一部ではChatGPT超えともいわれる性能の高さが話題の「Claude(クロード)」は、日本での解禁を経て公開された、話題沸騰中の最新AIツールです。
そこで今回は、OpenAIの元エンジニアが独立して創業したAnthropic開発の「Claude」の概要、始め方、基本的な使い方や機能、利用料金などを詳しく解説します。
また、話題の対話型AI「ChatGPT」と比較し、機能やAPI価格の違いもご紹介します。
気になる方は、最後まで読んでぜひご自分の手で試してみてください。
◎2023年11月24日、Claude2.1の最新情報、API価格改定について追記しました。
◎2024年5月2日、Claude 3の最新情報、Claude Team、Claude iOSアプリ版について追記しました。
- Claudeは何がすごいのか
- Claudeの始め方・使い方
- ClaudeとChatGPTの概要やAPI価格等の違い
目次
- Claude(クロード)とは
- Claudeの特徴
- Claudeのモデルアップデートの歴史(Claude 2、2.1、3)
- Claude 3(Haiku、Sonnet、Opus)とは
- Claude 3の3つのモデル(Haiku、Sonnet、Opus)の比較と選び方
- Claudeの始め方(PC/スマホアプリ)【2024/5/2追記】
- Claudeの使い方
- Claudeの基本機能
- Claudeの活用例
- Claudeの有料プラン(Pro/Team)の料金と登録方法【2024/5/2追記】
- ClaudeとChatGPTの比較
- Claude 3(Haiku、Sonnet、Opus)とChatGPTのAPI価格表
- Claudeを利用する際の注意点
- Claudeのその他の使い方3パターン(Poe、Slack、Perplexity)
- Claudeの最新モデル、Claude 3を今すぐ試そう
- Claudeのよくある質問
- 生成AIについての詳しい資料はこちら
Claude(クロード)とは
出典:Introducing Claude \ Anthropic
Claude(Claude)とは、AIスタートアップ企業Anthropic(アンスロピック)が開発し、2023年3月に初めて公開された、チャット型AIツールです。「フレンドリーで熱心な同僚(またはパーソナルアシスタント)」と位置付けられており、より人間に近い、自然な会話能力が評価されています。またClaudeは完全無料のブラウザツールです。
以前まで利用可能地域が米国・英国のみに限定されていましたが、2023年に日本でも公開され、誰でも利用できるようになりました。
Claudeを開発したAnthropic(アンスロピック)とは
Claudeの開発元であるAnthropic(アンスロピック)は、ChatGPTやDALL-E2(画像生成AI)などを開発したOpenAIの元社員が設立し、Googleから出資を受けています。さらに、2023年9月末にはAmazonから40億ドルの投資を受けると発表され話題になりました。
AnthropicはAIの安全性と倫理性を重視する研究指向の企業で、技術進化のパラダイムを深く理解し、AIの安全な活用を通じて社会に貢献することを目指しています。開発されたモデルは、AIの誤解(ハルシネーション)や誤用を防ぐことが重視され、最大限の利益をもたらすように研究されています。
これにより、Claudeを含むAIモデルが不適切に利用されるリスクを最小化し、より安全で倫理的なAIの普及を実現しています。会社としてのこれらの努力は、AI技術が人間と共存する未来を築くための重要なステップとも言えます。
Claudeの名称の由来
「Anthropic」という社名や「Claude」という名称の由来は明らかにされていません。
「Anthropic」は直訳すると「人類の」「人間に関する」という意味です。これに関連して、「Anthropicprinciples(人間原理)」という概念から意味を引いている可能性も考えられます。人間原理とは、物理学や宇宙学の分野における、宇宙の存在(構造)理由は「人間が存在するためである」という考え方のことです。
一方で「Claude」は、フランスの画家として有名なClaude・モネや、同じくフランスの作曲家Claude・ドビュッシーなどにみられるように、人名として使われることが多くあります。そのため、AIに人間のような親しみやすさを持たせる意図を込め「Claude」と名付けられたのではないかと予測できます。
さらに、「Anthropic」はギリシャ語由来で「男性(の人間)」を意味する「anthrōpos」という単語から来ており、「Claude」も男性の名前に由来しています。ここにも何かしら関連性が見受けられそうですが、真相は謎に包まれています。
Claudeの特徴
Claudeは自然言語処理(NLP)に秀でていて、人間に匹敵する文章生成能力を持っています。ここからは、Claudeの特徴を見ていきましょう。
人間に近い自然な文章
Claudeは最先端の自然言語処理技術を駆使し、特に文章生成の分野で顕著な能力を発揮しています。人間が書いたと見間違えるほど自然で、流暢なテキストを生成可能であり、さまざまなジャンルに対応しています。
さらに、Claudeはその応用範囲の広さも大きな特徴です。クリエイティブなライティングからビジネスレポート作成に至るまで、Claudeは多岐にわたるニーズに応える万能ツールとして注目されています。
一度に大量の文章を読み込める
Claudeの処理能力の特筆すべき点は、一度に大量の文章を読み込み、迅速に分析する能力です。ユーザーが大量の文章や資料、それに関する質問や指示などを含む、複雑な情報を投げかけた際、Claudeは高度な分析を行い、エラー率を極端に低減します。
技術者や研究者がClaudeを利用する際には、その精確なデータ処理能力が研究開発や製品改良において重要な役割を果たします。
このように、Claudeの高い処理能力は、技術的な深掘りを必要とする専門家にとって、研究や実務の質をさらに向上させるための重要なキーツールです。
Claudeは文字数の多い資料を「複数同時に」読み込める
Claudeは一度に大量の文章を読み込めますが、これにより以下のような実践が期待されます。
- 財務諸表や研究論文の要約
- 年次報告書に基づいた、企業の戦略的分析
- 法案の評価
- 法的文書全体における議論点の特定
- 数百ページの開発者向けドキュメントの中から、技術的な質問に対する答えの発見
- コードベース全体のプロトタイプ(試作)の迅速な作成・構築・変更
例えば、専門的な文書や、書籍一冊を噛み砕くのには膨大な時間と手間を要します。しかしClaudeは、複数の論文を同時に読んだり、書籍一冊を一瞬で要約したりすることができます。
また、チャットでわからないことを質問するだけで、資料の中で知りたい情報や詳細な説明だけを、瞬時に得られるようになります。
低コストでGPT-4と並ぶパフォーマンスを発揮
