反社チェックの方法は?必要な理由や緊急時の対処法

反社チェックの具体的な方法に加えて、必要な理由や、反社会的勢力と判明した場合の対処法、便利な反社チェックツールについてまとめてご紹介します。反社チェックを効率的に行いたい方やビジネスにおけるリスク管理に興味のある方は必見です。

反社チェックとは?

反社チェックとは、取引前に相手の企業や組織が反社会的勢力*とのつながりを持っていないかを確認することです。反社会的勢力とは、暴力団や犯罪組織などの社会的に非難される存在を指します。企業のリスク管理やコンプライアンス強化の一環として重要な過程で、反社チェックを行うことにより企業の安全性と信頼性を確保することができます。

反社会的勢力とは?

暴力や威力、または詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団や個人の総称。暴力団、暴力団関係企業、総会屋、社会運動標榜ゴロ、特殊知能暴力集団、半グレ集団など、広範な犯罪組織を含む。反社チェックにおいては、取引相手の外部関係者、親族、親族が経営している会社なども対象になる可能性が高い。

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【2024年最新】反社チェックとは?具体的な方法や対象範囲、緊急時の対処法を徹底解説

反社チェックをしなければいけない理由3つ

反社チェックが必要な理由を3つご紹介します。

違法行為への加担の防止のため

反社チェックは、政府の指針や法律に基づいて必要とされます。日本では、2007年に法務省から出された「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」や各都道府県の暴力団排除条例などが存在します。反社会的勢力との関わりが発覚した場合には、企業は罰則を受ける可能性もあるため、必ずこれらに従わなければいけません。

「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」

法務省から出された、企業に対して反社会的勢力との関与を防止するための方針やガイドライン。暴力団は組織実態を隠ぺいし、不透明化を進めているため、企業は関係遮断の取組みを強化する必要があることを前提とし、反社会的勢力排除の責任、関与の危険性、組織としての対応、外部専門機関との連携、関係遮断、法的対応、裏取引や資金提供の禁止などについて、基本原則を掲げている。

暴力団排除条例

一般市民と暴力団との関わりを規制することを目的とした、地方公共団体が制定する条例。地域によって内容は異なるが、暴力団排除の措置や青少年の保護、事業者への利益供与の禁止などが規定されている。

企業のコンプライアンスと社会的責任のため

反社チェックは、企業のコンプライアンスと社会的責任の一環として位置付けられます。企業は、反社会的勢力との関わりを遮断し、社会の秩序や法律の遵守に対して責任を果たす必要があります。これにより、企業の評判や信頼性を保ち、社会の期待に応えることができます。

反社会的勢力への資金源遮断のため

反社チェックは、企業が反社会的勢力との取引によって暴力団などに資金を提供することを防ぐために必要とされます。反社会的勢力への資金源を遮断することは、社会的な安定と法秩序の維持に寄与します。企業が反社会的勢力との取引を行うことで資金を提供してしまうと、その資金が犯罪行為に利用される可能性があるため、こういった事態を事前に避けることが重要です。

反社チェックをしないとどうなる?

過去の事例では、とある企業Xの社長が反社会的勢力と食事会を行うなど私生活で関係を持っていたことが判明し、その後企業Xが倒産に追い込まれました。他にも、上場廃止や、銀行からの融資の停止につながった事例などもあります。取引関係のみならず、個人間のつながりにおいても注意が必要です。このように、反社チェックをしないと生じる可能性のあるリスクをご紹介します。

法令違反のリスク

反社会的勢力との取引は法律に違反する可能性があります。反社チェックを怠ることで、法律上の規制を守ることができず、たとえ取引相手が反社会的勢力であると知らなくても、罰則や法的トラブルに直面する可能性があります。

社会的信用の喪失のリスク

反社会的勢力との関係は企業のブランドイメージや信頼性に影響を与える可能性があります。取引先や顧客は、企業が反社会的勢力とのつながりを持っている場合、その企業との取引を避ける可能性があります。

経済的なリスク

反社会的勢力との取引は、企業のビジネスに経済的な損失をもたらし、最悪の場合は倒産に追い込まれる可能性があります。例えば、不当な要求や脅迫によって資金を奪われる可能性があります。法務省による指針によれば、「反社会的勢力は、企業で働く従業員を標的として不当要求を行ったり、企業そのものを乗っ取ろうとしたりする」としており、思わぬ被害を被る可能性があるため警戒が必要です。

反社チェックをするタイミング

反社チェックを実施するタイミングは、取引先との契約締結後や金銭の授受を実行した後では遅すぎるため、契約締結前、さらに言えば関係を持つ前に実施するべきです。反社チェックを早めに実施することで、企業や周囲環境に大きな悪影響を及ぼすリスクを回避することができるため、早ければ早いほど良いと言えます。

反社チェックの方法3つ

反社チェックの方法を3つ、メリット・デメリットと合わせてご紹介します。

  1. インターネットで検索する
  2. 反社チェックツールを使う
  3. 調査会社を使う

自社に合う方法はどれか、考えながら見ていきましょう。

1. インターネットで検索する

反社チェックの方法1つ目は、手作業でインターネットを検索する方法です。

インターネット検索による反社チェックの基本的な手順は以下の通りです。

  1. 検索対象・検索条件を設定する
  2. 検索結果の個別チェックと証憑保存
  3. 定期的な再チェック

ここでの検索対象は、社名や代表者名、社内外の取締役名、株主名などが考えられます。また、自力で反社チェックを行う際には、取引の経緯を調べたり、契約書に反社条項を定めたり、現地で所在を確認したりする必要があります。

