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RPAの画像認識の仕組みとは?選び方のポイントも解説します!

業務自動化のツールとして普及が進むRPAですが、そのRPAには「画像認識」という技術が用いられているのをご存知でしょうか?業務を自動化するワークフローを作成する上で、とても便利な機能の一つです。
今回は、この「画像認識」について、メリットやデメリットも踏まえて解説をしていきます。

RPAについて

まず、RPAそのものについて簡単に説明します。

RPAとは

RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)とは、ソフトウェアロボットを使ってパソコン上の業務を自動化する技術です。このソフトウェアロボットが、人間の代わりに業務を自動で行ってくれます。
RPAは日常的に行う繰り返しの多い作業、いわゆるルーチンワークの場面でよく使われます。
RPAが活用される業務のいくつかを下記にて紹介していきます。

データ入力: データの登録・更新やExcelの操作など。これにより、正確性が向上し、時間とリソースが節約されます。
帳票作成: 請求書や報告書など書類の作成。これにより、人的ミスの可能性が低減し、生産性が向上します。
メール自動送信: 定型文によるメールの一斉送信。これにより、迅速かつ一貫性のあるコミュニケーションが可能です。
情報収集: ウェブサイトの情報をスプレッドシートなどに転記する。これにより、大量のデータを素早く処理し、分析に役立てることができます。

RPAの導入は、業務効率を向上させ、従業員がより価値ある仕事へ集中できるようにする有力な手段と言えるでしょう。

RPAにおける画像認識とは

RPAにおいて、設定されたプロセスをソフトウェアロボットが自動化する技術であることは解説しましたが、画像認識というのはその中の機能の一つとなっています。ロボットが画像を認識し、あらかじめ設定されたプロセスの中で自動的に反映し、ざまざまな動作を行うのです。
RPAにはいくつかの認識方法があり、一般的には「画像認識」「オブジェクト認識」「座標認識」の3つが使われています。

それぞれ解説していきます。

画像認識

画像認識を利用した自動化の仕組みは、指定された画像とそれに関連する動作をロボットに教え込むことからスタートします。実行時には、ロボットが画面上で指定された画像を探し出し、それに対応するアクションを実行します。これが、画像認識を用いた自動化の基本的な手法です。
例えば、ロボットは特定のボタンやアプリケーションのアイコンなど、指定された画像を識別します。その後、その画像に対してクリックやキーボード入力などの操作を行ったり、画面上の情報を読み取ったりします。こうすることで、作業が自動的に実行されるのです。

この方法の利点は、ロボットによる自動化で人間によるミスが起こらなくなり、作業効率が向上することです。また、定型作業を効率的に自動化できるため、時間の節約や生産性の向上も期待できます。ただし、画像の変化やUIの変更があると認識が難しくなるリスクもあるため、正確なマッチングが必要な場合には様々な工夫が必要となっています。

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オブジェクト認識

オブジェクト認識は、画像内の特定の対象を自動的に検出し、それを識別する技術です。この手法では、最初に識別したいオブジェクトのパターンや特徴を指定します。その後、システムは画像内でそのパターンに一致する部分を見つけ、その位置や特性を解析してオブジェクトを識別します。
たとえば、動物園の中で多くのゾウの中から特定のゾウを見つけるために、「ゾウ」という情報だけではなく、その大きさや形状、特徴的な象牙を使って識別するようなイメージです。

このプロセスにより、高い正確度でオブジェクトを特定し、自動化を効率的に行うことができます。しかし、画像内に複数の似たような対象がある場合や、背景が複雑な場合には、識別の正確度が低下する可能性があります。そのため、最適な認識方法を選択することが重要です。

座標認識

座標認識は、作業の過程でPC画面上の特定位置やマウスの動き、キーボード操作が検出され、それを座標として記録する手法です。この方法では、画面内の位置をX軸とY軸で示し、左上を原点(0,0)として操作された座標を記録します。時には、画面全体ではなく、特定のアプリケーションのウィンドウ内での座標認識が行われ、その場合はウィンドウの左上が原点となります。
座標認識の実用例としては、ウェブサイト上で特定のボタンやメニューの位置を検出し、クリック操作を自動化することがあります。また、画面に表示された数字や文字の位置を認識して情報を取得する場合にも利用されます。

