テレワークのメリット・デメリットとは?現状と導入成功のポイント

今回は、テレワークのメリットとデメリットを詳しく解説し、さらにテレワーク導入を成功させるためのポイントについてご紹介します。

近年、働き方改革の一環として注目を集めている「テレワーク」。従来のオフィス勤務とは異なり、ICT(情報通信技術)を活用して、時間や場所に縛られずに働くスタイルです。

テレワーク導入を検討している企業や、テレワークで働き始める個人の方に向け、働き方の見直しの際参考になれば幸いです。

テレワークとは?

テレワークとは、ICT(情報通信技術)を活用し、オフィス以外の場所で働くことを指します。自宅やサテライトオフィス、コワーキングスペースなど、場所にとらわれずに働けるのが特徴です。

テレワークは、1970年代にアメリカで提唱された概念ですが、当時は技術的な課題や社会的な認知度の低さなどから、広範囲での普及には至りませんでした。しかし、近年における情報通信技術の発展と、新型コロナウイルス感染症の流行をきっかけに、一気に注目を集めるようになりました。

テレワークとリモートワークの違いは?

テレワーク(Telework)とは、”tele(遠隔)” と “Work(働く)” を組み合わせた言葉で、ICT(情報通信技術)を活用して柔軟な働き方を指します。主に自宅などの遠隔地で働く形態を指し、オフィス以外の場所で業務を行うことを重視します。

一方、リモートワーク(Remote Work)は、”Remote(遠隔)” と “Work(働く)” を組み合わせた言葉で、オフィスから離れた場所での勤務形態を指します。オフィスから離れた遠隔地で働く勤務形態を指し、厳密な定義は存在しませんがテレワークと同じ意味で使われることが多くあります。

テレワークの現状

2020年4月には、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、緊急事態宣言が発令され、多くの企業がテレワークを導入しました。公益財団法人日本生産性本部の調査によると、テレワーク実施率は2020年5月には29%に達しています。

しかし、その後の普及率は、2024年2月時点で14.8%と過去最低の水準になっています。このように、初期の急速な普及とは相反して、現状テレワークの普及は進んでいないことが明らかになっています。

一方で2023年には、総務省がテレワークを実施する企業の中から「テレワークトップランナー2023」を選出し、特に優れた取り組みを「テレワークトップランナー2023 総務大臣賞」として表彰するなど、日本でテレワークの推進は高く評価されています。

また総務省はテレワークトップランナー2023 取組事例集を公開し、実際のテレワーク実施状況などに関する情報共有を積極的に行なっています。

このように、日本全体でテレワークが大規模に促進されているにも関わらず、実際の数字を見てみるとその実施率は減少傾向にあります。この現状を把握するためにも、テレワークがもつメリット・デメリットを検証する必要性は高いといえるのではないでしょうか。

参考:報道資料|「テレワークトップランナー2023 総務大臣賞」等の公表 

テレワークのメリット・デメリット一覧

まず初めに、従業員・企業別のテレワークのメリット・デメリットを一覧で確認しましょう。その後それぞれについて詳しく解説していきます。

テレワークのメリット(従業員)

  • 通勤ストレス(時間的・金銭的なコスト)の軽減
  • ワークライフバランスの向上
  • 生産性向上
  • 選択肢の拡大

テレワークのメリット(企業)

  • 人材確保・離職防止
  • オフィスコストの削減
  • 生産性の向上
  • BCP対策

テレワークのデメリット(従業員)

  • コミュニケーション不足
  • 業務効率の低下
  • オンオフの切り替え
  • セキュリティリスク

テレワークのデメリット(企業)

  • 労務管理の難しさ
  • コミュニケーション不足
  • セキュリティ対策
  • 社員間の格差

ここからは順番に1つずつ確認していきます。

テレワークのメリット

まずはテレワークのメリットを、企業側と従業員側に分けてご紹介します。

従業員側のメリット

通勤ストレス(時間的・金銭的なコスト)の軽減

テレワークは、通勤時間の削減と交通費の節約という、時間的・金銭的なコスト削減効果があります。

通勤時間は、往復で1時間以上かかる場合も多く、その時間を睡眠や家事、家族との時間などに充てることができます。また交通費やランチ代の節約にも繋がり、年間で数十万円にもなる可能性があります。

ワークライフバランスの向上

自宅や遠隔地で柔軟な働き方ができるため、仕事とプライベートのバランスを取りやすくなります。例えば、子供の学校行事や家族の介護など、私用に合わせて仕事の時間を調整しやすくなるなどの効果が考えられます。