Claudeは、価格面で利用しやすい一方で、GPT-4など他の高性能モデルと同等の機能性を提供しています。ClaudeのAPI価格等についてはこのあと詳しくご紹介します。
コード生成能力が高い
ClaudeのAPIはプログラミングの生成に特化しており、開発者が複雑な課題を効率的に解決できます。開発者は少ない労力で高品質なコードを生成できます。これによりソフトウェア開発のスピードと品質が向上し、開発プロセスの簡略化が期待できます。
API連携が可能
Claudeは柔軟なAPI連携機能を備えており、多様なシステムやアプリケーションに簡単に統合できます。開発者が定義した機能やAPIを横断的に組み合わせ、Webソースを検索し、プライベートな知識ベースから情報を取得できるようになります。
Claudeは自動で必要なツールを決定し、タスクを実行できます。例えば、公式サイトでは以下のような例が挙げられています。
Introducing Claude 2.1 \ Anthropic
- 電卓を使って難しい数値計算を行う
- 自然な言葉での質問を、コンピュータが理解しやすい形式のAPI呼び出しに変換する
- データベースを調べたり、Web検索APIを使用して質問に答える
- プライベートAPIを通じてソフトウェアで簡単なアクションを実行する
- 製品データセットにアクセスして推奨事項を生成し、ユーザーが購入を完了できるようにサポートする
Claudeのモデルアップデートの歴史(Claude 2、2.1、3)
ClaudeはAI言語モデルの分野で注目を集めています。その始まりから現在まで、多くのバージョンアップが行われ、各アップデートでモデルの精度と安全性が大きく向上しています。初期バージョンでは基本的な自然言語処理が可能でしたが、時間が経つにつれて一度に処理できる文字数が増加したり、複雑な文脈やニュアンスを理解する能力を持ったりするようになりました。
ここからは、これまでのClaudeのアップデートの歴史について以下の順番でご紹介します。
- Claude 2
- Claude 2.1
- Claude 3
現時点での最新モデルClaude 3の詳細は、この後ご紹介します。まずはClaudeの進化の過程を見ていきましょう。
Claude 2では安全性とコーディングスキルが向上
Claude 2は、2023年7月11日に公開されたAnthropicの新たなAIモデルで、従来のClaude(無印)に比べ、記憶力や、数学、推論、コーディングスキルが大幅に向上しました。さらに、それまでと比べて攻撃的または危険な出力をしにくくなり、安全性が約2倍に向上したという結果も出ています。これによりClaudeは業界内でも「安全性が高いAIモデル」としての立ち位置を築くようになりました。
Claudeが試験スコアとコーディングスキルの改善によりChatGPT超えを達成
従来のClaudeと比較し、Claude 2では試験のスコアやコーディングスキルが大幅に向上しました。
司法試験の選択問題では、73.0%から76.5%にスコアを伸ばし、GREテスト(大学院入学を希望する学生が受ける試験)の読み書き試験では90パーセンタイル(合格ライン)を超え、上位10%の成績を収めました。
さらに、PythonコーディングテストであるCodexHumanEvalでは、56.0%から71.2%に、小学生向けの算数問題テストGSM8kでは、85.2%から88.0%にスコアを伸ばすなど、確実な機能の進化が数字に現れています。
同じくコーディングの分野で優秀な成績を収め話題になった、ChatGPTの最新モデルGPT-4のPythonコーディングテストのスコアは67%でした。Claude 2はこの時点でGPT-4を上回る結果を収めていたということです。
Claude 2.1ではClaude 2の倍の性能を実現
2023年11月21日、Claude 2に新たなアップデートが追加され、Claude 2.1の提供が開始されました。アップデート内容は、主に、
- 送信できる情報量が10万トークンから20万トークンに倍増した
- API経由で利用できるようになった
- 幻覚(ハルシネーション)が半減した
の3点です。
送信できる情報量が10万トークンから20万トークンに倍増した
Claudeは2023年5月には、10万トークン※(約7万5,000単語相当)に対応し、人が約5時間かけて読み解く文書を、わずか1分で読み分析できるようになりました。
その後のアップデートされたClaude 2.1モデルでは、これを20万トークンにまで拡大。英語では約15万単語、または500ページ以上の資料に相当します。ちなみに、ChatGPTの最新モデルの最大トークンは32,000トークン程度なので、Claudeではその6倍以上のトークンに対応できるということになります。
最大のトークンが拡大されることにより、コードベース全体などの技術文書や、長編文学作品まで一括で処理できるようになります。Claude 2と同様に、資料の要約や、資料の内容に則したQ&Aの実行、傾向の予測、複数のドキュメントの比較対照なども可能です。
ただし、複雑かつ大量のデータを処理するために、処理時間の遅延、具体的には数分を要する場合があるということも考慮しておく必要があるでしょう。
また、20万トークンへの対応は有料プランClaude Proユーザーに限定されています。Proプランの詳細はこのあとご紹介します。
※トークン:AIに対して入力するテキストの最小単位のこと。文字数や単語数とは異なる特殊な単位で、AIが人間の言葉を処理しやすくするために使われます。詳しくは下記記事をご参照ください。
API経由で利用できるようになった
Claude 2.1へのアップデートで、ClaudeがAPI経由で利用可能になりました。ちなみに、Claude 2.1の登場以前は、ClaudeのAPI提供は一部企業にのみ限定されており、価格も異なっていました。Claude 2.1への更新によって、一般提供が開始され、さらにAPI価格が一部見直された(安くなった)ことは注目すべき点といえるでしょう。
システムプロンプトが追加された
さらに、システムプロンプトが導入されました。これは、ユーザーがカスタマイズされた指示を行うことによって、Claudeに特定の個性や役割を持たせ、ユーザーのニーズに合わせた一貫性のある回答を生成するために役立つコンテキストを設定できるという機能です。
幻覚(ハルシネーション)が2分の1になった
Claude 2.1は前モデルのClaude 2に比べて、AIが存在しないことをさも存在するかのように答えてしまう、など「幻覚」(虚偽の回答)が2倍減少しました。
この事実が確認された実験では、不正確な主張(「ボリビアで5番目に人口の多い都市はモンテロです」)と不確実性を認める発言(「ボリビアで5番目に人口の多い都市が何かはよく分かりません」)を区別するための基準を使用することで、Claude 2.1は嘘の情報を回答するよりもむしろ、回答ができないことを降参する傾向があると明らかになりました。
