サイバー攻撃やネット上のリスクに対して、備えておきたい。
そんな悩みはありませんか。
本記事では、サイバー保険導入のメリットから、選ぶポイント、おすすめのサイバー保険を詳しく紹介します。
サイバー保険とは
サイバー攻撃は、企業のサーバーへの攻撃などにより個人情報の漏洩や営業活動を停止させるなど深刻な被害をもたらします。
サイバー保険とは、こうした損害に対して補償を行う保険です。
近年では、意図的に企業を狙ったサイバー犯罪も増えており、保険を検討する企業も増えています。
サイバー保険の必要性
サイバー保険をかける必要性についても確認しておきましょう。
サイバー保険の必要性を理解しておくなら、利用は前向きに検討することができます。
サイバー保険は以下のような必要性があるため紹介しましょう。
サイバー攻撃によるウイルスの脅威が高くなっている
今では、企業の仕事でもパソコンやITツール、クラウドなど、デジタル機器を利用することが多くなりました。
仕事はもちろん、管理や連絡、情報収集などは全てデジタルに頼ることが多くなり、どの業界でも様々な部分で利用されています。
例えば、顧客の情報管理や従業員情報、取引先の情報などです。業種も情報サービス業から建設業、小売業者、製造業、運輸や通信など様々です。
利便性が増して業務効率の向上となっていますが、同時にWebサイトの改ざんやウイルス感染、乗っ取りなどサイバー攻撃も増えており、大ダメージを受けている企業も増えています。
大手の企業だけでなく、中小企業や個人事業主でも狙われることがあるため、しっかり対策を行っておく必要があります。
テレワークやリモートワークなども増えている
コロナウイルスの関係などもあり、日本でもテレワークやリモートワークを行う機会が一気に増えました。
テレワークやリモートワークでは主に電子機器やネットワークを利用し、個人宅で仕事をする人も増えたため、サイバー攻撃の標的にされることもあります。
会社の場合はしっかりセキュリティ対策を行って万全の保護を行いますが、個人宅の場合はセキュリティ管理が甘い場合もあるため、狙われてしまうと大事な機密情報が漏れてしまう可能性もあります。
今後テレワークやリモートワークも増えてくることが予想されるため、セキュリティ管理も大事ですが、万が一の場合に備えてサイバー保険に加入しておく必要もあるでしょう。
サイバー保険の補償内容
サイバー保険の補償内容を確認しておくことも大事です。
内容を把握しておくなら補償を確認できるため、自社の用途に合っているのか確認できます。
サイバー保険は以下のような補償内容が一般的なので確認してください。
法律に基づいて損害賠償費用を確認
サイバー保険に加入しておくなら、法律に基づいて損害賠償分の金額を保険で支払ってもらえます。
サイバー攻撃によって損害賠償が発生した場合、何千万円や何億という金額になる場合もあり、企業にとっては大きな痛手になることもあるでしょう。
賠償金が大きいほど損失が痛手になり、場合によっては倒産の危機に直面することもあります。
補償内容は保険の加入内容によって変わるため、事前に確認しておくことも大事です。
損害賠償が支払われる条件も考慮して、内容を把握しておくようにしましょう。
事故対応にかかる費用
インターネット上で問題が発生したときは、事故の原因を追究するために調査したり、外部の組織に調査を委託したりする場合もあります。
調査費用は被害によって変わりますが、多くの出費が予想されるため、自社のみで賄うことは難しいでしょう。
その際、サイバー保険に加入しておくことで、費用負担をしてくれるため安心することができます。
ただ、顧客に関わる事故が発生したときは、どこまで補償してもらえるのか確認しておく必要があります。
補償内容によっては事故に関係ないコールセンターの対応にかかる費用も生じるため、事前にいくら発生するのか入念にシミュレーションする必要もあるでしょう。
事故の発生に備えて補償内容と条件の確認はしておきましょう。
Webサービス中断による費用
自社の提供するWebサービスが、何かのアクシデントによって集中しなくてはいけなくなったなら、営業利益の損失が発生することになります。
また、状況によっては事業継承に必要な費用がかかることにもなるため、企業の損失額が大きく膨れることもあるでしょう。
特に、ネット上でショップを経営していたり独自のサービスや事業展開している企業であれば、Webサービス中断による損失額は何千万円と膨れ上がることもあるでしょう。
しかし、サイバー保険に加入しているなら、損失額を補償してもらえるため、万が一ネットワークの切断や渋滞、停電などで停止しても安心です。
この点を考慮しておくと加入は大きなメリットになるでしょう。
サイバー保険への加入金額
サイバー保険に加入するなら、加入金額について確認しておくことも大事です。
サイバー保険への支払いコストは
・売上高
・業種
・保証内容
・セキュリティ状況
・過去のサイバー攻撃被害
などの点から決定します。
自社の状況によっては数十万円になることもあれば、数百万円になることもあるため、それぞれの状況を考慮して決定します。
