DX化が叫ばれる世の中になってきました。
そんなDX化の一翼を担うのがRPAです。
今回はRPAの実際の導入事例を見て、RPA導入のリアルを覗いていきます。
経理へのリアルなRPA導入事例です。
経理への導入事例を2つ紹介します。
経理部へのRPA導入事例①
まずは、経理部へのRPA導入事例1つ目を紹介していきます。
後に紹介する事例と共有点、また異なる点も出てきますので、見比べながらご覧ください。
経理部へのRPA導入の背景
ある日、突然、会社の組織改編で自部署の人数が大幅に削減され、今までにない仕事の効率化が求められる環境に置かれました。
最初は上司に今の環境では仕事も立ち行かず、絶望です・・・と相談したところ、「それなら俺もよく知らないがRPAをやってみるか ?」と上司の紹介から始まったのがきっかけです。
ウジウジしてもしょうがないので、「チャレンジしてみます」とすぐに返答しました。
そこから、RPAがどういうものかすら知らなかったので、勉強を始めました。
実際の勉強は始めてみると、もともとPC業務の効率化が好きなこともあり、かなり楽しく学ぶことができました。
その後、RPAを先行して導入していた他部署の力を借りながら、操作方法や活用事例をトライ期間で学習した後、費用対効果の検証や製品比較などの検証も終えて、上位にも部署の環境変化とやらないといけない背景を理解頂き、導入に至りました。
経理部のRPAソフトの選定理由
PRAのソフトとしては、様々なものがある中で、私は、Ui PathとWin Actor の2種を比較し、最終的に “Win Actorを選定” しました。
2種に絞り込んだ背景はすでに自社でRPAに取り組んでいる部署が多々存在していて、Ui PathとWin Actorの2種で導入実績のほぼ100%を占めていたため、導入実績の観点から2種に絞っています。
最終的にWin Actorに選んだ選定理由は、”操作の簡易性” です。
自社ですでに使用している部署へベンチマークした際に、Ui Pathは 機能が豊富で操作性は少し複雑だが、様々なことが出来る、Win Actorは機能はUi Pathに劣るが、操作性がUi Pathに比べ、シンプルとの評判を得ました。
実際にその前評判の情報を持ったうえで、両社のソフトをお試しで活用すると、Win Actorの方が私の感性と合致し、学習の理解度と操作性、画面の見栄えなども好きだったことから、Win Actorを選定しました。
前評判で得ていた機能性についても自部署で導入したかった業務に十分すぎる範囲で使用できることを実感したことからWin Actorを選定しています。
導入コストの比較は若干ですが、Win Actorの方が割安で優位性があり、そのコスト面もWin Actorを選定する際に最後の一押しをしてくれました。
RPAの経理部業務の活用事例
私は、工場の経理業務を担当しており、
- システムからデータを吸い上げ、Excelで結果をまとめたのち、資料化する
- 各部署からの吸い上げた結果を社内のシステムに登録をする
- 様々な検索条件を入力してデータを吸い上げる
などの業務を月次のルーティンワークとして遂行しています。
経理業務はデータ量と集計する回数が多く、人の手で作業すると時間がかかっており、月次のルーティンワークは日々、悪戦苦闘していました。
結果的に私は、上記のようなルーティンワーク業務をほぼ全てRPAで自動化しました。
定型的に日常業務で決まったものであれば、RPAは効率化を実現してくれます。
RPA導入前後の環境
一番大きな効果は少なくなった自部署の環境でも仕事が回るようにできたこと、これが一番大きな効果です。
仕事の質を落とさないと仕事が回らなかった環境から仕事の質を落とさずに従来通りのレベルで仕事を遂行できたことが一番の効果です。
もうひとつ、付随効果として得られたことは仕事の“やりがいの向上“と“職場の活性化”です。
導入前は職場環境の変化で働き手のやる気は最悪でしたが、RPAという新しい概念が職場に入ったことで、チャレンジ精神旺盛な社員を中心にやる気が復活し、あれも自動化したい、これも自動化プログラムを作りたいなどの意見が日々、あふれ出てきて、RPAを開発する仕事が楽しくなり、自分自身だけなく、職場全体として、働きがいを向上させることができました。
RPAのメリット・デメリット
RPAのメリットとして、あげるのは、様々なシステムをまたいで、自動化プログラムを作成できること、これが一番のメリットだと思います。