さらに、Claude 2.1では、特に法的文書、財務報告書、技術仕様などの複雑な長文に対する理解力と要約能力の向上も見られました。最終的には、不正確な回答が30%減少し、文書の主張を誤って結論づける割合が3〜4倍減少しました。
このようなClaudeの性能向上は、生成AI全般における「幻覚(ハルシネーション)」に対する懸念に対する、大きな進歩と言えるのではないでしょうか。
Claude 3ではプロンプトの拒否とバイアスが減少【2024/5/2追記】
Claudeの以前のモデルは、理解できないプロンプトに対して拒否反応を示していましたが、Claude 3は明確に有害ではないものの、倫理的に問題があったり、誤解を招いたり、悪用されたりする可能性のあるプロンプトであっても拒否する可能性がはるかに低くなっています。これは、文脈理解の向上と、無害な要求と有害な要求を区別する能力の向上を示しています。
さらに、Claude 3は以前のモデルよりもバイアスが少なくなっています。Anthropic社は、さらなるバイアス軽減のための技術開発に引き続き取り組んでいます。
また、Anthropic社は、Claudeが進歩しているにもかかわらず、依然としてAI安全レベル2(
ASL-2)に留まっていることを懸念しています。破滅的な結果のリスクは無視できるほど小さいことが示されていますが、Anthropic社は今後も安全性を確保するためにモデルの監視を継続すると述べています。
Claude 3(Haiku、Sonnet、Opus)とは
Claude 3はClaudeの最新モデルです。テキスト生成、コード補完、データ抽出、画像分析などのタスクに優れ、 精度が高く、複雑な要求にも対応できることから、Amazon Web ServicesのBedrockなど、さまざまなクラウドプラットフォームに導入されつつあります。
そして特に注目すべきなのは、Claude 3は特定のニーズに合わせて調整された3つのモデルバリエーションが提供されている点です。ここからは、Claude 3の以下の3つのモデルについてご紹介します。
- Claude 3 Haiku
- Claude 3 Sonnet
- Claude 3 Opus
それぞれの特徴や得意分野を確認していきましょう。
Claude 3 Haiku
Claude 3 Haikuはスピードと効率性に優れています。このため、リアルタイムでの迅速な応答が求められるタスクに最適です。具体的には、リアルタイムで対応するチャットボット、オートコンプリート機能、高速レスポンスが不可欠なアプリケーションなど、リアルタイム性を重視するあらゆる場面で活躍します。
ただし、複雑なタスクにおいては、絶対的な精度よりもスピードを優先する場合があります。
Claude 3 Sonnet
Claude 3 Sonnetは一言で言うならバランス型のモデルです。スピードとパフォーマンスの両方のバランスに優れ、幅広いタスクを効果的に処理します。テキスト生成、データ抽出、コード補完など、汎用性の高いモデルを求めるあらゆる場面で活躍します。
ただし、特定のタスクに特化しているわけではないため、リアルタイム処理の高速さ (Haiku)や、高度な複雑なタスクにおける処理能力(Opus)には劣る可能性があります。
またClaude 3 Sonnetは現在、Claudeの無料版で利用できます。さらに、Amazon Bedrockを通じて、またGoogle CloudのVertex AI Model Gardenでプライベートプレビューでも利用可能であり、OpusとHaikuは両方に間もなく提供されます。
Claude 3 Opus
Claude 3 Opusは最も高性能なモデルです。複雑なタスクを卓越した精度と理解力で処理します。高度なデータ分析や、非常にクリエイティブでニュアンスのあるテキスト形式の生成など、極めて高いパフォーマンスが求められるタスクに最適です。
ただし、複雑なタスクの深層処理に焦点を合わせているため、処理には少々時間がかかる傾向にあります。そのため用途として、リアルタイムアプリケーションには適していない場合があります。
Opusは現在一般公開されているAPIで使用できるため、開発者はサインアップしてこれらのモデルをすぐに使い始めることができます。またClaudeの有料プラン(Claude Pro)加入者はOpusを利用できます。
Claude 3の3つのモデル(Haiku、Sonnet、Opus)の比較と選び方
最適なClaude 3モデルはニーズによって異なります。
基本的には、リアルタイムタスクにスピードが必要な場合はHaiku、一般的なタスクでスピードとパフォーマンスのバランスが必要な場合はSonnet、複雑なタスクで絶対最高のパフォーマンスが必要な場合はOpusを選択しましょう。ただしこれらはあくまで一般的なガイドラインですので、実際に決定を下す際には、タスクの複雑さ、予算の制約、所望のレスポンス時間などの要素を考慮してください。
以下はHaiku、Sonnet、Opusの3つのモデルの特徴をまとめた比較表です。
Haiku | Sonnet | Opus | |
利用方法 | Claude Pro(有料プラン)、 Amazon Bedrock、 Google Cloud Vertex AI | Claude(無料) | Claude Pro(有料プラン) |
特徴 | スピードと効率性 | バランス | 高性能 |
強み | リアルタイムタスクへの 迅速な応答 | 幅広いタスクを効果的に処理 | 複雑なタスクを卓越した 精度と理解力で処理 |
最適な用途 | ライブチャットボット、 オートコンプリート機能、 高速レスポンスが重要なアプリケーション | テキスト生成、 データ抽出、コード補完など、 さまざまなアプリケーション | 複雑なデータ分析、 非常にクリエイティブなテキスト生成など、 極めて高いパフォーマンスが求められるタスク |
トレードオフ | 複雑なタスクにおいては、 絶対的な精度よりもスピードを 優先する場合がある | 特定のタスクに特化しているわけではないため、 リアルタイム処理の高速さ (Haiku) や、 高度な複雑なジョブにおける処理能力 (Opus) には劣る可能性がある | 複雑なタスクの深層処理に焦点を合わせているため、 リアルタイムアプリケーションには適していない場合がある |
活用例 | ライブチャットボット、 音声アシスタント、 自動翻訳 | 文章生成、要約、データ分析 | 機械翻訳、 詩作、音楽作曲(スタイルの指定、歌詞執筆) |
Claudeの始め方(PC/スマホアプリ)【2024/5/2追記】
Claudeの利用方法にはWebとAPIの二つの手段があります。Webはユーザーフレンドリーで、初心者にも使いやすい特徴があります。一方、APIを用いたアクセスは高いカスタマイズ性を持ち、独自のニーズに応じたアプリケーション開発が可能です。今回はWebとスマホアプリでの使い方をご紹介します。
ClaudeのiOSスマホアプリ版が登場【2024/5/2追記】
