総務アウトソーシングとは、総務部門が抱える業務を、外部の企業へ委託することを指します。
一昔前であれば、社内の人間で業務を行うことが当たり前となっていました。
しかし、労働人口が減りつつある昨今においては現代では、主に「人材不足」や「生産性向上」という問題を解決するため、総務業務のアウトソーシングを行う企業が増えています。
このような時代の変化や需要の高まりを受けて、今では多くの総務アウトソーシングサービスが生まれています。
もちろん、サービスを利用する費用が発生しますが、膨大な総務作業を外注できることには費用以上に価値があるのかもしれません。
今回は、数ある総務アウトソーシングサービスのなかから、おすすめのサービスをいくつかピックアップし、比較・紹介していきます。
総務アウトソーシングのメリット
まずは、総務アウトソーシングのメリットにはどのような点が挙げられるのかを見ていきます。
業務量が減る
総務アウトソーシングを利用すると、これまで従業員が行っていた総務業務を外注業者が代わりに遂行してもらえます。
そのため、自社の従業員が抱える業務量が大幅に減り、残業時間の削減につながる可能性が高いです。
従業員の残業時間が減れば、企業が支払うべき残業手当の金額を節約できるため、企業にとっても経費削減効果があります。
また、従業員の業務負担が減れば、仕事に対する従業員のストレスが下がって満足度がアップするはずです。
その結果、自社に対する帰属意識や貢献意欲が高まり、離職率の低下や生産性アップといった効果も期待できます。
別の作業が捗る
総務アウトソーシングの導入によって、今まで総務業務に回していた時間を別の業務に充てることができます。
これにより、スムーズに業務が進行できたり、新たな施策に着手できたりすることができます。
バックオフィス業務である総務部門の仕事は、企業経営において欠かせない存在ですが、営業部門のように企業の売上に直結するものではありません。
しかし、総務業務を行っていた人材や時間を、売上により直結する業務に充てられれば、企業全体の生産性や利益が高まる可能性があります。
総務業務スピードが上がる
総務業務のなかには、いつまでに仕上げなければならないなど、納期が決まっているものもあります。
しかし、人手が足りていなかったり、業務量が多かったりすると、納期通りに仕事を遂行することが困難です。
そんなとき、総務アウトソーシングを利用すれば、従業員はスケジュールを守って業務を遂行してくれるでしょう。
総務業務のすべてをアウトソーシングしなくても、定型業務だけをアウトソーシングするだけで、従業員だからこそできるクリエイティブな仕事に集中してもらうことが可能です。
総務アウトソーシングのデメリット
ここまで、総務アウトソーシングのメリットを確認してきましたが、反対にデメリットにはどのようなものがあるでしょうか。
お金がかかる
総務アウトソーシングサービスの導入によって、人件費が削減するメリットがありますが、一方でサービスの利用料金がかかります。
しかし、サービスの利用料金よりも、総務アウトソーシング導入によって節約できるコストのほうが高い可能性があります。
総務アウトソーシングの導入を検討する場合は、一度導入後の料金や節約費用のシミュレーションを行うことをおすすめします。
内部に知見がたまらない
どこまでをアウトソーシングするかにもよりますが、なんでもかんでも丸投げすると、社内に総務業務に関する知見やノウハウが蓄積しません。
そのため、業務管理などはあくまで自社で行いながらコントロールしつつ、外注する形を取ると良いでしょう。
ただし、社内でノウハウや知見を蓄積する必要が特にない場合は、すべての総務業務を外注しても良いかもしれません。
ルール設定をする必要がある
外注する際には、どこまでの範囲の作業を依頼するかを決める必要があります。
あまりに業務範囲が狭すぎると、外注している意味をなさないかもしれませんし、逆に広すぎると、間違った方向に業務が進んでしまうかもしれません。
そのため、依頼する業務の範囲は、バランスを見ながら調整しつつ、設定しましょう。
情報漏洩の危険性
信頼のあるアウトソーシングサービス提供会社に依頼しないと、機密情報が漏洩してしまうケースがあります。
総務アウトソーシングを依頼する場合は、情報管理に力を入れている企業を選ぶことが重要です。
NDAの締結など、セキュリティ面でどのような配慮しているかも確認しておいた方が良いでしょう。
総務アウトソーシング導入時のポイント
総務アウトソーシングの導入効果をより高めるためには、導入の目的や外注したい業務範囲を明確にしたり、導入後も効果測定を行ったりすることが大切です。
それでは、総務アウトソーシングサービスを導入する際に、気を付けるべきポイントを解説していきます。
総務アウトソーシングサービス導入の目的を明確にする
総務アウトソーシングサービスの導入は、それ自体が目的なのではなく、あくまで目的を達成するための手段にすぎません。
例えば、総務アウトソーシングサービスを導入することで、人材費カットや業務効率化を達成したいというのが目的の一例です。
こうした目的をあらかじめ明確にしておくことで、より効果的に目的を達成できそうな総務アウトソーシングサービスを見つけられる可能性があります。
外注したい業務の範囲を決める
総務業務と一口に言っても、とても多くの業務が存在し、アウトソーシングすべき業務と自社で行うべき業務にわけられます。
すべての業務を外注すると利用料金が高額になりがちですが、本当に必要な業務だけをアウトソーシングすることでコストを節約できます。
そのため、総務アウトソーシングサービスの導入目的を明確化したら、それに沿って外注したい業務の範囲を決めるのがおすすめです。
導入後も定期的に効果を測定する
総務アウトソーシングサービスに限ったことではありませんが、新しい取り組みやシステムを導入した後は、定期的に効果を振り返ることが重要です。
例えば、コスト削減を目的として総務アウトソーシングサービスを導入した場合、実際に経費削減を実現できているかどうかを計算します。
そこで、導入によってもたらされたコスト削減効果より、総務アウトソーシングサービスの運用コストのほうが高ければ、外注先や総務アウトソーシングサービスの可否を検討してください。
おすすめ総務アウトソーシングサービスを比較!
