近年注目を集めるRPA。話を聞いて導入を進めたいと思っているものの、どんな業務が自動化できるのか分からない方もいるのではないでしょうか。
今回は、どんな業務がRPAにできるのかを事例と共にご紹介します。
目次
RPAが扱える業務と扱えない業務
RPAとは「Robotic Process Automation」の略称です。人間が行うデジタルな業務プロセスを自動化するソフトウェアロボットのことで、仮想知的労働者とも捉えられています。
RPAが自動化できる業務は、パソコン上で完結するデジタルな業務の中でも、作業手順がルール化・マニュアル化されている定型の業務に限られます。また、複数のアプリケーションを跨ぐ作業や、同じ単純作業を何度も繰り返す作業は、RPAに任せることで大幅な生産性改善が見込めます。
一方、ルール化されておらず毎回手順が違う業務や、複雑・抽象的な観点からの判断が必要な業務はRPAの自動化には向きません。このような業務については引き続き人が担うようにすべきでしょう。
定型業務ではなくてもRPAを検討する余地はある
では、定型化されていない業務が多い部署や企業はRPAを導入する意味がないのでしょうか?
実はそんなことはありません。下記の3つの手法を取り入れると、RPAによる業務効率化の範囲を増やすことができます。
1. 業務をDX化する
紙で管理されているデータをデジタル化する、お客様のお問い合わせ受付窓口を原則電話ではなくメールにする、担当者の頭の中で属人的に処理されていた判断基準をPC上に明示するなど、アナログなやり取りをデジタルに移行することで、RPAが処理できる業務の範囲が広がります。
2. 判断や手順をルール化・マニュアル化する
レポート・調査資料作成の手順やお客様への通知メールの形式・タイミングなど、一歩踏み込めば実はマニュアル化できる業務は少なくありません。業務のルール化・マニュアル化は、RPAを導入しない場合でも業務の可視化・効率化に繋がることがあります。決まり切った仕事のはずが、いつの間にか人の手作業に頼るのが当たり前になってしまった…という業務は、一度棚卸してみることをお勧めします。
3. 人の判断が必要な範囲以外を自動化する
アウトプットの最終チェックや、データを読み解いて仮説を立てる場面など、どうしても人が行うべき業務はあります。こうした「絶対に人がやらないといけない業務」だけを先に絞り込み、その直前までのアウトプット作成・データ作成などだけをRPAに任せるという手もあります。
RPA化に向いている業務の具体例と自動化事例
ここからは具体的に、どんな業務がRPA化に向いているのかをひとつひとつ見ていきましょう。
1. 単純作業
コピー&ペーストの繰り返しや同じ計算式の繰り返しなど、単純な作業の繰り返し業務はRPAが最も得意としています。人がやるには生産性が低いだけではなくミスの可能性もあり、何よりも非常にストレスがたまる作業です。こういった作業は早急に自動化を検討しましょう。下記はコピー&ペーストを基本とした作業の自動化事例ですので、参考にしてみてください。
2. ルールの決まっているデータ判断
RPAにとって何かを判断する作業は本来得意ではありません。しかし、「この条件の時はこう判断しこう対応する」というルールが決まっているものであればRPAの得意領域です。打刻チェック業務を例に、実際に判断し対応するところまでをRPAで自動化した例を下記でご紹介しています。
3. レポーティング
自社独自のフォーマットでのレポーティング業務は、意外と時間をとってしまう作業の1つです。しかし、作業ひとつひとつは、決まったデータベースからのコピー&ペーストや同じ数式での計算の繰り返しです。ちょっと複雑な自動化もできるRPAなら簡単に自動化できてしまいますので、レポート業務は真っ先に自動化を検討してください。
4. データ収集
「レポーティングそのものは人手による分析・考察が多くて自動化できない!」という場合は、レポーティングの前提となるデータ収集業務を自動化するのが良いでしょう。レポーティングのほか、営業リスト作成、あるいは下記事例のような社内の情報共有など、様々な場面でデータ収集の自動化が検討できます。
5. 監視
不正監視業務などは、常に抜け目なく実施すべきものであると同時に、生産性が低いため手間をかけずに実施したい業務の1つでしょう。こうした業務は、不正であると判断する基準を設定できればRPAで自動化できてしまいます。事例のように、全国24時間365日の監視もロボットならお手の物です。
6. 連絡
メールによる連絡は人手に頼らないとできないと思い込んでいませんか? 下記の事例のように、連絡するタイミング・内容・連絡先のパターンが決まっていれば、実は人が対応するよりも素早くミスなく連絡ができる場合があるのです。
RPAの種類によっては出来ることに制約も?
ここまでRPAの自動化のメリットやできることを中心に説明してきましたが、もちろんRPAには注意しなければいけない点もあります。
例えば、RPAの種類による成約です。例えば、デスクトップ型のRPAであれば、作業中にPCが占有されてしまうこともあります。一方、サーバー型のRPA場合は、リモートワーク等では設定調整ができないという欠点も。最近人気のクラウド型では、社内専用のシステムなどを対象にした自動化はできない可能性があります。
このほか、RPAの導入や導入後の自動化の段階で現実的でないほど費用がかかってしまう例や、社内セキュリティ上、RPAが使えない場面などもあるでしょう。事前に自社の使いたい場面を具体的に定義し複数のサービスを比較検討すること、将来性を考えてできるだけ自由度の高いシステムを選ぶことが大事です。RPAの比較検討について詳しく説明した記事もありますので参考にしてください。
終わりに
自社の業務が自動化できるのかどうかはシステムによっても違います。自動化できないと思い込んでいた業務が実は自動化できることもありますので、まずは専門家に聞くのが一番です。弊社では業務の自動化が出来るかどうかから無料で相談できますので、ぜひお気軽にお問い合わせ下さい。
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