Claudeはこれまで、Webブラウザ上でのみ利用可能でしたが、2024年5月1日にiOS版でのみスマホアプリの提供が開始されました。
iOS版Claudeは、複数のデバイス間でデータを連携させ、中断したところから会話を再開できます。さらに、ライブラリの写真を使用したり、新しい写真を撮ったり、ファイルをアップロードしたりすることで、外出先でもリアルタイムの画像分析、コンテキストの理解、モバイル中心のユースケースを実現できます。
Claudeの始め方の手順(PC/スマホアプリ)
Claudeを始めるには会員登録が必須となるため、下記手順に従い、登録を行いましょう。なお、基本的な使い方はPC版もスマホアプリ版も同様です。
まずは Claude にアクセスします。
スマホアプリ版(iOSのみ)の場合は、App StoreからClaudeアプリをダウンロードします。
登録方法は、①Googleアカウントとの連携 ②メールアドレスです。今回は簡単に登録できるGoogle連携を使用しています。
名前(本名)とニックネームを設定します。Claudeはこのニックネームで読んでくれるようです。
その下のチェックボックス、「18歳以上であること」「利用規約とプライバシーポリシーに同意すること」にチェックを入れ、「Continue」から続けます。
次に、電話番号を入力し、SMS認証を行います。
認証が済んだら、登録は完了です。
Claudeを始める前に確認すること
先ほどの登録完了画面から続けて、Claudeの利用上の注意などが英語で促されます。今回貼り付けている画像はページ翻訳済みですので、ここで内容を確認していきましょう。
利用前にClaudeの利用上の注意が表示されます。
内容は、AIが誤解を招くような回答をしたり、攻撃的になったり、バイアスを帯びたりする可能性があるということと、法律や医療やその他専門分野についてのアドバイスはできないこと(AIの回答を得るのではなく、自分で調べる必要があるということ)が記されています。
このようなことはClaude以外のツールでも課題となっていることなので、そのまま「次」を押して進みます。
注意の呼びかけが続くので、この辺りはよく確認しておきましょう。
このページが最後です。
それでは実際に使ってみましょう。
Claudeの使い方
続いては、Claudeの基本的な使い方について説明していきます。
中央の入力フォームから、質問などのプロンプトを入力し送信します。
下に3つ表示されているのはプロンプトの例で、ワンクリックで送信可能です。
試しに何ができるのか聞いてみました。
非常に自然な、かつ丁寧な日本語を使っているように感じるのではないでしょうか。また回答速度は速く、詰まらずサクサクと進みます。
Claudeの基本機能
続いて基本的な機能をご紹介します。
操作画面全体が、洗練されていて、機能もシンプルに取り揃えられている印象です。それぞれについて少し確認していきましょう。
①メニューに戻る/新しく会話を始める
新しく会話を始めたい時は、ClaudeのアイコンからClaudeのホーム画面に戻れます。それまでしていた会話は全て保存されており、後からでも見返せるので心配ありません。右側の「+」からは直接新たなチャットを開始できます。
②チャットの名称変更
チャットの名称を変更できます。初めは自動で設定されるので、わかりやすいように書き換えると会話を把握しやすくなります。
③回答全体のコピー・リトライ
回答全体のコピー・リトライが可能です。回答が気に入らなかった場合は「Retry」を押して生成をやり直してみましょう。ただし、リトライした場合、先に得られた回答は消えてしまいます。ChatGPTのように、やり直す前の回答と比較するなどはできないので注意が必要です。またClaudeでは一度送信したプロンプトを、後から修正することもできません。
④質問に資料や画像を添付
質問に資料や画像を添付できます。例えば画像+テキスト(例:「この画像について説明して」)や、PDF資料+テキスト(例:「この資料を要約して」)などと送ることで、Claudeがその指示に従います。先にご紹介した通り、Claudeはかなり大量のデータでも一度に処理できるので、論文などの長い文章の要約や分析をしてもらえます。
Claudeの活用例
Claudeは、Claudeはただのツールではなく、個人や組織における重要な戦略パートナーとなり得ます。技術の進化に伴い、その活用方法も日々進化しており、今後さらに多くの分野での展開が期待されます。
ここからは以下の活用方法を見ていきましょう。
- 自然な会話
- 長文の要約
- Pythonコードの自動生成
- Slack連携によるワークフロー構築
- 文章作成
- 翻訳
- コーディング
- その他
それぞれご紹介します。
自然な会話
Claudeは文脈を理解した自然な会話を実現し、まるで人間と対話しているかのような感覚を提供します。
その能力は多岐にわたり、雑談や世間話から、質問への回答、情報収集、アイデア出し、さらにはエンターテイメントまで、幅広い用途で活躍します。
Claudeの強みは、膨大なテキストデータに基づく豊富な知識、会話の前後関係を理解する文脈理解能力、ユーモアセンス、そして詩や物語などの創作を可能にする創造性に現れています。
これにより、Claudeは顧客対応での丁寧かつ迅速な対応、顧客エンゲージメントを高めるチャットボット、スケジュール管理やタスク管理をサポートするバーチャルアシスタント、生徒一人ひとりに合わせた学習体験を提供する教育教材、そしてゲームやクイズなどのエンターテイメントコンテンツなどで活用できます。
長文の要約
Claudeは優れた長文要約機能を備えています。ニュース記事、ブログ記事、論文、書籍、音声データなど、様々な種類の長文データを簡潔かつ正確に要約し、効率的な情報収集と理解をサポートします。
Claudeの長文要約機能の特徴は、多様な長文データへの対応、簡潔かつ正確な要約の生成、文脈理解に基づいた要約、そしてユーザーのニーズに合わせたカスタマイズ可能な要約にあります。
またさらなる活用方法として、資料の要約に加え、資料に関する追加質問にも対応可能です。
添付した資料の本文について、「具体例を含めて教えて」と複雑な質問にも適切に回答します。
さらに、添付した資料から、回答の元となっている引用文の抜き出しをお願いしてみました。
元の資料を確認したところ、実在する文章でした。Claudeが嘘の内容を回答する可能性が低いというのも納得のいく結果と言えるのではないでしょうか。
Claudeを活用した要約は例えば、ニュース記事の要約による最新情報の効率的な収集、ブログ記事の要約による重要なポイントの把握、論文の要約による研究内容の理解、書籍の要約による内容の把握、音声データの要約による内容の理解などが可能になります。
ビジネスマンにはニュース記事や市場調査資料の要約、学生には論文や書籍の要約、研究者による研究論文の要約、ライターには長文記事の要約などに効果的だといえるでしょう。
Slack連携によるワークフロー構築
