業務自動化におけるPythonとは?RPAとの違いも解説

業務自動化の手段として、RPAという単語を聞いたことがある方も多いかもしれません。それに加えて、Pythonというワードはご存知でしょうか?
RPAとPythonはどちらも業務自動化に役立てられるものですが、RPAは自動化ツール、Pythonはプログラミング言語とそれぞれ違いがあります。
この記事では、Pythonとはどのようなものなのか、RPAとの違いやRPAにおけるプログラミングスキルの有用性など、RPAとPythonに関わる部分を丸ごと解説していきます。

RPAとPythonの違いは?

RPAとPythonは、どちらも業務自動化において非常に有効な手段です。
では、それぞれどういった違いがあるのでしょうか?

RPAとは

まず、RPA(Robotic Process Automation / ロボティックプロセスオートメーション)とは、コンピューター上のソフトウェアロボットを使って人間の手作業を自動化する技術を指します。つまりRPAとは、日々のルーティンワークや単純作業を効率化し、仕事の生産性を向上させることができるツールのことです。

RPAが得意とする業務は、①繰り返しのタスク、②ルールベースのタスクです。具体的には、マウス操作やキーボード入力などの操作手順を記録し、それをソフトウェアロボットに実行させることで、人間の手を介さずに作業を自動化することが可能となります。例えばデータ入力や帳票作成、メールの自動送信などが自動化できます。

RPAの導入メリットとしては、業務効率化やコスト削減、ヒューマンエラーの減少などが挙げられます。業務の自動化、効率化に取り組むにあたって非常に有力な手段と言えるでしょう。

Pythonとは

RPAが業務自動化を行えるツールであるのに対し、Pythonは汎用のプログラミング言語のことを指します。1991年に誕生したシンプルで読みやすいコードが特徴のプログラミング言語であり、そのわかりやすさからプログラミング初心者にも学びやすく、多くの教育機関で最初に学ぶ言語として採用されています。また、ソースコードが無償で一般公開されている「オープンソース」という形態なため、コードの書き方を理解できれば誰でも無料で様々なプログラムを作成できます。

先述したRPAと同様に、高い柔軟性も備えているPythonは、多くの業務の自動化が可能です。
また、Pythonには多くのモジュールやライブラリというコードのテンプレートのようなものが用意されているため、コードの理解力やプログラミングスキルさえあれば、簡単かつ効率的に業務自動化が行えます。

Pythonでの業務自動化例は?

基本的に、RPAで自動化できるものはPythonでも自動化が可能です。
実際にPythonで自動化できるいくつかの事例を紹介していきます。

ソフト操作関連の自動化

Pythonの活用で、Word、Excel、PowerPointなどのソフトの操作を自動化できます。これにより、日常的なタスクの効率が大幅に向上し、作業時間を削減することが可能です。
たとえば、Pythonライブラリを使って、ExcelデータをPowerPointのグラフや表に自動的に反映させたり、Excelのセル内容に基づいてフォントや背景色の書式設定を簡単に変更することができます。
また、Wordに複数の画像を一括挿入したり、複数の文書をまとめたり、逆に一つの文書を分割することもできるため、手作業の負担が大幅に軽減されるでしょう。

ブラウザ操作

Pythonを使ってGoogle ChromeやSafariといったブラウザを操作することで、多様なタスクの自動化が可能となります。たとえば、複数のタブを開き、指定のWebサイトからデータを収集したり、ページの内容をモニタリングすることが可能です。
また、特定の期間にわたるWebページからデータをダウンロードすることもでき、その期間のURLを生成して自動的にアクセスし、データを取得するなども可能です。
さらに、Webページのスクリーンショットの撮影も自動で行えるため、サイトの表示確認やUIテストの結果保存に活用できます。これにより、キーボードやマウス操作などの手動での操作が不要となり、業務の効率化を促進できます。

Webスクレイピングの実行

Webスクレイピングとは、WebページのHTMLやXMLデータを解析し、必要な情報を自動で抽出する技術です。Pythonを活用したWebスクレイピングは、多岐にわたる用途で利用されています。
例えば、ニュースサイトから最新記事を自動的に収集することが可能です。Beautiful SoupやRequestsといったライブラリを使い、記事のタイトルや本文を抽出し、データベースに保存して情報を一元化、蓄積します。
また、オンラインショップから商品の価格や在庫、レビューなどの収集も自動で行えるため、EC業界においては競合の動向や市場動向の分析に役立てることもできるでしょう。

参考:図解!Python BeautifulSoupの使い方を徹底解説!

Pythonで業務自動化を行うメリット

では、Pythonを活用することにはどのようなメリットがあるのでしょうか?

幅広い業務の自動化が可能

Pythonは幅広いツールとの連携が可能で、他のプログラミング言語と比較してもその柔軟性が際立っていると言われています。さらに、シンプルで短いコードでの開発が可能なため、初心者でも学びやすいのが特徴です。これにより、多くの人がさまざまな業務を簡単に自動化できる点も大きなメリットです。

加えて、オープンソースという形態のため、多くの開発者コミュニティが存在し、豊富なライブラリが揃っているため、迅速で効率的な実装が可能です。Pythonは、その使いやすさから多くのユーザーに支持されていると言えるでしょう。

自動化にかかる人件費やライセンス費用の削減

Pythonを使って業務を自動化することで、人件費やコストの削減が可能です。人件費に関しては、たとえば、時給1,200円で1日6時間の事務作業を行う従業員が、月に20日働くと月給は14万4,000円になりますが、この業務をPythonで自動化すれば、月に14万4,000円、年間で約172万8,000円の人件費を削減できます。
また、ライセンス費用の点ではPythonはオープンソースのプログラミング言語のため使用量はかからず、ライセンス費用が不要となります。
Pythonを活用することで、費用を抑えつつ効率的に業務を最適化することが可能です。

RPAとPythonの組み合わせがもたらす効果は?

