kintone(キントーン)とは?特徴・機能・メリットをわかりやすく解説【2024年最新】

今回はkintone(キントーン)とは何か?その仕組みやメリット・デメリット、具体的な使い方を詳しく解説します。さらに、導入に向いている企業の特徴や、kintoneをさらに活用するための方法もご紹介していますので、kintoneについて気になっている方や導入を検討している方は、最後までご覧ください。

kintone(キントーン)とは

kintone(キントーン)は、サイボウズ社によって提供されているクラウドサービスです。ノーコード・ローコードツールの1つで、プログラミングの知識がなくてもカスタムアプリを簡単に作成できます。表計算ソフトよりも快適に、専門システムより柔軟に、企業の様々な業務をワンストップで効率化し、生産性の向上を実現できるツールとして注目され、現在では30,000社以上の企業で導入されています。

ノーコード・ローコードツールとは

ノーコード・ローコードツールとは、プログラミングの知識がなくてもアプリケーションを作成できるツールの総称です。GUIベースの操作で設定を行えば、kintoneの内部で複雑な処理を自動で行ってくれるため、開発の手間がかかりません。このようなノーコード・ローコードの設計により、低コストでスピーディーにアプリを開発・導入できるのが大きな利点といえます。

kintoneはこのノーコード・ローコードツールの1つで、視覚的なインターフェースで直感的にアプリ作成ができます。アプリを活用して、データベースの設計やフォームのレイアウト調整、ワークフロー設定などを行えます。

kintoneを提供するサイボウズ株式会社とは

サイボウズ株式会社は、日本を代表するソフトウェア企業の一つです。1997年に設立されて以来、企業のチームワークを支援するための様々なソリューションを提供してきました。その中でも特に代表的なのが「kintone」です。

サイボウズは、kintoneを通じて、企業の業務効率化やデジタルトランスフォーメーションを支援しています。また、サイボウズはその柔軟な働き方や多様な人材の活用でも注目されています。

kintoneの仕組み

まず、kintoneの基本的な構成要素は「アプリ」です。アプリは、データを管理するための単位であり、例えば、顧客管理、プロジェクト管理、在庫管理など、様々な用途に応じたアプリを作成することができます。アプリは、ドラッグ&ドロップで簡単に作成でき、プログラミングの知識がなくても直感的に操作できます。

次に、kintoneのデータ管理機能についてです。kintoneでは、データは「レコード」として保存され、このレコード単位でデータを格納できます。レコードは、各アプリ内で一つ一つのデータエントリを指し、例えば、顧客情報アプリでは一人の顧客情報が1件のレコードとして管理されます。レコードは、フィールド(項目)ごとにデータを入力し、必要に応じてカスタマイズできます。

具体例として、顧客情報を管理するアプリを作成する場合、フィールドに「会社名」「メールアドレス」などの項目を設定します。

kintoneのレコードの例(顧客情報)

No.会社名フィールド部署名フィールド担当者名フィールドメールアドレスフィールド
1(レコード1件目)オートロ株式会社セールスおおとろautoro@autoroautoro
2(レコード2件目)チュートロ株式会社セールスちゅうとろtutoro@tutorotutoro
参考:レコード | kintone ヘルプ 

このように、あらかじめ設定してあるフィールドを入力していくことで、個別の顧客データを一元管理できます。また必要に応じて、フィールドの属性を設定し、データの入力形式を決めます。設定次第で、テキスト、日付、ファイル添付、組織図の選択など、様々なデータ形式に対応できます。

kintoneでできること

kintoneでできることの具体例をご紹介します。

データの共有と見える化

アプリにデータを登録・蓄積することで、組織内の情報を一元的に管理でき、リアルタイムで共有することができます。メンバー間のデータ共有が容易になることで業務の透明性が向上し、重複入力なども防止できます。