Claudeは、Slackと連携することで、タスク管理、情報共有、意思決定、チームコラボレーション、業務効率化など、様々なワークフロー構築を可能にします。
ClaudeとSlack連携によって、例えば、営業チームでの顧客とのやり取りの記録やタスク管理、マーケティングチームでのキャンペーンのアイデア募集や進捗管理、開発チームでのコードレビューやタスク管理、人事チームでの採用プロセス管理や候補者とのコミュニケーションの円滑化、顧客サポートチームでの顧客からの問い合わせ対応やタスク管理などが可能になります。
ClaudeとSlack連携は、チームワークを強化し、業務効率を飛躍的に向上させる強力なツールと言えます。SlackでClaudeを使う方法は記事の後半でご紹介しています。
文章作成
Claudeの文章生成の特徴は、多様な文章形式への対応、創造性、そしてユーザーのニーズに合わせたカスタマイズにあります。
ブログ記事の作成、広告文の作成、商品説明の作成、レビューの作成、フィクション作品の作成、手紙の作成、メールの作成など、Claudeの文章作成の活用例は多岐にわたります。
ライターによるブログ記事や広告文の作成、マーケターによるターゲット顧客に訴求する広告文や商品説明の作成、ビジネスパーソンによる報告書や提案書の作成、学生によるレポートや論文の作成、個人による手紙やメールの作成など、さまざまな場面で活用できます。
翻訳
Claudeは、日本語と英語をはじめ、世界中の言語の文脈を考慮した高精度な翻訳が可能です。Claude翻訳の特徴は、文脈を考慮した翻訳、専門用語への対応にあります。
海外とのビジネスにおける契約書やプレゼンテーション資料の翻訳、海外旅行中の現地語と日本語の翻訳、海外のニュース記事や論文の翻訳、そして外国語学習の補助ツールとしてなど、Claudeによる翻訳は広範囲に活用できるでしょう。
Pythonコードを自動生成
Claudeは、ユーザーが与えた指示に基づいてコードを自動生成でき、Pythonコードにも対応しています。
Pythonやその他のプログラミング言語でコード生成、テストコード作成、ドキュメント作成、コードデバッグなどを支援する機能を搭載しています。Claudeは、あくまでも開発を支援するツールとしての役割を担い、開発者の負担を軽減し、様々な用途で活用できます。
Claudeでコーディングを行うには、Claudeにアクセスし、コーディングしたい内容を指示、必要に応じてコードの詳細を指示、コード生成を実行、そして生成されたコードを確認・編集するだけです。
これによりClaudeは、Web開発、データ分析、機械学習、プロトタイピング、そしてプログラミング学習などで活用できます。例えば、Claudeを使ってWebアプリケーションやAPIの試作を迅速化し、アイデアを素早く形にするなどの場面でも活躍するでしょう。
その他
Claudeは以上の例以外にも、スケジュール管理、タスク管理、リマインダー設定、情報検索、データ分析、プレゼンテーション資料の作成、Q&Aなど、様々な用途で活用できます。
ビジネスにおけるスケジュール管理やタスク管理、学生の課題の進捗管理やレポート作成、個人でのスケジュール管理や情報検索などが可能です。
Claudeの有料プラン(Pro/Team)の料金と登録方法【2024/5/2追記】
Claude Proとは
Claude Proは、2023年9月10日にリリースされたClaudeの有料プランです。利用料金は月額20ドルで、ChatGPT Plus(有料版)と同じ価格設定です。
Claude Proでは以下の機能が追加されます。
- 無料版(Claude 2)の5倍量のメッセージ送信
- 混雑時の優先アクセス
- 新機能への早期アクセス
Claude(無料版)で既に10万トークンに対応しているため、Proでは相当量のメッセージに対応可能になっていることがわかります。
ただし、Claude Proには使用制限があります。送信可能なメッセージの数は、メッセージの長さや添付ファイルの長さ、また現在の会話の進行状況によって変動します。残りのメッセージがあと10件に達する直前に警告が表示され、制限は8時間ごとにリセットされます。
Claude Proの使い方のポイント3つ
Claude Proの効果的な使い方について、公式サイトでは以下のような3つが説明されています。
新しいトピックについて話し始める時は、左上隅にある「AI」アイコンから新しい会話を開始する
Claudeはメッセージを送信するたびに、過去の会話全体を読み直して処理します。そのため、話題を変える際は、新しい会話を開始すると、会話を継続するためにClaudeが行う必要のある、「読み直し」をする必要がなくなり、短い会話により速く応答できるようになります。
長い文章(文書)について質問する場合は、一度に複数の質問をする
新しいメッセージを送信するたびに会話を読み直す必要があります。Claudeはメッセージの送信量に制限があるため、個別のメッセージで何度も質問するよりも、複数の質問が含まれる1つのメッセージを送信する方が、より長くメッセージを続けられます。
ファイルを再アップロードしない
Claudeは会話のコンテキスト全体を認識できるため、同じ会話内で同じファイルを複数回アップロードする必要はありません。ただし、新しい会話を開始する場合にはその都度アップする必要があります。
Claude Teamプランとは【2024/5/2追記】
ClaudeのTeamプランは、組織のニーズに合わせて設計された新しいプランです。チーム独自のワークフローを構築でき、セキュリティとデータプライバシーを重視しているため、機密情報も保護されます。
Teamプランでは、個人の有料プラン(Proプラン)よりもユーザーあたりの使用量が増え、Claude 3モデルファミリー全体を利用できます。さらに20万トークンのコンテキストウィンドウにより、長いドキュメントの処理や、複雑な議論も可能になります。またTeamプランにはProプランの機能も含まれ、優先アクセスや新機能の早期利用も可能です。
特徴的な機能として、管理ツールも充実しており、オンボーディングや管理が容易です。
今後、信頼できる情報源からの引用、コードベースやCRMなどのデータリポジトリとの統合など、コラボレーション機能も追加予定です。
なお、Teamプランの料金は、ユーザー1人あたり月額30ドルで、最低5席から利用できます。
参考:Introducing the Claude Team plan and iOS app \ Anthropic
Claudeの有料プラン(Pro・Team)を始める手順
Claudeを開き、右上のユーザーアイコンを開いて「Upgrade Plan」を選択します。
こちらから申し込みフォームに直接アクセスすることも可能です。
(上記画像はページ翻訳後)
個人のプロプランまたは組織でのチームプランの選択です。
Claude Proの場合
「アカウントのアップグレード」を選択します。
(上記画像はページ翻訳後)
支払い方法はクレジットカードのみ。必要事項を入力し、認証等を済ませて登録完了です。
Claude Teamの場合
