近年、ネット銀行は振込や入出金といった手続きがネット上で完結する手軽さや、従来の銀行よりも高い預金金利で人気を集めています。
ネット銀行の口座を作る人も非常に増えてきました。
一方、実店舗がない、種類が多くて選べないといった理由でまだネット銀行の口座を持ってないという人もいるのではないでしょうか。
現在、ネット銀行は20社以上あり、これからも増えると予想されています。
本記事では、ネット銀行の概要や、メリット・デメリットに加え、おすすめのネット銀行を5つご紹介します。
ネット銀行の口座開設を検討している人は、ぜひ参考にしてください。
ネット銀行とは
ネット銀行と従来の銀行の大きな違いとして、ネット銀行は実店舗を持っていません。
実店舗やATMがないので、他社の銀行ATMやコンビニを利用して取引や手続きをおこないます。
また、ネット銀行の中には専用のアプリで取引や手続きが完結するものもあり、手軽さという点で今までの銀行とは大きく異なっているといえるでしょう。
ただし、最近では大手銀行もインターネットバンキング(ネット取引)の機能を充実させており、ATMに行かなくても取引できる仕組みが整っています。
ネット銀行の口座を開設する4ステップ
実店舗の銀行口座を開設する場合、基本的には店舗へ足を運ぶ必要があります。
しかし、ネット銀行であれば、オンラインや郵送の手続きだけで口座開設が完了します。
ネット銀行によって開設手続きは異なりますが、ここでは代表的な4ステップを紹介していきます。
1.ネット銀行のWebサイトから申し込みを行う
口座を開設したいネット銀行が決まったら、インターネット上にあるネット銀行のWebサイトにアクセスします。
そして、サイト内にある「口座開設申し込みフォーム」から、口座開設の申し込みをしてください。
ここでは、フォームに必要事項を入力して、送信するだけなので大変便利です。
2.銀行側による審査
ネット銀行の口座開設申し込みフォームを送信した後は、ネット銀行側が申し込み内容と口座開設可否を審査します。
何も問題なく審査が完了することが大半ですが、ネット銀行によって審査完了までにかかる期間は異なります。
そのため、なるべく早く口座開設したい人は、審査完了までがスピーディーなネット銀行を選ぶのが良いでしょう。
3.キャッシュカードが郵送されてくる
ネット銀行側による審査が完了すると、ATMを利用する際に必要なキャッシュカードが郵送で送られてきます。
簡易書留にて郵送されることがほとんどですので、対面で受け取れるよう予定を確認しておくのがおすすめです。
4.利用設定やアプリのインストール
キャッシュカードを受け取った後は、ネット銀行のユーザーページから利用開始設定を行ってください。
また、利便性を高めるため、ネット銀行のアプリをスマートフォンにインストールするのがおすすめです。
アプリの初回設定ではログインIDやパスワードを作成することになりますので、忘れないようにどこかにメモしておくのが良いでしょう。
ネット銀行のメリット
ここからは、ネット銀行のメリットをご紹介します。
「ネットで手続きが完結」「手数料が安い」「解説が簡単」「振込手続きが早い」「各種預金金利が高い傾向にある」の5つです。
メリット1:ネットで手続きが完結
ネット銀行の最大のメリットは、ほとんどの手続きがネットで完結する点でしょう。
一般的な銀行の営業時間は平日の9時~15時ですが、ほとんどのネット銀行は24時間土日関係なく利用できます。
入金、出金、振込といったどの手続きでも時間を気にする必要はありません。
仕事や家事で忙しい人でも、空き時間に手続きができるのは大きなメリットではないでしょうか。
また、ネット銀行の多くは専用のアプリをリリースしています。