ダッシュボード機能を使えば、データをグラフやチャートで視覚化し、重要な指標を一目で把握することができます。

コミュニケーション促進

kintoneには、コメント機能や通知機能があり、レコードを起点として、アプリ内での直接コミュニケーションをとることができます。例えば、特定のレコードに対してコメントを残し、関連するメンバーに通知を送ることができます。これは情報の伝達ミス防止や、迅速な意思決定に繋がります。

アプリのカスタマイズ

kintoneは、ドラッグ&ドロップで簡単にアプリをカスタマイズできます。フィールドの追加やレイアウトの変更、プロセス管理の設定など、業務に合わせたアプリを自由に作成することができます。プログラミングの知識がなくても、直感的に操作できるのが魅力です。

なお、基本的にはノーコード・ローコードで利用できますが、必要に応じてJavaScript/CSS(プログラミングコード)を使い、高度なカスタマイズも可能です。

モバイル利用

kintoneは、スマートフォンやタブレットからもアクセス可能です。専用のモバイルアプリを使えば、外出先でもデータの確認や入力ができ、リモートワークや現場作業時にも、場所を問わず業務を進めることができます。

基幹システムや外部ツールとの連携

kintoneは、APIやプラグインを利用して、他のシステムやツールと連携することができます。例えば、ERPやCRMと連携してデータを一元管理したり、SlackやGoogle Workspaceと連携してコミュニケーションを効率化することができます。

高度なセキュリティ対応

kintoneは、企業の重要なデータを守るために高度なセキュリティ機能を提供しています。2要素認証やアクセス権限の設定など、セキュリティ対策が充実しており、第三者機関からの認証も取得済みなので安心して利用することができます。

また、クラウドベースのサービスであるため、災害時のデータ保護も万全です。

kintoneの具体的な使い方

kintoneの使い方をご紹介します。

アプリストアから作成

手順1:アプリストアから選択

kintoneにはあらかじめ様々なアプリのテンプレートが用意されている「アプリストア」があります。目的に合ったテンプレートを選択することで、ゼロからアプリを作る手間が省けます。

手順2:カスタマイズと設定

選んだテンプレートをベースに、要件にあわせてカスタマイズを行います。フィールド追加、レイアウト変更、アクセス権の設定などを実施します。ワークフローも組み込めます。

ExcelやCSVを読み込んで作成

手順1:データのインポート

ExcelやCSVなどのファイルからデータをインポートし、新しいアプリを作成することができます。データ移行の手間が大幅に省けます。

手順2:フィールドの設定

インポートしたデータに基づいて、必要なフィールドを自動で設定できます。追加・変更の上で運用できる状態に整えます。

カスタムテンプレートから作成

手順1:テンプレートの選択

アプリストア以外にも、自作のテンプレートからアプリを作成できます。過去に作成したアプリをテンプレート化しておくと便利です。

手順2:カスタマイズと展開

選んだテンプレートをベースに、必要な変更を加えた上で実際の運用に移します。同様の目的ならテンプレートから作る方が手軽です。

kintoneの料金プラン

kintoneは月額課金制で、ユーザー数に応じた料金プランが用意されており、最低5ユーザーから契約可能です。無料の体験版もあり、30日間実際に触れてから本格導入ができます。

スタンダードコースライトコース
月額1,500円/1ユーザー(年額17,640円/1ユーザー)月額780円/1ユーザー(年額9,170円/1ユーザー)
参考:kintone(キントーン)- 料金

kintoneの導入メリット

まずkintoneはノーコード・ローコードプラットフォームであるため、プログラミングの知識がなくても簡単にアプリケーションを作成できます。これにより、IT部門に依存せずに現場のニーズに迅速に対応することが可能です。

次に、kintoneを導入することで、データの一元管理や業務プロセスの自動化ができるため、手作業によるミスを減らし、業務の効率を大幅に向上させることができます。また、kintoneはドラッグ&ドロップで簡単にアプリをカスタマイズできるため、企業の業務に合わせた柔軟な対応が可能です。

