールを導入することで、集客に効果のある放送枠が判明します。
複数の曜日、時間にCMを流すことはコストもそれだけ必要になります。
集客の見込める時間に絞ってCMを流すことで、低コストで十分な宣伝効果が見込めるようになるでしょう。
テレビCMの主な効果測定メソッド
テレビCMの効果測定と言うと、視聴率を活用した方法を思い浮かべる人が多いかもしれません。
しかし、実はその方法以外にも、テレビCMの効果を測定するメソッドが存在します。
ここでは、テレビCMの主な効果測定方法を3つ紹介していきます。
・GRP(のべ視聴率)を使った効果測定方法
・テレビCM放送後のWEBサイトへのアクセス数で分析を行う
・商品やサービスを購入した顧客へのアンケート結果を活用する
GRP(のべ視聴率)を使った効果測定方法
GRPとは、のべ視聴率という意味を持つ「Gross Rating Point」を略した言葉で、一定の期間における特定地域内での世帯視聴率を合計したものです。
テレビCMの効果測定をする際には、このGRPが使われることが一般的です。
例えば、視聴率が8%の時間帯に5本のCM、視聴率が4%の時間帯に6本のCMを流した場合、「8%×5+4%×6=64%」という数値になります。
そして、この数値が高ければ高いほど、多くの視聴者に観てもらえている可能性が高いと言えます。
そのため、GRPとCM本数を掛け合わせた数値がなるべく高くなるようにすることが重要です。
テレビCM放送後のWEBサイトへのアクセス数で分析を行う
テレビCM放送後に、自社や商品のWEBサイトへアクセスが増えた場合、テレビCMの効果が出たと考えられます。
そのため、テレビCMを放送した後の一定時間に、どれほどWEBサイトへのアクセス数やブラウザでの検索数が増えたかで効果の分析を行う方法もあります。
自社でWEBサイトへのアクセス数や検索数を抽出して分析することもできますが、テレビCM効果測定ツールを使えば、専門家による高精度な分析を行うことが可能です。
商品やサービスを購入した顧客へのアンケート結果を活用する
自社の商品やサービスを購入した顧客へ、購入のきっかけになった媒体についてアンケート調査を行うのもひとつの手です。
例えば、「当社の商品やサービスをどこで知りましたか?」や「購入のきっかけを教えてください。」といった質問で、購買経路を調査します。
その結果、「テレビCMがきっかけで商品を知った」と回答した割合が高ければ、テレビCMの効果があったと考えられます。
テレビCM効果測定ツールを選ぶポイント
テレビCM効果測定ツールを選ぶときは、以下のポイントをあらかじめ確認しておきましょう。
・自社がCMを流したい地域に対応しているか
・使える機能
・使いやすいテレビCM効果測定ツールか
それぞれのポイントを解説します。
自社がCMを流したい地域に対応しているか
まずCMは全国区で放送されるものだけではなく、地域限定で行われるものも多いです。
自社のサービスが地域限定のものである場合は、地域限定放送でCMを放送すると思います。
その場合、使用するテレビCM効果測定ツールもCMを放映する地域に対応するものを探しましょう。
使える機能
テレビCM効果測定ツールはサービスごとに、特長があります。
例えば、同業他社のCM情報を調べることができるものもあります。
他にもテレビCMだけではなく、ネットの動画広告なども併せて複合的な効果を計測できるサービスもあります。
テレビCMの効果を高めるためにも、どのような機能が使えるか調べるとよいでしょう。
使いやすいテレビCM効果測定ツールか
広報担当が使いづらいテレビCM効果測定ツールでは大変ですね。
ツールを利用してみて、必要な機能や視覚的な使いやすさを試してみましょう。
業種などによって必要な機能も異なりますので、何が調べたいのかテレビCM以外にも広報活動を行っている場合は一緒に効果を調べられるツールがおすすめです。
おすすめテレビCM効果測定ツール5選を徹底比較
早速、テレビCM効果測定ツールをいくつか比較していきます。
テレビCM効果測定ツール | 特長 | 対応地域 | 運営会社 |
ノバセル | テレビCMの企画制作~効果分析までワンストップ 効果測定のみも可能 |
全国に対応 | ノバセル株式会社 |
Madison | 競合他社のCMの動向をお知らせしてくれる シェアの大きいエリアや小さいエリアも把握できる |
全国32の放送エリアのうち27エリアに対応 ※残りの5エリアもデータがあるため、対応可能 |
株式会社PTP |
MAGELLAN | テレビ広告だけではなく、様々な要因を加味して製品やサービスの売り上げへの影響を予測できる | 全国に対応 | 株式会社サイカ |