RPAを活用する場合、基本的にはPythonなどのプログラミングスキルを使わずに実装が可能です。ですが、知識があればコードを活用するような難易度の高い自動化を行えたり、不具合への対応がスムーズに行えるなど、様々なメリットがあります。

コードが必要なケースへの対応が可能

プログラミングスキルがあれば、RPAを使う際に複雑な処理や条件分岐、ループ処理を簡単に組み込むことが可能です。これにより、業務プロセスの自動化がより自由度高く柔軟に、かつ効果的に進められます。
さらに、RPAが他のシステムやデータソースと連携する際も、APIを利用したデータ通信やデータベース操作などのコードをスムーズに作成でき、多様なシステム連携が可能となります。
加えて、既存のRPAツールにない独自の機能をカスタマイズし、業務に合ったスクリプトやプラグインを開発して組み込むことも可能です。

不具合への柔軟な対応が可能

プログラミングの知識があると、RPAのプロセスでエラーや不具合が発生した場合、ログの解析やエラーメッセージの理解が容易になり、迅速な修正が可能です。これにより、デバッグやトラブルシューティングが効率的に行えます。
さらに、エラー処理の仕組みを構築し、エラー内容を適切にログに記録することで、問題が起きた際に正確な原因を特定し、迅速に対策を取ることもできます。デバッグ技術を使って、処理の流れや変数の状態を確認することも可能です。

自由度の高いRPAツールの自作が可能

プログラミングの知識があれば、基本的なアルゴリズムや概念を活用して、より複雑で高度な自動化プロセスを作成できます。たとえば、先述したようにRPAツールに複雑な処理を組み込むこともできますし、柔軟にカスタマイズされた自作のRPAツールを開発することも可能です。
さらに、効率の良いコードを書くことで、処理速度の向上や、メンテナンス性に優れたプログラムを作成できます。これにより、他の人も理解しやすく保守しやすいコードを構築できます。
また、VBAやオープンソースツールとの組み合わせによるRPAツールの開発も可能で、より自由度の高い自動化の実現も可能となります。

Pythonを使う際に気をつけること

業務自動化という観点において、非常に便利で有用性の高いPythonですが、導入時に考慮しなければならない点ももちろん存在します。
どのような点に気をつけるべきか、いくつかを紹介していきます。

スキルのある人材がいない場合導入が難しい

Pythonの活用は非常に有用ですが、導入にはスキルのある人材が必要というハードルがあります。特に、企業がスムーズにPythonを導入するためには、専門的なスキルを持つIT人材が必要ですが、そのような人材が社内にいない場合、導入は難しくなってくるでしょう。
選択肢として、新たにIT人材を採用する、自社の社員にIT知識を習得させるなどが考えられます。ですが、高額な人件費や研修へのリソースなど、企業が担うコストは多くなってしまいます。
これらを考慮すると、IT人材が不足している場合はPythonの導入を慎重に検討する必要があると言えます。

日本語での情報やサポートが少ない

Pythonは、全世界で非常に人気のあるプログラミング言語であり、その柔軟性や簡潔な文法から多くの開発者や企業に利用されています。特にデータ分析、機械学習、Web開発などさまざまな分野での活用が進んでいますが、日本においてはその人気が高まってきたのは比較的最近のことです。
そのためか、Pythonに関する日本語の情報やサポートは、依然として十分とは言えません。まったくプログラミングに触れたことのない初心者や、新たにPythonを学ぼうとする人々にとって、簡単に情報を得ることが難しいという点が課題となってくるでしょう。

Pythonでの業務自動化が難しいなら、AUTORO

Pythonは他のプログラミング言語と比較して、使い勝手が良い点が魅力です。しかし、前述した通り、IT知識のない人材がすぐに扱うことは難しいケースも存在します。

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出典:https://autoro.io/

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また、AUTOROは、連携させているシステムのアップデートに都度対応してワークフローを修正したり、欲しい機能を新たに追加したりすることなどについてもサポートでスピーディーに対応できるため、安定的な運用を継続できるという点も強みの一つです。

ぜひ、実際に導入されている企業様の具体的な事例もご覧ください!

まとめ

RPAは、様々な業務を自動化するための技術であり、その実装やその他の業務自動化の手段として、Pythonは幅広く使用されています。Pythonはシンプルで直感的な文法を持つため、プログラミング初心者でも扱いやすく、さらに多様なライブラリを利用することで、RPAプロジェクトにおける様々なタスクを効率的にこなすことが可能です。

RPAの需要が急速に高まる中、Pythonを使った自動化ソリューションの採用もますます増加しています。
自社の状況に合わせた業務自動化で、効率的にビジネスを発展させていきたいですね。

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この記事を書いた人

Yuri Yamamoto
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