ここからは、おすすめな総務アウトソーシングサービスをいくつか紹介・比較していきます。
コクヨ&パートナーズ
1つ目はコクヨ&パートナーズです。
オフィス運営で必要な、総務全般のアウトソーシングサービスを提供しています。
担当のコンサルタントが、数々の企業での実績に基づいた改善策やサポートを提案してくれるため、質の高いサービスを期待することができます。
サービスの内容としては、
・総務・庶務や受付、メール室業務を支援してくれる「オフィスサービス」
・提案書や社内資料のブラッシュアップや、情報収集のサポートをしてくれる「ナレッジワークサポート」
です。
料金は要問い合わせとなっています。
NOC総務アウトソーシングサービス
2つ目はNOC総務アウトソーシングサービスです。
約30年の歴史を持つ、国内有数の総務アウトソーサーです。
長年培った実績や経験をもとに、各企業の悩みに寄り添ったサービスの提供が可能です。
人事・総務・経理の業務効率化やコスト削減を支援するサービスなど、対応できる業務が幅広いことも魅力です。
属人化している業務を見える化、マニュアル化することも得意としていて、圧倒的な実績数はほかにない強みと言えます。
また、顧客からの評価においては、スキルや接客態度への満足度が非常に高く、契約継続率も高数値となっています。
安定して高水準のサービスを提供できている点も、魅力の一つです。
料金は要問い合わせとなっています。
ZEROIN
3つ目はZEROINです。
総務・庶務の日常業務や季節業務など、幅広い業務の代行サービスをしています。
さまざまな企業で経験を積んだスタッフが代行するため、平均で50%以上の総務業務を代行している事例が多いという特徴があります。
そのため、企業はコア業務に専念できて、生産性の向上を期待できます。
また、業務工数を日々記録し、作成したレポートを毎月発表する定例会があるなど、企業側との情報共有も徹底できているため、安心して業務を委託できます。
常駐サポート、オンラインサポートの双方を行っていて、社員数が数百人から数千人まで幅広い規模の企業に対応できるのも特徴です。
料金は要問い合わせとなっています。
メリービズ
4つ目はメリービズです。
総務業務のなかでも、特に経理を中心としたアウトソーシングサービスになっています。
経理計算、帳簿・仕訳入力、請求書発行、売掛・買掛管理など、経理関連であればどの業務でも対応してくれます。
経理ソフトなどを利用している場合も安心で、freee会計やマネーフォワードなどをはじめ30以上のソフトに対応可能です。
料金は要問い合わせとなっています。
HELP YOU
5つ目はHELP YOUです。
総務・経理・人事・採用など、バックオフィス業務に特化したオンラインでのアウトソーシングサービスです。
さまざまなスキルを持った優秀なアシスタントが、チームになってサポートすることで、幅広い業務サポートを可能にしている点が特徴です。
そのため、複数の人材を別々に採用する手間がなくなり、チームで動くことで業務内容の伝達ミスなどの発生リスクも抑えられます。
また、採用基準が非常に高く、スキルのほかにコミュニケーション能力や仕事への積極的な姿勢も厳しくチェックされるため、「スタッフの質が高い」というのが大きな強みとなっています。
料金は要問い合わせとなっています。
Radice
6つ目はRadiceです。
チーム体制でバックオフィス系業務を支援する、オンライン秘書/業務アシスタントサービスです。
業務は、スケジュール調整やメール対応等の秘書・総務業務から請求書や見積書の作成、給与計算等の経理業務も対応可能です。
また、デザインやWebサイト制作に強いのも魅力で、Webサイト更新やWordPressによる記事投稿のほか、チラシ・ポスター制作といったデザイン業務にも対応してくれます。
業界では割と低価格でサービスを提供しているため、導入へのハードルが低く、相談しやすい点も魅力の一つと言えます。
料金は要問い合わせとなっています。
まとめ:総務アウトソーシングを比較検討し有効活用しよう
ここまで、総務アウトソーシングについてまとめてきました。
このようなサービスをうまく活用することにより、総務業務のクオリティの向上や、社員がコア業務に専念し、生産性の向上が期待できるといったメリットがあります。
その一方で、アウトソーシングした業務に関するノウハウが社内に蓄積されなかったり、情報漏洩といったセキュリティ上のリスクが発生したりといったおそれもあります。
総務アウトソーシングサービスを活用するためには、各社それぞれの実状に沿った業務を委託することはもちろんですが、委託業者との情報共有の体制をしっかりと整えることも重要になるでしょう。