また、対応が決まった作業であれば、人よりも正確でミスがないこともメリットです。
マクロはオフィスソフトで存分な効果を出しますが、システムをまたいだ自動化はやりにくく、ものによっては対応できなくなってきます。
そこの弱点を補ってくれたのがRPAです。
また、コードを使って自動化プログラムを作成するのでなく、すでにあるパーツを活用し、自動化プラグラムを作成できることから開発コードの作成で躓いた経験がある方にとっても、RPAの方が比較的簡単に学べるため、おすすめできます。
デメリットとしてあるのはやはり“費用対効果”です。
オフィスソフト内の業務自動化のみをご検討される方はマクロ機能を活用した自動化を推奨します。
導入して実感することは、システムとオフィスソフトを連携した使用をする、社内のシステムから検索条件を変えて、データを吸い上げするなど、オフィスソフト以外の自動化ニーズがない限り、費用対効果という観点で導入をお勧めできないです。
ただ、費用対効果の観点ですぐにあきらめて欲しくない点は、自部署の業務のみの観点で評価してほしくないことです。
RPAは、自分が開発していないとき、共同のPCにRPAを導入することで、全員で共有してRPAを使用できることも可能です。
そのため、他部署も含め、開発ニーズを模索し、案件を増やせれば、費用対効果の問題はおのずと解決できるはずです。
導入時は、自部署という枠にとらわれず、自分のかかわる周りの人たちも含めたニーズの調査をぜひ検討頂きたいです。
私の部署で導入を検討する際にもその費用対効果という観点が一番、深く検証した内容になります。
結果的に私の部署では、開発から1年目は日常業務と掛け持ちで開発していた環境もあり、導入コストとトントンの効果でした。
ようやく効果を得だしたのは、開発から約1年半が経過したタイミングです。
そこからは、導入コストに対し、約2倍の効果を得ることが出来ました。
※ RPAにかかるコストは年間のライセンス契約との比較です
ここについては、自部署だけの活用で得られた効果ですが、自部署のみにとどまらず、まだ導入していない部署と協業で使用することを計画しており、開発案件をさらに増やして、将来的には、100倍の恩恵を得られるようにすることが開発目標値になります。
経理部へのRPA導入事例②
まずは、経理部へのRPA導入事例2つ目を紹介していきます。
経理部にRPAを導入した背景
私たちの会社でRPAを導入した背景は、3つあります。
- 単純作業に時間を要している。
- 作業が属人化するため、業務の引継ぎが大変。
- 単純作業の時間を減らしながら、数値分析の時間を増やしたい。
です。
その理由は、会計データを会議資料のフォーマットに入力するだけでも時間を費やすからです。
また、時間を費やし資料を完成させても人によっては数値の転記ミスなどがあり資料の
正確性が担保されない場合もあります。
例えば、事業部門から送られた月度資料を本社の経理部門が取りまとめ、
経営陣に提出する会議資料を作成する場合は、正確性が求められます。
このように、正確性が求められる資料を作成するときは、エクセルが得意な人に任してしまうケースが多いため、属人化しやすい傾向になります。
このような課題を解決するために、RPAを導入しました。
経理部にどのRPAツールを導入したのか
私たちの会社でRPAを導入したのは、NTTアドバンステクノロジー社が開発したWinActor です。
なぜなら、当社の経理システムがNTTグループの商品であるためWinActorとの親和性が高いからです。
このように、RPAを導入するにあたってはまずは目的を整理することをオススメします。
RPAを運用し、どのようなことを改善したいのかを洗い出す必要があります。
その目的を整理した後に、RPAの商品を選定することをオススメします。
なぜこのRPAツールの導入を決めたか
RPAツールの決め手は、アフターサービスの内容によって左右されます。
理由は、RPAの商品でもアフターサービスの内容が違うからです。
例えば、導入後にエラーが起きた場合には、社内にプログラミングの得意な者がいれば
全て任せられるが、社内にいなければ外部コンサルに委託する必要があります。
外部コンサルに委託した場合は、ランニング費用も高くなり導入するメリットが、薄れます。
このように、RPAは導入した後にどのようなサービスが含まれているかがポイントになります。
それぞれの会社の実態に合わせた商品選びが必須になります。