より具体的な検索での反社チェックの方法や、反社会的勢力を見分け方は、関連記事をご参照ください。

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あなたの取引先は大丈夫?簡単にできる反社チェック診断

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【弁護士監修】反社会的勢力の実名リストはある?確認方法と指定暴力団や反社関連企業の見分け方

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Google検索で反社チェックを行う方法|具体的な手順を解説

メリット

  • 費用がかからない
  • インターネット上の最新のデータベースやウェブサイトから鮮度の高い情報を収集できる

デメリット

  • 誤った情報や古い情報が含まれている可能性があり、情報の信頼性に欠ける
  • 手作業で行うため、情報漏れが起きやすい
  • 自社で調査するため、時間と手間がかかる
  • 会社が成長し取引先が増えるごとに調査しなければならない数が増えていくため、いつか限界が来る

2. 反社チェックツールを使う

反社チェックの方法2つ目は、反社チェックを効率化・自動化するツールを活用する方法です。

インターネットの検索では、情報を調べた上で真偽を判断する必要があり、さらには定期的に同じ作業を続けなければいけないため、かなりの時間と労力がかかります。加えて、手作業では、単純なミスや情報漏れが起きやすく正確性にも欠けます。そこで、これらを全て解決するのが反社チェックツールです。

必要となる作業は、調査など全ての工程が終了した後の、目視による最終確認のみなので非常に効率的です。

メリット

  • 一連の工程を自動化・効率化できる
  • 人為的なミスや情報の漏れを防止できる
  • 取引先が増えても対応できる
  • ロボットが調査してくれるため、結果が出るのが早く、スムーズに取引を開始できる
  • 外部機関に依頼するよりも比較的安価

デメリット

  • ツールの導入や運用にコストがかかる
  • 導入・構築に手間がかかる

おすすめの反社チェックツールと選び方のポイントについては、以下の関連記事で詳しく紹介しています。

関連記事:おすすめの反社チェックツール比較!機能やプランを紹介。 
関連記事:反社チェックを無料で行うには?おすすめツール6選 | Web Auto Robot の 「AUTORO(オートロ)」

【決定版】無料で使える反社チェックツールのおすすめ8選比較!方法や調査内容の違い

3. 調査会社を使う

反社チェックの方法3つ目は、反社チェックのサービスを行っている調査会社に依頼する方法です。調査の詳細さと専門性に特化しています。

メリット

  • 専門知識と経験が蓄積しているため、調査結果の精度が高い
  • 自社での時間や手間がかからない

デメリット

  • 一定の費用がかかる
  • 調査の進行や結果の報告までに時間がかかる

反社チェックに最適な方法とは?

反社チェックの方法は、反社チェックツールの利用がおすすめです。

手作業で情報を収集・照合する必要がないため、作業効率が向上するのみならず、人為的なミスが発生しづらいため、調査の精度向上にもつながります。さらに、業界や業種に関連するデータを網羅している点や、自社の部署や目的に合わせてカスタマイズ可能な点で、企業に最適な方法を検討することができます。

もし反社会的勢力と取引してしまったら?

反社会的勢力と取引してしまった場合には、意図的ではなくても法的に処罰の対象となったり、社会的な信用の低下につながったりする可能性があります。そのため、取引相手が反社会的勢力であると判明した際は、担当者や担当部署だけで対応せず組織全体で共有し、その後すぐに警察・弁護士・暴力追放運動推進センターへの相談を経て、適切な対応を行う必要があります。

特に、契約締結後に判明した場合は、事実確認や正当な理由を基に契約を解消しなければなりません。必ず弁護士等の協力を得て対応しましょう。

参考:企業法務弁護ナビ暴力追放運動推進センター 

まとめ

反社チェックは、企業が取引相手が反社会的勢力と関わりがないか確認する重要な作業です。反社会的勢力との取引は法的な処罰の対象となり、社会的な信用の低下を招く可能性があるため、適切な方法を用いて反社チェックを行わなければなりません。また、もし取引先等の反社会的勢力との関わりが疑われる場合には、警察や弁護士、暴力追放運動推進センターに迅速に相談し、対応しましょう。

反社チェックの自動化なら「AUTORO」

反社チェックは企業のコンプライアンスにおいて非常に重要ではありますが、膨大な時間と労力がかかります。専任の従業員の追加や、外部業者への委託などにコストをかける前に、まずはツールでの自動化を検討してみてください。

資料から反社の自動化ができるRPAツール「AUTORO」の詳細をご確認いただけます。

この記事を書いた人

Ayuka Fujii
Ayuka Fujii

2023年3月〜オートロに従事し、現在は主にAI系の記事制作と公式X(@autoro_io)の運用を担当。初心者目線で親しみやすい記事作りを心がけています。趣味は日本全国のグルメマップを作ることで、行ってみたいお店の数が全国3000を突破しました。新潟生まれ新潟育ち。