kintoneで勤怠管理をするメリットは?導入に不向きなケースも踏まえて紹介します

多様な業務課題を解決できるkintone。コロナ禍以降、テレワークなどの柔軟な働き方が浸透し、業務課題のなかでも「勤怠管理」について悩まされている企業も多いのではないでしょうか?

そこで、今回はkintoneで勤怠管理を行うメリットや具体的な方法、向いているか向いていないかの判断基準まで解説していきます。

kintoneで勤怠管理はできる?

結論からお伝えしますと、kintoneでの勤怠管理は可能です。
kintoneにはサンプルアプリと呼ばれる、kintoneが提供しているアプリの雛形があります。すでにkintoneを利用している場合は、kintoneのサンプルアプリを利用することで手軽に勤怠管理を行うことが可能です。

では、そもそもkintoneとはどういったものなのか、簡単に説明していきます。

kintoneについて

kintone(キントーン)は、サイボウズ株式会社が提供しているクラウドサービスで、ビジネスアプリやシステムを手軽に構築できるプラットフォームとなっています。開発の専門知識がなくてもそれぞれの業務に適したシステムを作成でき、業務アプリを最短3分で構築できる迅速さも特徴です。現在では、約30,000社以上の企業がkintoneを導入しています。

kintoneを活用することで、表計算ソフトよりも手頃でありつつ、専門的なシステムよりも柔軟に企業の業務に最適なシステム(アプリ)を構築できます。開発の知識が不要なため、エンジニアを保有していない業務部門でも簡単に直感的な操作で利用でき、作成した業務アプリを素早くチーム内で共有することも可能です。
また、kintoneはアプリの開発だけに留まらず、データやコメントの管理を円滑に行うことができるため、業務効率の向上にも非常に効果を発揮できます。

kintoneは部門に関係なく、さまざまな業務全般で利用できるので、例えば案件管理、進捗管理、日報管理など、多岐にわたる業務ニーズに対応可能な優れたツールとなっています。
今回ピックアップしている勤怠管理についても同様と言えるでしょう。

kintone(キントーン)とは?できること・できないこと|活用事例や導入のポイントも解説

kintoneで勤怠管理をするメリット

では、kintoneでの勤怠管理にはどのようなメリットがあるのでしょうか?

ペーパーレスで効率的な勤怠管理の実現

kintoneを導入することで、従来の紙ベースの勤怠管理から脱却し、ペーパーレスで効率的な勤怠管理を実現できます。出退勤や休暇の情報をスマートフォンやパソコンから簡単に入力できるため、従業員の負担も減らすことが可能です。

従来のExcelやGoogleスプレッドシート、紙での勤怠管理では従業員がそれぞれの日付に情報を記入する必要がありました。会社によっては複雑な申請書や多種多様な書類があり、制度の理解が難しいケースもあったかもしれません。しかし、kintoneを利用することで、書類の印刷や手作業での情報記入、集計作業の手間が大幅に削減され、全体的な業務の効率化が図れます。
さらに、打刻漏れや承認プロセスの複雑化などの課題を解決でき、手動入力が不要なため、正確な打刻登録や生産性の向上も期待できます。

自社に合わせてカスタマイズが可能

kintoneは、200種類以上の連携サービスを提供しており、自社に最適なカスタマイズが可能です。例えば、勤怠管理アプリと作業詳細表示アプリを組み合わせることで、各作業にかかる時間を見える化し、効率分析が可能になります。こういった機能により、作業時間の分析を通じて課題を特定し、改善を進めることで、全社的な業務効率の向上が期待できるでしょう。
このように、kintoneは幅広い可能性を持っており、自社のニーズに応じたカスタマイズが可能です。こういった面でも、kintoneでの勤怠管理のメリットがあると言えます。

リアルタイムなデータ共有と可視化

kintoneで勤怠管理を行えば、リアルタイムでの情報確認が可能です。
いつでも最新の情報が確認できるため、残業時間の把握や人員配置の最適化など、迅速な意思決定が可能となるでしょう。
また、カスタマイズをすればグラフやチャートを用いて、勤怠データを視覚的に表現できます。これにより、従業員の勤務状況などを簡単に把握し、問題点や改善点を見つけることができます。

kintoneでの勤怠管理が向いているケース

では、実際にどのようなケースだとkintoneでの勤怠管理に向いていると言えるでしょうか?

