リモートワークが普及してきた昨今、勤怠の管理についてクラウド勤怠管理システムを導入する企業が増えています。勤怠管理システムは、Slackと連携させることでさらに様々な効果を発揮します。
この記事では、Slackと勤怠管理システムを連携させるメリットと、おすすめの勤怠管理システムについて解説していきます。
Slackでの勤怠管理とは?
まず、Slackでの勤怠管理についてどういったものなのか、簡単に説明していきます。
Slackとは
Slackは、アメリカのSlack Technologies社が提供する、チームコミュニケーションを円滑にするためのビジネスチャットツールです。
Webブラウザやスマートフォンアプリから利用可能で、多くの企業に採用されています。
このツールでは、チャンネルと呼ばれるグループチャット機能を使って、部署ごとやプロジェクトごとにグループを作成し、コミュニケーションをとることができます。
また、新しいメンバーがグループに追加された際も、過去のやりとりを閲覧することができ、検索機能を利用すれば、効率的に過去の経緯を把握することも可能です。
さらに、通知設定を細かく調整できるため、メッセージが多くても重要な通知を見逃さずに済むことも大きな利点と言えるでしょう。
参考:Slackとは|公式
Slack打刻
Slack打刻とは、Slackから直接勤怠管理システムに出退勤の記録を行う機能を指しています。この機能により、従業員は勤怠管理システムにわざわざログインする手間を省き、Slack上で簡単に打刻を行うことができるのです。
具体的には、定められた打刻管理用のワークスペース内で特定のコマンドを送信することにより、出勤や退勤の時間を自動的に記録させることが可能となります。
以下、簡単に機能を紹介していきます。
簡単な打刻操作
Slackの専用コマンドやボタンを使用して、出勤や退勤の打刻をします。
これにより、煩雑な操作を避け、直感的に勤怠管理が行えます。
リアルタイム通知
打刻の確認やリマインダー通知がSlackで行われるため、打刻忘れの防止に役立てることができます。例えば、出勤時間や退勤時間が近づいたときにリマインダーが届くことで、タイムリーな打刻を促すことが可能です。
Slackで勤怠を管理するメリット
では、Slackでの勤怠管理において、企業はどのようなメリットを得られるのでしょうか?
使いやすさ
Slackでの勤怠管理は、日常的にSlackを使い慣れている従業員にとっては非常に使いやすいと言えるでしょう。Slack内で勤怠管理を行うことで、従業員は新たなシステムをわざわざ学習する必要なく、既存のインターフェースや操作方法をそのまま活用することができます。
この方法は、使いやすさと効率性の向上につながり、ユーザーの負担軽減が可能です。一方で、新たな勤怠管理システムをSlackとの連携なしに導入するとなると、従業員がそのシステムに適応するための時間と労力が必要となり、説明やトレーニングの手間も発生する可能性があります。
リモートワークでの活用
Slackでの勤怠打刻は、様々な働き方や職種に柔軟に対応することが可能です。
従来のタイムカードや専用の打刻機による勤怠管理は基本的には出社が前提となっており、直行直帰の営業職やリモートワークには適していませんでした。しかし、SlackはWebブラウザやスマートフォンアプリなど、様々なデバイスからアクセスできるため、出社している場合は会社のパソコンから、リモートワークや外出先ではスマートフォンからも打刻が可能になります。これにより、いつでもどこでも勤怠管理ができるようになるでしょう。
コミュニケーションの活性化
Slackでの勤怠管理で、勤怠管理とチーム内の円滑なコミュニケーションの実現を両立できる可能性があります。
リモートワークが増えると、各メンバーの業務進捗が見えにくくなることが課題となるケースが多いです。管理者としても、仕事の進捗状況や社員の仕事ぶり、問題の有無を把握することが難しくなったりするかもしれません。
このような状況で、Slackの出退勤専用チャンネルを作成し、出勤時にその日のスケジュールを共有し、退勤時にその日の業務進捗を報告する運用をすることで、離れていてもスムーズに業務コミュニケーションが取れるようになります。
不正打刻の防止
