kintoneで顧客管理をするメリットは?アプリ作成まで解説します!

年々導入社数が増えているkintoneですが、顧客管理に非常に有力なツールだというのはご存知でしょうか。
この記事では、kintoneを使った顧客管理のメリットやアプリの作成方法とそのポイント、kintoneと他のツールとの連携方法まで紹介していきます。
「顧客管理に課題を抱えている」「もっと効率よくかつ正確に顧客情報の管理をしたい」と考えている方はぜひご一読ください。

顧客管理の重要性

現代ビジネスにおいて、顧客との良好な関係を構築することは、企業にとって最も重要な課題の一つと言えます。しかし、顧客の数は膨大であり、すべての顧客情報を記憶し、個別に管理するのは困難です。そこで重要となるのが、顧客管理ツール(CRM)です。
この章では、顧客管理の重要性について説明します。

顧客との良好な関係構築

顧客管理ツールは、顧客情報をデータベースに保存し、一元管理することで、顧客一人ひとりに合わせた対応を可能にします。顧客の購入履歴や問い合わせ履歴などを分析することで、顧客のニーズを把握し、適切な商品やサービスを提案することができます。

また、顧客とのコミュニケーションを円滑にするという要素も備えています。メールや電話、SNSなど、様々なチャネルの中で、最も適切なチャネルを通じて顧客とやり取りすることができます。
このような機能により、顧客との良好な関係を構築し、顧客満足度を高めることができるでしょう。

売り上げ向上

顧客との良好な関係は、売上の向上にもつながります。顧客満足度が高い顧客は、リピーターになる可能性が高く、より多くの商品やサービスを購入してくれる傾向があるためです。

また、顧客満足度が高い顧客は、口コミで友人や知人に商品やサービスを推薦してくれる可能性もあります。提供サービスにもよりますが、口コミは新規顧客を獲得する上で非常に効果的な手段と言えるでしょう。
顧客管理ツールを活用することで、顧客満足度を高め、売上向上を実現することが可能です。

顧客管理におけるよくある課題

では、顧客データの管理において、企業はどのような課題を抱えているのでしょうか?

データの重複・不正確さ

顧客データの重複や不正確な情報の入力は、顧客データ管理における課題として多くの企業が悩まされています。

顧客情報がさまざまなチャネルや部門から入手されるため、同じ顧客に関するデータが重複していたり、更新されていない場合があります。これにより、顧客のプロファイルや行動に関する不正確な情報が生じてしまい、顧客の重要な情報や傾向を把握することが難しくなってしまいます。これは結果としてマーケティング施策や商談品質の低下につながる恐れがあるといえます。

手入力による業務負荷

顧客データ管理における課題として、手作業による顧客情報の入力や更新作業の業務負荷が挙げられます。こういった作業は通常、膨大な時間と労力を必要とし、担当者のリソースを多く費やしているケースが多いです。

また、手入力によるデータ管理は、情報の正確性を確保するために綿密な注意が必要であり、ダブルチェックを実施するなど、さらなるリソースを割いて対応しなければならないケースも多く発生します。加えて、これらの作業は基本的には単純作業であるため、担当者のモチベーション低下や集中力の低下によるヒューマンエラーのリスクを増加させる可能性もあります。

kintoneについて

そんな多くの課題がある顧客管理は、kintoneの導入が非常に有効です。
まずはkintoneがどのようなものなのか説明します。

kintoneとは

kintone(キントーン)は、サイボウズ株式会社が提供しているクラウドサービスで、ビジネスアプリやシステムを手軽に構築できるプラットフォームとなっています。開発の専門知識がなくてもそれぞれの業務に適したシステムを作成でき、業務アプリを最短3分で構築できる迅速さも特徴です。現在では、約30,000社以上の企業がkintoneを導入しています。

kintoneを活用することで、表計算ソフトよりも手頃でありつつ、専門的なシステムよりも柔軟に企業の業務に最適なシステム(アプリ)を構築できます。開発の知識が不要なため、エンジニアを保有していない業務部門でも簡単に直感的な操作で利用でき、作成した業務アプリを素早くチーム内で共有することも可能です。
また、kintoneはアプリの開発だけに留まらず、データやコメントの管理を円滑に行うことができるため、業務効率の向上にも非常に効果を発揮できます。

kintoneは部門に関係なく、さまざまな業務全般で利用できるので、例えば案件管理、進捗管理、日報管理など、多岐にわたる業務ニーズに対応可能な優れたツールとなっています。
今回ピックアップしている顧客管理についても同様です。

kintone(キントーン)とは?できること・できないこと|活用事例や導入のポイントも解説

kintoneで顧客管理をするメリット

では、kintoneでの顧客管理にはどのようなメリットがあるのでしょうか?