Claude Teamの登録にはドメインが必要ですが、登録方法は現在調査中です。
ClaudeとChatGPTの比較
Anthropic AIが開発したClaudeと、OpenAIが開発したChatGPTは、どちらも最先端の大規模言語モデルであり、様々な機能を提供しています。ここからはClaudeとChatGPTの比較を行い、それぞれの特徴を見ていきましょう。
以下はClaude 3と、ChatGPTの最新モデルGPT-4の比較表です。
Claude 3 | GPT Plus(GPT-4) | |
開発元 | Anthropic(アンスロピック) | Open AI |
最大トークン数 | 20万トークン | 32,000トークン |
最大単語数 | 約15万単語 | 約24,000単語 |
言語 | 英語、スペイン語、フランス語など | 80か国語以上 |
利用料金 | 無料(Proは$20/月) | $20/月 |
100万トークンあたりのAPI価格(出力) | $24 | $120 |
最新情報 | 2023年8月までのデータ | 2023年11月頃までのデータ |
インターネット接続 | × | ○ |
画像入力 | ○ | ○ |
画像生成 | × | ○ |
ドキュメントの複数アップロード | ○ | × |
Slack連携 | ○ | × |
メッセージ送信総量の制限※ | あり | あり |
※メッセージ1つ当たりの文字数等の送信制限ではなく、一定期間内で送信できるメッセージの総量(回数)を指します。
ここからは以下の項目に従い、ClaudeとChatGPTを比較していきます。
- 料金プラン
- 一度に読み込める文字数(文書の読み取り)
- 処理速度
- 画像入力
- 画像生成
- URLの読み込み(インターネット接続)
- メッセージの送信制限
それぞれ解説していきます。
料金プラン
Claude | ChatGPT | |||||
無料版 | Pro | Team | 無料版(GPT-3.5) | Plus(GPT-4) | Team | Enterprise |
無料 | $20/月 | $30/月 | 無料 | $20/月 | $25/月 | 要問い合わせ |
Claudeは基本無料で利用できますが、機能が拡張されるClaude Proプラン、組織向けのClaude Teamプランも提供されています。
一方、ChatGPTも基本的には無料で利用でき、さらに有料版のChatGPT Plus、組織向けのChatGPT Team、さらに、企業向けに強力なセキュリティを備えたChatGPT Enterpriseを提供しています。
それぞれの高性能モデルが開放される有料プラン、Claude Pro・ChatGPT Plusはどちらも月額20ドルですが、TeamプランではClaudeが月額30ドル、ChatGPTが月額25ドルと若干違いがあります。
ChatGPT Enterprise(企業向けのプラン)について詳しくはこちらの記事をご参照ください。
一度に読み込める文字数(文書の読み取り)
モデル | 最大トークン(英単語数) | |
Claude | 10万〜20万トークン(約7.5万15万単語) | |
ChatGPT | GPT-3.5(無料) | 1.6万トークン (約1万単語) |
GPT-4(有料) | 3.2万トークン(約2.4万単語) |
一度に読み込める(入出力できる)文字数に関しては、Claudeが圧倒的に上回っているといえます。Claudeは一度に10万〜20万トークン(英語で約7万5,000〜15万単語)に対応できます。これに対しChatGPTは、有料版であっても最大3万2,000トークン(約2.4万単語)までしか対応できません。
このためClaudeはChatGPTに比べ、長い論文や書籍など、ボリュームのある文書の読み取りの面で優れていると言えるでしょう。
処理速度
モデル | 処理速度 | |
Claude | Claude 3 Haiku(有料) | 超高速 |
Claude 3 Sonnet(無料) | 高速 | |
Claude 3 Opus(有料) | 遅い | |
ChatGPT | GPT-3.5(無料) | 高速 |
GPT-4(有料) | 遅い |
Claude 3のモデルHaikuは処理速度に長けているモデルであり、公式によれば、データの密度が高い研究論文 (約1万トークン)をチャートやグラフとともに3秒以内に読むことも可能です。それ以外のモデルの処理速度に関しては、ClaudeもChatGPTも大差なしと思われます。
Claudeの最高モデルClaude 3 Opus、ChatGPTの高性能モデルGPT-4は、回答の精度により重きを置いているため、処理速度が遅くなる場合があります。一方でGPT-3.5モデルは非常に処理速度が速いことで知られており、この両方を用途に合わせて使い分けるChatGPTユーザーも多くいます。
画像入力
モデル | 画像入力 | |
Claude | 可 | |
ChatGPT | GPT-3.5(無料) | 不可 |
GPT-4(有料) | 可 |
ClaudeもChatGPTも画像を用いた質問を送信することができます。ただし、ChatGPT無料版のみ画像や資料の添付は対応していません。
画像生成
Claudeには画像生成能力が備わっていません。一方、ChatGPTの有料版ではチャット上で画像生成が可能です。
URLの読み込み(インターネット接続)
Claudeはインターネットに接続されていないため、入力したURLを読み込んだり、最新情報を検索して提示することはできません。最近、ブラウジング機能の実装を示唆する発表もありましたが、現状は利用不可です。
一方でChatGPTは有料版でのみブラウジング機能が使えます。これによりURLを読み込んでサイトを要約したり、インターネット上の情報を引用したりすることが可能です。
メッセージの送信制限
現状Claudeではメッセージ送信に制限が設けられており、これを超過すると一定時間使用できなくなります。実際には、以下のような「○時まで無料メッセージの期限切れです」とのメッセージが表示され、Proプラン(無制限の有料プラン)へのアップデートが促される場合が確認されています。
▲実際の警告メッセージ「You are out of free messages until 6 PM(無料メッセージは午後 6時まで期限切れです)Subscribe to Pro(Pro に登録する)」
具体的にどの程度のメッセージ量または回数で制限がかかるのかは明らかになっていません。
一方で、ChatGPT(GPT-4)は、一回あたりの文字数の制限と、3時間あたり50回までの制限があります。
Claude 3(Haiku、Sonnet、Opus)とChatGPTのAPI価格表
ここからはClaudeそしてChatGPT(GPT-4)の性能や最大トークン数、API価格を比較していきます。