ただし、座標認識は、認識対象の位置や形状が変わると認識が難しくなる場合があります。そのため、認識したい対象によっては、他の認識方法を選択する必要があります。適切な認識方法を選択することで、安定して正確な自動化を実現することができます。

画像認識のメリットとデメリットについて

ここまで、様々な画像認識の方法について解説してきました。
「画像認識」は非常に取り入れやすく簡単に使用できる点が魅力ですが、もちろんデメリットも存在します。
この章では、画像認識を扱う上でのメリットとデメリットについて、それぞれ解説いたします。メリットとデメリットを確認した上で、適切な認識方法を選択しましょう。

メリット

非エンジニアでも使いやすい直感的な操作

ITスキルの有無に関わらず、利用可能な画像認識の主な利点は、その直感的な操作性にあります。画像認識を活用することで、従業員はパソコン上で行っている作業をそのままソフトウェアロボットに記録し、シナリオを簡単に作成できます。たとえば、メールフォルダを開いて下書きを選択し、そして送信するといった業務を自動化したい場合、RPAツールの記録モードを起動し、一連の操作を実行するだけで、ロボットが自動的に学習します。

このように、ITやプログラミングに関する知識がなくても直感的に扱えるため、実際の業務を行っている現場の従業員でも簡単に自動化を進めることができます。

広範なアプリケーションと環境での利用可能性

画像認識技術は、業務を目で認識し、人間の操作と同じように機能します。このため、さまざまな業務で基本的に自動化が可能です。特に、経理部門などで多くの手作業がさまざまなツールを介して行われる場合、大幅な工数削減が期待できます。また、現行の業務フローを変更せずに自動化が行えるため、業務プロセスの再構築なども不要です。

さらに、画像認識技術を活用したシナリオ作成機能は、フリーソフトや低価格のツールも含め、多くのRPAツールで採用されています。そのため、企業は自社の予算やニーズに合わせて最適なRPAツールを選ぶことが可能です。

デメリット

画像変更の際の対応課題

画像認識タイプのRPAは、正確な画像検出が欠かせません。記録された画像が変更されると、RPAの動作に支障が出る可能性があります。
例えば、ツールのアップデートやWebサイトのデザイン変更により、RPAがエラーを引き起こしたり、作業が中断したりすることがあります。これは、学習時に使用された画像と変更後の画像が一致しないために生じます。

また、ディスプレイの変化も影響を及ぼす可能性があります。デスクトップのテーマや解像度の変更は、RPAの動作に支障をきたす可能性があります。そのため、画像認識タイプのRPAを使用する際には、デスクトップの表示設定を変更せず、必要な場合は変更がRPAに与える影響を事前に確認することが重要です。

プログラミング要件が発生するケース

RPAの画像認識を利用する際には、時にプログラミングが必要なデメリットが存在します。
画像認識は、色や形、文字などの情報を活用して自動化を実現するための重要な技術ですが、複数の類似したアイテムが存在したり、正確な判別が難しい場合があります。こうした場合、エンジニアがプログラムを調整する必要が生じます。
例えば、画像内に複数の類似したアイテムがある場合、正確に対象を選択するためにはプログラミングが必要となります。エンジニアは、RPAソフトウェアが対象を正確に識別できるよう、特定の色や形、文字などを指定してプログラムを調整する必要があります。

そのため、組織内に適切なスキルを持つ従業員が不足している場合、画像認識の設定には時間がかかる可能性があります。状況に応じて、外部の専門家に依頼することも検討する必要があります。

認識方法の選択ポイント

画像認識について、メリットとデメリットまでを解説してきました。
それでは、どのようなポイントを加味して認識方法を選択すれば良いのでしょうか。

この章では、いくつかあるポイントをご紹介します。

従業員のITスキルの考慮する

画像認識の手法は使いやすさにおいて優れていますが、オブジェクト認識や座標認識などのタイプでは、一定のIT知識が求められます。これがエンジニアリングやRPAに初めて触れる人にとって、取り組みが難しい場合があるため、導入がスムーズにいかないことがあります。

