近年、働き方が多様化するにつれて、テレワークを実施する企業やフルリモート勤務を希望する人が増えてきています。
採用の現場でも、対面せずにオンラインで面接を実施するケースが増加傾向にあります。
オンラインで面接をおこなう場合、WEB面接に特化したツールを利用するのが一般的です。
しかし、WEB面接ツールにはさまざまな種類があるため、どのツールが自社に合っているのかわからない場合も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、WEB面接ツールの選び方や主な機能に加えて、人気のWEB面接ツールを紹介します。
これからWEB面接を導入しようと考えてる企業担当者は、ぜひ参考にしてください。
WEB面接ツールとは
WEB面接ツールとは、オンラインで採用面接をおこなうことに特化したツールです。
面接希望者はパソコンやスマートフォン・ タブレットのカメラを利用し、直接企業へ出向かなくても面接を受けることができます。
実際に対面せず面接できるため、採用面接に関する作業の効率化が可能です。
WEB面接ツールを導入するには、事前に目的や条件を明確にして、自社に合うツールを検討しましょう。
WEB面接ツールの主な機能
ツールによって機能は異なりますが、代表的な5つの機能を解説します。
1.評価機能
評価機能とは、採用面接での応募者の評価をツール上で管理できる機能です。
対面での面接の場合、紙に評価を記録することがほとんどでしょう。
しかし評価機能があればツール上で評価を入力するだけで、応募者の評価を一括管理できて非常に便利です。
ペーパーレスのため経費削減につながるだけではなく、一度に複数の応募者の評価を比較できるのもメリットのひとつでしょう。
2.応募者管理機能
名前や経歴、保有スキルや志望動機といった応募者に関する情報をツール上で一括管理できる機能です。
紙媒体で応募者の情報を管理する場合、保管場所が必要なうえ、複数の情報を一度に比較するのが難しいと言わざるを得ません。
一方、応募者管理機能があれば、ツール内に情報が集約されます。
物理的な保管場所が不要で、複数の応援者を比較するのも簡単です。
3.録画選考機能
録画選考機能は、WEB面接の様子を録画する機能です。
面接の様子を録画しておけば、面接後に見直して評価をおこなうことができます。
また、面接官の教育をするときも録画を活用できて非常に便利です。
4.チャット機能
応募者と採用担当者でやりとりできるチャット機能も便利です。
WEB面接はビデオ通話でおこないますが、チャット機能があれば、面接前後の連絡が簡単にできます。
また、電話やメールよりも気軽に使えるため、応募者からの問い合わせが増えるメリットも期待できるでしょう。
5.画面共有機能
画面共有機能は、WEB面接に参加している人のPC・タブレット端末画面を、参加者全員に共有できる機能です。
対面での面接とは異なり、WEB面接ではその場で資料を渡せません。
しかし、画面共有機能があれば、対面時と同じように資料を閲覧できます。
WEB面接ツール導入のメリット
WEB面接ツールを導入すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。
代表的なメリットを解説します。
業務の効率化やコスト削減が可能
従来の対面形式の面接と異なり、WEB面接なら会議室は必要ありません。
また交通費や宿泊費もかからないので、コスト削減が期待できます。
面接する人数が多いほど手間やコストは大きくなりますが、WEB面接ツールなら業務の効率化も可能です。
応募者数が増加しやすい
WEB面接は、ネット環境が整っていれば、どこからでも面接を受けることができます。
日程調整の幅も広がるので、交通費や日程の問題で応募を諦めていた地方の人も気軽に応募できるようになります。
そのため応募者数が増加しやすいのが大きなメリットです。
労働力不足が懸念される現代では、より多くの応募者を確保できるメリットは非常に魅力的でしょう。
面接の記録・管理が簡単になる
従来の対面では、当日同席できない担当者は面接の様子を直接確認できないという問題がありました。
しかし、WEB面接なら面接内容を録画することで、面接に同席できなかった担当者も後日内容を確認できるようになります。
より多くの人によって公平な評価ができるというメリットに加え、面接担当者の育成にも役立てることが可能です。
WEB面接ツール運用時の注意点
WEB面接ツールには、業務効率化やコスト削減をはじめとしたさまざまなメリットが期待されますが、一方でいくつかの注意点が存在します。
WEB面接ツールを利用して採用活動を行うときに気を付けるべきこととは何なのか、詳しく解説していきます。
静かな環境でWEB面接を実施する
WEB面接は、PCやタブレット端末とWEB面接ツールさえあれば、どこでも実施できるのが魅力的です。
しかし、あまりにも周囲が騒がしい環境でWEB面接を実施してしまうと、面接官と採用希望者同士が意思疎通を図ることが難しくなってしまいます。
WEB面接ツール自体がどれだけ高性能でも、静かな環境でWEB面接を行わなければ、スムーズなコミュニケーションは取れません。
そのため、WEB面接ツールを運用する際は、できるだけ静かな環境で実施するように注意してください。