さらに、kintoneはクラウドベースのサービスであるため、インターネットに接続されていればどこからでもアクセス可能です。これにより、リモートワークやモバイルワークにも対応し、チーム全体でリアルタイムにデータを共有できます。

kintoneの導入デメリット

kintoneの導入にはいくつかデメリットもあります。まず、kintoneは非常に柔軟なプラットフォームであるが故に、初期設定やカスタマイズに時間がかかる場合があります。特に、業務フローが複雑な場合は、適切な設定を行うために時間と労力が必要となる場合があります。加えて、kintoneは多機能であるため、全ての機能を使いこなすためには一定の学習が必要です。特に初めてノーコード・ローコードツールを利用するユーザーにとっては、ハードルが高く感じるかもしれません。

またkintoneはAPIやプラグインを利用して他のシステムと連携できますが、全てのシステムとスムーズに連携できるわけではありません。特定のシステムとの連携には、複雑なプログラミングを用いたカスタマイズが必要となり、思うように活用できないと感じる可能性も考えられます。

kintoneが向いている企業の特徴

kintoneが最も活用しやすいのは、中小企業やベンチャー企業といえます。kintoneはプログラミングの知識がなくても操作できるため、特にITリソースに制約がある中で、低コストかつスピーディにシステムを構築したい場合に適しています。

さらに、業務プロセスが頻繁に変わる企業や、ペーパーレス化や業務の見える化を優先したい企業、業務上異なる部署間での連携が必要な企業には最適なツールと言えるでしょう。このような企業でのkintoneの導入は、現場のニーズや業務の変化に合わせて、柔軟にかつ迅速にアプリを改善できる点や、リアルタイムでの情報共有が可能な点でメリットがあるといえます。

また、kintoneはクラウドベースのサービスであるため、リモートワークやモバイルワークを推進している企業にも適しているといえます。

kintoneが向いていない企業の特徴

一方で、kintoneが向いていない企業も存在します。まず、非常に複雑で特定の業務フローを持つ企業です。kintoneは柔軟なプラットフォームですが、特定の業務フローに完全に適応するためには複雑なカスタマイズが必要な場合があります。

また、既に他のシステムを利用しており、それらとの連携が難しい場合も、kintoneの導入は難しいかもしれません。kintoneはAPIやプラグインを利用して他のシステムと連携できますが、全てのシステムとスムーズに連携できるわけではないということも理解しておく必要があります。

kintoneをさらに便利に使うなら、RPAの活用がおすすめ

kintoneを最大限活用するには、kintoenとスムーズに連携できるRPA連携の活用が効果的です。RPAとは、パソコン上で行う単純作業、例えばデータの入力や更新、レポートの作成など、手作業で行っていた業務工程を自動化するためのツールです。

kintoneとRPAを組み合わせて活用するメリットはまず、操作が容易であるという点です。kintoneでは基本的に簡単にアプリを作成することができるとはいえ、外部ツールと連携させたい場合などにプログラミングが必要になったり、kintone上での手入力の作業が業務を圧迫してしまったりするなどの課題が生じるケースが多く見られます。そこで、RPAを活用すると、RPAツール側でノーコードで簡単に、複数のシステムを連携させることができ、これによりデータ連携を自動化して、手作業で行う業務を削減することができます。

kintone連携が強みのRPAなら「AUTORO(オートロ)」がおすすめ

Web Auto RobotのAUTORO(オートロ)は、オートロ株式会社が提供する業務自動化のRPAツールです。ドラッグ&ドロップの直感的な操作によりノーコードで素早く業務自動化を実現できます。サポート品質No.1の受賞実績を誇る即レスのチャットサポートや、kintoneやSalesforceをはじめとするクラウドツールとのスムーズな連携性、デスクトップアプリの操作の自動化などが強みです。