IT知識が不足している現場の従業員が関与する場合、画像認識のタイプは理解しやすく、取り組みやすいと考えられます。
しかしながら、自動化する業務の複雑化や高度化が求められる場合には、画像認識のタイプの限界が浮き彫りになることがあります。精度や業務の多様性、そしてメンテナンスの負担を考慮すると、初めから高度なオブジェクト認識の手法を選択し、従業員のスキル向上に力を入れることが肝要です。これにより、RPAの長期的な利用と運用が円滑になるでしょう。

自動化対象の業務内容へ合わせた認識方法の選択

業務の種類によっては、最適な認識方法を選ぶことが重要です。一般的に、簡単なタスクの自動化には画像認識や座標認識が適していますが、複雑な業務や背後での処理が必要な場合にはオブジェクト認識を検討する必要があります。

ただし、特定の場合にはオブジェクト認識よりも画像認識の方が適していることもあります。従って、どの認識方法を選択するかは、具体的な業務の要件や性質によって異なります。そのため、自動化したい業務の性質や要件をよく理解し、最適な認識方法を選択することが重要です。

RPAの選び方と導入時のポイント

それでは、RPAを導入する際にはどのようなポイントを抑えておく必要があるのでしょうか。RPAの導入や運用を失敗しないためにも、抑えておくべきポイントを把握しておくことは非常に重要です。

この章では、RPAの選び方と導入時のポイントについていくつか紹介していきます。

ニーズにあった種類の選択をする

RPAツールには、デスクトップ型、クラウド型、サーバー型の3つの種類があります。
一つずつ、簡単に解説していきます。

デスクトップ型のRPAツールは、パソコンにソフトウェアをインストールして使用します。主な特徴として、比較的安価で小規模な業務の自動化に向いており、オフラインでの利用が可能です。
ただし、大規模な自動化や他の作業との同時実行には不向きで、ユーザーがアップデートを管理する必要があります。

クラウド型のRPAツールは、クラウド上で提供され、インターネットに接続して利用します。クラウドサービスやインターネット上の作業を効果的に自動化でき、スケーラビリティにすぐれているため、幅広い業務自動化が可能です。また、クラウド上で動作するため作業中や休日・夜間でも動作してくれる点や、ベンダー側でアップデートを行うため、常に最新の状態で使用できる点も特徴です。
一方で、オフライン環境では利用できず、一部のローカル作業が自動化できない場合があります。

サーバー型のRPAは、自社でサーバーを用意して導入します。大規模な業務の自動化に向いていますが、初期コストが高く、サーバーの運用と増設に伴うコストが発生します。スケーラビリティは低く、リソースを増やすにはサーバーの増設が必要です。

RPAツールの選択時には、こういったメリットやデメリットを踏まえ、自社の状況に合わせたツールを選択する必要があります。

サポート体制が充実しているかを事前に確認する

サポート体制を確認しておくことで、RPA導入後の不安は大きく減らすことができます。

有償なのか無償なのか、プランによって変動があるのか、トラブル発生時の返答のスピードなど、RPAツールを提供する企業によって提供体系は様々なので、なるべく詳細に確認しておくことが必要です。
サポート体制が充実しているRPAツールを選択することで、より安定した長期運用と自動化業務の拡大が期待できます。

自動化したい業務について整理する

様々な業務がある中で、自動化したい業務はどの業務なのか、自動化することによって効果を得られる業務はどの業務なのか、事前に洗い出ししておくことが重要です。ルーチンワークや繰り返し作業が多い業務や、高頻度で実行が必要な業務、入力ミスが起こりやすい業務がRPAでの自動化に向いています。こういった業務の洗い出しをしておくことで、ゴールを見失うことなくRPAの導入を行うことができます。

また、合わせて業務プロセスを整理しておくことも大切です。事前に業務プロセスを明確化しておくことで業務の標準化にもつながりますし、ワークフロー設定の際にもどの部分を自動化するべきなのか、どういった形で設定を行うべきなのか、スムーズに設計することができるでしょう。

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まとめ

RPAの画像認識について、メリットとデメリットまでを含め解説してきました。
RPAの選択においても同様ですが、画像認識についても様々な情報を加味して、適切なものを選択する必要があります。

ぜひこの記事を参考に、快適なRPA運用を行ってください!

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この記事を書いた人

Yuri Yamamoto
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