Slackを利用した勤怠管理のメリットとして、不正な打刻を防ぎやすい点も挙げられます。従業員は個別のアカウントを使用してSlack上で打刻を行うため、他の人が代理で打刻をすることはできません。この仕組みは、従業員が自身の出退勤を正確に記録することを奨励し、不正な打刻を防ぐのに効果的です。
さらに、Slackの打刻機能は全ての操作がログとして記録されます。このログ機能により、不正な打刻が行われた場合は、その履歴を簡単に見つけることができるようになります。管理者はこのログを使用して、必要に応じて打刻の検証や確認を行うことができるでしょう。ログに残る情報は正確で変更不可能なため、従業員の打刻記録の信頼性が大幅に向上します。
Slackと連携可能なおすすめ勤怠管理システム
この章では、Slackと連携可能なおすすめの勤怠管理システムをご紹介します。
ジョブカン勤怠管理 – 株式会社DONUTS
ジョブカン勤怠管理は、様々な人事管理システムを展開する「ジョブカンシリーズ」のクラウド型勤怠管理システムです。
シリーズの導入実績は20万社に達し、ITトレンド年間ランキングでもトップを獲得しています。
様々な打刻方法に対応しており、情報も随時反映されます。裁量労働や所属・雇用形態などあらゆる勤怠形態にあわせた運用ができるため、このシステム1つで勤怠管理の悩みはほとんど解消できるでしょう。
具体的なジョブカン勤怠管理とSlackの連携方法は以下の通りです。
- 管理者側でPCマイページの機能表示欄にてSlack打刻を表示設定します
- 実際に打刻を行う従業員のSlackでのジョブカン勤怠管理へのアクセスを許可します
- 利用する従業員が、自身のSlackアカウントとジョブカン勤怠管理の連携を行います
- 決まったコマンドを入力することで打刻ができます
詳しい手順はこちらをご確認ください。
jinjer勤怠 – jinjer株式会社
jinjer勤怠は、バックオフィス向けクラウドサービスを展開する『ジンジャーシリーズ』のうちの勤怠管理システムです。
システムの導入者数は1万8,000社以上で、今も伸び続けています。
パソコン、スマホ、タブレット、ICカードなど多様なデバイスに対応しており、GPSや顔認証機能も搭載しています。また、スマホのアプリも使用できるので、jinjer勤怠だけでも場所を問わずに打刻が可能となっています。
具体的なjinjer勤怠とSlackの連携方法は以下の通りです。
- Slackにてjinjer勤怠打刻用のチャンネルを作成します
- 打刻専用のチャンネルに各インテグレーションを追加します
- グループ内で規定のテキストを投稿することで打刻ができます
詳しい手順はこちらをご確認ください。
HRMOS勤怠 – IEYASU株式会社
HRMOS勤怠は、現在6万社以上に導入されている勤怠管理システムです。
30名以下の場合は無料で利用でき、有料プランでも月額110円から利用可能です。
Web打刻やICカード、顔認証機能など多様な打刻方法も搭載しています。また、給与ソフトやSlack、LINEとの連携も可能です。
具体的なHRMOS勤怠とSlackの連携方法は以下の通りです。
- 管理者がHRMOS勤怠側でSlackとの連携を許可します
- Slack内のAppにHRMOS勤怠が追加されます
- 各従業員がHRMOS勤怠のアカウント設定画面でSlack連携を許可します
- HRMOS勤怠にメンションすることで打刻ができます
詳しい手順はこちらをご確認ください。
MINAGINE就業管理 – 株式会社ミナジン
MINAGINE就業管理は、現在2万2,000社以上に導入されている勤怠管理システムです。
株式会社ミナジンが人事制度コンサルティングを行っているのもあり、コンプライアンスに強い勤怠管理システムとなっています。厚生労働省ガイドラインに準拠して「客観的な記録」が確保できるため、IPO準備を考えている企業には最適と言えるでしょう。
PCログの取得も可能なため、社員の勤務状況をより正確に把握することができます。
具体的なMINAGINE就業管理とSlackの連携方法は以下の通りです。
- システム管理者権限で、MINGINEへログインします
- 設定タブよりシステム管理を選択し、「Slack連携設定」を選択します
- Slack上のワークスペースから「許可する」を押下し、連携します
- Slackへ「MINAGINE就業アプリ管理」を追加します
- 決まったコマンドを入力することで打刻ができます
詳しい手順はこちらをご確認ください。
Slackとの連携機能が搭載されていない場合は?