正確な数値は各保険会社に審査をしてもらうことにより見積もりが出ますが、高額になる場合もあるでしょう。
その場合は条件の見直しや他の会社に見積もりを取るなどして、比較して検討するようにしましょう
サイバー保険導入のメリット
サイバー保険導入のメリットは以下です。
・サイバー攻撃を受けた後の損害を補償
・サイバー攻撃を受けた後の対処の仕方を専門家がサポート
順番に説明していきましょう。
サイバー攻撃を受けた後の損害を補償
サイバー攻撃を受けると、情報漏洩やウイルス感染など様々な被害が発生します。
情報漏洩では取引先の連絡先や、個人情報の流出が起こりえます。
こうした場合に損害賠償請求を受けたり、謝罪を行う必要が出てきたりと多額の費用が必要になるのです。
サイバー攻撃により社内の業務もままならないのに、経費がかさみます。
サイバー保険は、サイバー攻撃による損害を補償してくれます。
サイバー攻撃を受けた後の対処の仕方を専門家がサポート
サイバー攻撃を受けたかもしれない、そんな時は現場が混乱するかもしれません。
サイバー保険の多くでは、攻撃を受けたかもしれないという確定ではない状況で「専門家による調査」「被害を最小限に食い止める」などのサポートやサービスの紹介を行ってくれます。
リスクを早い段階で検出し、最小限の被害に抑えることが何よりも重要です。
焦ってしまう時だからこそ、保険を利用して提携する専門家等の意見を聞くのがおすすめです。
サイバー保険を選ぶポイント
サイバー保険を選ぶときは、以下のポイントをあらかじめ確認しておきましょう。
・必要な補償内容
・社内のリスク
それぞれのポイントを解説します。
必要な補償内容
サイバー攻撃といっても、種類はたくさんあります。
社内で使っているサーバーをダウンさせるものや、情報を抜き取るものなど多岐にわたります。
一口にサイバー攻撃といっても、受けた損害によっては補償の対象外となるケースもあります。
補償内容に応じて保険料も変わりますので、自社にとって必要な補償を含んでいるかを確認しましょう。
社内のリスク
サイバー保険に入っていても、サイバー攻撃を受けないわけではありません。
一部のサイバー攻撃は社内のセキュリティレベルを上げ、社員への研修等によりリスクを下げることができます。
例えば社員のメールアドレスに、ウイルスを添付したメールが届いた場合などが想定されます。
この場合は、社員がメールを不審に思い、メールを開封しなければウイルス等には感染しないのです。
防ぐことが可能なサイバー攻撃は、社内で定期的に情報共有しましょう。
サイバー保険によっては、自社のサイバー攻撃リスクを診断してくれるものもあります。
こうしたサービスを含む保険を選ぶのもよいでしょう。
おすすめサイバー保険5選を徹底比較
ここでは、おすすめのサイバー保険を比較・紹介していきます。
保険名はどこの会社のものもほとんど似たり寄ったりなので、運営会社名を参考にしてください
サイバー保険名 | 特長 | 運営会社 |
サイバーセキュリティ保険 | ベーシックプランとワイドプランの2つから選べる 特約補償で利益損害も補償 わかりやすい補償内容 |
あいおいニッセイ同和損害保険株式会社 |
サイバー保険 | エコノミー・ベーシック・ワイドの3つのプランから選べる サイバー攻撃を受けたかどうかを調べるための費用も補償 情報管理体制のシートを記入することで、リスクの低い企業は保険料の割引を受けられる |
三井住友海上火災保険株式会社 |
サイバーリスク保険 | 1つの保険に必要なオプションを追加して契約 国外からの損害賠償請求も補償 サイバーリスクを、レポートとして受け取ることが可能 |
東京海上日動火災保険株式会社 |
サイバー保険 | 緊急時サポート総合サービスが便利 利益損害に対して補償がある 海外での損害賠償請求も補償対象 |
損害保険ジャパン株式会社 |
CyberEdge | 迅速に不正アクセスを検知し、初動で被害を最小限に抑える シンプルな1つのプラン オプションで必要な補償を追加できる |
AIG損害保険株式会社 |
サイバーセキュリティ保険(あいおいニッセイ同和損害保険)
・ベーシックプランとワイドプランの2つから選べる
・特約補償で利益損害も補償
・わかりやすい補償内容
サイバーセキュリティ保険は、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社が提供するサイバー保険です。
ベーシックプランとワイドプランの2つから選べます。
ベーシックプランでは、弁護士費用やコンサルティング会社への相談費用/自己の復旧作業に必要な従業員の超過勤務/被害者への対応費用/問い合わせのためのコールセンター等の設置費用が補償されます。
ワイドプランでは、サイバー攻撃を受けている可能性を確認してからの調査費用/専門家による事故の原因の調査費用/ネットなどでひろがる炎上や風評被害への対応措置に関わる費用/再発防止のための管理体制の見直しが補償されます。
