反社チェックとは?やり方と注意点、役立つツールを徹底解説

「反社チェック」とは何かご存じでしょうか。

「反社チェック」とは、暴力団などの反社会的勢力との契約・取引を防ぐために行われるもので「コンプライアンスチェック」とも呼ばれています。

安全な取引をするために「反社チェック」は必要不可欠な業務ですが、「正しいやり方がわからない」「反社チェック時に何に気をつければいいのかわからない」といった課題を抱えている企業もあるのではないでしょうか。

本記事では、反社チェックとはどのようなものか、反社チェックを行わなければならない理由や方法・頻度などを基本から解説します。

反社チェックは健全な企業活動に欠かせません。具体的に解説していますのでぜひ本記事を参考に反社チェックを実施してみてください。

反社チェックとは

本項ではそもそも「反社」とは何かといったところから、反社チェックが必要な理由までを解説していきます。

反社会的勢力の定義

反社とは「反社会的勢力」の略称です。2007年(平成19年)6月29日付で発表された政府指針「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」で「反社会的勢力」は次のように記されています。

『暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団又は個人である「反社会的勢力」をとらえるに際しては、暴力団、暴力団関係企業、総会屋、社会運動標ぼうゴロ、政治活動標ぼうゴロ、特殊知能暴力集団等といった属性要件に着目するとともに、暴力的な要求行為、法的な責任を超えた不当な要求といった行為要件にも着目することが重要である。』
引用元│法務省「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針

上記の内容を踏まえ「反社チェック」とは、企業が契約や取引を始める前に「取引先」「社員」「株主」などが反社会的勢力と関係していないかを確認するための作業です。

反社チェックが必要な理由

反社チェックは、自社と取引する企業または個人が、「暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団又は個人」でないことを確認する必要不可欠な作業です。

なぜ反社チェックを行う必要があるのか、これには大きく3つの理由があります。

  • 企業が存続の危機に陥るため
  • 不当な要求を受けるリスクが懸念されるため
  • 反社会的勢力への資金源遮断のため

社会のためにも、自社にとって不利益な取引をなくすためにも反社チェックを徹底することは非常に重要になってきます。それぞれについて解説します。

1. 企業が存続の危機に陥るため

仮に反社チェックを行わずに、反社会的勢力と関わりのある企業と取引を行ってしまったとします。これは意図的ではなくても、反社に対して資金提供を行ったと見なされる場合があり、反社会的勢力との取引が発覚した時点で他の取引先や金融機関などから直ちに契約を解除されてしまいます。

さらに取引先に対して、損害賠償を支払わなければならない場合もあります。反社チェックを疎かにしている企業は、他社から取引を打ち切られるリスクが常に存在しており、信用を得ることも非常に困難です。そのため、企業価値が毀損され会社存続の危機へと繋がります。

2. 不当な要求を受けるリスクが懸念されるため

例えば「反社会的勢力である我々と取引をしていることを公表する」などの恐喝や脅迫をし、会社に金銭を要求するなどといった被害があります。こうした被害は会社全体だけでなく、不当な要求に恐怖心を抱いた従業員の離職も起こり得ます。

また反社チェックの目的として忘れてはならないのが、従業員を守るために行うということです。もし知らず知らずのうちに反社との取引を行っていた場合、担当する従業員が脅迫行為などを受けていても、会社としてそれを見つけることは難しく、長期にわたってその従業員が被害に遭うばかりか、同時に自社が損害を受けることも考えられます。従業員を守るためにも反社チェックの実施は必須です。

3. 反社会的勢力への資金源遮断のため

反社会的勢力と取引を行うということは、反社会的勢力に対して資金提供を行っていることを意味します。反社会的勢力は表向きには経済活動を行っているように見えていても、実際には犯罪に手を染めているということが多いです。これは、企業が犯罪行為に加担していると受け取られることもあります。

反社チェックの具体的なやり方

ここまで「反社チェック」とは何か、なぜ「反社チェック」が必要なのかを解説してきました。続いて「反社チェック」の具体的な実施方法についてご説明します。

反社チェックの方法

反社チェックの代表的な実施方法を3つご紹介します。

1.公知情報の検索

まずは世間に公表されている公知情報を収集する方法が挙げられます。具体的には、GoogleやYahooなどインターネット上の情報を検索する、新聞記事のデータの検索といった手段があります。企業名や代表取締役の氏名に「反社・反社会・暴力団・逮捕・送検・捜査・捜索」などのキーワードを加えて検索します。