アプリをダウンロードすれば、スマートフォンから簡単に取引ができるようになり、非常に便利です。
メリット2:手数料が安い
ネット銀行は従来の銀行より手数料が安いです。
従来の銀行の取引では、1回で数百円の手数料が必要なので、何度も利用していると家計への大きな負担になります。
その点、ネット銀行ならお得に取引ができます。
銀行によって異なりますが、「月何回までなら手数料無料」といったケースも多く、無料回数内で利用すれば手数料はかかりません。
また、手数料が設定されていてもほとんどの場合で100円程度と、非常に安く設定されています。
メリット3:口座開設が簡単
ネット銀行は、口座開設が簡単なのもメリットです。
従来の銀行のように窓口に並んで受付をする必要がありません。
ネット銀行なら、口座開設もネットで完結できます。
必要事項を入力して、本人確認書類を写真で送れば、スピーディーに審査が終わるケースがほとんどです。
今まで、銀行口座を作るのは手間がかかる印象があった人も多いのではないでしょうか。
ネット銀行なら、思い立ったらすぐに口座開設ができるので、非常に便利です。
メリット4:振込手続きが早い
従来では、送金してから相手の口座に振り込まれるまでにタイムラグがありました。
土日などを挟む場合は翌週になることもあり、すぐに振り込みたい人にとって大きなデメリットだったのではないでしょうか。
ネット銀行は土日関係なく、24時間システムが稼働しています。
そのため、振込手続きをおこなってから、数時間以内に振込先に入金され、スムーズに手続きが終わるケースがほとんどです。
メリット5:各種預金金利が高い傾向にある
ネット銀行のメリットのひとつに、実店舗の銀行よりも、各種預金金利が高い傾向にあることが挙げられます。
例えば、普通預金金利や定期預金金利が高いことが多く、一方で住宅ローン金利は低い傾向にあります。
預金の金利は高ければ高いほど、住宅ローン金利は低ければ低いほど、利用者にとってメリットが大きくなります。
銀行口座を貯金用として開設する予定の人は特に、ネット銀行を利用するのがおすすめです。
ただし、預金金利や住宅ローン金利の高さは銀行によって異なるため、比較する際にはしっかりと確認しておきましょう。
ネット銀行のデメリット
では、ネット銀行にはどのようなデメリットがあるでしょうか。
「対面サポートがない」「引き落とし口座にできない」「振込口座にできない」の3つをご紹介します。
デメリット1:対面サポートがない
従来の銀行であれば実店舗があるので、窓口や店頭で、対面サポートを受けることができます。
しかし、ネット銀行には実店舗が存在しないので、対面でのサポートは受けられません。
その代わり、メールやチャット、電話でのサポートがあります。
十分なサポートは受けられるものの、対面サポートを望む人にとってはデメリットになるでしょう。
デメリット2:引き落とし口座にできない
クレジットカードの引き落とし口座にネット銀行を選択したいと思っている人は多いのではないでしょうか。
しかし、ネット銀行によっては、引き落とし口座として使えない場合があります。
自分が利用しているネット銀行の口座が対応しているかは、事前にチェックしておきましょう。
デメリット3:振り込み口座にできない
お金を受け取る際に、受け取り口座をネット銀行にしたい場合もあるでしょう。
家族や知り合いからお金が振り込まれるのは、ネット銀行でも問題ありません。
しかし、公的機関からの振込先としては、ネット銀行が指定できない可能性もあります。
ネット銀行の口座しか持っていないという人は、万が一のために大手銀行で口座開設をしておくのがおすすめです。
おすすめのネット銀行を比較!
