感染症対策や働き方改革によって、リモートワークの普及が進む昨今、オンライン会議ツールはもはや欠かせないものという企業も多いのではないでしょうか。
出社せずとも会議を行うことができる便利なシステムですが、いざ導入しようとすると種類が多すぎて、どのオンライン会議ツールを選ぶべきか迷う企業も多いはずです。
以前はオンラインで会議をしようとしても、インターネット設備整えるだけでなく、専用のシステムを導入しなくてはならず、膨大な初期費用がかかっていました。
また、運用開始までの人手や工数もある程度必要だったため、中小規模の企業には負担が大きすぎて導入は難しかったのではないでしょうか。
しかし、最近ではクラウド型の会議ツールも多く登場しています。
クラウド型を導入すればパソコンやスマートフォンにアプリをダウンロードするだけなので初期費用や手間がかかりません。
運用コストも比較的安価な月額料の支払いのみで、これまでとは比べ物にならないほど簡単にオンライン会議を開催することができます。
本記事では、オンライン会議ツールのおすすめを5つ比較するとともに、オンライン会議ツールの選び方も合わせてご紹介します。
オンライン会議ツールとは
説明するまでもないかもしれませんが、オンラインで会議ができるツールです。
リモートワークになり、利用機会もかなり増えてきたのではないでしょうか。
後ほど、具体的なツールを比較して紹介します。
会議ができるだけではなく、チャットや録画、バーチャル背景など多様な機能が増えています。
おすすめオンライン会議ツールを比較!
5つのおすすめのオンライン会議ツールをご紹介します。
料金やそれぞれの特徴も合わせてご覧ください。
サービス名 | 料金 | 運営会社 |
ZOOM | 無料 or 月額2,000円〜 | Zoom Video Communications社 |
Google Meet | 無料 or 月額1,000円〜 | Google合同会社 |
Microsoft Teams | 無料 or 月額540円〜 | 日本マイクロソフト株式会社 |
Cisco Webex | 無料 or 月額1,700円〜 | シスコシステムズ合同会社 |
Whereby | 無料 or 月額1,200円〜 | Whereby |
Zoom
アメリカのZoom Video Communications社が提供するZoomは、仕事でパソコンを使用している人なら、誰でも一度は聞いたことのあるツールではないでしょうか。
テレワーク・リモートワークのニーズから、急速にシェアを伸ばしているオンライン会議システムの1つです。
Zoomの魅力は、通信の安定性と手軽さにあります。
高機能でありながらもデータ通信容量が小さいので、電波状況に左右されにくく、アプリをダウンロードしなくても、ブラウザから利用可能です。マイクや表示など操作アイコンも分かりやすいので、初心者にもおすすめのオンライン会議ツールと言えるでしょう。
また、Outlookと連携している点も評価されています。
無料版では40分という時間制限があったり、録画の保存方法も限られていたりしますので、ビジネスで利用するには機能面で不十分かもしれません。
有料版は必要なIDの数と1回のミーティングにつき最大何名参加可能かによってプランが異なり、最も安いもので月額2,000円~(年額19,200円~)用意されています。
有料プランだと、時間無制限で会議を行うことができ、クラウド上に録画が可能です。
まずは無料版で試してから、有料版にステップアップするといいでしょう。
メールサポートを始めとしてプランによっては電話や個社サポートもあるなど、サポート体制も充実しています。
Google Meet
Google Meetは、世界的に有名な企業であるGoogleが提供しているオンライン会議ツールです。
Google Meetをパソコンで利用する場合は、アプリではなくブラウザでの利用が前提となっています。ただし、スマートフォンからの利用であればアプリで対応が可能です。
従来は有料版のみのリリースでしたが、2020年5月より無料版の提供も開始されています。
無料版では60分という時間制限に加え、人数制限もありますが、有料版では最長24時間会議ができます。最大参加人数はプランによって異なるので、必要に応じてプランを選びましょう。