顧客情報を一元管理して入力ミスを軽減できる

kintoneの活用で、社内に分散している顧客情報を一つの場所に集約することが可能です。
企業情報、案件管理、購買履歴、売上推移などを一括管理することで、入力ミスや二重入力を防ぎ、正確で効率的な顧客管理の運用が実現できます。

さらに、情報の一元化により1案件の属人化を防止することができることも利点です。部署間の連携も円滑になることに加え、顧客一人ひとりの状況をより把握しやすくなるため、質の高いサービスの提供や精度の高い営業施策、マーケティング施策へ昇華させることも可能になります。

最新の顧客情報管理が可能

kintoneの活用で、チーム全員が常に最新の顧客情報を把握することができます。
最新の顧客とのメールのやり取りや商談内容、案件の進捗状況をリアルタイムで共有できることで、情報の行き違いや対応の遅れを防ぎ、質の高いコミュニケーションをとることが可能になるでしょう。

また、先述した情報の一元化ができるという点と、最新の顧客情報を把握できるという点で、よりスムーズな担当者の引き継ぎがイメージできると思います。kintoneで保存されている過去のやり取りや変更履歴によって新しい担当者もすぐに状況を把握でき、適切な対応が可能となります。
この仕組みで顧客対応の速度と正確性を向上させることで、顧客満足度を上げることへ繋げることができます。

アクセス性の高さ

Excelで顧客情報を管理する場合、社内のPCからしかアクセスできません。一方、kintoneならスマートフォンやタブレットなど様々なデバイスに対応しており、ネットワーク環境さえあればいつでもどこでも顧客情報にアクセス可能です。

様々な手段で顧客情報へアクセスできることで、外出先や出張中でも、常に最新の顧客情報を確認および更新ができます。急なお客様からの問い合わせにも迅速に対応できるでしょう。
さらにkintoneはIPアドレス制限や端末認証などのセキュリティ対策も充実しているため、非常に安全に利用することができます。企業として顧客情報へのセキュリティ対策は必須なため、そういった点でも非常に優れていると言えるでしょう。

kintoneで顧客情報管理アプリを作成する方法

では、実際にどのようにアプリを作成するのでしょうか?この章では、kintoneでのアプリの作成方法を2パターンご紹介します。

新規でアプリを作成する場合

1.必要項目の洗い出し

まず、顧客管理アプリで管理したい項目を洗い出します。例として、以下のような項目があります。

  • 顧客の基本情報(氏名、住所、電話番号、メールアドレスなど)
  • 販売履歴(商品名、購入日、金額など)
  • 案件履歴(問い合わせ内容、対応状況など)
  • サポート履歴(サポート内容、解決状況など)

上記の他にも業界やビジネスモデルによって必要情報は異なるため、自社の業務内容に合わせて必要な項目を洗い出しましょう。

2.アプリ設計

kintoneを最大限に活用するためには、適切なアプリ設計が必須です。また、できるだけシンプルに設計するという点も忘れてはいけません。複雑なアプリになると操作を覚えることや操作自体に時間がかかるためすぐに欲しい情報を得ることができず、社内で利用する従業員のストレスになります。

そのため、なるべく業務単位でアプリを設計することがおすすめです。「顧客管理」というひとくくりではなく、管理系の業務、営業系の業務、サポート系の業務など、できる限り細分化して作ることで管理がしやすくなります。逆に、一つの大きいアプリにしてしまうと管理方法や業務フロー、メンテナンスも複雑になり、効率的に扱えなくなる可能性が高いです。

3.アプリ作成

必要な項目が決まり、アプリ設計も完了したら、いよいよアプリの作成です。
全体の主な流れは以下のようになります。

1.スペースを作成
アプリを入れておく箱のイメージで、スペースを作成します。

2. アプリ作成画面を開く
kintoneにログインし、「アプリ」タブをクリックします。画面右上の「新規作成」ボタンをクリックすると、アプリ作成画面が開きます。

3. アプリ名を設定
アプリ名を入力します。アプリ名は、わかりやすく覚えやすいものにします。

4. フィールドを入力
「文字列」や「数値」などのフィールドが用意されているため、入れ込みたいフィールドをドラッグ&ドロップで入力し項目を作成します。

5. アプリを公開
アプリが完成したら、アプリを公開します。公開することで、他のユーザーがアプリを利用できるようになります。

作成したアプリは後からでも項目の追加や変更が可能です。アプリを使用した従業員からフィードバックをもらい、使いやすいアプリにアップデートしていきましょう。

サンプルアプリを活用する場合

kintoneのサンプルアプリとは、kintoneが提供しているアプリの雛形です。そのまま活用することも、デザインや設定を変更して使用することも可能です。
ゼロから作成することもできますが、サンプルアプリを活用することでより手軽に作成することができます。

1.kintoneアプリストアからサンプルアプリを追加

ポータルの「アプリ」エリア右横にある「+(アプリを作成する)」アイコンをクリックします。
表示されたkintoneアプリストアから、目的のアプリを追加します。顧客管理に向いているものであれば、「営業支援パック」や「顧客サポートパック」などがあります。他にも、アプリストアの左側の検索フィールドで「業務で探す」「業種で探す」「利用シーン」などの方法で検索が可能です。