また、RPAを導入することで費用対効果を検証し、それについて依頼があったときには
すぐに提示できる状態にしましょう。
RPAを運用するための金額は、安くないのでそのあたりを検証して導入することをオススメします。
経理部の業務のどこにRPAを導入したのか
私の業務でRPAを導入したのは、会計データから会議資料に数値入力するまでの作業です。
その理由は、会議資料に入力するデータの箇所が多く煩わしいからです。
また、データの入力箇所も似ている場所が多いので、転記ミスが発生する可能があります。
転記ミスが発生すると、それを見つけるのも至難の業です。
このような生産性が無い仕事は、できるだけ減らし生産性の向上に努めたいと思いました。
また、私はこの仕事が属人化していたのを感じていたので、それを予防するためにもRPAの導入を決意しました。
経理部へのRPA導入前と導入後の比較
ここからは、RPA導入前と導入後を比較したいと思います。
まずは、RPA導入前の話をしましょう。
RPAの導入前は、私が会議資料を作成していましたが、その仕事はとても複雑でした。
なぜならば、会計データを抽出する為の条件設定が難しいからです。
例えば、条件設定だと部門コードや科目コードで抽出するので慣れてないと間違える可能性があります。
特に、システムに慣れている方であれば条件設定は簡単にできるものの、慣れてない方であれば少し難しいと思います。
次に導入後の説明です。
RPAの導入後の作業は、とても作業効率は上がったと思います。
その理由は、 2つです。
- 転記作業ミスがなくなった。
- 仕事が属人化しなくなった。
です。
具体的には、会計システムから抽出データを会議資料に貼り付けたり入力したりする作業が減りました。
時間にすると、2時間から3時間の削減です。
また、ボタン一つで作業が始まるので誰でも可能になります。
このように、導入前と導入後では作業効率が圧倒的に上がりました。
また、作業のミスも減り手戻りがなくなったのでストレスなく仕事が出来ています。
経理部へのRPA導入のメリット
ここからは、RPA導入のメリット・デメリットについてご紹介しましょう。
まずは、メリットからです。
RPA導入のメリットは3つあると考えています。
- スケジュールの短縮
- 作業ミスの削減により、品質の向上
- 付加価値の向上
です。
なぜならば、RPAを導入したことで作業ミスの削減により品質が向上し、その削減できた時間で資料のチェックや数値分析の精度が高まったからです。
また、数値の取りまとめが短縮されたので経営陣に早いタイミングで情報を共有できるようになりました。
その結果、経営陣も報告資料に目を通せる時間が長くなったので、会議の中での議論が深まりました。
経理部へのRPA導入のデメリット
RPA導入のデメリットはシナリオ作成です。
RPAのシナリオ作成とは、RPAの運用に必要な指示書というイメージを持って頂けたら十分です。
シナリオを作成するためには、RPAに実行してほしい作業過程を可視化させることが最初のステップなります。
例えば、会計データの数値貼り付け作業をRPAに実行してほしいと仮定した場合、
- 会計ソフトを開く
- 会計ソフトの試算表をデータ出力
- 出力したCSVデータを開く
- 「月度資料」のエクセルデータを開く
- 「月度資料」のエクセルデータに、出力したCSVデータを貼り付ける。
などと工程を1つ1つ洗い出す必要があります。
この洗い出し作業は少々骨が折れます、、、。
ただ、この作業の手を抜くと、RPAは正常に動きません。
RPAを導入するにあたっては、導入前の作業が時間を費やすので大変です。
しかし、その作業が完成しRPAを運用することができれば生産性の向上は、可能だと思います。
まとめ:RPAのお陰で経理業務が簡素化可能!
ここまで、経理部へのRPA導入事例を2つ見てきました。
どちらも結果的にはRPAを導入して、業務改善が前向きになされたことがうかがえます。
導入する前は少し作業が必要ですが、的確に動いてくれるロボットができてしまえば、今まで何時間とかかっていた作業が数分で終わります。
働き方の効率化のためにも、ぜひ、RPA導入をご検討ください。
自分の働き方に新たな価値観をもたらしてくれるツールとなることは間違いないため、ぜひ、周りを巻き込みながら今後の働き方を自分の手で変えていってください。
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