企業では多くの社員が日々業務を遂行しています。なかには、簡単な繰り返しの単純作業なのに処理する量が多いことから、膨大な時間がかかる業務もあるかもしれません。そのような業務については自動化することで作業効率が上がり、社員はより質の高い仕事に注力できるようになります。どのような業務に作業効率の改善が期待できるのかご紹介するとともに、作業効率改善のポイントや成功事例を見ていきます。
作業効率を改善したい業務
まずは作業効率を改善すべき業務とはどのようなものなのか、例をご紹介します。
定型業務や反復作業
定型業務や反復作業の多くはコア業務ではありません。反復作業に時間を取られることでコア業務が滞ってしまうケースが多いため、作業効率の改善が必要です。具体的には以下のような業務・作業があります。
- 顧客や取引先、場合によっては社内向けの定型文によるメール返信
- 毎日の日報作成において何度も行われる入力作業や集計作業
- 定点観測が必要な情報の収集と、転記・統合。例えばKPI達成状況の確認において、SFA(販売支援システム)や会計システムなど複数のシステムから必要な情報を取得する作業
- アフィリエイターによる不正広告のチェック、Webによる反社チェックなどといった定期的にチェックすべきこと
- 自社業務において適宜な更新が必要な作業。例えば不動産会社における、業者間流通サイトからの物件取得とサイト更新作業、ECモールにおける販売商品の登録・更新作業など
なお、定型業務や反復作業は単純作業ではありますが、それゆえに集中力を欠くことも多く、ミスが起こりやすい作業でもあります。ミスが起これば、それを修正する作業が追加され、場合によっては前工程のチェックや完成品の見直しなど、さまざまなチェック作業が追加され、業務の進行に大きな影響を与えてしまいます。そのため、改善の必要性が高い作業と言えるでしょう。
無駄が発生しやすい作業
以下のような作業では無駄が発生しやすいので、効率化が必要です。
- 複数人で共同作業を行う場合の、情報伝達の無駄
「役割分担の伝達が行われないと各人が作業に入れない」のような情報伝達の無駄が生じやすくなります。また共同作業では、「ある1人の分担が終わらないことで、作業全体が遅れる」のように、仕事に対する経験や知識が異なるといった理由で作業効率が悪くなることもあります。
- 不定期に発生する作業
やり方が統一されておらず、その都度手探りで作業をするため、非効率的になりやすいです。
作業効率を上げるためのポイント
作業効率を改善したい業務を挙げましたが、実際に作業効率を改善するにはどのようなポイントを押さえるべきなのでしょうか。
作業内容の整理
仕事や作業を整理することで、作業効率を改善したい定型作業や反復作業の洗い出しができます。作業フローの確認や作業の優先順位付けも効果的です。
- 作業フローの確認
無駄な作業や重複している作業の発見につながります。また、ミスが起こりやすい箇所を見つけることにもつながります。
- 作業の優先順位付け
優先順位を意識することで、重要な作業から先に取り掛かることができ、限られた時間を有効に使えるようになります。
さらにこのとき、作業配分が適切かどうかも合わせて見直すことで、社員ごとの負荷の偏りも是正することが可能です。定型作業や反復作業は単純な作業ではありますが、量が多いと負担が大きいことを理解しましょう。
作業のマニュアル化およびテンプレート化
定型業務として頻繁に行う作業はマニュアル、もしくはテンプレートを作成しましょう。マニュアルやテンプレートがそろっていれば、担当者の作業が進みやすくなるほか、新しく作業する社員への教育にかける時間も大きく減らすことができるので、時間効率が上がります。ミスが起こりやすい箇所には注意書きをすることで、ミスを減らすことも可能でしょう。
作業の自動化
マニュアルやテンプレートを整備し、作業する社員の効率を上げることも効果的ですが、PC上の定型業務・反復作業であればRPAによる自動化を検討するといいでしょう。作業を自動化することで人の手によるミスを減らすことができるので、作成やチェックにおける時間効率を上げることが可能です。
またRPAなら、PC上の反復作業をロボットに記録させることで自動化するため、人の手によるケアレスミスを防ぎます。ロボットによる作業なので、稼働時間の制限なく作業を進めることができます。
なお、前章でご紹介した定型業務や反復作業は全てRPAによる自動化が可能です。RPAを導入するだけでも、作業効率が格段に改善する可能性がありますので、一度導入を検討してみるといいでしょう。
作業効率化の成功事例
最後に効率化の成功事例について、複数の事例をご紹介します。
チャットボットの導入による問い合わせ業務の効率化
頻繁にある問い合わせ対応を効率化した企業の事例です。
この企業は当初、FAQを準備することで、問い合わせ業務の効率化を実施しようとしました。ユーザー自身で疑問を解決できるFAQの準備は、業務効率化の観点から言って間違いではありません。しかし準備したFAQを、ユーザーには見てもらうことができず、多数の問い合わせが続いてしまいました。そこで次の手段として導入したのがチャットボットです。問い合わせ対応の一部をチャットボットにより自動化したことで、問い合わせ業務の効率化に成功しました。
経費精算システムによる経理業務の効率化
経費精算業務を紙で処理していた企業の事例です。
紙による経費精算業務は、実物の受け渡しや紛失時の取り扱いなど作業が煩雑なうえ、書類や領収書の量が膨大となり、管理の手間も大きくなっていました。そこでこの企業では、データで処理ができる経費精算システムを導入したのです。経費精算システムの導入により、書類の量が大幅に減少し、工数も大幅に削減され、結果的に経理担当者の作業効率が上がりました。
RPAによる勤怠管理効率化
勤怠チェックに苦労していた企業の事例です。
この企業では、勤怠打刻チェック時に事前申請と打刻状況との間にズレが生じていないか、確認する作業の負荷が大きいものでした。そこで、RPAによりこれらの作業の自動化を実現させたのです。勤怠打刻チェックとともに、申請と打刻のズレを発見した際の対象従業員への通知もRPAで自動化しており、大幅な事務作業削減に成功しました。
なお、勤怠データに問題が見つかったときには、システム間にデータのズレがないか確認し、部門長へ報告が必要でした。この部門長への報告までもRPAにより自動化し、迅速な改善アクションが実行できるようになったのです。
RPAによる営業活動の効率化
営業部門における業務改善の事例です。
ある企業の営業部門では、内容や重要度がさまざまな多くのメールが日々届いていました。そこでRPAにより、それらのメールのなかから重要度の高いメールのみを抽出し、タスク登録までを自動で行えるようにしました。それによって効率化が進むとともに、タスクの漏れを防止できたのです。さらにアタックリストの作成業務も自動化することで、人件費と時間の削減に成功しました。
作業効率の改善を積極的に実行しよう
作業効率を改善することで、仕事の質を高めることができます。部分的でも効果はありますが、全社的に作業効率を上げることができれば、空いた時間やリソースを新しい施策や業務に宛てるという好循環を作り出すことにもつながります。日々の仕事が忙しい企業ほど、今後のために作業効率の改善について考えるべきでしょう。今回ご紹介したポイントと成功事例を参考に、業務改善に取り組んでみてはいかがでしょうか。
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