情報収集を行った場合には、その方法や日付・確認結果などを記録し、反社チェックの履歴を残しておくことが重要です。

反社チェックをGoogleで!進め方と手順を要チェック

2.調査会社など専門機関の利用

より正確性の高い情報を得たい場合、あるいは公知情報から怪しいと判断した場合には、調査会社などの専門機関を利用しましょう。調査会社の調査方法は、官公庁情報や各種メディアの情報のほか、独自に反社データベースを構築して検索するものなどさまざまです。実際にどのような調査を行うか事前に確認し、慎重に検討しましょう

3.警察・暴迫センターへの問い合わせ

上記の方法を経て、危険度が高いと判断された場合には、確認したい取引先の氏名、生年月日(可能であれば住所)が分かる資料を用意の上、警察・暴力団追放センターへ相談しましょう。訴訟リスクを回避するためにも、自社だけで判断するのではなく警察・暴迫センターへ相談することをおすすめします。

反社チェックを行う対象

反社チェックを行うべき対象は「取引先企業」および「取引相手の個人事業主」「自社社員」「株主」のおもに4つです。

「取引先企業」は、新規取引先と既存取引先とそれぞれで反社チェックを行う必要があります。また「自社社員」の場合でも反社チェックを実施する必要があります。例えば、入社前の学生が学生時代にSNSを通じて暴力団と繋がっているケースも実際にありました。「株主」は株主を増やす場合や変更になる際に実施します。

反社チェックを行う頻度・タイミング

反社チェックは、具体的にどのタイミングで、どのくらいの頻度で行ったらよいのでしょうか。

まず「取引先企業」や「取引相手の個人事業主」は新規取引先と既存取引先によって異なります。まず新規取引先の場合、必ず取引前に反社チェックを実施しましょう。場合によっては、契約を結ぶ前に反社チェックの結果がわからないこともあり得ます。そのような事態に備え、万が一、反社だった場合は契約を破棄できる旨を契約書に盛り込んでおくと良いでしょう。

また、既存取引先はへの反社チェックは継続的な実施が重要です。以前は問題がなかった場合にも、いつの間にか反社に変わっているケースもあります。一定期間ごとの定期的な実施が望ましいです。。

次に「自社社員」ですが、入社前や役員就任前のチェックが必要です。学生に関しては上述にある通りですが、役員に関しては後から反社と関わりがあることが明るみに出ると取り返しがつかなくなってしまいます。事前の入念な確認が重要です。

そして「株主」は、株主を増やす場合変更する際に実施しましょう。なお、株主になる相手が法人の場合、企業名だけでなく代表者や役員、社外取締役等の組織の外部関係者まで徹底して反社チェックを行ってください。

反社チェックはどれくらいの頻度で行うべき?

反社チェック実施における注意点

ここまで反社チェックの方法・タイミング・頻度について解説してきました。次は、反社チェック実施における注意点についてお話します。

複数のチェック方法を組み合わせる

反社チェックの方法は多種多様ですが、何か1つの方法を選択するというよりは、できるだけ多くの方法を用いて厳重にチェックすることをおすすめします。

例えば、最初はインターネットを活用して自社調査を行い、怪しい部分がある場合には調査会社などの専門機関に依頼するなど、リスクを回避するためにも複数の方法を用いて徹底的にチェックを行いましょう。

頻度を決めて継続的に実施する

取引前に反社チェックを行ったからといって安心してはいけません。取引前には問題がなかったとしても、いつの間にか反社になっている場合も考えられます。年に1回など、頻度を決めて定期的・継続的に実施し続けることが重要になってきます。

個人事業主に対しても反社チェックが必要

反社は団体であるとは限りません。暴力団の構成員が、個人事業主として活動している場合も十分に考えられます。そのため取引先が個人事業主だからといって、反社チェックを怠ってはいけません。取引先が法人かどうかに関わらず、徹底して反社チェックを行うようにしましょう。

反社チェックに使えるツール

反社チェックを簡単に行うことのできる反社チェックツールがあります。ここでは無料で利用できる反社チェックツールと、有料で利用できる反社チェックツールをいくつかご紹介していきます。

ツールによって、データベースが異なっていたり、得意とする業種が異なるため、自社の目的に適したツールを見つけてみてください。

無料の反社チェックツールはある?