2.自社の状況に合わせてカスタマイズする

サンプルアプリにはすでに項目やサンプルデータが登録されているケースがあります。これらをそのまま使用することもできますが、データや項目、設定を自社の業務に合わせてカスタマイズすることも可能です。
項目を修正する場合にはアプリ内の右上にある歯車のアイコンをクリックし、項目の追加や削除ができます。自社の業務に必要な内容で調整し、使いやすいアプリにカスタマイズすることでより業務の効率を上げることが可能です。

参考:
kintone(キントーン)- できること – 使いやすい基本機能
サンプルアプリを追加する | kintone ヘルプ
部門共通 – kintone(キントーン)- すぐに使えるサンプルアプリ

拡張機能の活用でさらに効率UP

kintoneは様々な外部ツールと連携させて活用することが可能です。

アプリ単体での活用でも十分な機能を備えていますが、他のツールと連携させることで、より自社の業務にマッチしたシステムの構築ができるでしょう。
kintoneと連携できるサービスは200種類以上あります。
kintone REST APIを活用した外部連携や、JavaScript/CSSを用いて独自開発、プログラミング知識がなくても活用できるプラグインなどと様々な選択肢があるため、社内の状況に合わせたカスタマイズが可能です。
もちろんsansanやfreee、マネーフォワードクラウドなどの顧客管理に役立てられる様々なクラウドサービスと連携ができるため、拡張機能を使いこなすことでより効率的な顧客管理の運用を進められるでしょう。

kintoneカスタマイズとは|JavaScriptとCSSでよくある方法やできることの基礎解説

Sansan × kintone連携で顧客データ管理の課題を解消!その方法を解説します

kintone×RPAでもカスタマイズが可能

API連携やプラグインを使うことも便利ですが、RPAなどのデータ連携ツールを使うことも有効です。どういったケースだと役に立つのか、それぞれ解説していきます。

RPAでデータ連携

RPA(Robotic Process Automation / ロボティックプロセスオートメーション)とは、コンピューター上のソフトウェアロボットを使って人間の手作業を自動化する技術を指します。日々のルーティンワークや単純作業を効率化し、仕事の生産性を向上させることが可能です。

RPAが得意とする業務は、①繰り返しのタスク、②ルールベースのタスクです。これらに当てはまるものであれば基本的にどんな業務でも自動化できると考えて良いと思われます。
RPAの導入メリットとしては、業務効率化やコスト削減、ヒューマンエラーの減少などが挙げられます。

上記のように、RPAは業務自動化を目的としたツールではありますが、ツールやシステム間を繋ぐAPI連携が可能なRPAツールを活用すれば、今回取り上げているようにkintoneと様々なツール間のデータ連携も自動で行うことが可能です。

弊社が提供するRPAツール「AUTORO」もAPI連携が豊富であり、kintone上の様々な業務を自動化してきました。また、API連携が豊富なため、iPaaSとして活用してくださっている企業様も多くいらっしゃいます。
顧客管理だけではなく様々な業務を自動化させたい場合や、他ツールとの連携も検討している場合はRPAの導入を視野に入れても良いかもしれません。

kintoneのAPI連携で業務効率化!設定方法と活用事例もあわせて解説

kintone × RPAでかんたん開発&業務効率化!連携事例を紹介

クラウド型RPAツールを比較!クラウド型のメリットや無料トライアルできるツール、活用事例もあわせてご紹介

まとめ

kintoneを活用した顧客管理について解説してきました。
kintoneは簡単に業務アプリを作成できるのに加え、そのカスタマイズや他ツールとの連携も幅広く行えるため、柔軟性と拡張性が高く非常に顧客管理に向いています。
自社にあった管理方法やデータ分析に活用することで、より質の高い顧客対応や営業活動へ反映することが可能です。

適切なツールを選択し、顧客管理の課題を解決していきましょう。

kintoneの自動化なら「AUTORO」

弊社で提供しているRPAツール「AUTORO」は、パソコン上の単純作業を自動化するWeb Auto Robotです。iPaaSとしても優秀な点が特徴であり、CRMやチャットツール、各種管理ツールなど様々なクラウドサービスとの連携実績がありますので、kintoneと各ツールの連携をAUTOROを起点として実行することが可能となります。

また、導入時には自動化業務の確認から、構築・設定のサポート、必要に応じて操作説明会の実施などと幅広く対応でき、導入後には5分で対応するチャットサポートがついているので、どんな現場でも安心してご活用いただけます。

AUTOROの製品紹介資料は無料でダウンロードいただけます。
製品の特徴や導入のメリット、ご活用事例などを紹介していますので、ぜひご覧ください。

この記事を書いた人

Yuri Yamamoto
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