kintone × AUTOROでできること

kintoneとAUTOROの連携で、具体的に以下のようなことができます。

  • ボタン一つでデータ入力を自動化し、抜け漏れやヒューマンエラーを防止
  • kintoneの標準機能では難しい、大量データのバッチ処理の効率化
  • ワークフローシステムやメッセージアプリと連携させ、稟議・承認フローの一元管理やデータ更新情報を即時通知
  • Excelテンプレートを活用したPDF書類の自動作成
  • 反社チェック業務の自動化

kintoneとAUTOROを連携させることで、kintoneと外部システムとの連携を、AUTOROまたはkintoneを起点として自動で実行することが可能となります。

AUTOROはCRMやチャットツール、各種管理ツールなど様々なクラウドサービスとの連携実績があり、さらにAPIがないシステムの操作や、デスクトップアプリの操作も自動化できるため、kintoneのプラグインやiPaaSよりも広範囲の業務をカバーできます。

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まとめ

kintone導入を検討する際には、kintoneとは一体どんなツールなのかを把握し、自社の業務プロセスやニーズに合わせて最適なプランを選ぶ事はもちろん、デモや無料トライアルを活用して実際の使用感を確かめることが大切です。さらに、kintoneを最大限に活用するためには、連携サービスやRPAを積極的に活用し、自社の業務に最適なカスタマイズを行うことも検討してみましょう。

kintoneとはに関連したよくある質問(FAQs)

kintoneとは何ですか?

kintoneは、サイボウズ株式会社が提供するクラウドベースの業務アプリ作成プラットフォームです。プログラミングの知識がなくても、ドラッグ&ドロップで簡単に業務アプリを作成できます。

kintoneの主な機能は何ですか?

kintoneはデータの共有、見える化、アプリのカスタマイズ、コミュニケーション機能、モバイル対応など、多岐にわたる機能を利用できます。

kintoneのカスタマイズはどの程度可能ですか?

kintoneは、JavaScriptやCSSを使用して高度なカスタマイズが可能です。また、プラグインやAPIを利用することで、他のシステムとの連携も容易に行えます。

kintoneの料金プランはどうなっていますか?

 kintoneの料金プランは、ユーザー数や利用する機能によって異なります。

kintoneのサポート体制はどうなっていますか?

kintoneは、電話・メール・チャットでのサポートを受け付けています。また公式サイトには、ヘルプセンターやコミュニティフォーラムもあり、ユーザー同士の情報交換も活発です。

kintoneのセキュリティは信頼できますか?

kintoneは高度なセキュリティ機能を備えており、アクセス制限をはじめとするセキュリティ機能を提供しています。

kintoneはどのような企業に向いていますか?

kintoneは、中小企業やスタートアップ、部門間の連携が必要な企業、ITリソースが限られている企業などに特に適しています。

kintoneのメリット・デメリットは何ですか?

kintoneの主なメリットとデメリットは以下の通りです。

kintoneのメリット

  • プログラミングの知識がなくても簡単にアプリケーションを作成できる
  • データの一元管理や業務プロセスの自動化により、業務の効率を向上させることができる
  • 簡単にアプリをカスタマイズできる

kintoneのデメリット

  • 初期設定やカスタマイズに時間がかかる場合がある
  • 初めてノーコード・ローコードツールを利用するユーザーにとっては、ハードルが高く感じる可能性がある
  • APIやプラグインを利用した他のシステムと連携で、複雑なプログラミングを用いたカスタマイズが必要な場合がある

この記事を書いた人

Ayuka Fujii
Ayuka Fujii

2023年3月〜オートロに従事し、現在は主にAI系の記事制作と公式X(@autoro_io)の運用を担当。初心者目線で親しみやすい記事作りを心がけています。趣味は日本全国のグルメマップを作ることで、行ってみたいお店の数が全国3000を突破しました。新潟生まれ新潟育ち。