生産性向上

テレワークによって、個人に合った温度や湿度、照明などの環境で、周りの目や雑音をを気にすることなく、仕事に集中することができます。

さらに、音楽を聴いたり、アロマを焚いたりして、リラックスできる環境を作ることも可能です。これにより仕事の生産性が向上する場合があります。

また自分のペースで仕事を進めることができるため、短時間でより多くの仕事をこなせる可能性があります。さらに、オンラインツールを活用することで、コミュニケーションや情報共有の効率化にも効果的です。

選択肢の拡大

テレワークは、これまで選択肢が限られていた人々に新たな働き方の選択肢を拡大します

通勤圏外や育児・介護で働きにくいと感じる人々が活躍できる環境を提供し、地方に住む人でも都市部の企業で働くことが可能になります。

また、障がいを持つ人や体調の悪い人も、無理なく働くことができるかもしれません。

さらに、自由な働き方が可能になり、出勤する日数や時間を自由に選択できるため、柔軟性が高まります。コワーキングスペースやサテライトオフィスなど、働く場所も自由に選べるようになり、仕事以外の活動にも時間を充てることができます。

企業側のメリット

人材確保・離職防止

企業が柔軟な働き方を提供することで、通勤圏外や地方に住む人、育児や介護で働きにくい人など、多様な人材を採用できるようになります。

さらに、能力や経験のある人材を、報酬ではなく、柔軟な働き方で獲得することができます。これは企業のブランドイメージ向上にもつながります。

また、柔軟な働き方によってワークライフバランスが向上し、従業員の満足度が高まり、離職率が低下することが期待されます。転勤の必要がなくなるため、従業員のモチベーションが高まり、優秀な人材を維持しやすくなると考えられます。

オフィスコストの削減

企業がテレワークを導入することで、オフィスコストを削減することが可能です。オフィススペースや設備の利用を減らすことで、賃料や光熱費などのコストを抑えることができますし、オフィス移転や増床の必要性も軽減されます。さらにコワーキングスペースやサテライトオフィスの活用により、コストをさらに削減することができます。

また、テレワークによって紙や印刷物などの消耗品のコストや、出張費や交通費なども削減できます。さらに、災害やパンデミックによる事業中断のリスクを軽減することも可能です。

生産性の向上

テレワークは、柔軟な働き方によって従業員のモチベーションが高まり、仕事への意欲が増すことで、従業員の健康状態が改善される可能性があります。ま

た、自身の能力や成果に応じて報酬や評価を決定する仕組みを導入することで、さらに生産性を向上させることができると考えられます。

BCP対策

テレワークの導入は、災害やパンデミックなどの緊急事態が発生した場合でも事業継続性を確保できます。従業員の安全を守りつつ、顧客へのサービス提供を継続することができ、企業の評判を維持するのに役立ちます。

テレワークのデメリット

次にテレワークのデメリットを、企業側と従業員側に分けてご紹介します。

従業員側のデメリット

コミュニケーション不足

コミュニケーション不足が発生すると、情報共有が不十分になります。会議や雑談が減るため、暗黙知や最新の情報が共有されず、誤解や認識違いが生じ、意思決定に時間がかかる可能性も考えられます。

また、上司や同僚との意見交換が難しくなり、意思決定が遅れ、チームワークの低下や問題解決の遅れにつながる可能性があります。さらに、新入社員や異動者がチームに馴染みにくくなり、メンバー間の信頼関係や親睦が深まりにくい場合もあります。

さらには、仕事仲間と離れていることで孤独感を感じやすくなるかもしれません。

業務効率の低下

業務効率の低下が懸念されます。周囲の環境に気を取られたり、家族やペットに邪魔されたりすることで、集中力が低下する可能性があります。

また、家事や育児など、仕事以外のことに気を取られる場合もあります。

さらに、必要な書類やデータがすぐに手に入らず、作業が中断される場合や、社内システムへのアクセスが制限されている場合には業務に支障が出ることがあります。

自宅のインターネット環境や設備が整っていない場合、または仕事専用のスペースがない場合にも、仕事に支障が出る可能性があります。

オンオフの切り替え

テレワークでは、気持ちのオンオフの切り替えが難しくなることが懸念されます。これにより、仕事とプライベートの空間や時間が曖昧になり、休憩をとらずに仕事をして、長時間労働に陥りやすい傾向があります。

また、仕事のことを常に考え続け、緊張状態になりがちであり、睡眠不足や運動不足などまた心身の健康への悪影響も懸念されます。

セキュリティリスク

テレワーク導入に伴うセキュリティリスクが懸念されます。テレワーク環境では、情報漏洩のリスクが高まり、個人情報や機密情報を含むデータの取り扱いには特に注意が必要です。