ここからは、おすすめのネット銀行を5つ、比較していきます。
手数料やポイントの有無など、それぞれに強みがあるので自分に合ったネット銀行を選んでください。
ネット銀行名 | おすすめポイント | 各種手数料 | 運営元 |
住信SBIネット銀行 | ・セブン銀行、ローソン銀行ならアプリだけで利用可能 ・生体認証機能が搭載されていてセキュリティ面も安心 |
・振り込み手数料5回/月までどの銀行宛でも0円 ・ATMでの入出金5回/月まで0円 ・5回以上も77円/1回とかなり安い |
三井住友信託銀行とSBIホールディングスが共同出資 |
楽天銀行 | ・各種取引で楽天ポイントがたまる ・「取引通知メール」「ワンタイム認証」「セキュリティカード認証」「合言葉認証」といったセキュリティ対策が万全 |
・取引ごとに楽天ポイントが貯まる ・ATMで3万円以上の入金なら、手数料0円 ・振込みは、楽天銀行宛なら無料、他銀行は145円 |
楽天 |
じぶん銀行 | ・振込限度額設定やATM出勤限度額設定で、不正利用や詐欺といったリスクへ対応できる ・Pontaポイントがたまったり、au IDを持っている人はカードローンの年利が割引されたりといった特典 |
・じぶん銀行と三菱UFJ銀行への振込無料 ・他銀行は毎月の取引金額に応じて、3~15回/月が無料 ・無料回数以降は、99円/1回 ・ATMでの入出金は月2回まで無料 |
auフィナンシャルホールディングスと三菱UFJ銀行が共同出資 |
GMOあおぞらネット銀行 | ・Pay-easy(ペイジー)対応 ・ハンコ、ペーパー、郵送レスで法人口座開設が完結 ・法人カードでは利用金額の最大1%が現金還元 |
・入金無料 ・出金2~20回まで無料 ・GMOあおぞらネット銀行宛の手数料は無料 ・他銀行への振込は、1~20回まで取引量に応じて無料 ・振込無料回数以降は75円/1回 |
あおぞら銀行グループ |
paypay銀行 | ・スマートフォンだけで口座開設が完結し、最短当日で口座開設完了 ・PayPayマネーへの入出金が、いつでも何回でも手数料無料 |
・ATM出金手数料は1回/月まで無料 ・出金手数料無料以降は、3万円以上の入金は無料 ・3万円未満は145円/1回 ・PayPay銀行宛の振込手数料は無料 ・他銀行への振込は、145円/1回 |
PayPay銀行株式会社 |
住信SBIネット銀行
・セブン銀行、ローソン銀行ならアプリだけで利用可能
・生体認証機能が搭載されていてセキュリティ面も安心
1つ目は、住信SBIネット銀行です。
三井住友信託銀行とSBIホールディングスが共同出資して設立されました。
2023年2月6日時点で、600万口座を誇るネットバンキングです。
アプリで認証設定を行うだけで他行宛ての振込手数料は月5回まで無料で、条件を満たせば最大月20回まで無料になります。
また、セブン銀行やローソン銀行のATMであれば、アプリだけで利用できるため、キャッシュカード不要となり大変便利です。
さらに、生体認証機能が搭載されていることから、セキュリティ面も安心して使えます。
楽天銀行
・各種取引で楽天ポイントがたまる
・「取引通知メール」「ワンタイム認証」「セキュリティカード認証」「合言葉認証」といったセキュリティ対策が万全
2つ目は、楽天銀行です。
皆さんご存知の楽天が運営しているネット銀行です。
楽天銀行宛ての振り込むは無料になるほか、給与・ボーナス・年金受け取り口座に指定すると、月3回まで無料で他行宛ての振込ができるようになります。
また、給与の受け取りや振り込み、口座振替といった取引で楽天ポイントがたまるため、楽天ポイントカードを持っている人にもおすすめです。
さらに、「取引通知メール」「ワンタイム認証」「セキュリティカード認証」「合言葉認証」といったセキュリティ対策も万全な点も魅力的です。
じぶん銀行
・振込限度額設定やATM出勤限度額設定で、不正利用や詐欺といったリスクへ対応できる
・Pontaポイントがたまったり、au IDを持っている人はカードローンの年利が割引されたりといった特典
3つ目は、じぶん銀行です。
auフィナンシャルホールディングスと三菱UFJ銀行が共同出資して設立されました。
アプリ上でアップロード機能を使えば、本人確認書類を郵送する必要がなく大変スムーズです。
また、振込限度額設定やATM出勤限度額設定が可能ですので、不正利用や詐欺といったリスクへ対応できる点も魅力のひとつ。
Pontaポイントがたまったり、au IDを持っている人はカードローンの年利が割引されたりといった特典が用意されています。