Google Meetの強みは、万全のセキュリティと他のGoogle製品と連携して使える利便性です。
例えば、Googleカレンダーに予定を入れると、会議用のリンクが自動で発行されるなど、別途会議用のURLを発行する手間が省けます。
Googleによるアップデートで、使いやすさや不具合が都度改善されるのも魅力です。
月額利用料はドル換算なので為替の影響は受けますが、安いプランで$7.99~と比較的手頃な価格設定となっています。
普段からGoogle製品を利用している企業に特におすすめです。
Microsoft Teams
マイクロソフト社が提供しているオンライン会議ツールMicrosoft Teams。
Microsoft Teamは、マイクロソフトのアカウントを持っていれば誰でも利用できます。アカウントを持っていなくても、招待メールを送ればオンライン会議に参加可能です。
最大の魅力は、今では仕事を進める上で欠かせないMicrosoft Officeといった、他のマイクロソフト製品との連携ができることでしょう。
すでに利用しているMicrosoft 365(旧称Office 365)のプランによっては、Microsoft Teamsの機能を無料で使用できる場合もあるので、企業によっては導入しやすいのではないでしょうか。
チャット、音声通話に対応しているのはもちろん、Excel、Word、PowerPoint などと連携し、必要な情報に即アクセスできます。
ファイルの共有や編集も、会議を進行しつつ一貫したワークスペースでおこなえるので、作業効率も上がるでしょう。
無料版では最大60分という時間制限があり、参加人数も100人までに制限されています。
有料版はIDひとつにつき月額540円相当(年間契約)から利用できますが、一度有料版を購入したら、以後無料版にグレードダウンすることはできません。
有料版にするかどうかは、慎重に判断するようにしましょう。
Cisco Webex
Cisco Webexはアメリカ合衆国カルフォルニア州サンノゼに本社があり、世界最大のコンピューターネットワーク機器開発会社であるシスコシステムズが提供しています。
日本ではまだ知名度は低いかもしれませんが、Zoomより歴史が古く、世界的にも導入している企業が多いオンライン会議ツールです。
そのワールドワイドなシェアの広さから、日本語、英語だけでなく、ドイツ語、イタリア語、フランス語、中国語など28か国もの多言語に対応したシステムとなっています。
また、暗号化技術を用いて安全性を担保しており、セキュリティの高さも特徴のひとつです。
機能面では、高画質モードに設定すると、HD画質での会議が可能になります。
音声設定においても、Cisco Webexには3つの機能があり、ノイズ除去や会議の出席者の声を最適化するなど、オンライン会議をするうえで便利な機能が揃っているといえるでしょう。
無料版は50分までの時間制限と200人までの人数制限があります。
月額1,700円~設定がある有料版にすると、24時間まで会議が可能になり、人数の上限も150人~に増え、クラウド上に録画できるようになります。
1000人規模の大がかりな会議もできるので、グローバル会議を頻繫におこなう場合や、会議参加者が多い場合はCisco Webexを利用するといいでしょう。
Whereby
ノルウェーのTelenor社が提供しているWherebyは、欧米で利用者の多いオンライン会議ツールです。
日本では比較的マイナーで、まだまだ認知度が低いといえるでしょう。
通信が高品質なのが特長で、アプリをインストールせずにブラウザのみで使用できます。
スマートフォンはアプリでも対応しており、会議主催者のみアカウント作成が必要です。
参加者は送られてくるURLをクリックするだけで会議に参加でき、無料のプランでは1ルーム最大4名までとなっています。
ルームロックという機能を搭載しており、主催者が許可をした人しか会議に参加できない仕組みを採用。
オンライン会議ツールとしての基本機能はもちろん、チャットを使用してYouTubeの動画を会議で流すこともできます。
有料版では月額$9.99~プランがあり、作ることのできるミーティングルームの数やサポート体制の内容がプランによって異なります。
興味がある人は、公式サイトから調べてみてはいかがでしょうか。