API(ApplicationProgrammingInterface)とは、アプリケーションとアプリケーションを接続し、一部を共有する仕組みのことです。APIを使うことで、他のアプリケーションが提供している機能を簡単に組み込むことができます。
以下はClaude 3(Haiku、Sonnet、Opus)とChatGPTのAPI価格表です。
Claude 3 | ChatGPT | ||||||
最大コンテキストウィンドウ | 20万トークン | 1.6万トークン | 3.2万トークン | 12.8万トークン | |||
モデル | Claude 3 Haiku | Claude 3 Sonnet | Claude 3 Opus | GPT-3.5 Turbo | GPT-4 | GPT-4 Turbo | |
特徴 | 軽くて高速 | バランス | 最高の性能 | 高速の対話 | 高性能 | 最高の性能 | |
API価格/100万トークン | 入力 | $0.25 | $3 | $15 | $0.5 | $30 | $10 |
出力 | $1.25 | $15 | $75 | $1.5 | $60 | $30 |
API価格について補足をすると、Claude 3 Sonnetであれば、100万トークンを入力し送信するごとに3ドル、100万トークンの回答を受け取るごとに15ドルかかります。通常、ユーザーはプロンプトを1つ送信するごとに1つの回答を受け取るので、一回につき入力+出力の料金がかかるということです。ちなみに、英単語1語が約1トークンに相当します。日本語では1文字1〜3トークンを消費します。
Claudeのレガシーモデル(以前のモデル)の価格は以下の通りです。
Claude Instant | Claude 2.0 | Claude 2.1 | ||
最大コンテキストウィンドウ | 10万トークン | 10万トークン | 20万トークン | |
API価格/100万トークン | 入力 | $0.8 | $8 | $8 |
出力 | $2.4 | $24 | $24 |
Claudeを利用する際の注意点
ClaudeAIを安全に活用するための注意点は以下の通りです。
個人情報保護の徹底
Claudeとの対話の中で、自分や他人の個人を特定できる情報(氏名、住所、電話番号、メールアドレスなど)を決して共有しないでください。個人情報が漏洩すると、悪用されたり、プライバシーが侵害されるリスクがあります。
倫理的な利用
Claudeは倫理的に問題のある行為や有害な内容の生成を拒否するように設計されています。違法行為、差別、ヘイトスピーチ、暴力の扇動など、倫理に反する要求は決してしないでください。
情報の新しさの確認
Claudeの知識ベースは2023年8月時点の情報で構築されています。そのため、それ以降の出来事や最新の情報については、Claudeの回答が不正確または不完全である可能性があります。重要な意思決定を行う際には、必ず最新の情報を確認し、Claudeの回答を鵜呑みにしないように注意してください。
AIの限界の理解
Claudeは高度な自然言語処理能力を備えていますが、あくまでAIアシスタントであり、人間の知能や判断力を完全に代替することはできません。Claudeの能力には限界があることを理解し、重要な判断や意思決定は人間が行う必要があります。
Claudeのその他の使い方3パターン(Poe、Slack、Perplexity)
以下の3つの方法でもClaudeを使うことができます。
- Poeで使う
- Slackで使う
- Perplexity AIで使う
なお、これらは全て日本語に対応しています。
早速それぞれの方法を見ていきましょう。
①PoeでClaudeを使う方法(追記あり)
AIチャットツールPoe(ポー)からであれば誰でも、無料でClaudeを使うことができ、さらに日本語にも対応できます。
Poeは複数のAIモデルと一箇所で会話できたり、オリジナルのチャットボットを簡単に作成できる無料・無制限のAIサービスです。Poeついて詳しくは、以下の関連記事をご参照ください。
PoeでClaudeを使うためには、Poeのアカウント登録(無料)を行う必要があります。以下に従って登録を完了してください。
Poeの登録手順
- PC・ブラウザの場合:https://poe.com/ にアクセスする
スマホアプリの場合:<iOS>または<Android>からアプリをダウンロードして開く - メールアドレス/電話番号または、Apple/Googleアカウントを連携してアカウントを登録する
- コード認証等を完了する
- チャットの画面が開いたら登録完了
PoeでClaudeを使う手順
出典:Poe
Poeのアカウント登録が完了したら、Poeにアクセスし、左上の「検索」を選択します。
出典:Poe
Claudeの3種類のモデルが出てきます。見つけられない場合は「Claude」と検索して見つけてください。
いずれかを選択するとチャットの画面が開きます。
②SlackでClaudeを使う方法【追記あり】
2023年3月、ClaudeのSlack用アプリがリリースされました。現在はベータ版として提供されているため誰でも無料で利用できますが、いつ有料化するかわからないので、ぜひ今のうちにお試しいただくことをお勧めいたします。(※追記:SlackアプリのClaudeは、Enterprise Gridワークスペース内で作業しているユーザーのみ利用できる仕様に変更されました。Claudeアプリは他のSlackワークスペースでは利用できず、メッセージに応答しません。詳しくはこちら。)
使い方はSlack内でClaudeをメンションしたり、DMを送信したりするだけで、日本語にも対応しています。
具体的には以下のような機能が活用できます。
- Slackスレッド全体を記憶して要約
- Webサイトの質問に回答
- SlackスレッドやWebサイトの内容を構造化し、データ入力に変換
- Webサイトを共有し、アイデアをブレインストーミング
それぞれ確認していきましょう。
Slackスレッド全体を記憶して要約
Claudeは、Slackに追加することで、自動で会話全体を記憶します。そのため、Claudeに「要約してください。」とメンションし送信すると、会話全体を要約してくれます。また、例えば文字数を指定したり、箇条書きにしたりなどの条件もSlack上で追加できます。
Webサイトの質問に回答
WebサイトのURLを送信すると、Claudeがそのサイトの要約をしてSlackで答えてくれます。さらに、そのサイトの内容についての質問を回答することもできます。
公式サイトで示されている活用例を元に使い方を確かめていきましょう。
ユーザーはまず以下のように送信します。
ユーザーのプロンプト
I’m interested in generating quick UI mockups with AI companion that is affordable and easy to use as a team.What product should I use, Genius in Figma or Framer?