GMOあおぞらネット銀行
・Pay-easy(ペイジー)対応
・ハンコ、ペーパー、郵送レスで法人口座開設が完結
・法人カードでは利用金額の最大1%が現金還元
4つ目は、GMOあおぞらネット銀行です。
あおぞら銀行グループが運営しています。
Pay-easy(ペイジー)対応しているため、地方税共同機構を通じた地方税の支払いも可能だったり、ネット銀行で初めて「日本政策金融公庫の融資金返済に預金口座振替可能」となったりと、法人向け口座開設時にも信頼できるポイントが豊富です。
そのほかにも、ハンコ・ペーパー・郵送レスで法人口座開設が完結し、法人カードでは利用金額の最大1%が現金還元されるため、企業の口座としておすすめです。
PayPay銀行
・スマートフォンだけで口座開設が完結し、最短当日で口座開設完了
・PayPayマネーへの入出金が、いつでも何回でも手数料無料
5つ目は、PayPay銀行です。
PayPay銀行株式会社が運営しています。
スマートフォンだけで口座開設が完結し、最短当日で口座開設完了するため、スピーディーな手続きを求めている人におすすめです。
また、PayPayマネーへの入出金が、いつでも何回でも手数料無料ですので、PayPayマネーを利用している人にとっても大きなメリットと言えます。
ネット銀行を選ぶポイント
ネット銀行の数が多すぎて、どうやって選べばいいのかわからない人もいるのではないでしょうか。
ここからは、自分にぴったりのネット銀行を選ぶためのポイントを3つご紹介します。
「金利の高さ」「対応ATMの多さ」「手数料の有無」の3つをしっかりとおさえましょう。
金利の高さ
ネット銀行を貯蓄用口座として利用したい人は、普通預金や定期預金の金利をチェックしましょう。
従来の銀行のほとんどが0.001~0.002%の低金利ですが、ネット銀行は実店舗がなく、維持費や人件費がかからない分、金利が高く設定されています。
金利が高いほど、預けたお金につく利息が多くなるメリットにつながるので、0.01%でも高い金利のネット銀行に預けるのがおすすめです。
また、ネット銀行によっては指定サービスの利用で金利が上乗せされるので、条件は事前に確認しておきましょう。
また、高金利の目安は0.1%以上です。
金利を比較するときは、0.1%以上のネット銀行を調べるようにしてください。
対応ATMの多さ
頻繁に現金の出し入れをする人は、利便性がいい場所にATMがあるかも重要なポイントになります。
ネット銀行は実店舗がないので、コンビニのATMで入出金や振込をおこなう場合がほとんどです。
対応しているATMが多いほど、どこでも現金の出し入れができるので、さまざまなATMに対応しているネット銀行を選びましょう。
利用可能なATMの場所や、対応していないATMの種類も合わせて事前に確認しておくのがおすすめです。
また、最近ではキャッシュカードを使わず、QRコードを読み取って各種手続きができるスマホ対応のATMも増えています。
キャッシュカードを持ち歩きたくない人は、対応ATMが多いのはもちろん、スマホで取引できるネット銀行を選ぶといいでしょう。
手数料の有無
現金を頻繁に出し入れする人は、ATMの手数料が安い、または無料で利用できるネット銀行がおすすめです。
1回の手数料は少額でも、何度も利用すると家計とって思い負担となります。
銀行によっては、ATMでの入出金の手数料が無料になる時間帯もあるので、無駄な手数料を払わずにすむように工夫して下さい。
また、一定回数のATMの利用なら無料になるネット銀行もあります。
無料になる回数はネット銀行によって異なり、一定以上は手数料がかかるので、自分が毎月どのくらいATMを利用するのかあらかじめ把握しておくのがおすすめです。
ネット銀行のほとんどは、条件を達成するとATMの利用手数料や振込手数料の無料になる回数が増えるシステムを採用しています。
増える条件や自分が無料で利用できる回数をしっかり確認しておきましょう。
まとめ:ネット銀行を比較してマッチするものを選びましょう
ここまで、ネット銀行についてご紹介してきましたがいかがだったでしょうか。
ネット銀行は、その利便性の高さから今後も需要が伸びていくことが予想されます。
自分に合ったネット銀行を選ぶために
・入手金・振込手数料の有無
・対応しているATMが多いか
・金利の高さ
上記をしっかりと確認しましょう。
楽天経済圏でお買い物をしている人などは、楽天銀行を作っておくとポイントが貯まるといったメリットもあります。
ぜひ、使いやすいネット銀行を見つけて口座開設を申し込んでみてください。