面接官側が静かな環境で面接を実施するのはもちろんのこと、採用希望者にも静かな環境で面接に参加するようあらかじめ伝えておきましょう。
通信環境を万全に整えておく
WEB面接ツール自体に問題がなくても、通信に使用しているインターネット回線に問題があると、WEB面接がスムーズに進行しなくなってしまいます。
最悪の場合、音声しか聞こえなくなって、WEB面接を中断しなければならなくなるかもしれません。
その結果、面接のスケジュールを再度調整する必要が出てきて、業務効率が低下してしまいます。
また、WEB面接の段取りがあまりにも悪いと、採用希望者へ不安感やだらしない印象を与えてしまうおそれもあります。
WEB面接ツール運用時は、通信に使用するインターネット回線に支障がないかを、事前に確認しておきましょう。
具体的には、社内のPCを採用希望者側と想定して、面接官のPCと実際に接続してみるのがおすすめです。
資料の閲覧機能を利用すると効率的
WEB面接ツールには、面接中に採用希望者の履歴書や職務経歴書といった資料を閲覧できる機能が備わっています。
対面での面接中は、こうした資料を手元に用意して読みながら採用希望者の話を聞くことが多いと思います。
WEB面接でも、資料の閲覧機能を利用すれば、対面での面接と同じように効率的に面接を進められるはずです。
資料のなかで特に深掘りして聞きたい箇所がわかるようになりますし、採用希望者の話がよりスムーズに頭へ入ってくるメリットも期待できます。
WEB面接ツールを選ぶ際のポイント
WEB面接ツールを選ぶ際には、必要な機能の明確化やコストの比較といったポイントに注意しましょう。
以下のポイントを詳しく解説します。
必要な機能が備わっているか
まず、自社にとって必要な機能を洗い出しましょう。
WEB面接ツールはそれぞれで備わっている機能が異なります。
優先順位の高い機能を明らかにしておくと、比較検討する際に便利です。
面接動画の録画が可能か、専用アプリが必要か、画面共有できるか、チャット機能があるかなど細かく確認してください。
WEB面接ツールを導入する際は、ニーズに合わせたツールを選ぶことが重要です。
画質・音質のクオリティをチェックする
WEB面接ツールの中には、ビデオ通話時の音質や画質が低いものもあります。
画質・音質があまりにも低いと、応募者とスムーズにコミュニケーションを取れなくなるので注意しましょう。
WEB面接ツールを導入するときは、音質と画質は必ず確認してください。
ただし、どのツールでも音質・画質が悪い場合は、通信回線に問題があるかもしれません。
スムーズな面接をおこなうためにも、充分な音質・画質を確保できるようにしましょう。
ランニングコストを比較する
WEB面接ツールによって、月額固定制やユーザー数に応じた従量課金制など、料金形態は異なります。
また多機能なほど、毎月の料金は高くなり、コストがかかるので注意ましょう。
経営を圧迫してないよう、導入コストはもちろん、月々のランニングコストも確認してください。
まずは必要な機能を最低限満たしているWEB面接ツールを選び、その中からランニングコストが許容範囲内か絞り込むのが良いでしょう。
おすすめのWEB面接ツール5選を比較
WEB面接ツールの概要を理解できたところで、ここからは人気のWEB面接ツールを4つ紹介していきます。
それぞれの魅力や主な機能を解説していきますので、どのツールが自社に合っているかを考えながら読んでみてください。
ツール | 特徴 | 価格 | 機能 |
harutaka | ・商談から最短3日、アカウント発行からは最短1日で利用可能 ・harutakaカスタマーサポートが、設定や操作、運用方法、応募者からの問い合わせなどもサポート ・採用プロセスをデータ管理できる |
要問い合わせ | ・ライブ面接(最大12端末) ・メモ機能 ・アンケート機能 ・チャット機能 |
どこでもSHOWBY | ・アプリインストールが不要ですぐ使える ・ワンタイムID入力で ・幅広い業界の利用に対応 ・無料版あり |
無料版:0円 ユーザー課金タイプ:1,980円 ルーム課金タイプ:5,500円 |
・画面共有 ・番号接続 ・招待状接続 ・チャット ・名刺交換 ・アンケート ・ファイル共有 ・バーチャルエントランス |
ITSUMEN | ・面接官不要で24時間対応 ・書類選考と1次選考をまとめられる ・初対面のミスマッチを防止できる |
ライト:月額29,800円 ベーシック:月額49,800円 ダブル定額:月額39,800円~49,800円 |
・応募者情報シェア機能 ・応募者管理 ・検索機能 ・質問 ・メールテンプレート ・評価機能 ・録画機能 |
BioGraph | ・日程調整から面談までBioGraphだけで可能 ・書類と録画データでスクリーニングの精度が上がる |
ミニマムプラン:月額11,000円 スタンダードプラン:月額33,000円 プラチナプラン:月額55,000円 エンタープライズ:月額50,000円 |
・ライブ面接(最大12端末) ・日程調整 ・応募者管理機能 ・面接情報検索 ・画面共有 |
Zoom | ・最大49人まで一度にビデオ画面を表示できる(パーソナルミーティングは除く) ・カレンダーアプリと連携して、カレンダーからミーティングに参加することが可能 ・多くの人が使ったことがあるため、操作に慣れている採用希望者も多い可能性が高い |
