営業やマーケティングの業務において、市場調査は重要な業務です。調査業務のプロセスの中で「調査の企画・設計」と「調査結果の分析」は人がやるべき重要な部分ですが、大量のデータを対象としたデータ収集・データ整備・集計についてはどうしても作業に時間がかかるのが悩みのタネです。データ収集まわりの業務を、誰かがやっておいてくれないものでしょうか。そうすれば分析だけに時間を使えるのに…。
今回は市場調査業務の一部をクラウド型RPAで自動化したケースをご紹介します。
- 大量の市場調査業務
- 単純だが人がこなせる量ではない
- 業務は不定期に発生する
- データ収集をクラウド型RPAで自動化
- 大掛かりな開発をせず無理なく日常業務へ取り入れた
ケース1:Google トレンドを使った市場調査を自動化
市場調査に役立つツールのひとつに「Google トレンド」があります。あるキーワードが、Google 検索でどのくらい検索されているのかをグラフで確認できるツールです。例えば、「テレワーク」「リモートワーク」のどちらがより多く検索されているのかを調べ、多く検索されているキーワードをもとにコンテンツを作ったり広告を出稿したり…、というように使います。
Google トレンドのグラフは、そのまま生活者の「今これを知りたい!」というニーズの推移を示します。このため、マーケティング担当者など色々な人が、Google トレンドを市場調査のために活用しています。
大量のキーワード調査、日次の推移を記録する業務
SEO/SEM領域のデジタルマーケティング支援会社では、時期に応じた顧客ニーズを知るための市場調査を行っています。季節変動や特定の出来事の前後(例えば、緊急事態宣言の前後など)での検索ニーズの動きを捉え、ターゲティングやクリエイティブへタイミングよく活かしていくためです。
行いたい業務は、次のようなシンプルな内容です。
- Google トレンドで指定キーワードのトレンドを調査する
- 調査結果をCSVデータでダウンロードし、日別データをスプレッドシートへ転記する
この業務では、調査対象となるキーワードの日別の検索回数を記録することで、キーワードごとに検索ニーズの時系列変化を捉えるのが目的です。
この業務の最大の難点は、調査したいキーワードの数がとても多いことです。1つの市場だけでも1,000件程度のキーワードがあるうえに、こうした調査を複数の市場を対象に行う必要があるのです。これを不定期に何度も繰り返す必要があるので、人の手だけでこの業務を続けるのは困難でした。かといって、APIを用いた独自プログラムを開発するまでのニーズでもないという状態でした。
そこでクラウド型RPAを使って自動化することになりました。
実現した業務は次のとおりです。
- 1回の調査で約1,000通りのキーワードを調査・記録する
- この調査を不定期に実施する
今回の業務はワークフロー自体にはそれほど複雑な要素がなかった点、実際に使われる現場の方にとってはGUI操作のほうが分かりやすいということから、Google Trends APIは使わずに普段の操作を自動化する形でワークフローを設定したそうです。
時間のかかる調査データの取得をクラウド型RPAへすべて任せることで、人は用意された必要なデータを参照するだけ。最新のトレンドをもとに分析・提案に専念できるようになります。
調査しているデータの量が人手での調査とはまったく違うので、クライアントへの提案もますます説得力が増しそうですね。
ケース2:日本全国を対象にした、市区町村単位の土地価格調査
別のお客様では、営業戦略を練るための前提となる「日本全国の土地価格調査」という業務を自動化しました。
対象となる業務は「土地情報が掲載されている情報サイトを検索し、結果をスプレッドシートへ書き込む」というシンプルなもので、主に調べたいのは次のような情報です。
- エリア(市区町村レベル)
- 面積
- 価格
日本全国を対象に市区町村レベルで調査する必要があるので膨大な量になり、人手では実施困難でした。また、こちらもケース1と同様、任意のタイミングで不定期に発生する業務です。
そこでクラウド型RPAを使い、この調査業務を自動化しました。
調査対象となるのはAPIのないWebサイトだったので、AUTOROは人の代わりにブラウザ操作をおこなう「GUIの自動化」で対処しました。
これにより、担当者は出来上がったデータをもとにした分析・意思決定にすぐに取り組むことができ、また戦略立案や議論にも十分な時間をかけることができるようになりました。
大量の調査業務は、クラウド型RPAで自動化しましょう!
今回ご紹介したケースは、2件とも人が実施するには量が多くて困難な調査業務を、クラウド型RPAで自動化することで大掛かりな開発をせずに日常業務に組み込むことに成功したケースです。
人力では難しいボリュームの調査だがRPA利用を前提とすれば無理なく実現でき、人は分析・提案に専念できるようになります。
何でも人がやる前提で考えると物理的限界が発生しますが、あらかじめ自動化を組み合わせて考えるからこそ実現可能になる業務や成果は、他にもいろいろあるのではないかと思います。
やりたいこと、やるべきことだけれども誰がやれば…。そんな業務を見つけたら、クラウド型RPA「AUTORO」での自動化を検討してみてください。
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