反社チェックや日々発生する細かい事務作業などで発生する長時間労働や単純作業に疲弊している総務・人事の担当者の方は多いのではないでしょうか。そのような方々に向けて、今回の記事ではRPAによる総務・人事業務の改善事例をご紹介します。なかにはRPAを活用したことで年600時間もの業務削減を実現した事例も。この記事が業務効率を上げる参考になれば幸いです。
RPAとは?
RPA(Robotic Process Automation)とは、パソコン上で行う日々の単純作業を自動化するテクノロジーです。ソフトウェアロボットが、人間がパソコン上で行う操作を記録しそれを再現する形で作業をこなします。
RPAを使用する最大のメリットは業務効率の向上です。人間が手作業で繰り返す作業をRPAに代行させることで、単純作業よりも重要で創造的な業務に集中できます。また、RPAは間違いなく同じ作業を繰り返せるため、人的ミスも減らすことが可能です。
近年RPAの導入企業は年々増加しており、金融業界から自治体まで幅広い業界でRPAが活用されています。
RPAによる総務・人事業務の改善事例
改善事例1:SalesforceとRPAを連携させて反社チェックを自動化。年600時間もの業務削減を実現
弊社が提供するクラウド型RPA「AUTORO」とSalesforceを連携させて反社チェックを自動化した事例です。
ポート株式会社様は、M&Aによる企業の拡大とともに業務領域が広がった結果、反社チェックの業務量が人員に対して溢れかえってしまう課題に直面していました。
当初は対応策として、単純に人員を増やすことが考えられましたが、それでは将来的にコストが増え続け、結果として利益が変わらなくなるという問題が浮かび上がりました。
そこで、解決策のひとつとして候補に上がったのがRPAです。
数あるRPAツールのなかで、80%の業務削減を見込めたこと、Salesforceとの連携が容易だったことが決め手となり、AUTOROの導入が決まりました。
それにより、規程やマニュアルに基づいて、Googleで特定のキーワードを検索し、検索した結果をキャプチャーなりエビデンスで残す作業を自動化できました。
結果としては、月50時間、年間に換算すると600時間もの業務削減を実現しました。体感としては、人件費として「1人分」節約できるのを実感でき、担当者の1日の業務の8割が反社チェックを占めていたのに比べて目に見えて他の業務にリソースを割けるようになりました。
もっと詳しく知りたい方はこちら:
Salesforce連携で反社チェック業務を月50時間削減! | Web Auto Robot の 「AUTORO(オートロ)」
改善事例2:スカウトメッセージを自動化して採用活動を効率化
AUTOROを活用することで、求人サイト上の検索条件に加えてさらに詳細に条件を絞り込み、よりマッチング率が高い求職者にアプローチが可能です。
まずは、各種求人サイト上で資格、経験、年齢などの条件を満たす求職者の一覧をAUTOROで取得しスプレッドシートに記載します。
そしてシート上でさらに詳細な条件で絞り込みを行うことで、よりマッチング率が高い求職者を特定できます。その特定できた求職者に対してスカウトメッセージを送信するところまで自動化することで、効率的に希望する人材を探せるようになります。
改善事例3:アラートを自動送信して勤怠打刻漏れを見逃さない
休暇申請や勤怠の打刻漏れがある社員にAUTOROが自動でアラートを出すことで、登録漏れを防ぐことができます。
まずAUTOROが勤怠ツールを自動でチェック。もし休暇申請、休日出勤、勤怠の打刻漏れを発見した場合は該当の社員にslackやGmailで自動で通知します。
改善事例4:大量に発生するアドミン登録を自動化でラクに
毎年4月に新入社員の入社などで大量に発生しがちなアドミン登録。AUTOROに任せることで全て自動化できます。
スプレッドシート等に登録した新入社員のデータをAUTOROが取得し、勤怠ツールや社内システム、労務システムなどの社内システムに登録するところまでを自動化。
面倒な登録作業をRPAに代行させることが可能です。
改善事例5:備品の在庫管理をRPAで自動化
A社ではペンやノート等の備品の注文と、備品管理台帳に記入を行う作業をRPAで自動化しています。
もともとは、全ての作業(備品管理台帳への残数の記入、補充が必要な備品の確認、ECサイトでの注文、そして注文情報に基づく台帳更新)を手作業で行っていました。