パーソナルミーティング(1対1のミーティングを無制限に行える):0円 プロ(1対1・グループミーティングを無制限に行える): 年額20,100円/ユーザー ビジネス(1対1・グループミーティングを無制限に行える):年額26,900円/ユーザー ビジネスプラス(1対1・グループミーティングを無制限に行える):年額31,250円/ユーザー |
・ミーティング機能(最大49人) ・レコーディング・自動文字起こし機能 ・カレンダー連携機能 ・チャット機能 ・コラボレーションツール機能 |
harutaka
WEB面接ツールのharutakaは、100円ショップのダイソーを運営する株式会社大創産業や、アパレルセレクトショップで有名な株式会社ユナイテッドアローズが導入しています。
映像データを分析することで、AIが採用面接の質を高めるのが最大の特徴です。
具体的には、採用面接中の応募者の表情データや発話バランスが分析対象となります。
分析の結果を踏まえて、AIが採用担当者にフィードバックを行うため、コミュニケーションを活性化するアクションを採用担当者が取ることができます。
また、AIが検知した発話比率や表情データをダッシュボードで一覧表示する機能もあります。
質が著しく低い面接があれば、録画機能で録画したデータを使って、なぜ質が低かったのかを確認することも可能です。
応募者と採用担当者とのコミュニケーションが活発になれば、面接の質が高まり、応募者の内面をより引き出せるようになるはずです。
どこでもSHOWBY
どこでもSHOWBYは、WEB面談・面接・商談などに利用できるクラウド型ツールです。
業界を超えて、多くの企業に利用されています。
画面共有やカメラ、画面最大化などの必須の基本機能はもちろん、バーチャル背景、番号接続、招待状接続、チャット、ファイル送受信機能なども搭載されています。
上記のような豊富な機能により、スムーズに面談・面接・商談を進めることが可能です。
まずは、使用感を知りたい方向けには、無料版も用意されているので、そちらの利用から始めてみてはいかがでしょうか。
ITSUMEN
WEB面接ツールのITSUMENは、人材派遣会社を中心に多くの導入実績を誇ります。
ツールの使用にアプリのインストール不要、また登録やログインといった手間もかからず、応募者が使いやすいツールです。
また、採用側が質問をあらかじめ設定しておいて、応募者が好きなタイミングで動画やテキストで答える仕組みとなっています。
そのため、応募者と採用担当者との間でスケジュール調整を行う必要がなく大変便利です。
さらに、月額プランのほか、チケット制やダブル定額制度など、料金プランが多彩な点も魅力のひとつ。
まずはお試しで使ってみることもできて、初めてのWEB面接ツールの導入におすすめです。
そのほかにも、面接一覧管理機能や応募者管理機能、評価機能や紹介動画登録といった機能が充実しています。
BioGraph
BioGraphは、一般財団法人や株式会社など、さまざまな法人で導入されているWEB面接ツールです。
面接までの日程調整や管理を、応募者と採用担当者との間で行える機能が搭載されていて、効率的に採用面接業務をおこなえます。
また、月額料金が異なる4つのプランが用意されているため、自社の希望予算や求める機能に応じて柔軟にカスタマイズ可能です。
まずは一番安いプランをお試しで使用してみて、状況に応じてプランを変更することもできます。
また、既存のマッチングサービスや採用プラットフォームと連携することもできるため、採用活動全体の効率をアップさせられます。
Zoom
ZOOMは、オンライン通話ツールのなかでも特に有名なサービスです。
WEB会議に限らず、プライベートでのビデオ通話で、多くの人が使ったことがあるのではないでしょうか。
そのため、WEB面接ツールとして利用する際も、面接官側も採用希望者側も操作をスムーズに行える可能性が高いです。
機能はプランにもよりますが、グループチャット機能やカレンダーとの連携機能が搭載されているほか、最大で49人まで同時にビデオ画面を表示できます。
1対1でのWEB面接だけではなく、複数人を対象としたグループ面接にも活用できます。
また、プロプランとビジネスプラン、ビジネスプラスプランはすべて、1対1とグループでのチャットが無制限に行えます。
これらプランの違いは、登録できるホストライセンス(ユーザー)の数にあります。
プロプランでは最大9個、ビジネスプランとビジネスプラスプランでは最大10個以上のユーザーを登録できます。
ビジネスプランでは通常のビデオ通話のみ利用可能ですが、ビジネスプラスプランではZoom Phoneというビジネス専用のサービスを利用できます。
100個以上のユーザー数を登録したい場合は、エンタープライズプランになりますが、料金についてはZOOMの営業担当者へお問い合わせください。
まとめ:WEB面接ツールを利用して、効率的な採用活動を!
WEB面接ツールについて、機能やメリット、おすすめツールを紹介しました。
WEB面接ツールはそれぞれコストや機能、音質・画質が異なります。
安いほど、多機能なほど良いというものではなく、自社の希望予算や求める機能を満たすツールを選ぶことが重要です。
まずは、WEB面接ツール選びにおいて重視するポイントや予算を明らかにしたうえで、ツールを比較検討してみてはいかがでしょうか。