残念ながら、現時点では無料の反社チェックツールはありません。

予算が割けない場合は、まずは冒頭でご紹介したGoogleやYahooなどインターネット上の情報を検索、新聞記事のデータの検索などの方法で実施してみてください。

有料の反社チェックツール

有料の反社チェックツールは多く存在しています。各社ツールによって特徴・費用は異なりますので、自社に適したツールを探してみてください。ここでは3つの反社チェックツールの特徴について紹介します。

AUTORO反社チェック

AUTORO反社チェックは、企業のニーズや基準に合わせて柔軟に反社チェックを自動化できます。ご利用中の取引先管理システムとの連携が可能で、すぐに自動で調査を開始することができます。さらに、調査結果を関係性の高いページに絞り込んで表示することが可能であったり、検索証跡の自動保存も可能なので安心です。。

アラームボックスパワーサーチ

15日間無料トライアルで体験することができます。アラームボックスパワーサーチは、1社あたり500円から手軽に始められる「ワンコイン反社チェック」が最大の特徴です。また、リスク情報は過去3年分まで遡ってチェックすることができます。他には、新聞、ニュース記事以外にも、SNS・ブログなどの情報まで調査可能で、情報を赤、黄色、緑の3段階で色分け表示することでひと目でリスクを判別できる直感的な管理画面になっています。

RiskAnalyze

2週間、30件まで無料で体験することができます。RiskAnalyzeは、国内最大級となるニュースメディア約700媒体からリスク情報を取得ができます。さらに、その上で危機管理の専門家が選別したデータを集積しているため、信頼性の高い情報提供が可能です。

国内だけでなく、500万件に及ぶ海外リスク情報も保有しているため、国内外のリスク情報を広範囲に調査可能です。

反社チェックをする人

反社チェックを無料で行うには?おすすめツール6選

RPAを使った反社チェックの進め方

RPAを使って反社チェックを進めることで、チェック漏れの防止や業務のスピードアップを実現することができます。

例えば、Google検索での反社チェックを1つ1つ手作業で行っていたものをRPAで自動化します。

RPAによって、取引先名・取引先の代表者名を自動で検索してくれ、さらに担当者が目視でチェックしなければならない項目は自動的に通知されます。追加調査が必要であるかを担当者が判断します。その際の検索結果のデータ格納も、RPAを活用していれば自動で行われます。

これまで一つひとつ手作業で行っていた業務も、RPAを活用することによって時間短縮が可能になります。

「AUTORO反社チェック」の活用例

株式会社ニューズピックス様はAUTORO反社チェックを活用し、Salesforceとの連携で反社チェック・与信業務の自動化を行われています。

AUTORO反社チェックで業務を自動化することで、業務上・取引上のリスクを回避することに成功しています。また都度発生していた完了確認のコミュニケーションコストを排除できています。

Salesforce×RPAで反社チェック・与信業務を自動化

「反社かな?」と思ったときの対応方

それでは「取引先が反社かもしれない」と気づいてしまった際にどうしたらいいのでしょうか。本項では、その際の対応方法についてご説明します。

警察・暴力団追放センターに相談する

反社と関わってしまった場合、怪しいなと思った際には、対応する社員の安全を確保するためにも早めに警察・暴力団追放センターに相談し、解決を図ることが大切です。警察や暴力団追放センターに相談すれば、対応の仕方や今後の解決策についてアドバイスをしてくれる可能性があります。

また、日頃から連携をとっておくことで、何かあった場合にはすぐに対応してもらえるかもしれません。

弁護士に相談する

反社への対応は、弁護士に相談することも1つの対処法です。弁護士に相談すれば、法的対処法なども視野に入れて対応してもらうことができます。また状況に応じて、警察や暴力団追放センターなどの専門機関にも連携して解決をはかることができるでしょう。

上司や周りに相談する

何か不審に思ったり、怪しいと感じた場合には早めに相談しましょう。上述の通り、警察・暴力団追放センター・弁護士もそうですがまずは身近な人への相談も大切です。1人で抱え込まずに、上司や周りの人にも相談するようにしましょう。

健全な企業経営には反社チェックが必要不可欠

反社チェックは、反社会的勢力との関わりを持たないために契約前や取引前に行うべき必要不可欠な業務です。

反社チェックを実施することは、企業の社会的責任であると同時に、仮に反社と取引をしてしまった場合、たとえ意図的ではなかったとしてもコンプライアンス違反企業として社会から厳しい目で見られてしまいます。自社への社会的信用が大きく揺らぎ、会社存続の危機にも陥ります。

上記の事態を防ぐためにも、自社に適した方法で、どんな取引先でも入念に反社チェックを行うように徹底していきましょう。