すでにkintoeを導入済みである

すでにkintoneを全社で導入している場合は、kintoneでの勤怠管理の導入に向いています。理由は、追加コストがかからない点にあります。kintoneのスタンダードコースは、1ユーザーあたり月額1,500円(税抜)という料金体系で、ユーザー数が増えると費用も増加しますが、アプリの数が1,000個以内であれば追加のコストは発生しません。

また、すでにkintoneを導入しているのであれば、勤怠管理のために新たなシステムを導入する必要もなく、社内での起案も進めやすくなります。既存のkintone環境を活用することで、コスト面でもメリットが得られるだけでなく、スムーズな導入が可能です。この場合、kintoneでの勤怠管理は効率的で経済的な選択肢と言えるでしょう。

勤怠管理以外の用途でも使用したい

kintoneの魅力は、自社でシステム開発をするよりも、素早く簡単に様々な業務改善ができる点です。kintoneでは勤怠管理をはじめ、顧客管理やプロジェクト管理、社内ポータルなどの幅広い機能が提供されており、これにより業務の効率化が推進されます。そのため、複数の業務改善を目指す場合、kintoneは非常におすすめのプラットフォームです。

例えば、勤怠管理とプロジェクト管理を改善したい場合、通常は別々のシステムを導入し、それぞれのシステムの導入、操作方法の理解、料金の支払いなどの手間がかかります。しかし、kintoneであれば1つのシステム上で複数の業務改善が可能になり、これらの手間を大幅に削減できます。勤怠管理と他の業務の効率化を検討しているなら、kintoneは非常に有効な選択肢となるでしょう。

使用する従業員数が少ない

kintoneはユーザー単位での契約になるため、例えば50人の従業員の勤怠管理を行う場合は50人分の料金を支払うことになります。このため、従業員数が少ない中小企業にとっては低コストでの導入が可能です。さらに、従業員数が少ない場合、勤務体系がシンプルであることも多いため、kintoneで十分に勤怠管理が行えます。

加えて、先述したようにkintoneでは勤怠管理以外の業務もまとめて改善できるため、他のシステムにかかる費用も削減することができます。顧客管理や採用管理など、様々な業務をkintone上で統合することで、システム利用費を抑えられるのです。予算の限られた中小企業にとって、kintoneは非常にコストパフォーマンスの良い選択肢となります。

このように、従業員数が少ない企業や予算に制約のある中小企業にとって、kintoneでの勤怠管理はおすすめと言えるでしょう。

kintoneでの勤怠管理が向いていないケース

では、kintoneでの勤怠管理が向いていないのはどういったケースが考えられるでしょうか。自社がどちらに当てはまっているか、前章の内容と比較してみてください。

勤怠の種類が多様で複雑

kintoneは、出退勤管理や残業申請、有給日数管理などのシンプルな勤怠管理に適しています。特に、自社の勤務形態がシンプルで、従来のExcelやタイムカードからの移行を考えている中小企業には、kintoneで十分に勤怠管理が可能です。

しかし、勤務形態が複雑な場合には、kintoneは適さない可能性もあります。例えば、フレックス制度や時短勤務など、さまざまな勤務形態がある企業では、それぞれの勤務形態に応じた集計システムの構築が必要です。こうした場合、柔軟な勤怠管理を実現するためには、JavaScriptなどによる専門的なカスタマイズ開発が必要となり、余計にコストが掛かる可能性もあります。

このように、複雑な勤怠管理が求められる場合は、kintoneでは対応が難しいことがあるため、他の勤怠管理システムの導入を検討するのが良いでしょう。業務の要件に応じて最適なシステムを選定することが重要です。

勤怠管理のためだけに利用する

kintoneは、勤怠管理だけでなく、プロジェクト管理や顧客管理など、さまざまな業務の改善に活用できるシステムです。しかし、勤怠管理のみを目的とする場合には、いくつかのデメリットがあるため、慎重に検討する必要があります。

まず、先述したようにkintoneはユーザー単位で料金が発生します。例えば、1ユーザー当たり月額1,500円(税抜)という料金設定がされていますが、勤怠管理に特化したシステムであれば、1ユーザー当たり月額300円程度から利用可能です。したがって、勤怠管理だけを行う場合、kintoneよりも専用システムの方が低コストで済むことが多いです。

また、専用の勤怠管理システムは、kintoneにはない高度な機能を標準で備えています。例えば、フレックス制度や時短勤務など、複雑な勤務形態に対応した機能や、複数打刻をサポートする機能などがあげられます。kintoneでもこれらの機能を実現することは可能ですが、追加のカスタマイズが必要になり、その分コストが増加します。

以上の理由から、勤怠管理だけを目的とする場合は、kintoneよりも専用の勤怠管理システムを導入する方がコスト面でも機能面でも優れています。複数の業務を一元管理する必要がない場合は、専用システムの方が適しているでしょう。

勤怠管理ができるkintoneサンプルアプリ「タイムカード」

このように、kintoneでの勤怠管理はケースバイケースで検討した方がリスクが少ないと考えられます。
ですが、kintoneで勤怠管理を行いたいという場合は、サンプルアプリを活用すれば非常に簡単に導入できます。

