業務効率化のための有力なツールとして普及してきたRPA。すでに導入している方、または導入を検討している方の中で、「RPAブームが起きているのは日本だけではないか?」「海外でも使われているのだろうか?」と気になったことがある人もいるのではないでしょうか。実際に「RPAは日本だけで流行している」という考え方も見られますが、これは必ずしも正しいわけではありません。
今回はこうした疑問について、海外と日本の違いを含めて解説していきます。
目次
RPAとは?
RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)とは、ソフトウェアロボットを使ってパソコン上の業務を自動化する技術です。このソフトウェアロボットが、人間の代わりに業務を自動で行ってくれます。
RPAは日常的に行う繰り返しの多い作業、いわゆるルーチンワークの場面でよく使われます。RPAが活用される業務は、
- データ入力: データの登録・更新やExcelの操作など。
- 帳票作成: 請求書や報告書など書類の作成。
- メール自動送信: 定型文によるメールの一斉送信。
- 情報収集: ウェブサイトの情報をスプレッドシートなどに転記する。
などが挙げられます。
RPAが流行しているのは日本だけではない
結論からお伝えすると、RPAが流行しているのは日本だけではありません。世界初のRPAツールと言われている「Blue Prism」はイギリスに拠点を置く企業が開発しており、そこから約20年ほどかけてRPAは世界的に発展してきています。
では、「RPAが日本だけで流行している」という説には、どのような理由があるのでしょうか。
RPAのシェア率が高い
その理由の一つとして、日本のRPAシェア率が高いことが挙げられます。実際、日本のRPAシェア率は世界全体で約25%と非常に高いと言われており、世界市場の4分の1を日本が占めています。このような高い数字が、日本だけでRPAが流行しているのではないかという見方を生んだ可能性が考えられます。
とはいえ、RPAが世界的にも注目を集めているのは事実です。日本でのこのシェア率の高さは、日本と海外との間に存在する多様な違いによって影響を受けていると考えられます。
RPA普及の観点から見る日本と海外の違い
ここからは、日本と海外の違いを踏まえ、なぜ日本でのRPAシェア率が高いのかを説明していきます。数多くの要因が存在しますが、いくつかをピックアップしてご紹介いたします。
ITリテラシーの違い
IT関連の職種や業種ではない場合、日本ではITリテラシーが低いケースが多いといわれています。専門性が高い分野であることは間違いないですが、海外と比べると「デジタル後進国」と言われている日本は遅れをとっていると言えるでしょう。
RPAは「IT知識がなくても利用可能なITツール」であるため、ITリテラシーが低い日本においても広く普及したと推測できます。
企業文化的な違い
海外では、異なる文化の人々が共に仕事をする機会が多いという背景から、誰もが同等の仕事がこなせるよう「業務の標準化」が重要視されています。すぐに担当者が業務を行えるようマニュアルが整っていたりと、多くの業務がすでにシステム的に対応されていることが多いようです。
一方、日本では海外ほど業務の標準化は進んでおらず、業務が属人化してしまうことが少なくありません。その結果、現場からの声を反映し、RPAの導入を進めるケースが多くみられます。
つまり、海外に比べ日本はRPA導入の機会が多く、言い方を変えれば、業務改善の余地が日本ではまだまだ広いのかもしれません。
日本国内でのRPA導入率は?
では、RPAの導入において世界的に4割のシェア率を占めている日本ですが、国内企業での導入率はどの程度進んでいるのでしょうか。
国内企業においてRPAがどれだけ導入されているのか、具体的な数字を交え見ていきましょう。
大・中企業での導入率は45%
株式会社MM総研の調査によると、年商50億円以上の大手企業や中規模企業ではRPA導入率が45%に達しており、約半数の企業がRPAを採用していることが示されています。
一方で、年商50億円未満の企業では導入率12%と、大きく差が開いていることがわかります。この差の要因として、予算の問題や、導入や運用を進める担当者の確保が課題となっていることが考えられます。
DXへの移行は進んではいますが、RPAを検討しているものの、こういった壁を感じ、導入までは踏み切れていない企業が多いのも事実です。
しかしながら、最近ではコストの低いRPAツールやノーコードで使用できるRPAツールも増加しています。さらに、国からの「IT補助金」などの支援も受けられるようになりました。これらが後押しとなり、RPAの導入率は今後も向上していくと考えられています。
RPAを導入する際に失敗しないためのポイント
今後もRPAの導入は様々な企業で進んでいくと考えられますが、導入した後に効果を得られないのではないか、適切に運用できないのではないかと心配される方もいらっしゃるかもしれません。
ここからは、RPAの導入を失敗しないためのポイントをいくつかご紹介いたします。
運用担当者を配置する
RPAは「導入したら終わり」というツールではありません。その効果を得るためには、安定的・長期的に運用をしていく必要があります。
エラーが出てしまった際や新たに業務自動化を行いたい場合など、導入したRPAツールについて、ある程度全体像が把握できている人材は必要です。
そのためにも、ツール導入の段階で担当者を配置することは大切なポイントです。
無料トライアルを実施する
無料トライアルを実施することで、本格導入の前に実際にRPAツールを試してみることができます。
決して安くない導入コストを無駄にしないためにも、操作性や機能性などが自社の業務自動化へマッチしているのか、事前に確認しておくことは重要です。
また、無料トライアルを行うことにより運用担当者がツールの操作を事前に把握できるため、よりスムーズな業務移行が期待できます。
サポート体制が充実しているかを確認する
サポート体制を確認しておくことで、RPA導入後の不安は大きく減らすことができます。
有償なのか無償なのか、プランによって変動があるのか、エラー発生時の返答のスピードなど、RPAツールを提供する企業によって提供体系は様々なので、なるべく詳細に確認しておくことが必要です。
サポート体制が充実しているRPAツールを選択することで、より安定した長期運用と自動化業務の拡大が期待できます。
まとめ
日本だけではなく世界的にも注目を集めているRPAは、今後ますます普及していくと予想されています。
しかし、まだ国内でも大企業と中小企業との導入率には大きく差があるということもわかりました。
RPAを導入する際には自社に合ったツールを選定し、より効果的に活用していけるようにすることが重要です。
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