株式会社テムズ | 30年以上の実績あり 効果測定だけではなく、広報についての全般的な戦略も提案できる |
不明 | 株式会社テムズ |
ADVA | データサイエンスを利用したCMの効果測定を得意とする 国内大手企業の導入実績あり |
不明 | 株式会社サイカ |
ノバセル
・全国の放送局に対応したどの企業も依頼しやすいサービス
・過去に放送されたCMも解析可能
・テレビCMの企画制作~効果分析までできるワンストップサービスもある
ノバセルは、全国の放送局に対応した大手テレビCM効果測定サービスです。
小さいエリアのみ限定でCMを流している企業も効果測定を依頼できます。
導入実績も100社以上で安心して依頼できますね。
過去に放送されたCMについてもデータが蓄積されているので、解析できます。
ノバセルでは、CMの効果測定だけではなくCMの企画制作も依頼することが可能です。
初めてCMを検討する企業もCMの効果測定を行っているノバセルだからこそ、依頼しやすいでしょう。
Madison
・全国32の放送エリアのうち27エリアに対応
・競合他社のCMの動向が分かるサービスがある
・CMの効果測定を社内でやるのが難しい場合はお任せできる
Madisonは全国32放送エリアのうち、27のエリアに対応しています。
残りの5エリアもデータを蓄積しているため、効果測定が可能です。
自社のCMを流したいエリアかどうかは確認してください。
Madisonの大きな特長が、競合他社のCM動向がわかるマップ情報が提供されることです。
同業他社がCMの枠を大幅に増やした場合に、通知を受け取ることもできます。
変化にいち早く気付くことができるため社内での対応も検討できるでしょう。
また、CM効果測定は社内の広報担当が行うと専門性が高いため手間がかかることもあります。
Madisonは業種を問わず、テレビCM効果測定を行えるデータサイエンティスト細かく分析し提案まで行うことが可能です。
MAGELLAN
・広告以外の気象や季節、マーケティングの効果を総合的に効果測定できる
・データサイエンティストによる統計学的数値分析がある
・大手企業120社以上に導入実績がある
MAGELLANの特長は、テレビCMや広告以外の影響を分析に加えることができることです。
具体的には天候・競合他社・その他のPR活動などです。
これらのマーケティング要素を同じ指標で効果測定できます。
テレビCMはもちろんのこと、多くの広報活動の結果をまとめて見ることができるのが強みです。
データサイエンティストによる統計学的数値分析も取り入れられているため、不確実性の大きいテレビCMの効果測定でも信頼できる結果が得られるでしょう。
取引企業も大手を中心に120社以上あります。
株式会社テムズ
・実績が豊富
・効果測定ツールは2種類あり、選べる
・結果に基づいた広報活動の提案が受けられる
株式会社テムズのテレビCM効果測定は、豊富な過去の実績とも比較できるのがメリットです。
さらにテレビCM効果測定ツールは2種類から選ぶことができます。
OMUNIBUSとCUSTOMIZEがあります。
OMUNIBUSは始めやすい価格が特長です。
調べたいCMと、調査のタイプを決定するだけで簡単にテレビCMの効果を調べることができます。
CUSTOMIZEはより細かい調査が可能なプランです。
調査日程や、エリア、ターゲットなども絞り込めます。
コンサルティングまでの一貫したサポートが受けられます。
ADVA
・ADVA PLANNERではデータサイエンスにより導かれた結果をもとに、CMを流す局やパターンも算出できる
・CM制作を依頼するクリエイターも必要に応じて紹介可能
ADVAはCMを放送する前から、データサイエンスを用いて自社のサービスや製品のCMを放送する適切な枠を算出できます。
テレビCMには多くのコストがかかるので、放映前からある程度枠が絞り込めるのはメリットです。
またCMを制作するクリエイターも自社の希望を基に紹介してもらうことができます。
まとめ:テレビCM効果測定ツールを比較して良い施策に繋げましょう
本記事では、テレビCM効果測定ツールの機能、導入メリット、選ぶポイント、おすすめのテレビCM効果測定ツールを紹介しました。
多くの実績がある企業から、最新のデータサイエンスを用いた効果分析を行うサービスまで特徴が様々あります。
既にCMが完成している場合は、効果測定やその後の提案を受けられるサービスを選ぶとよいでしょう。
CM制作から依頼したい場合は、制作も行っているサービスに依頼しましょう。
記事を参考に自分に合ったテレビCM効果測定ツールを探してみてはいかがでしょうか。