手頃な価格でチームとして使いやすいAIコンパニオンを使用してクイックUIモックアップを生成することに興味があります。FigmaのGeniusとFramer のどちらの製品を使用すればよいですか?
(Geniusの製品サイトのURL)
(Framerの製品サイトのURL)
Please write a 2-sentence recommendation.
推薦文を 2 文で書いてください。
これに対するClaudeの回答は以下の通りです。
Claudeの回答
I would recommend using Genius in Figma over Framer for generating quick UI mockups with an AI companion, since:
Genius is built specifically for ideating and iterating UI designs in Figma with AI, while Framer is a more general prototyping tool.
Framer lacks the AI capabilities and tight integration with Figma that Genius provides for rapid UI mockup generation.
AIコンパニオンを使用して迅速なUIモックアップを生成する際には、FramerではなくFigma内のGeniusをお勧めします。なぜなら、
GeniusはFigma内でAIを活用したUIデザインのアイデアを考案し、繰り返し改良するために特に構築されており、一方、Framerはより一般的なプロトタイピングツールです。
また、FramerはGeniusが提供する迅速なUIモックアップ生成に役立つAI機能やFigmaとのシームレスな連携を欠いています。
指定したWebサイトから、ユーザーの質問に沿った内容を抽出し回答していることがわかります。
SlackスレッドやWebサイトの内容を構造化し、データ入力に変換
会話をCRMエントリーやエンジニアリングチケット、テーブルなどの構造化されたデータ入力に変換します。具体的には、Slackの会話を解釈して、それをデータベースやチケットシステム、表などの形式に整理して保存したり、処理したりできます。
アイデアをブレインストーミング
同僚と話し合うかのように、アイデアのブレインストーミングができます。詳細な情報を与えるとその分精度の高い回答が得られます。
なお、通常は過去の会話を記憶しており、回答にそれを反映させますが、ショートカット「/reset」を送ることで、それまでの会話のコンテキストをリセットできます。これにより新たな会話を始められます。
画像出典元:Anthropic \ Claude, now in Slack
②Perplexity AIでClaudeを使う方法
Perplexity AI(パープレクシティ エーアイ)とは、AIと検索エンジンを融合した「対話型検索エンジン」です。アカウント登録不要で、Bing AIと使用感が似ており、検索結果を元に正確な回答ができるのが特徴的です。
Perplexity AIには、基本的にGPT-3.5(ChatGPTの無料版モデル)が使用されていますが、月額20ドルの有料プランに加入することでClaude 2が使えるようになります。有料プラン「Perplexity Pro」では、Claude 2やGPT-4などのより高性能なAIモデルを使用した回答を得られるようになります。
Perplexity AIの詳細は下記記事をご覧ください。
Perplexity Proにアップデートする手順
1. Perplexityにアクセスする
2. 「Learn More」からClaude Proにアップデートする
3. 月額20ドル・年額200ドルのいずれかのプランを選択し「Get Started」をクリックする
4. 支払い情報等を入力し登録する
Claudeの最新モデル、Claude 3を今すぐ試そう
今回は、ChatGPTの競合である対話型AIのClaudeについてご紹介しました。ChatGPTのライバルとして圧倒的な存在感を持ち、日本での公開が心待ちにされていたClaude。その大きな期待に応える高性能な能力の数々を、ぜひご自分の目でお確かめください。
Claudeのよくある質問
Claudeは無料で使える?
Claudeは完全無料で利用できます。
Claudeは誰でも使える?
Claudeは現在は誰でも利用可能になっています。
Claudeはどうやって使う?
ClaudeはPC・スマホなどから、公式のブラウザと専用iOSアプリ、または今回ご紹介したAIチャットツールPoe、Slack、PerplexityAIなどのツール上で利用可能です。
また、ClaudeはNotionAIの技術に採用されており、Notion上でも利用可能です。
Claudeは日本語に対応してる?
Claudeは質問・回答自体は、日本語にも対応していますが、操作画面は全て英語です。そのため利用時には、ページ全体翻訳機能の活用をお勧めします。ただし、今回ご紹介したAIチャットツールPoe、Slack、PerplexityAIでは日本語で利用可能です。
Claudeはインターネットにアクセスできる?
Claudeはインターネットに接続されていないので、検索エンジンとしての利用はできません。
インターネットに接続されていると、インターネット上から最新情報を引用して回答を出力できます。代表的な対話型AIの中では「Bard」「BingAI」がこれに対応しています。
Claudeは1日当たりに送信できるメッセージの回数制限はある?
現状、Claudeではメッセージ送信に制限が設けられています。これを超過すると一定時間使用できなくなります。「○時まで無料メッセージの範囲外です」とのメッセージが表示され、Proプラン(無制限の有料プラン)へのアップデートが促されます。
ただし、具体的にどの程度のメッセージ量または回数で制限がかかるのかは明らかになっていません。
ClaudeとChatGPTはどっちがすごい?
最新モデルのClaudeは、最大トークン数やAPI価格のコストパフォーマンスなどの要素においてはChatGPTよりも優れているといえますが、簡単にどちらかが明らかに上回っているとは現状言い難いでしょう。
ClaudeとChatGPTのどちらが良い?
大きなコンテキスト ウィンドウ、高速処理、倫理的考慮事項への重点を必要とするタスクに強力な言語モデルが必要な場合は、Claudeが良い選択となると考えられます。
画像生成、Webアクセス、および幅広いクリエイティブ機能が必要な場合は、ChatGPTの方が適していると考えられます。
生成AIについての詳しい資料はこちら
生成AIについて独自にまとめた資料を無料でダウンロードいただけます。
2023年の生成AIトレンドから2024年のAI動向予想まで、活用例を含めてご紹介しています。
参考サイト:
Anthropic \ Introducing Claude
Company \ Anthropic
エティモンライン – 英語語源辞典
Product \ Anthropic
Pricing