しかし、多くの追記や確認作業が必要なため、時間がかかり、ミスも多く発生していました。
この問題を解決するため、備品の残数確認のみ担当者が実施し、注文と台帳への記入はロボットが行うという役割分担を導入しました。結果として業務時間が削減され、転記ミスも無くなり、成功を収めています。
参考:https://www.growship.com/cases/rpa-general-affairs-department/
改善事例6:RPAでメールから受け取った注文の手続きを自動化
D社では、注文情報をメールで受信後、販売管理システムの入力から、注文の手配、発送までの一連の流れ全てを総務の担当者が実施していました。
毎日数百件もの受注を手作業で入力しさらに購買手続きまでを行っていたため、大変な工数がかかり、単純作業のため担当者は精神的に疲弊していました。
そこでRPAを導入し、注文メールから品目、数量、納期などの必要な情報を抽出し販売管理システムに反映するところまでを自動化。担当者は注文情報が正しく入力されているかチェックするだけで良くなり、負担をかなり減らすことができました。
参考:https://www.growship.com/cases/rpa-general-affairs-department/
RPAを導入するための費用
RPAの導入にかかる費用は大きく3つに分類できます。
初期費用
初期費用はRPAの導入をスタートする際にかかる費用です。RPAツールを利用するためのライセンス料、RPAツールをインストールする端末の費用、導入に必要な環境を構築するための作業費などが含まれます。
またツールによっては導入のサポート費用として別途料金が上乗せされるケースもあります。
月額費用
RPAは日常の業務で継続して利用するツールのため、利用料が月額でかかる場合があります。ツールによって年額契約で費用がかかることもあるため注意が必要です。
サポート料
RPAが社内で定着するかどうかはベンダーからのサポートの有無が非常に重要になってきますが、多くのツールにおいてサポートは有料オプションとなっています。
しかし有料であっても、お問い合わせの回答に数日以上かかるなど費用を払うだけの内容に見合っていないケースも残念ながら存在します。回答にどのくらい時間がかかるか、お困りごとに親身になってくれるかは導入前に無料トライアルで確認できます。
無料トライアルができるRPAツールについて詳しく知りたい方はこちら
導入費用についてもっと詳しく知りたい方はこちら
RPAを導入するための手順
ステップ1:目標の設定
課題を解決するための具体的なKPIを定めます。
ステップ2:自動化したいタスクの選定
自動化対象とする業務を決定します。ルーチンワークや繰り返しが多い業務ほど、自動化が効果的です。
ステップ3:業務プロセスの洗い出し
自動化したい業務フローを明確化します。
ステップ4:RPAツールを選ぶ
機能やコスト、サポートの充実度などを照らし合わせて、最適なツールを選びます。
RPAツールの選び方については下記の記事で解説しています。
ステップ5:無料体験の利用
一部のRPAツールでは無料トライアルが可能なため、既存ツールとの連携のしやすさなどを確認すると良いでしょう。
ステップ6:まずはスモールスタート
全体導入よりも、コストを抑えやすく、効果検証もしやすい小規模プロジェクトや部門での実験的な導入から始めることをおすすめします。
ステップ7:本格導入の開始
試験導入で問題がないことを確認した上で、本番環境へのRPA導入と運用開始を行います。
ステップ8:効果の検証
RPAは導入後も終わりではなく、自動化の効果が期待通りに現れているかを確認することが重要です。検証を怠ると、想定よりも自動化の効果が得られず、不必要なコストを消費している可能性があります。検証を通じて改良点を見つけ出し、PDCAサイクルを回すことで、RPAの活用をより効果的に進めましょう。
まとめ
RPAによる総務・人事業務の改善事例をご紹介してきました。総務・人事業務は業務量が多い上に単純作業になりがちなので、担当者は疲弊しがちです。人を増やして対応しようにもなかなか人が集まらない、採用する時間がないとお困りの方も多いのではないでしょうか。そんなお悩みには、単純作業を自動化してくれるRPAツールの活用が解決策のひとつとして挙げられます。お困りの方は、RPAツールの利用を今から考えてみてはいかがでしょうか。
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