タイムカードの特徴

「タイムカード」は、勤怠の記録や管理を簡単に行えるアプリです。勤務の記録、申請、管理をこのアプリで完結できます。具体的には、

  • 勤務時間の自動算出
  • スマホからワンクリックでの申請・承認
  • ICカードによる自動打刻

が可能となります。
タイムカードは、従業員が出退勤時刻を入力するだけで、自動的に勤務時間が計算できるアプリです。また、タイムカードを導入することで、上長への申請や承認もスマホからワンタップで完了するため、申請や承認作業が非常にスムーズになるでしょう。

また、すべてのログがアプリ上で保存されるため、過去のデータやその経緯も一元管理が可能です。さらに、有料の連携サービスを利用すれば、NFCカードや交通カードを使って自動打刻が可能になります。

それでは、タイムカードアプリの登録方法は具体的にどのようになるのか紹介します。

タイムカードでの打刻方法

1.kintoneアプリストアからタイムカードを追加

ポータルの「アプリ」エリア右横にある「+(アプリを作成する)」アイコンをクリックします。
表示されたkintoneアプリストアから、タイムカードのアプリを追加します。

2.打刻を記録する

打刻の記録には、レコードを新規で作成する必要があります。

右上のプラスボタンを押し、打刻を記録します。
kintoneのアカウントを一人一つ保持している場合、申請者情報は自動で取得されます。
また、日付や出勤時刻も自動で入力されますが、退勤時の打刻は朝に保存したその日のレコードを編集して登録する必要があります。
出勤時刻と退勤時刻が入力されることで、勤務時間が自動的に算出されます。

このタイムカードアプリでは登録した時からプロセス管理機能がONになっているため、承認者へ指定した上長への申請ができるようになっている点もポイントです。

3.アプリ上で内容を確認

画像のように、過去の打刻分まで全ての確認が行えます。
間違った打刻をしていないか、必ず確認を行いましょう。

出典:kintone公式ページ

勤怠管理ができるkintoneプラグイン「キンコン」

さらに多様な勤怠管理を行いたい場合は、プラグインの導入検討も効果的です。
ここでは、kintoneでICカードと連携して勤怠管理を行うことができるプラグイン「キンコン」について紹介していきます。

出典:キンコン公式ページ

ICカード連携で勤怠と交通費を一括記録

キンコンは、出退勤時にICカードを端末にかざすだけで、勤怠データと交通費を同時に記録できます。

オフィスの入り口にkintoneアプリを搭載した端末を設置し、通勤で使用するICカードをタッチするだけで、簡単に打刻と交通費の記録が可能です。従来の打刻方法に比べ、手軽で効率的だと言えるでしょう。また、キンコンアプリを従業員の端末へダウンロードすれば、その端末がタイムレコーダーとして機能します。
端末からサイトへアクセスして打刻をする、というような作業が発生することに比べ、打刻忘れなども少なくなるのではないでしょうか。

SlackやChatworkなどの外部サービスと連携可能

キンコンは、さまざまな外部サービスとスムーズに連携できる機能を備えています。現在、以下の5つの外部サービスとの連携が可能です。

【ビジネスチャット】

  • Slack
    キンコンはSlackと連携し、チャットメッセージで簡単に出退勤の打刻が可能です。「おはよう」「お疲れ様」といった日常の挨拶を入力するだけで勤怠を記録することもできます。
  • Chatwork
    Chatworkとの連携も同様に、チャットベースでの打刻が可能で、特にテレワークを行う従業員にとって非常に便利です。
  • LINE WORKS
    LINE WORKSでも同じくチャット打刻が利用でき、社内のコミュニケーションを強化しながら勤怠管理を行えます。

【訪問先自動入力】

  • Googleカレンダー
    Googleカレンダーと連携することで、訪問先情報が自動で入力される機能があります。これにより、外回りの多い営業担当者やフィールドワーカーにとって、業務の効率化が期待できます。
  • Microsoft 365
    Microsoft 365のカレンダーとも連携可能で、訪問予定の管理が簡単に行えます。

これらの機能により、キンコンはさまざまな働き方や業務プロセスに対応することが可能です。

料金は月額200円から利用可能

kincone(キンコン)は、1ユーザーあたり月額200円というリーズナブルな価格で提供されており、最低5人からの契約が可能です。
つまり、5人で契約すると月額わずか1,000円、10人でも2,000円で利用できるため、企業のコスト削減に大きく貢献します。
この低価格設定にもかかわらず、先述したとおり多くの機能を提供できる点がキンコンの魅力の一つです。

まとめ

ここまで、kintoneを活用した勤怠管理について解説してきました。

kintoneはオンラインでの勤怠管理を容易にしてくれますが、最適なケースとそうではないケース、どちらも存在しています。
自社の状況を踏まえ、ニーズにあったシステムを慎重に選択し、効率的な勤怠管理を行っていきましょう。

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この記事を書いた人

Yuri Yamamoto
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