オンライン会議ツールを利用するメリット
オンライン会議ツールを利用することには、メリットがあります。
メリットを確認しておくことで、ツールの導入を前向きに考えることができます。
オンライン会議ツールを導入するメリットには以下のものがあります。
インターネットがあるなら場所に関係なく会議ができる
オンライン会議ツールは基本的にインターネットがあるなら、どこでも会議を開くことが可能です。
PCやタブレット、スマホなどのデバイスを持って、ネット通信ができるならホテルでも自宅でも場所に関係なくミーティングをして取引の内容やプロジェクトの進捗状況を確認できます。
会議の場所がオフィス内と決まっているなら、出張などから帰って来たときに会社に行かなくてはならず、毎回ミーティングがあるたびに出社しなくてはいけないため、手間がかかるでしょう。
しかし、オンライン会議ツールだと、リモートワークはもちろん、日本全国の支社でミーティングするときに、海外に進出している会社も会議に出席できるため、利便性はかなり向上します。
場所を選ばずに会議ができるだけで業務効率もかなり改善されるでしょう。
交通費と移動時間も削減が可能
オンライン会議を導入するなら、交通費と移動時間も削減することが可能です。
オンライン会議ツールは上記で場所を選択せずにミーティングを行うことができると説明しました。
つまり、会議のために帰社する必要はないため、電車やバス、飛行機などの交通機関を利用する必要がありません。
遠方から会議に来ることがあれば、それだけ出費も生じますし移動で生じる時間もかかるため、コスト負担だけでなく、業務効率という点でも支障が生じることもあるでしょう。
オンライン会議ツールにより移動が省けるなら、会議が終了した時点で直ぐに業務に戻ることができるため、効率的でもあります。
もちろん、経費負担も軽減することができるため、交通費と移動時間を削減できるという点を考慮してオンライン会議ツールの導入を考えてみてください。
決定のスピードも上がる
オンライン会議ツールを導入するなら、決定スピードも向上させることが可能です。
従来の会議の場合、出席者は指定された場所に集まる必要があったため、その場所まで移動しなくてはいけませんでした。
遠方から来る方が多いなら、それだけ時間がかかることになるため、業務の点で重大な決定をするときも時間がかかることになるでしょう。
また、誰かが出張に行っていたり外出していたりするなら、緊急の会議を開くことも難しくなるため、仕事の方針を決定するなどの重要なことについて判断が遅れる可能性もあります。
しかし、オンライン会議ツールであれば、会社にいなくても、場所が遠方にいる方でも、会議を開くことができるため意思決定を早く行うことが可能です。
重要な決定も直ぐに行うことができるようになるため、オンライン会議ツールの導入を検討してみてください。
オンライン会議ツールを利用するデメリット
オンライン会議ツールを導入することにはリスクもあります。
しっかりその点を把握していなければデメリットが大きくなり、損失部分が大きくなるでしょう。
オンライン会議ツールのデメリットは以下のようになります。
通信状況によって上手くミーティングできないこともある
オンライン会議ツールは、インターネットを利用してミーティングを行います。
そのため、インターネット回線の状況によっては混雑してしまい、接続状況が悪ければ最悪の場合、会議が中断してしまうこともあります。
重要な案件について会議をしているときに回線状況の悪さで途切れてしまったり、音声が悪くなったりするようなら、効率性が悪くなりミーティングを進めていくことができません。
また、回線状態にトラブルが発生して普及できないようなら、会議自体ができず重要な案件や方針への決定が悪くなる場合もあるでしょう。
大事な会議をする前は接続テストを実施する、またはテレビ会議システムの導入を検討してみるなど、工夫して会議をスムーズに進行できるのか試すようにしてください。
大人数には向いていない
オンライン会議ツールは、大人数でミーティングを行うことに向いていません。
少数向けのミーティングが基本となっているため、大人数だと不具合が生じることもあります。
例えば、大人数だと映像が小さくなるため、画質が下がることもあれば、意見を行っても出席者に届きにくいという点があります。
