採用市場は年々目まぐるしく変化し、新しいサービスも次々に生まれていく中、採用担当者はどんどん多忙になってきています。この記事では、特に近年注目されている「ダイレクトリクルーティング」に取り組むうえで、業務を効率化させた事例をご紹介します。
待ちの採用から攻めの採用へ
近年の採用市場は新卒・中途・パートアルバイトを問わず激化する一方です。そんな売り手市場においては、求人掲載のみの従来型の採用では十分な応募者が集まらない企業も少なくありません。
そこで注目されているのが「攻めの採用」と呼ばれるダイレクトリクルーティングです。応募者が企業に申し込む従来の採用媒体と異なり、ダイレクトリクルーティングでは企業がめぼしい応募者に対してスカウトを送り応募を促すため、採用数を確実に増やしたい企業が活用する例が増えてきています。
ダイレクトリクルーティングで採用担当者の事務作業が激増
今人気のダイレクトリクルーティングですが、その弱点は業務量。応募者対応はもちろん、応募する前の人材を見つけ出してメッセージを送ったり、スカウトに返事が来たら個別にやり取りをしたりと、関連して多くの業務が発生してしまうのです。
社会人向けビジネスを運営するある企業では、中途採用をダイレクトリクルーティング中心に変えた結果、管理すべき求人や対応すべき応募者が増え業務に追われてしまいました。そうして採用担当者が多忙になると、思うようにスカウト送る時間も作れず、採用数も伸びないという悪循環に陥ってしまったのです。かといって、待ちの採用では応募数は増えませんし、エージェントを活用すると莫大な費用が掛かります。
RPAでスカウトの絶対数を補う
この企業では、圧倒的に足りない「スカウト送信」「いいね送信」の数をRPAで増やすことにしました。
RPAには、どのような条件の人にどのようなポジションでスカウトを送るか設定を行います。スカウトサイト上に条件に合う人が現れたら、RPAが抜けもれなく速やかにスカウトを送信してくれるのです。採用担当者が1人1人丁寧にスカウトを送っても返信率が低い中、スカウトを送ることそのものに担当者の手間を増やしても、採用数はなかなか増えません。まずはRPAでスカウト送信数を大きく増やし、採用担当者はスカウトに返事をくれた人への対応や、RPAのスカウト内容の改善に集中することにしました。
結果、この企業では計画通り応募数を増やすことができ、年間の採用目標の達成に成功しました。エージェントに頼らずダイレクトリクルーティングの比率を大幅に伸ばしたことで、採用単価も低減しRPAの導入費用に十分に見合う成果を出すことができたのです。
工数が掛かりがちなダイレクトリクルーティングも「一部自動化」で成功へ
採用担当者は本来、ロボットで自動化のできない採用企画・改善業務に集中すべき立場。「特定の条件の人物に特定のスカウト分を送信する」という作業だけで採用担当者が疲弊しては元も子もありません。スカウトの送り方・対象・スカウトする求人の内容を人が丁寧に設計し、送信そのものはロボットで自動化する。そんなRPAの活用も試してみてはいかがでしょうか。
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