さらに、ウイルス感染や不正アクセスなどの被害も増加する可能性があり、セキュリティ対策ソフトの利用やパスワード管理など徹底したセキュリティ対策が必要です。

企業側のデメリット

労務管理の難しさ

テレワーク導入により、労務管理が難しくなることが懸念されます。従来のタイムカードによる勤怠管理が困難になり、新たな勤怠管理システムの導入や自己申告制度の運用が必要となる企業も出てくるでしょう。

また、仕事の進捗管理も課題となり、定期的な報告やテレワーク環境に適した評価制度の導入が求められます。

コミュニケーション不足

テレワーク導入により、情報共有や意思決定、チームワークの課題が浮き彫りになります。メールやチャットツールだけでは情報共有が不十分になる可能性もあり、定期的なオンライン会議や情報共有ツールの活用が必要です。

さらに、チームワークや一体感の低下も懸念されます。チームビルディングイベントやオンライン交流会など、チームワーク強化の取り組みが必要です。

セキュリティ対策

セキュリティ対策について、テレワークは情報漏洩のリスクが高まり、セキュリティ対策ソフトの導入や従業員へのセキュリティ教育が必要不可欠になります。

また、不正アクセスなどの被害を防ぐためにも、セキュリティ対策ソフトの導入やパスワード管理、情報管理体制の整備などが必要になります。さらに従業員には情報セキュリティに関する教育も徹底しなければなりません。

社員間の格差

テレワーク導入による社員間の格差が生じる可能性があります。テレワークに適した環境や設備、例えば部屋の間取りや、周辺環境によって、社員は仕事に支障が出る可能性があるため、企業側は必要な支援を提供する必要があります。

また、テレワークに必要なスキルを持っていない社員に対し、企業側は研修などを行わなければなりません。

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テレワークを成功させるためのポイント4つ

テレワークを成功させるためには、企業側と従業員側双方の取り組みが必要です。今回取り上げる、テレワークを成功させるためのポイントは以下の通りです。

  • 環境整備
  • コミュニケーションツールの活用
  • セキュリティ対策
  • 勤務時間や報連相のルール作り

それぞれ詳しく見ていきましょう。

環境整備

テレワークを成功させるためには、まず適切な環境整備が欠かせません。

実際に、公益財団法人日本生産性本部の調査では、テレワーク実施における課題について以下のように述べられています。

「職場に行かないと閲覧できない資料・データのネット上での共有化」48.8%が最多、以下「Wi-Fiなど、通信環境の整備」45.1%、「部屋、机、椅子、照明など物理的環境の整備」43.9%などが続く。「特に課題は感じていない」は8.4%にとどまり、多くの人が現状に不都合を感じていることが分かる(図25)

第1回 働く人の意識調査 | 調査研究・提言活動 | 公益財団法人日本生産性本部 

このように、安定したインターネット環境や、データの共有などが必要であり、企業は必要な支援を提供する必要があります。また、仕事に必要な設備やスペースも重要であり、企業はそれらを貸与するなどの支援を検討する必要があります。

コミュニケーションツールの活用

テレワークにおいては、コミュニケーションツールの活用が効果的です。オンライン会議を通じて情報共有や意思決定を行ったり、チャットツールを使ってリアルタイムでのコミュニケーションや情報共有を行ったり、ビデオ通話を対面でのコミュニケーションの代替手段として活用することが必要です。

セキュリティ対策

テレワーク環境においては、情報漏洩などのセキュリティリスクが高まります。そのため、セキュリティ対策ソフトの導入や強力なパスワードの設定・管理、情報管理体制の整備が必要です。従業員には情報セキュリティに関する教育を提供し、適切な情報管理を促すことが重要です。

勤務時間や報連相のルール作り

テレワークを円滑に進めるためには、事前にルールを定めることが重要です。勤務時間や休憩時間、コミュニケーションの方法や頻度、報告・連絡・相談のルールを明確にしておく必要があります。

テレワークのメリット・デメリットを踏まえ導入を検討しよう

テレワークは、従業員と企業にとって様々なメリットをもつ一方で、コミュニケーション不足をはじめとする課題もいくつか挙げられます。

これらのメリットとデメリットを理解した上で、適切な対策を講じることで、テレワークをより効果的に活用することができます。

働き方の概念を変える可能性を秘めたテレワークを、少しずつ取り入れてみてはいかがでしょうか?

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この記事を書いた人

Ayuka Fujii
Ayuka Fujii

2023年3月〜オートロに従事し、現在は主にAI系の記事制作と公式X(@autoro_io)の運用を担当。初心者目線で親しみやすい記事作りを心がけています。趣味は日本全国のグルメマップを作ることで、行ってみたいお店の数が全国3000を突破しました。新潟生まれ新潟育ち。