また、近年問題となっている炎上や、いわれのない風評被害などは弁護士などの専門家が対応することで素早い収束が期待できるでしょう。
なお、国外からの損害賠償請求については、ワイドプランのみ補償されます。
サイバー保険(三井住友海上火災保険)
・エコノミー・ベーシック・ワイドの3つのプランから選べる
・サイバー攻撃を受けたかどうかを調べるための費用も補償
・リスクの低い企業は保険料の割引を受けられる
サイバー保険は、三井住友海上火災保険株式会社が提供するサイバー保険です。
エコノミー・ベーシック・ワイドの3つのプランから選ぶことができます。
サイバー保険の特長は、情報管理体制の高い企業ではチェックシートへの記入内容に応じて、保険料が最大60%も割引になる点です。
サイバー攻撃は日々巧妙化しており、様々なリスクが考えられます。
企業がサイバー攻撃の脅威を正しく理解し、社内での研修を行ったり、外部からの攻撃を受けにくい環境を構築したりすることで、保険料の割引を受けることが可能です。
海外で提訴された損害賠償請求に対しても、ワイドプランであれば補償の対象になります。
そして、注目したいのが付随するサービスです。
標的型メール訓練サービスでは、従業員1,000人までに対して標的型メールを模擬的に送信できます。
標的型メールとは、メールを開くことでパソコンをウイルスに感染させたり、情報を盗んだりと大変厄介なものです。
社員も自分あてのメールアドレスに届いているため、誰から来たかわからないメールでもなんとなく開封してしまうことがあります。
こうした社内でのリスクヘッジのためにも、訓練サービスは役に立つでしょう。
他にも、MS&ADサイバーセキュリティ基本態勢診断や、サイバー事故発生時の専門事業者紹介サービスもあります。
サイバーリスク保険(東京海上日動火災保険)
・1つの保険に必要なオプションを追加して契約
・国外からの損害賠償請求も補償
・サイバーリスクを、レポートとして受け取ることが可能
サイバーリスク保険は、東京海上日動火災保険株式会社が提供するサイバー保険です。
特長はわかりやすいシンプルな1つのプランであることでしょう。
他のサイバー保険では、複数のプランがありどれに加入したらよいか難しいという悩みを持つ企業もあるでしょう。
サイバーリスク保険は、1つのプランなので迷うことがありません。
オプションが豊富なため、必要に応じて申し込みをおすすめします。
オプションでは以下のような費用が保証できます。
サイバー攻撃が発生したかもしれない初期段階での調査費用・利益損失や営業継続費用・対人対物補償・再発防止費用
サイバー保険(損害保険ジャパン)
・緊急時サポート総合サービスが便利
・利益損害に対して補償がある
・海外での損害賠償請求も補償対象
サイバー保険は、損害保険ジャパン株式会社が提供するサイバー保険です。
加入時に自動的に付帯されるサービスが充実しています。
緊急時サポート総合サービスは主に以下のものを受けることができます。
サイバー攻撃の調査や応急対応の支援機能・攻撃を受けたことを発表するなど必要に応じた広報活動支援機能・コールセンターの立ち上げ支援機能・弁護士事務所の紹介機能
緊急時サポート総合サービスでは、サイバー攻撃を受けたと思われるに必要なサービスがもれなく揃っているので、安心ですね。
なお、サービスの対象は日本国内での対応なので気を付けましょう。
サイバー保険では、サイバー攻撃が無ければ得られたはずの利益損害に対しても補償が受けられるのがよいですね。
他にも海外での損害賠償請求も補償対象になっています。
CyberEdge(AIG損害保険)
・迅速に不正アクセスを検知し、初動で被害を最小限に抑える
・シンプルな1つのプラン
・オプションで必要な補償を追加できる
CyberEdgeは、AIG損害保険株式会社が提供するサイバー保険です。
シンプルな1つのプランで、わかりやすい補償内容となっています。
標準でセキュリティ・プライバシー賠償責任補償特約と事故対応費用補償特約がついてきます。
セキュリティ・プライバシー賠償責任補償特約とは、情報漏洩によって損害賠償請求が行われた場合に保険金を受け取れるものです。
事故対応費用補償特約とは、サイバー攻撃などにより専門家のサービスを受けたときにかかった費用を補償・データの修復にかかった費用の補償・コールセンターの設置のための費用の補償を指します。
オプションでは、さらにデジタルメディアコンテンツ賠償責任補償特約/ネットワーク中断補償特約/サイバークライム補償特約を任意でつけることができます。
また、不正アクセスを検知して初期対応のサポートが受けられ、被害がひろがる前に、対応することにより損害を抑えることができ、早い対応を行うことにより関係企業への印象悪化を防いでくれます。
まとめ:サイバー保険で万が一に備えよう
本記事では、サイバー保険導入のメリットから、選ぶポイント、おすすめのサイバー保険を詳しく紹介しました。
意外と知られていないサイバー保険ですが、補償内容だけでなく様々なサービスも付帯するため便利です。
記事を参考に自社に合ったサイバー保険を探してみてはいかがでしょうか。