このように、Slackと勤怠管理システムを連携させることは非常に簡単かつメリットが多いことがご理解いただけたかと思います。特に、Slackとの連携が最初からパッケージ化されている場合は、非常に簡単に実装できることがわかりました。
では、Slackとの連携機能が最初から搭載されていない場合の手段はあるのでしょうか?
この章では、パッケージ化されていない場合の手法についてご説明します。
データ連携ツールを使用する
API連携などが搭載されていない場合、iPaaSやRPAなど、データ連携ツールを使うことが有効です。それぞれ解説していきます。
iPaaSでの連携
iPaaS(Integration Platform as a Service)とは、クラウドベースのサービスとして提供される、アプリケーション間の統合を容易にするプラットフォームを指します。
オンプレミス、クラウド、SaaSなど、異なる環境にある様々なアプリケーション間で、データを連携したり、ワークフローを自動化したりすることができます。
iPaaSの機能として挙げられるもののうち、いくつかを下記に紹介します。
- データ連携: 異なるアプリケーション間でデータを自動的に同期したり、転送したりすることができます。
- ワークフロー自動化: 複数のアプリケーションを跨いで実行されるタスクを自動化することができます。
- API管理: APIの作成、公開、保護を簡単に行うことができます。
- アプリケーション統合: 異なるアプリケーションを単一のダッシュボードで統合することができます。
上記のように、iPaaSは異なるサービス間での連携を得意としており、様々なクラウドサービスの連携が可能です。
既に自社内でiPaaSツールを使用している場合は、まずはiPaaSを使用してツールを連携させるというのも手段の一つと言えるでしょう。
RPAでの連携
RPA(Robotic Process Automation / ロボティックプロセスオートメーション)とは、コンピューター上のソフトウェアロボットを使って人間の手作業を自動化する技術を指します。日々のルーティンワークや単純作業を効率化し、仕事の生産性を向上させることが可能です。
RPAが得意とする業務は、①繰り返しのタスク、②ルールベースのタスクです。これらに当てはまるものであれば基本的にどんな業務でも自動化できると考えて良いと思われます。
RPAの導入メリットとしては、業務効率化やコスト削減、ヒューマンエラーの減少などが挙げられます。
上記のように、RPAは業務自動化を目的としたツールではありますが、ツールやシステム間を繋ぐワークフローを作成すれば、様々なツール間のデータ連携も自動で行うことが可能です。
弊社が提供するRPAツール「AUTORO」はAPI連携が豊富であり、様々なツール同志を連携させて業務の自動化を実装してきました。また、API連携が豊富な上、システム間を繋ぐワークフローも作りやすいため、iPaaSとして活用してくださっている企業様も多くいらっしゃいます。
勤怠管理システムの連携だけではなく様々な業務を自動化させたい場合や、様々なツールとの連携も検討している場合はRPAの導入も視野に入れても良いかもしれません。
まとめ
Slackと勤怠管理システムの連携について解説してきました。
リモートワークや様々な勤務形態が増えてきた今、企業側での勤怠管理の手法にも数年前と比較して違いが出てきています。
これから勤怠管理システムを導入する方も、すでに活用している方も、よりメリットを得られるSlack連携を検討してみるのはいかがでしょうか。
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