大人数用でミーティングができるツールも提供されていますが、WEBの仕様上の関係で会議は大人数に向いていないこともあるため注意しましょう。
表情や雰囲気が読み取りにくい
オンライン会議ツールは、表情や雰囲気が読み取りにくいというデメリットもあります。
オンライン会議ツールは画面越しに見るため臨場感を感じにくく、微妙な表情や変化に気付かずやりにくさを感じることがあります。
会議の際に雰囲気を感じて進行していきたいなら、オンラインの会議は合わないこともあると覚えておきましょう。
オンライン会議ツールを選ぶポイント5選
実際にオンライン会議ツールを選ぶときには、どのようなポイントを重視すればいいのでしょうか。
自社に適したオンライン会議ツールを選ぶには、しっかりと比較検討することが大切です。
ここからは、オンライン会議ツールを選定するときに役立つ5つのポイントをご紹介します。
音声や映像の品質がいいか
音声や映像がクリアに伝わるかどうかは会議を円滑に進めるうえで非常に重要です。
オンライン会議ツールでは、ビデオ会議システムよりも回線が不安定になりがちというデメリットがあります。
オンライン会議ツールは、大きく分けてアプリをインストールして使用するタイプと、ブラウザから使用するタイプの2種類です。
ブラウザから使用する場合、デバイスはなんでもいいというメリットがあるものの、ほとんどの場合アプリの方が通信が安定します。
利用人数や、利用環境の通信速度によっても大きく変わるため、音声が聞き取りづらい、回線が安定しないといったトラブルが頻発するなら利用環境から見直してみるといいかもしれません。
同時に何人まで使えるか
オンライン会議ツールの中には、1度に利用できる人数に制限が設けられている場合があります。
オンライン会議ツールを使用するといっても企業規模や利用目的によって、何人で使用するのかは大きく変わるはずです。
例えばセミナーや講演のをおこなうなら、大人数で使用できるオンライン会議ツールを選びましょう。
特に無料版だと少人数でしか利用できない可能性が高いです。
プランによっても変わるため、事前に最大で何人利用するのか調べておくといいでしょう。
操作が簡単にできるか
誰でも直感的に使えるオンライン会議ツールであるかも大切なポイントのひとつです。
一見、多機能なオンライン会議ツールほど良いと思われがちですが、複雑な機能はそれだけスキルを必要とすることも多く、せっかく導入しても使われなくなるかもしれません。
また、多機能なオンライン会議ツールはコストもかかるので、使いこなせないなら無駄になってしまいます。
必要な機能が十分に備わっていて、誰でも簡単に使えるオンライン会議ツールを選んでください。
わからないことはすぐに解決できるよう、サポート機能が充実しているかもチェックしておきましょう。
セキュリティがしっかりしているか
オンライン会議ツールでは、会社の機密情報や顧客の個人情報といった社外秘の資料を扱うことも少なくありません。
インターネット環境を扱う以上、セキュリティ対策は非常に重要です。
外部からのサイバー攻撃や内部からの情報漏えいを防ぐために、セキュリティ対策が万全なオンライン会議ツールを選ぶ必要があります。
また、社員に対するセキュリティ講習も徹底するようにしてください。
コストパフォーマンスが良いか
企業規模や利用目的によっては、無料版では足りずに有料版を使用する可能性もあるでしょう。
その場合、初期費用やランニングコストはしっかりと確認しておく必要があります。
機能と利用頻度に見合ったコストなのか、有料版を導入する前にきちんと検討してください。
また、いきなり導入する前に問題なく運用できるか、無料版でテストするのもおすすめです。
トラブルがあった際に速やかにサポートを受けられるかも確認しておくといいでしょう。
まとめ:オンライン会議ツールで効率の良い打ち合わせを!
ここまでオンライン会議ツール5つの比較と、選ぶポイントを紹介してきました。
オンライン会議ツールをどのような基準で選ぶかは、会社の用途や規模によって大きく異なります。
通信の品質や安定性で選ぶのか、参加可能人数や機能で選ぶのか、リモートワークをおこなう環境でも変わってくるでしょう。
自社のニーズに合ったツールを選択することが重要です。
本記事を生かして、自社にぴったりのオンライン会議ツールを選んでください。